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竜巻被害地域視察。がれき処理を政府が財政支援2012年05月09日
8日は、巨大竜巻の被害に遭った、茨城県のつくば市・筑西市・常陸大宮市を財務副大臣として視察しました。前日の末松内閣府副大臣・渡辺周防衛副大臣などの視察に続くもので、財務省主計局の復興担当の波戸本主査、梶川秘書官、そしてつくば在住の村上秘書に同行してもらいました。
訪問先の3市の市長や被災者の皆様にお見舞いを申し上げると共に、政府としてこれまでに決定した方針を以下のように説明しました。
1 ガレキ処理に関しては、一般家屋であっても、遠くを含む他の場所からの様々なガレキなどが飛散してきた被害を受けているので、被災市に対して災害廃棄物処理事業補助金による財政支援を行う。国として2分の1の補助率と残り半分の市の補助裏分の最高8割を特別交付税として支援するので、実質9割近くを国の予算で賄う。
2 被災者生活再建支援制度を適用してきめ細かな支援が受けられるような対応を検討する。
3 つくば市の被災者で、希望する人に関しては、県などを通してつくば市の国家公務員住宅への入居を受け入れる。
4 「新がんばろう商店街77選」に選ばれた北条商店街の支援の可能性を政府内で検討する。
5 政府に竜巻防災対策の検討会議を立ち上げ、気象予報や予知、対策、住民への情報発信のあり方などを7月末までにまとめる。
つくば市では市原市長が一緒に歩いて北条の被災地を案内してくれました。
【写真左:(右から)波戸本主査・藤田・市原市長】
まず感じたのは、竜巻の破壊力の凄さです。家の土台からひっくり返す力、屋根などを100メートルも飛ばす力、そしてそのスピードの速さです。竜巻が瓦、コンクリート、ガラス、材木などを巻き込んで突進してきた傷跡が生々しく残っていました。
【写真左:中学生が亡くなった現場/中:隣の屋根が手前に覆いかぶさっています/右:水田から飛んだ泥で茶色になっています】
次に感じたのは、ボランティアの多さです。地元や近隣の青年会議所(JC)や社会福祉協議会などもそうですが、以前からNPO仲間として知り合いの石巻のOPEN JAPANの吉村誠司代表(NGOヒューマンシールド神戸代表)や肥田副代表が、私を見て声をかけてきました。なんと竜巻が起こった6日にレッカー車などの機材を持って石巻を出てつくばに駆けつけてくれたのです。宮城県の山元町の僧侶も、昨年の3.11の恩返しとして来てくれました。日立市の僧侶の知人もTシャツ姿で活動していました。
【写真左:つくばJCの木村理事長を激励/中・右:遠く宮城から来たボランティアの皆さん】
地元の建設業協会によるガレキ撤去、自衛隊や消防団、消防署などによる安否確認、東京電力と関電工による倒れた電柱の処理と電柱の復旧工事、JCなどによる炊き出し、つくばみらい市からのブルーシートの提供、などなど、素晴らしい支援の輪です。
【写真左・中:急ピッチで続く電柱の復旧作業/右:竜巻が直撃した雇用促進住宅】
竜巻に直撃された集合住宅には福島県の浪江町の避難者も数家族入居していますが、かなり住宅が壊れたにも拘らず、他に移りたくないとのこと。昨年、何か所も転々と移動を強いられた経験から、また他には移りたくないとのことです。他にも昨年の3.11に続く災害にあった方々も少なくなく、お気の毒な限りです。
筑西市では、吉沢市長・原中勝征前日本医師会長・設楽えみこ県会議員が被害にあった農地を案内してくれました。40か所にわたりビニールハウスなどが破壊され、農業を中心とした5000万円ほどの被害額に上るとのこと。こだますいか・きゅうり・葉タバコなどが大きな被害を被りました。
【写真左:吉沢市長から説明を聞く。(右から)原中前会長、藤田、設楽県議/中:被害地域の視察/右:三次市長らから説明を聞く】
常陸大宮市では、三次市長・綿引副市長などから説明を聞きました。ここではこれまでも雷雨、突風などが多い地域で、5月3日も那珂川の水位上昇で危機寸前だったとのこと。今回の竜巻は山間部で起こり、公園の樹木を40本ほどなぎ倒した。住宅地域でなくて本当によかった、とのこと。
市長からは、今回のように被害の大きい竜巻には、名称を付けてもらえると有難い、との要望を頂きました。台風、ハリケーン、地震、津波などは名詞が付くので行政上も明確な対応がとれる。竜巻に名前がないと、対応の経験を今後に活かしにくい、との理由です。政府で検討するとお答えしました。
私は、これまでにスマトラ沖津波、カシミール地震、ジャワ島地震、ハイチ大地震、東日本大地震の被災者支援に参加しました。素早く現地に入るというのが鉄則で、生の被害状況が実感しました。
被災地域での一日も早い復旧、復興を心からお祈りいたします。
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