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福島第一原発汚染水問題2013年08月22日
福島第一原発汚染水の問題が深刻化しています。私が2月1日(金)本会議の代表質問で、当時指摘した懸念が現実化しています。
引き続きこの問題に取り組んで参ります。
○藤田幸久
福島第一原子力発電所事故について質問します。
昨年秋の段階で、一日約五百トンの水が注入されているほか、約四百トンもの地下水が流入すると言われています。これらの水全体が燃料デブリに触れるなどして大量の汚染水が発生しているとも言われます。これらの汚染水は循環していると当局は説明してきましたが、実際には循環していないのではないですか。配管の劣化による破損等により途中で漏水し、周辺の土壌、地下水を汚染している危険性も懸念されています。そのような危険性はないと断定できるか、その根拠を求めます。
次に、注水の合計量は循環に必要な水量を超えるため汚染水を吸い出してタンクに保管していますが、この汚染水の現在量とタンクの個数を伺います。今後数十年にわたってタンクが増え続ければ延々とタンクが並び続けることになる非合理性をどう認識するのか、答弁を求めます。
私は、冷やすための水が結局は原子炉の中から放射能を取り出す汚染源になっているという可能性を重大視しております。放射能の外部化を止める方法などを国策として世界中の英知を集めてチームをつくって検討するときと考えますが、総理の見解を伺います。
福島原発四号機では、使用済核燃料プールに千五百体以上もの燃料棒が残されています。仮に大地震や強い竜巻が襲来し燃料棒が冷却不能になれば、膨大な放射性物質が国内はもとより、国境を越えて流出するおそれさえあります。
平成二十五年中に燃料の取り出しを始め平成二十六年末ごろに完了するとしていますが、福島県民ばかりか全国民の安心、安全を一刻も早く確保するため、取り出し作業を前倒しするとともに、竜巻などに対する遮蔽などの対策を講じるべきと思われます。この問題について警告を発してきた村田光平元スイス大使は、昨年十月に安倍総裁に会われた後も、事故処理の国策化を訴える私信を送られているようです。この重大問題への対応について、総理の見解を伺います。
原発事故による周辺地域の放射線量は依然高く、多くの住民の方々が長期にわたって避難生活を送ることを想定しなければなりません。
民主党政権において、単なる移住ではなく、元々の自治体の行政機能を維持した形での集団移転、いわゆる仮の町構想を進めてきました。仮の町構想に関しては、受入れ自治体との間で、避難期間、移住世帯の規模、仮の町での住宅、行政機関、教育機関、医療機関等の機能等について具体的な施策が固まっています。二十五年度予算案での長期避難者生活拠点形成交付金や福島復興再生特別措置法改正案が提出の見込みとなりましたが、私は、避難者の雇用のための企業立地も含めた国策が必要と考えます。国策としての仮の町構想実現の意思と課題について、総理の見解を伺います。
放射性セシウム濃度が一定以上の指定廃棄物について、昨年、環境省は、茨城県及び栃木県の最終処分場について一方的に一か所に絞った候補地を提示しました。このため、高萩市や矢板市の大きな反発を招いています。
最終処分場の候補地の選定には、選考過程の透明性向上が不可欠です。一旦白紙に戻した上で、地元住民の意見を十分に聞き、関連自治体とも十分協議を行うべきではないでしょうか。環境大臣の見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三)
東京電力福島第一原発の汚染水についてお尋ねがありました。
東京電力福島第一原発における汚染水の移送においては、巡視などにより、配管等の漏えいの有無を確認するとともに、建屋やタンク等における滞留水の貯蔵量の変化を定期的に調べ、配管の破損等による予想外の変動がないことを確認をしております。さらに、敷地内の地下水及び敷地周辺の海水中の放射性物質濃度を定期的に把握することで、汚染水の移送等において放射性物質が漏えいしていないことを確認しています。
今後とも、遮蔽や漏えい・汚染拡大の防止等を適切に行うことが必要であると考えています。
引き続きまして、東電福島第一原子力発電所の汚染水についてのお尋ねでございますが、東電福島第一原発の汚染水については、海への安易な放出は行わない方針としており、タンクへの貯蔵を行っているものであります。その際、増水の原因となる地下水の流入抑制を図るとともに、放射性物質の除去など処理を行った上でタンクに貯蔵することにより、汚染水の量の抑制に努めております。
汚染水処理を始め廃炉に向けた取組は、多くの作業がこれまでに経験のない技術的に困難な課題を伴うものであり、米国を始め諸外国や国際機関と連携し、世界の英知を結集して取り組んでまいります。
なお、御指摘の汚染水の現在量とタンクの個数については、一月二十九日現在、汚染水の量は約二十五万トン、貯蔵タンクは約八百基、またその貯蔵容量は約三十二万トンと承知しております。
東電福島第一原発四号機についてのお尋ねがありました。
東電福島第一原発四号機の使用済燃料プールについては、これまでに、建屋の損傷状況を考慮に入れた上で耐震安全性評価を行うとともに、使用済燃料プール底部の補強工事を既に終えております。一方で、プールの健全性について国内外から御心配の声があることを踏まえ、燃料の取り出しについて目標を前倒しして本年十一月に開始し、来年末ごろに完了することとしたところであります。引き続き、安全確保に万全を期してまいります。
いわゆる仮の町構想実現の意思と課題についてのお尋ねがありました。
長期避難者に対しては、早期に安定した生活を送るための拠点の整備を進めていくことが必要です。生活拠点の整備に当たっては、受入れ自治体の町づくりとの整合や行政サービスの在り方などの課題について関係自治体と協議を進める必要があり、その加速化のため、二十五年度予算案に新たな交付金の創設を盛り込んだところであります。また、避難者の雇用を促進するため、企業立地の推進など、地域経済の再生復興のための産業政策と一体となった取組も進めてまいります。
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