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参議院外交防衛委員会における藤田幸久の質疑議事録2014年03月13日
活動報告
2014年3月13日
参議院外交防衛委員会における藤田幸久の質疑議事録
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。
今日は三月十三日でございます。三・一一の際には、私どもも皆様に御哀悼あるいはお見舞いの言葉を申し上げましたが、今日は主に小野寺防衛大臣に御質問させていただく関係で申し上げますと、ちょうど三年前、今日は三月十三日でございますが、その直後に福島原発の問題が起きました。実は、自衛隊機のヘリコプターによる注水活動が始まるという前後に、実は制服の方からある方を通して連絡が参りまして、北澤防衛大臣、欠席でございます、間もなくいらっしゃると思いますが、十万人の自衛官に震災対応してほしいと。ということは、我々命を懸けて対応するので、その姿勢を示してほしいと。そんな中で、当時、私は北澤大臣に申し上げて、自衛官の皆さんの賞じゅつ金が六千万円でございましたけれども、それをイラクあるいはソマリア沖の対応に合わせて九千万円に是非引き上げてほしいということを申し上げまして、当時の北澤大臣、それから野田財務大臣だったと思いますが、その決定をしていただいたというのがあの三月の第二週でございました。
それから御遺体処理も、最初一日千円ということでございましたが、これも上げていただきまして最高四千円というようなことでございましたけれども、改めて、この自衛官の皆さんの御活躍、現在も続けておられますけれども、敬意を表しておきたいというふうに思っています。
その上で、今日は普天間基地の代替案について幾つか具体的な点についてお話をさせていただきたいと思います。
まず、辺野古に移設するという代替基地の面積でございますが、現在の普天間基地の広さに比べてどの程度なのかと。ということは、海兵隊などの部隊が使う装備品、補給品等を集積するスペースが十分なのかどうかについてまずお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 東日本大震災におきましては、藤田委員始め、多くの同僚の議員含めて、政府からも御支援をいただきました。被災者の一人として改めて感謝を申し上げたいと思っております。
今御指摘がありました辺野古に移設する代替施設の面積ということでありますが、今回全面返還される普天間飛行場の面積約四百八十一ヘクタールに比べまして、普天間飛行場の代替施設の面積については、既存の陸上部及び埋立部を合わせて約二百五ヘクタールでありまして、大幅に基地の規模が縮小をされております。
今御指摘がありましたが、面積等で十分なのかという御指摘でございますが、今回の代替施設におきましては、格納庫、燃料施設、車両整備場、通信機整備場、倉庫等の施設を建設することとしており、これらは米海兵隊の運用所要を満たすよう計画をされております。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
その辺野古に配備される米軍機でございますけれども、今、普天間に常駐しておりますKC130空中給油機を除くオスプレイなど七機種四十一機というふうに理解をしておりますが、その数字はさておきまして、米国本土の方から飛来を想定しているいわゆる輸送機の機種を挙げていただきたいと思います。
これは、有事の話ではなくて平時の話でございますから、その飛来機種等の内容をこれは明らかにしていただく責任があると思っておりますから、そんな観点からお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 普天間飛行場に米国本土などから飛来することがあらかじめ想定されております米軍輸送機の種類については、米側が公表していないため承知をしておりませんが、米側資料によれば、普天間飛行場のように二千八百メートル規模の滑走路を有する飛行場にはC5、C17、C130等の輸送機が着陸することが可能であるというふうに承知をしております。
また、一方、これまでに国外から普天間飛行場に飛来した実績のある米軍の輸送機としては、C5、C17、アントノフがあると承知をしております。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
それで、その想定している機種ごとのペイロード、実際に搭載する旅客、手荷物、貨物などの重量は何トンかということと、今挙げていただきましたその飛行機の離陸に必要な距離というもの、それで、それぞれの機種が何機を想定しているのかということについてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 今御指摘ありました機種ごとのペイロード、それから離陸に必要な距離ということであります。
ペイロードは、御案内のとおり、実際に搭載する旅客、手荷物、貨物などの重量ということになりますが、先ほど報告させていただきました航空機ごとであります。
一般的な資料によれば、これらの輸送機のペイロードのトン数及び離陸に必要な滑走距離につきましては、C5のペイロードは約百二十トン、滑走距離は二千五百三十メートル、C17のペイロードは約七十七トン、滑走距離は二千三百六十メートル、C130のペイロードは十九トン、滑走距離は千九十二メートル、アントノフのペイロードは百五十トン、滑走距離は二千五百二十メートルであると承知をしております。
○藤田幸久君 つまり、辺野古沖案は千八百メートルでございますから、今お話しになりましたC17あるいはアントノフ等は、これは辺野古には飛来できないということでよろしいですね。
○国務大臣(小野寺五典君) 今のペイロード等につきましては、今回辺野古に移す代替施設の滑走距離を考えますと、基本的には着陸距離としては短いというふうに考えております。
ただ、これはあくまでも距離だけで考えますと、例えばC130は一千九十二メートルということで、距離的には間合いを満たすことになると思いますが、少なくとも、今回辺野古への移送に関しては、今お話ししましたように、かなりの機種が滑走距離が短いということで着陸できないということになると思います。
○藤田幸久君 それから、海兵隊の人員移動のためにチャーターする一般旅客機の種類とか機数、それからペイロード、それから同じように離陸に必要な距離をお聞きしたいと思うんですが。
と申しますのは、これはアメリカの言わば空軍の予備役に相当する民間予備航空隊、CRAFというのがあって、これはイラクのサウジ侵攻等を防いだという実績もあるわけですが、こういうチャーター機制度を使って派遣される海兵隊員の数というものは最大どのくらいを想定しているのかということについてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 今委員から御指摘ありましたCRAF、民間予備航空隊、これは、緊急事態等に際し、米軍機が空輸の必要に対応し切れない場合、あらかじめ国防省と契約を結んでいる民間航空会社の航空機を使用して米軍の輸送任務を実施する制度であると承知をしております。
昨年七月現在、本制度には五百五十三機の航空機が参加しており、そのうち貨物及び人員の国際的な長距離輸送に用いることができる航空機は主にB747やB777等の機種から構成されておりまして、機数は計三百八十七機となります。それらのペイロードは約六万五千キロから十一万二千キロ、乗客数は三百人から約五百人に及び、離陸に必要な距離は二千メートルから約三千メートルというふうに承知をしております。
なお、この制度を使って一時的に派遣される最大の人員については、制度の運用の詳細が明らかではありません、また、任務や空港の能力等によって異なるため、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思っております。
○藤田幸久君 そうしますと、まず、先ほどのアントノフあるいはC17等も辺野古に飛ばなくて、これは九州の新田原等に受け入れるということになっているようです、築城とかですね。それから、今おっしゃっていただいた民間予備航空隊、それから緊急時の海兵隊の運搬等に関する飛行機の方も、これ747とか777というのは、これも離陸距離は長いわけですから、これも辺野古に飛べないわけですね。これもやはり宮崎あるいは福岡の築城あるいは新田原等に飛来すると考えてよろしいんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 今御指摘がありましたように、緊急時に普天間基地が米海兵隊の増員部隊を受け入れる機能の代替施設ということで整備をいたしますのは、宮崎県の新田原基地、福岡県の築城基地と私どもとしては考えております。
○藤田幸久君 そうしますと、質問、聞いていたんですが、数字、私が把握している範囲で申し上げますと、ボーイング777は二千八百メートルと理解しているんですが、一方、新田原とそれから築城は滑走路が二千三百九十九メートルとか二千七百一メートルと理解しておりますので、ボーイング777の二千八百メートル、離陸距離というのは、これはその二つの空港に行けないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 具体的にこれから、この緊急時に利用することになっております二つの飛行場につきましては、今後米側と調整をしながら整備を進めていくということになります。
○藤田幸久君 ただ、辺野古に決めて、つまりヘリコプター、海兵隊部隊は普天間から辺野古に行くわけですが、今までいろいろお聞きしたことを総合しますと、普天間飛行場の重要な任務であるところの有事機能は、これはもう辺野古に全然行けないと、ほとんど。むしろ、辺野古以外のところで受けざるを得ないということを今までおっしゃっていただいた内容からすると確認できるわけですが、それでよろしいわけですね。
○国務大臣(小野寺五典君) 今、緊急時の受入れ空港でありますが、平成十八年の日米のロードマップにおきまして、普天間飛行場の能力を代替することに関連する航空自衛隊新田原基地及び築城基地の緊急時の使用のための施設整備は、実地調査実施の後、普天間飛行場の返還の前に必要に応じて行われるという旨が合意されております。
この新田原基地及び築城基地におきまして緊急時に米軍のどのような機種の航空機がどの程度飛来するかについては、これは今後日米間で協議するということになりますが、少なくとも、平成十八年の日米のロードマップにおきましては、緊急時に受け入れる代替の基地ということでは新田原基地と築城基地ということで合意をされております。
○藤田幸久君 有事の際というは、アメリカの海兵隊だけじゃなくて、アメリカの空軍、海軍、陸海空軍、それぞれまた飛んできます。それから、自衛隊も陸海空それぞれ必要に応じていろいろ展開するわけですね。したがって、この新田原、築城等も、これ自衛隊の方も実際に活動するわけで、海兵隊以外の実は陸海空の関係も有事の場合には沖縄等に展開をすると。
その場合に、これ先ほど実際にどのくらい民間予備航空隊で来るかという人数についてはおっしゃいませんでしたけれども、昨年の五百五十三機等々のお話からしますと、この有事機能を全部辺野古以外に持っていき、かつそれだけいろいろな航空機等が来、かつ海兵隊以外の米軍及び日本の自衛隊が展開する場合に、それで収容できるんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 今御指摘がありました緊急時に米軍のどのような機種がどの程度飛来するかということは、これは日米間で協議を行っているというところであります。日米間で協議を行った中で平成十八年の日米のロードマップの方向も決まったということでありますので、いずれそのようなときにはどのような対応をするかというのは、日米の協議ということになると思っております。
○藤田幸久君 ただ、これから何か日米協議のようなお話をされましたけれども、少なくとも、普天間の移設を辺野古に決めて、そして有事機能については九州の飛行場に持っていったということは、あらゆることを想定した上で、これでフィージブルだというふうに断定をしているわけですから、これは、協議ということではなくて、あらゆることを想定して決めていなければ実現性がない、ましてや、昨今、安全保障環境が悪化しているとおっしゃっている以上は、安全保障環境が更に悪化した上でそれだけの有事機能を本当に担保できるかという、その裏打ちについてはどの程度協議が進められているんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) まず、先ほどお話をしておりますが、緊急時におきまして普天間基地の代替という、緊急時の受入れを行う代替施設として整備するのは宮崎県の新田原基地と福岡県の築城基地ということになります。これは日米のロードマップにおいて合意をされておりますし、当然、それに向けて日米でどのような、そういう事態に対しては対応できるかということはしっかり詰めている内容だと思っております。
また、その後も様々な、安全保障環境も当然変化することでありますので、防衛省としましては、日米間の連携を密にしまして、不断の協議を行い、しっかりとした対応をできるような、そういうお互いの日々の努力をしているということであります。
○藤田幸久君 それで、普天間飛行場の使用計画に関して今まで明らかになっているのは、九六年の朝鮮半島有事に備えて策定された使用計画、これは、米軍がKC130空中給油機を含む常駐している約七十機に加え約二百三十機を順次増派して、大体合計三百機で作戦を遂行するということが、これはアメリカの公文書でも明らかになっているわけですが、これ、九六年、大分前ですけれども、こういった使用計画があったということは防衛大臣の方で確認はされておられますか。
○国務大臣(小野寺五典君) 今御指摘されました、これは一九九六年でしょうか、朝鮮半島有事における普天間飛行場の使用計画に関する報道というのは承知をしておりますが、当該計画について、事柄の性質上、防衛省として確認したかどうかを含め、お答えを差し控えさせていただきたいと思っています。
いずれにしても、普天間飛行場が有する緊急時の基地機能につきましては、航空自衛隊新田原基地及び築城基地に移転するということに日米間で合意をしております。
○藤田幸久君 それでは、これは十数年前ですけれども、この使用計画、現在は当時と比べて安全保障環境は悪化しているという認識はありますでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 例えば報道では、これは、一九九六年の内容については朝鮮半島有事ということでありますが、私どもとしましては、周辺の安全保障環境、これは日々変化があるものだと思っております。どの時点と比較して今が悪化しているか、あるいは改善しているかというのは、なかなか評価が難しいことだと思います。
○藤田幸久君 そうしますと、かなり悪化している中で、十数年前だけでもこれだけの作戦が遂行することを想定していたわけですけれども、そうしますと、先ほど来いろいろ聞いてきましたけれども、例えば、CRAFも五百五十三機という話をされましたが、一機当たり三百数十人という話がありましたけれども、それ、単純に計算しましても一万数千人になっちゃいますね。
ところが、私が調べた限りで、実はCRAFに登録されている民間機は千三百機以上という話もあります。そうすると、それに単純に三百数十掛けますと四、五万人が飛来するという前提になってしまうわけですが、その辺、数字を確認をされて、安全保障環境が悪化をし、そしていわゆる普天間の機能そのものと有事機能に関してどういう想定で対応を考えているか、これは非常に重要な話だろうと思いますが、本当にその辺の確認をされているんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) まず、CRAFの機数につきましては、私どもの調査によっては、昨年七月現在、本制度で参加しているのは五百五十三機ということでありますので、これが、米軍が、私どもとして知っている限り、輸送任務を行う民間の航空機ということになると思っています。
今御指摘がありました様々な安全保障環境の中で、あるいは今現実に直面している安全保障環境の中で以前の合意の内容で十分かという、そういう指摘だと思いますが、昨年の秋だったと思いますが、アメリカの国防長官と私との会談の中で、あるいはその後の2プラス2の中で、現在のキャンプ・シュワブへの移設を含めた緊急時の航空機については、新田原と、それから築城、こういう全ての合意内容について確認をされ、日米間で合意をしているということでありますので、当然、運用についてもこの内容で対応できるという中での合意というふうに理解をしていただければと思っております。
○藤田幸久君 それでは、普天間基地のいわゆる海兵隊、第一海兵航空団でございますけれども、この編成定数を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 海兵隊の第一海兵航空団、これは普天間に所在します第三六海兵航空群──済みません、これ機数でしょうか、定員だったでしょうか、今の質問は。
○藤田幸久君 編成定数。
○国務大臣(小野寺五典君) 失礼いたしました。
海兵隊の第一海兵航空団は、普天間に所在する第三六海兵航空群、岩国に所在します第一二海兵航空群、ハワイに所在する第二四海兵航空群を主要な隷下部隊として有しており、米側の公表資料等によれば、所属機はおおむね百五十機程度に及ぶと承知をしております。
○藤田幸久君 第一海兵航空団は四百五十数機じゃないでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 私どもの調査によりますと、海兵隊の第一海兵航空団は、今お話をしました普天間に所在する部隊、岩国に所在する部隊、ハワイに所在する部隊を隷下部隊としており、この合計は、これは米側の公表資料によれば所属機はおおむね百五十機程度というふうに承知をしております。
○藤田幸久君 そうすると、この第一海兵航空団、現在普天間に飛来しているもの、その部分は辺野古沖に飛来できるんですね。
○国務大臣(小野寺五典君) KC130空中給油機以外のものについては、普天間から辺野古沖、キャンプ・シュワブ沖への移設が可能ということになります。
○藤田幸久君 つまり、実は昨日、質問レクで防衛省の方、七、八人来ていただきました。私、今までのこのような話していましたら、若い皆さん、ちょっと顔を合わせて、これはどうかなという話になっていたんですけど。
これは、別に細かいことは余りという面もあるけれども、ただ、基本的に、今普天間にどういう部隊がどの程度あって、それがどの部分が辺野古に行き、緊急の時には九州等でどのぐらい受けるのか。訓練の半分ぐらいがオスプレイが本土にということはこの間もアメリカの司令官は言っていますけれども、最低その程度のことは、ある程度、質問レク来ていただくくらいの方、つまり防衛省の方々の中で基本的な情報としてやはり共有をしていただかないと、基本的に、これ非常に大きな辺野古の移転の問題、予算も関わるものですから、やっぱり確認をしておいていただきたいと。
それで、要は、鳴り物入りのこの辺野古の部分は、いわゆる海兵航空団は行くけれども、ほかは全部ほかのところに行ってしまうという流れで、これで、私はアメリカのケビン・メアさんとも何回もお話ししたことありますが、要するに、海兵隊は作戦所要上は非常に不満だけれども政治的に渋々受け入れたと。その部分は、私は非常にやっぱり大きなことであると思いますので、今後の安全保障環境の悪化に伴って是非対応をしっかりやっていただきたいというふうに思っております。
次に移りますけれども、埋立ての工事費用は約二千三百十一億円とされておりますけれども、それは埋立てだけです。飛行場を含む全体の工事費はどの程度を想定しておられるんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 普天間飛行場の移設に関する経費ということで、今、埋立工事に関する経費は、委員が御指摘されましたように二千三百十一億円というふうに見積もっております。それ以外ですが、環境保全措置あるいは飛行場施設の整備、キャンプ・シュワブの再編成などに要する経費、これが更に加わるというふうに想定をされます。
現時点においてこうした事業に関わる経費の総額を正確に見積もることは困難ですが、大まかな見積りでお話をいたしますと、少なくとも三千五百億円以上と見込んでおります。
○藤田幸久君 では、これまで検討されてきた辺野古以外の主な代替施設案の想定される工期と建設費を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 日米両政府は、昨年十月の2プラス2共同発表におきまして、普天間飛行場をキャンプ・シュワブに移設することが同飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であるということを累次確認をしております。
そして、飛行場代替施設の具体的な移設先としては、滑走路を含め所要の地積が確保できること、既存の米軍施設・区域を活用でき、その機能を損なわないで極力短時間で移設し得ること、移設先の自然環境、生活環境に最大限配慮し得ることなどの条件を考量しまして日米間で検討した結果、これらを総合して条件に満たし得るのはキャンプ・シュワブしかないという結論であります。
ですから、キャンプ・シュワブ以外の移設案に関わる政府内の検討の詳細については、個々にお答えすることは困難だと思っております。
○藤田幸久君 ですけど、やっぱりこれは国民の税金の話で桁が大きい話ですから。
ですから、例えばシュワブ、かつての陸上案のときには、いろいろ言われていたのが、工期が十年ぐらいで三千億円とかいう話です、全体でですよ。それから、埋立てでいうとホワイト・ビーチが十年から十五年ぐらいで一兆円を超えると言われていました。それから、たまたまなんですが、普天間基地と同じような規模で最近の飛行場でいうと、静岡空港は千九百億円です。
そうすると、静岡空港千九百億円、埋立てだとホワイト・ビーチで一兆円を超えるとなると、今の辺野古で埋立てだけで二千三百十一億円ということは、何か先ほど三千五百億円とかいう話ししましたけど、これは兆を超える話じゃないですか、全体で。今の段階で三千五百億円というような数字をおっしゃって本当によろしいんですか。どういう根拠でその程度の数字をおっしゃるのか、今、島尻さんも見ていらっしゃいますけれども、おっしゃってください。
○国務大臣(小野寺五典君) 今幾つかの事例を挙げられておりますが、日米間ではキャンプ・シュワブ沖、辺野古に埋立てし、移設するということが決まっております。これが唯一の案だということで見積もっているということが前提であります。そして、埋立工事でありますが、元々ここにはキャンプ・シュワブの基地があります。その沖を一部埋め立てるという形での工費ということだと承知をしております。
私どもが現在見積もっておる数字は、大まかではありますが、少なくとも三千五百億円以上という、そういう見込みであります。
○藤田幸久君 少なくともということは、それ以上拡大をするという言い方にも取れましたけれども、これはやはり、もう少し具体的な数字を是非国民のために誠意を持って開示をしていただきたいと思います。
それから、辺野古の代替施設が完成する前に、仲井眞知事の方から普天間基地を五年以内で運用停止を求めるということで、安倍総理もそういう発言をされておられるようですけれども、ちょっとこれ、まず基本的にお聞きしたいんですが、運用停止と閉鎖というのはどう違うんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) まず、昨年十二月十七日に沖縄県知事からいただいた普天間飛行場の五年以内の運用停止を始めとする基地負担軽減に関する四項目の御要望について、これは沖縄県知事からそういうお申出がありました。そのことについて、総理が述べられたとおり、沖縄県全体の思いとしてしっかりと受け止め、政府としてできることは全て行うという基本姿勢ということであります。
○藤田幸久君 私の質問は、運用停止と返還の違いを答えてくださいと聞いております。
○国務大臣(小野寺五典君) 私がお答えをしておりますが、昨年十二月十七日に沖縄県知事からいただいた普天間飛行場の五年以内の運用停止を始めとするという御要望であります。これは沖縄県知事の御要望でありますので、その内容について、意味については私が答えるのは適当ではないと思います。
○藤田幸久君 運用停止を日本政府としてアメリカ側に求めていらっしゃいますでしょう、安倍総理もおっしゃっているように。
その運用停止の意味、用語の意味を聞いている、運用停止ということと閉鎖の違いの意味を聞いているんです。それ知らないで安倍総理はアメリカ側に言っているんでしょうか。
ですから、小野寺大臣、運用停止という言葉の意味と閉鎖の違いはどういう違いがありますかと聞いております、先ほどから。
○国務大臣(小野寺五典君) 言葉遣い、用語というのは、それぞれ使っている方が様々なお考えで使っているということだと思います。
私どもとしては、知事からいただきました普天間飛行場の五年以内の運用停止を始めとする基地負担軽減に関する四項目の御要望について、総理は、沖縄県民全体の思いとしてしっかりと受け止め、政府としてできることは全て行うという基本姿勢でありますということであります。
○藤田幸久君 委員長、答えさせてください。
○国務大臣(小野寺五典君) 改めてお話をしますが、私がこの停止というような例えば用語を使ったわけではありません。これはあくまでも沖縄県からの御要望でいただいております普天間飛行場の五年以内の運用停止という、そういう内容でございますので、そのことについての用語について私が、沖縄県の要望について、ここでその内容についてお答えするのは適当ではないと思います。
○藤田幸久君 ですけれども、日本政府としてアメリカ側に要望しているんじゃないんですか。アメリカ側から聞かれたら、知らないと答えるんですか。
運用停止と閉鎖の違いを聞いているんです、単純に。
ちょっと時間もったいないので、止めるか、答えて。
○国務大臣(小野寺五典君) 是非御理解いただきたいのは、沖縄県からの御要望でいただいているこの内容であります。その停止を含めた内容ということにつきましては、私どもとしていただいている要請書にある内容だというふうに承知をしております。(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(末松信介君) 速記を起こしてください。
○藤田幸久君 では、普天間飛行場の運用をサスペンドという言い方をしていますけれども、そして、普天間を閉鎖しないこともあり得るわけですね。
○国務大臣(小野寺五典君) 委員の質問の意図がよく分かりませんが、あくまでも、私どもとして沖縄県からいただいている要請というのは、普天間飛行場の五年以内の運用停止を始めとする基地負担軽減に関する四項目の御要望ということであります。
○藤田幸久君 運用停止以外のことは答えなくて結構ですから。
運用停止の意味はどういうことですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 運用停止ということの要望でありますので、それはいわゆる運用停止ということだと思います。そして、最終的には一日も早い返還を目指すということだと思っております。
○藤田幸久君 不誠実ですけれども。
では、運用停止し、辺野古の方がまだ基地が完成しないという場合に、アメリカのいわゆる作戦行動というものはそれでも担保されるのか、それから、それに従って日米同盟による有事対応の影響はないのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 代替施設が完成する前に普天間飛行場が運用停止した場合に有事対応に支障が出るのではないかという御懸念でございますが、現在の安全保障環境に鑑みれば、米軍の抑止力を維持することは大前提である一方、沖縄の負担軽減をできるだけ早期に目に見える形で進めていくことも必要であると考えており、抑止力の維持と負担軽減を両立させていく考えであります。
いずれにしても、移設されるまでの間、普天間飛行場の危険性除去が極めて重要な課題であるとの認識の下、目に見える形での負担軽減に向けて引き続き全力で取り組みつつ、普天間飛行場代替施設建設事業については、今後の調査、設計を経て速やかに工事に着手するとともに、事業期間が少しでも短縮されるように努め、一日も早い普天間飛行場の返還とキャンプ・シュワブへの移設に向けて全力を尽くしてまいりたいと思っております。
○藤田幸久君 ちょっと大臣、もう少し誠実に答えてください。丁寧に質問しているんですから。
ということは、先ほど来明らかになってきたように、有事機能は九州の方に行く、それからオスプレイは半分ぐらいが国内に行く、県外に行く。それで、運用が停止した場合に、辺野古基地の役割というのは非常に少なくなりますね。ほとんどないんじゃないか、極めて限られていますけれども、それでよろしいんですね。
○国務大臣(小野寺五典君) 普天間飛行場におきましては、現在、ヘリ部隊による海兵隊陸上部隊の輸送機能、ヘリなどに空中給油を行う機能、緊急時に多数の航空機を受け入れる基地機能といった三つの機能を有しております。
○藤田幸久君 まるで答えていませんが、ちょっと時間の関係で言いますけれども、今日明らかになってきたことは、実は大変な有事対応で米軍海兵隊予備役の方、それから様々な形での飛行機が飛来をしてくる。そして一方で、仮に運用停止というようなことになった場合には、そのギャップができてしまう。一方で、大変その工事費用についても、埋立てだけで静岡空港並み、あるいはシュワブ陸上と言っていたぐらいの実は予算が掛かってしまうと。
こういうこの辺野古案について努力をされているならば、現在の案の妥当性とフィージビリティーとそれからコストといったものについて、是非もっと国民に明らかに示していただきたいというふうに思います。これは民主党政権も間に関わっておりましたので、私自身も自戒を込めて申し上げておりますけれども、今のようなことを細かく実は検証していきますと、そういった点を明らかにすることが非常に重要じゃないかという観点から質問させていただきました。
それで、あと三分ほどでございますので、外務大臣にちょっと一つお聞きをしたいと思っております。
二月十日に在日米軍のアンジェレラ司令官という方が特派員クラブでの記者会見、雪で来れなかったので電話会談になったそうでございますけれども、そのときに司令官に対する記者からの質問で、尖閣諸島などでの日中の軍事衝突が起きた場合の対応について、衝突を起こさないような対応を最優先とすべきである、仮に衝突が発生したら、安全対応を高め、人命の救助が最も重要であると。これはロックリア元帥と同じ意見だと言いながら、日米同盟の強さが第一だと、次に、自衛隊の長年にわたる専門的な行動と能力であるというように述べたと。
私も読んでみましたけれども、これを読んでみますと、これは、尖閣諸島は日米安保の対象であるということは言っているわけですが、実際に紛争が起こった場合には米国は直接軍事的な関与は行わないというのが全部読んでみた流れというふうに受け止めるのが自然だと読んだんですが、どう思われますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、日米安全保障条約五条は、日本の施政下にある領域に適用されるとされています。米国政府は、この尖閣諸島が日本国の施政下にあり、日米安全保障条約五条の適用範囲であること、こうした米国の立場、累次にわたって表明をしてきております。
その中で、御指摘のこのアンジェレラ在日米軍司令官の発言ですが、私もこの発言読ませていただきました。安全対応を高め、人命の救助が最も重要である云々の御発言があった次第ですが、この発言は、これは同時に、軍事行動はしないという内容のものではないと私は受け止めておりますので、先ほど申し上げました、従来、米国政府が表明してきた立場とこれは矛盾するものではないと私は理解しております。
○藤田幸久君 軍事的な行動はしないと言っている部分の英文の部分をおっしゃってください。今おっしゃったのは、軍事的な行動はしないというふうには読めないとおっしゃったわけですから、どの部分の表現がそういう大臣の判断になったのか、その部分の、私も現物持っていますけれども、おっしゃってください。
○国務大臣(岸田文雄君) 私は、個別の箇所を指摘しているのではなくして、この発言全体の中で、こうした発言は実際行われたわけですが、それと並行して、軍事行動をしないという部分は存在しませんので、軍事行動を否定したものではないと思いますので、従来の米国の立場と矛盾しないのではないか、そのように申し上げた次第でございます。
○藤田幸久君 つまり、軍事行動をするという表現は一言もないわけです、この文章の中に。軍事行動をするあるいは軍事的な関わりをする、米軍という主語でもって、つまり、自衛隊については書いています。だけれども、米軍がという主語と、軍事的行動という表現は一言もないということを今お認めになったということですよね。
○国務大臣(岸田文雄君) 逆に、軍事行動をしないという発言もこの中には何も存在しないと理解しております。そういったことから、従来の米国の立場と矛盾しないのではないかと申し上げております。
○藤田幸久君 時間が参りましたので終わりますが、軍事行動を示唆する表現は一言もなかったということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
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