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参議院東日本大震災復興特別委員会における藤田幸久の質疑議事録2013年12月04日

活動報告

2013年12月4日

参議院東日本大震災復興特別委員会における藤田幸久の質疑議事録

○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。
 私、隠れた被災県と申しますか、茨城の出身でございまして、実は、根本大臣、茨城も大変な被災県でございますけれども、それ以上に東北、大変な状況でございましたので、まずは東北の関係から御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、厚労関係でございます。
 平成二十三年四月に創設された被災地の訪問看護サービスの特例措置というのがございまして、看護職員二・五人以上のところを常勤一名以上とするということでございますけれども、これが十月をもって廃止をされました。元々医療過疎であったんですね、被災県においては。ところが、震災発生後、看護師さんの流出が非常に増えています。また、病院も被災をし、地域医療の発展にこの特例措置が大きく寄与したと考えるわけですが、なぜ特例措置を十月で終わってしまったのかについてお答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(赤石清美君) 藤田委員にお答えいたします。
 私も隠れた被災地青森県の出身でございまして、非常に医療に関しては医師の偏在含めて大変だなというふうに思っております。
 先生御指摘の十月十一日をもって特例措置が廃止となりました石巻市及び南相馬市については、この二つの市が市内の訪問看護ステーションの状況を調査しましたところ、石巻市においては必要な訪問看護サービスが提供されていること、さらに、南相馬市においては、新たな訪問看護ステーションが開設される等、訪問看護サービスの提供が充実されつつあることから、特例措置の継続をする必要はないとの意向が示されたところであります。これを踏まえまして、八月の社会保障審議会介護給付費分科会において廃止することが適当とされたものであります。
 なお、これらの地域で現在の利用者に対して行われている訪問看護サービスについては、その利用者等が不利益を被らないよう一定の期間の経過措置を設けているところであります。
 以上です。
○藤田幸久君 そのヒアリングといいますか、そういう理由ですると、一応対応できているというふうにおっしゃるんだろうと思いますけれども、要は、この部屋には厚労関係の方いらっしゃいますけれども、実際にこの看護師さんが少ないというニーズ、そしてそのシステムは国なり県の方で決めるわけですけれども、基本的に足りないというニーズにこたえるということが、これは震災でございますから重要だろうと思うんですけれども、そもそも、新たな患者がいれば、それは対応は可能かもしれませんけれども、実際に看護師さんが減って患者さんが増えていると。
 それに対して、今までは二つの市だったわけですけれども、ほかの地域も含めて、やはり実際に看護師さんが来る方法とすれば、私は非常に有効ではないか、そういうきめ細かな対応が必要ではないかと。私はそういう地域の皆さんの声を聞いているんですね、実際に行ってみると。実際に行ってみてこうだと。そのシステムを埋めるのが国の政策だろうと思いますが、そういう観点からいかがでしょうか。
○大臣政務官(赤石清美君) 続けてお答えさせていただきます。
 この訪問看護ステーションの指定要件として看護師を最低二・五人以上配置すべきとの基準が設定されておりますけれども、この基準は介護保険制度における給付対象としての安定的かつ安全なサービスの提供及び地域包括ケアを推進するための二十四時間三百六十五日の継続的なケアの提供を確保するための必要最低限の人数であると考えております。
 また、現行制度においては、主たる事業所に一・五名が配置されていれば、従たる事業所、いわゆるサテライトでありますけれども、これでは一名の配置で訪問看護を提供することが可能であります。看護師確保が困難な地域においてはこのようなサテライト事業所の活用も併せて必要な看護サービスの確保を推進していきたいと考えております。
 なお、特例措置は被災地の状況に応じて三度にわたって延長されております。その対象地域は、当初の東日本大震災に際し災害救助法が適用された市町村の区域、これは東京都を除きまして。地元の意向を踏まえつつ、平成二十四年二月には岩手県、宮城県及び福島県内の市町村に限定されてきました。さらに、平成二十五年四月からは宮城県石巻市及び福島県南相馬市のうち指定訪問看護サービスの確保が著しく困難な地域と順次変更されて、十月十一日をもって廃止となったところでございます。
 以上です。
○藤田幸久君 二十四時間三百六十五日対応とおっしゃいましたけれども、であるならば、特例措置にする必要がないわけでございまして、一つはですね。それからもう一つは、結局二十三年四月に創設されたシステム、特例措置ですけれども、実際にサービス始まったのは今年の二月ですね。二月に始まって九月ということは、打ち切っちゃっているわけですね。そうすると、今までの患者さんには対応継続が可能ですけれども、結局新規開拓は認めないということですね。
 そもそもの二十四時間三百六十五日なのになぜ特例措置にしたかということと、結果的に二月にサービス、スタートして、九月に打ち切るということ自体が問題ではないかと、その二点についてお答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(赤石清美君) 先生の御指摘の、この東日本大震災復興特別区域法に基づきまして特例措置として認められております訪問リハビリテーション事業所整備推進事業は、被災地域における医師の確保が困難な実情に対応して、開設主体を病院、診療所及び介護老人保健施設に限定しないこととしております。参考までに、病院、診療所及び介護老人保健施設は、いずれも医師の配置を要することとなっております。
 今後の事業の継続の必要性については、本事業の実施状況や被災地域における医師の確保の実態等を踏まえて検討されるべきと考えております。
 以上です。
○藤田幸久君 やっぱり被災地なんですね。特に医療はニーズが大きいんですね。結果的に受けられない方が出てしまうということが問題なのであって、したがって、数字の計算で判断基準を患者対看護師の数という観点だけではなくて、やっぱり実数が増えることが非常に重要だろうと思うんですね。実数を増やすような工夫というのはできないんでしょうかね。
○大臣政務官(赤石清美君) 委員御指摘のように、実数が足らないわけでありまして、様々な工夫が必要だと厚生労働省としても考えております。
 今、特に看護師さん、医師さん含めて、そういう医療技術者が足らないことも十分認識しております。このことについて、これから様々な工夫を考えていきたいと、まず先生の御指摘も含めて検討してまいりたいと、このように思っております。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 是非そういった姿勢で、実数が増えるような。その工夫は、医療の専門家もいらっしゃいますし、いろいろ後でも御質問いたしますけれども、やっぱり大震災以降初めて、医師会、看護師会、歯科医師会、技工士会等が四十団体ぐらいですか、集まってやっていると。それまでなかったわけですね。中央防災会議に例えば医療関係者は入っていなかったわけですよ、日赤以外は。各県は先生入っているわけですよ、福島県でも。それぞれ警察等々、それから医師会とか。国の方が遅れていたと。その辺がすき間になっていると思いますので、是非、厚労省の腕の見せどころですから、知恵を出していただきたいというふうに思います。
 次の質問ですけれども、被災地における医療・介護確保の特例でございますけれども、医師等が少ない地域で医療、福祉サービスの提供が可能となる復興特区として訪問リハビリ単独事業所開設が認められておりますけれども、これも今までの御質問の流れでいうと、時限立法として終了する方向なのか。これもやっぱり是非、今申し上げたような同じ理由で継続すべきと考えるわけでございますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(赤石清美君) お答え申し上げます。
 委員の御指摘のように、私も臨床検査技師でして、医療従事者の一人でありますけれども、やっぱりどうしても地方の医療技術者の確保という点ではかなり難しいわけでありまして、私の臨床検査技師も、この被災地においては非常に苦労しないとなかなか集まってこない、特に新卒者はほとんど入ってこれないという状況が続いておりますので、リハビリテーションについても同じことが言えるわけでありまして、そういうことも含めて、先生の御指摘の点を含めて前向きに検討させていただきたい、このように思っております。
○藤田幸久君 是非、役人用語じゃない、政治家としての前向きに検討ということで進めていただきたいと思います。
 訪問看護ステーションですけれども、これは医療保険と介護保険の両方が適用されるわけですが、訪問リハビリステーションは介護保険のみの適用です。その場合に、高齢者以外のサービス提供はできないという状況にあります。これは、看護師の雇用を確保して医療保険適用も加えることによって、高齢者以外、六十五歳以外の実はリハビリを必要としている障害を持つ人々がたくさんいるわけですが、そういった方々にもサービスが提供できると思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(赤石清美君) 続けてお答え申し上げます。
 先生御指摘の医療保険のリハビリテーションについては、脳卒中や心筋梗塞など疾病の発症に伴う身体機能の低下の回復を目的とし、主に急性期、回復期の患者を対象としております。その一方で、状態が安定し、機能の更なる低下の防止を目的とし、主に維持期、生活期の高齢の利用者を対象とする介護保険のリハビリテーションと役割を分担しているところであります。
 しかし、御指摘の若年の訪問リハビリテーションについては、急性期や回復期といった患者の状態像とは重ならないだけではなく、主として高齢者の利用者を対象とする介護保険の訪問リハビリテーションにも該当しておりません。
 なお、症状の安定していない急性期や回復期の若年の障害者に対しては、医療機関や訪問看護ステーションから訪問リハビリの提供が可能であるほか、若年の障害者に対しては、自立支援を進めるためのサービスとして通所型の機能訓練が利用可能であります。
 また、被災地の特例措置として実施されている訪問リハビリステーションについては、新たに一定数の看護師を雇用し、訪問看護ステーションの指定を受けていただくことによって、医療保険からの訪問看護の中での訪問リハビリが提供されることとなります。
 以上です。
○藤田幸久君 若年とおっしゃいましたけれども、六十五歳以下、例えば五十とか六十四ぐらいまでの方というのは、若年というよりも中年から老年の手前の方ですね。要は、現場の受ける側からしてみますと、要するに訪問看護ステーションから療法士の方が派遣されるのか、訪問リハビリ事業所から療法士の方が派遣されるのか、どちらでもよろしいわけなんですね。ですから、六十五歳未満の方で実際に療法士を派遣するにはどういう方法があるのかについてお答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(赤石清美君) 私もいろいろと考えているわけですけれども、先生のおっしゃるように、私もちょうど六十五になりますけれども、やっぱり非常に、認知症もそうですけれども、ちょうどその時期に当たるわけで、例えば介護保険も六十五歳から適用になって、じゃ、六十のときはどうするのかという話があるように、その境目については、政府としても、厚生労働省としても、その適用の問題についてはもう少し検討を前向きにさせていただきたい、このように思います。
○藤田幸久君 前向きにやっぱりちょっと工夫していただかないと、本当に一番その年代辺りの方がいろんな意味で、家の柱であったりとかいうことも含めて重要なものですから、何か紋切り調で、このシステムだとこれは駄目ですと、駄目なことを聞いているんじゃなくて、可能にする知恵を出してほしいというのが一番のポイントで、被災地に行った皆さんうなずいていらっしゃいますけれども、だから、ちょっと紋切り型じゃなくて、受ける側にとってこれ非常にタイミング、時間との闘いでもありますから、ちょっと、せっかく療法士でいらっしゃいますし、歯科医師の関口先生もいらっしゃいますけれども、是非よろしくお願いをしたいと思います。
 それから、一人訪問看護の場合は、いわゆるサービス力の提供力に不安があるとか、訪問リハビリ単独事業所においてはその療法士の質に不安の声もあるとかいう話も聞きますけれども、こういうときに、先ほどもちょっと申しましたけれども、いろんな医療団体による地域連合協議会を強化するとか、そういう形でそのすき間の部分をサポートできるような、何かもうちょっと強化をしていただくような対応を提案をしたいと。ですから、二・五人の常駐基準を設けた例えば被災医療過疎地域といったような形で何か対応していただくような、そういう工夫はできませんでしょうか。あるいは、政府の方からそういったことを指導するとかということが必要じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(赤石清美君) 続けてお答えさせていただきます。
 先生御指摘のとおり、この地域包括ケアシステムの構築に当たりましては、地域の医療・介護サービス提供者が、例えば連絡協議会を設置するなど相互に連携することは大変重要だと考えております。一方、訪問看護サービスを始め専門的な医療・介護サービスの提供について設定されている介護保険法上の人員配置基準は、安全なサービスを安定的に提供する観点から、サービス種別に最低限必要な人員として定められたものであります。
 御指摘のように、多職種で二・五名以上配置した介護保険サービス拠点の設置を認めることは、例えば訪問介護等に定められた最低人員数を下回ることとなり、必要とされるサービス提供の水準を確保できないことから、認めることは難しいと考えておりますけれども、私自身としては、やっぱりそういうことも含めて、将来高齢化社会を迎えるに当たってはそういうことを考えていかなきゃならない、このように思っております。
○藤田幸久君 安全、安定ということをおっしゃるんですが、それは通常の話でございまして、今は通常じゃないんでございます。だから、特別の措置が必要なので特例措置つくったわけですから、安全、安定ということをおっしゃるよりも、一番重要なのは被災者、そして障害等持っていらっしゃる方々にとって時間との闘いですから、それを超えるような工夫をしてほしいということを強く申し上げて、御検討をよろしくお願いいたしします。
 何かコメントありますか。
○大臣政務官(赤石清美君) 私も先生と思いは同じでございまして、本当に必死になって私も頑張ってやっていきたいと思っています。
 以上です。よろしくお願いします。
○藤田幸久君 私もアキレス腱を切ったときに療法士の方に大変お世話になりまして。その今の思いをおっしゃっていただいたんで、思いを形にしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、根本大臣でございますけれども、この新規立地促進税制についてお話をさせていただきたいと思います。
 新設企業の法人税を五年間無税とするという震災復興特別区域法が、二〇一一年の十二月七日ですか、設立されたわけですが、本年の十一月末日の時点でこれを活用している企業数はたったの四社のみということでございます。これ、資料の二枚目の復興庁の、上の方の四角の第四十条というところを見ますと、四なんですね。この四十条の特例というのが四社のみなんですね。最初は、この本制度の導入によって復興特区内の企業誘致件数は、例えばみずほ総研が試算をしたときには、五二・一%件数が増え、雇用者数は五二・七%増加するというような見通しもあったくらいなんですけれども、現在、まだ四社のみしか認可をされていない。この理由について答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 復興特区制度においては、被災地における投資や雇用を促進する観点から、事業用設備等の特別償却や被災者を雇用した場合の税額控除など様々な税制上の特例措置を講じております。
 その中でも、委員御指摘の新規立地促進税制、これは、東日本大震災により雇用に著しい影響を受けた地域において、活発な事業活動を行う新設企業を支援することによって当該地域において雇用機会を確保するため、立ち上げ当初の経営が安定していないと考えられる新設企業、これについて五年間無税という特に大胆な措置を講じているところであります。
 これは新設企業を応援するという税制ですが、この新規立地促進税制は、その目的から、復興特区制度の他の税制上の特例措置に比べて対象となる者、これはそもそも少ないわけでありますが、十分に活用されるように、制度のより一層の周知徹底など適切な対応に努めていきたいと思います。
○藤田幸久君 周知徹底で済まないんだろうと思うんですね。だから四社なんだろうと思うんですね。
 日経産業新聞の記事によりますと、一定の投資額、雇用人数と給与の水準を満たすことが要件で、一定期間復興特区区域以外に事業所が設置できないといったハードルが高いことが原因だというような記事もございます。土地の条件などに合わせてより柔軟な特区制度を設けていくことが求められるというふうにたまたま新聞の記事は提案しているんですけれども、単に周知徹底の問題だけじゃないと思います。
 こういうハードルが高いというような御指摘もありますけれども、復興庁として対策はないんですか、周知徹底以外に。
○国務大臣(根本匠君) 新規立地促進税制については、その適用を受けるために被災者の雇用や指定を受けた事業年度の投資などについて一定の要件が設けられております。
 この趣旨ですが、これは、この特例が被災地における雇用機会の確保に寄与する新設企業を対象にするものであり、設立に当たり雇用投資が見込まれないような企業の立地を促進しても本特例の目的である被災地の雇用確保につながらないということを踏まえて一定の要件を設けているわけであります。
 一方、我々としては、今委員のお話のあった積立てを行う事業年度は沿岸市町の特定復興産業集積区域以外に事業所を有しないこと、この要件について、平成二十六年度税制改正においてこの要件の緩和を要望したところであります。
 ただ、単純にこの要件を撤廃して区域に関する制限を設けずに事業所の設置を認めた場合には、被災地の外に雇用機会を創出することにつながり、復興特区税制の目的である雇用に著しい被害を受けた地域における雇用機会の確保に反する事態を招きかねないということから、要件の具体的な制度設計については十分な検討が必要であると思います。
○藤田幸久君 その要件緩和に関してですけれども、宮城県は、昨年八月ですか、復興庁に対して免税期間の十年間への延長といった要件緩和、地理的な要件緩和じゃなくて長さを緩和という提案をしたそうですけれども、どうも何か復興庁は反応が鈍かったというような記事が出ていますけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 要件の緩和については、ただいま申し上げました特定復興産業集積区域以外に事業所を有しない、ここの要件緩和はしていきたいと思いますが、免除期間の十年、これは、そもそも復興特区制度、これは被災地における投資や雇用を促進する観点から税制上の特例措置を講じておりますが、その中でも新設企業について立ち上げ当初の経営が安定していないと考えられる、この考え方から五年間無税という、実は特に大胆な措置である新規立地促進税制、これを設けました。この特別の措置について、さらに無税となる期間を現行の二倍の十年間にする、これは、既存企業に比べて新設企業を過度に支援することになるおそれがあるので、ここは慎重に検討する必要があると思います。
 あくまでも、五年間無税、これは、立ち上げ当初の経営が安定していないと、こう考えることから措置しているということで、あの十年については慎重に検討する必要があると思います。
○藤田幸久君 慎重に検討ではなくて、前向きに検討していただきたいと思います。
 それで、比較に単純にならないかもしれませんが、私、茨城県ですが、原発隣接地域立地補助金というのがあって……(発言する者あり)そう、前向きにね。ということですから。
 じゃもう一度、もう一度大臣、その形容詞を変えてください、慎重にじゃなくて前向きに検討と。
○国務大臣(根本匠君) これはよく分かって私も答弁しておりますが、この五年間というのは立ち上げ当初の経営が安定していないということから五年間無税と、こうやっておりますので、これを十年にするということは既存企業に比べて新設企業を過度に支援することになるのではないか、非常にそのバランスの問題が出てくるのではないかということで、慎重に検討という答弁を申し上げました。
○藤田幸久君 実は、茨城と栃木と宮城が対象になったと思いますが、原発隣接地域立地補助金というのがありまして、茨城県、百四億ぐらい手当てしたんですけれども、その茨城県なんかの場合は、いわゆるグループ補助金って地場の企業、商店と、それから外から入ってきた企業立地補助金による対称が非常によく取れて、企業立地も非常に増えているんです。地場の企業はその別の補助金で対応しているんです。
 ですから、私はそのバランスが崩れるというふうな理屈じゃなくて、やっぱり要件を緩和をして、立地がとにかく四件なんということはこの制度自身がまずいわけですから、これを変えるような方向を本当に検討してもらわなきゃまずいと思いますよ。外から入ってくる企業も中からいらっしゃる地場の企業も両方支援することによって相乗効果になるんだろうと思いますけれども、どうですか。
○国務大臣(根本匠君) 税制上の特例は、第三十七条から四十条まで様々な税制特例上の措置を講じております。そして、新規企業立地補助金、これは当然新たに進出してくる、あるいは設備投資をそこで新たに行う、地場の企業が、それも対象になる。それから、グループ補助金は四分の三の補助ですから、これは立ち上がりの応援になる。この全体の税制のバランスという点でいうと、やはり十年というところまで広げられるかどうか、これは税制の議論ですから、ここはやはりこのバランス論が税制上は出てくるということだと思います。
○藤田幸久君 それは財務省が考えればいいことであって、復興大臣としてはどちらの味方なんですか。その被災地の味方なのか、財務省の味方なのか。私は財務副大臣やっていましたけれども、被災者のことを考えながらやっていました。
 ですから、それを、被災地の立場に立って、被災地の味方なんですよ、大臣は。どうですか。
○国務大臣(根本匠君) 私は当然被災者の味方です。
○藤田幸久君 復興特区制度全体について、じゃ、質問をしていきたいと思いますけれども、いわゆる復興特区制度というのは、被災した地方公共団体が自ら作成したオーダーメードのメニューに基づき地域限定で思い切った復興を加速する仕組みであるというふうになっているわけですが、現在まで被災地で大体百近くの復興推進計画が認定されているわけですが、大体見ておりますと、復興特区法のメニューに載っている特例措置を活用したものばかりです。新たな特例措置を自ら提案して認定を受けている特区というのはほとんど見当たらないんです。
 だから、オーダーメードが本来の目的であったわけですけれども、何かそのメニューから選ばされてピックアップしなければいけない、アラカルトになっているんですけれども、先ほどの質問とも関係するんですけれども、やっぱりそのオーダーメード的な復興特区制度の原点に戻った内容に、いろんな面で言えると思いますけれども、根本的に考え直していくぐらいの必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 復興基本方針においては、オーダーメードで地域における創意工夫を生かし、区域限定で思い切った規制、制度の特例や経済的支援などの被災地からの提言を一元的かつ迅速に実現する復興特区制度を創設すると、基本方針にこう書いてあります。要はオーダーメードですから、地域の状況に応じた創意工夫を生かしたものと、こういうことですが、復興特区制度の検討をしたときに、このいろんなメニュー、様々な活用できるメニューについては広く被災地、被災地方公共団体からの意見を聞き取って、被災地の要望も踏まえて規制、税制の特例や土地利用再編手続の特例、これはいろんなメニューを被災地の要望も受けながら用意したと、こういうことであります。
 そして、もう一つは……(発言する者あり)ですから被災地の要望をいただいて、いろんなメニューを用意して、そこを被災地が自分の地域の状況に応じてそのメニューを使って特例措置を講じている、これは様々適用をされております。
 もう一つは、地域の復興の進捗に応じて地方公共団体が国に新たな特例措置を提案できる仕組み、これを導入しております。これは先生の御意見とここは相応すると思いますが、この仕組みを活用して、昨年は宮城県から、今年は岩手県から、それぞれ新たな特例措置に関する提案がなされました。
 例えば、宮城県の提案については、防災集団移転促進事業によって公共団体に用地が買い取られた場合における五千万円の特別控除の適用、これが実現いたしました。また、岩手県の提案においては、いわゆる再エネ法がこの国会において成立するなど、地域の要望を踏まえた制度が実現しているところであります。
○藤田幸久君 何かちょっと付け足しみたいな話ですが、今の話はもう一度戻ります。ちょっと茨城の質問も二つほどして、時間が余ったら続き聞きたいと思います。
 茨城県の公立の小中学校は東日本大震災で九五%が被災をしております。実は東北三県よりもはるかに多いんです。というのは、茨城というのは全体がやられました。一方、耐震化率は七七・四%で全国四十三位になっています。学校が防災拠点として耐震化を進める上で非常に重要だということは今回分かったわけですけれども、現在の構造耐震指標のIs値というものがありまして、〇・三未満の小中学校の建物については、補強を行う場合には国庫補助率のかさ上げ措置がなされておりますけれども、Is値が〇・三以上〇・六未満の建物は、大規模な地震の際に倒壊や崩壊の危険性があるわけです。したがって、その〇・三以上の建物についてもこの三分の二のかさ上げ措置を行っていただきたいと思いますが、これ、文部科学大臣、お願いいたします。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、学校は子供たちの学習、生活の場であると同時に、地域における防災拠点の役割も果たすため、その耐震化、極めて重要であります。このため、文部科学省においては公立学校について平成二十七年度までの耐震化、全ての完了を目指して取り組んでいるところでございます。
 公立学校施設の耐震化事業においては、特に大規模な地震により倒壊の危険性の高い建物、御指摘のIs値〇・三未満の耐震補強については、原則三分の一である補助率が地震防災対策特別措置法により三分の二にかさ上げされております。また、御指摘のあったIs値〇・三以上の建物の耐震補強についても原則三分の一である補助率が二分の一にかさ上げされるとともに、地方財政措置により実質的な地方負担率は現在一〇%でございます。
 このように地方公共団体の負担軽減に努めているところでございまして、国庫補助率の更なるかさ上げは難しいと考えておりますが、引き続き地方公共団体に対し必要な措置はきちっと図ってまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 実質一〇%の詳細を説明していただけますでしょうか。今、実質一〇%とおっしゃいましたね、地方負担が。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、法律上は補助率が二分の一、これを二分の一は国庫負担をしているわけでございます。それ以外の残り、地方負担が実質一〇%になる以外の部分については地方財政措置でその分を負担をしているということで、事実上地方負担は一〇%で今できるということであります。
○藤田幸久君 いや、実際に、ですが、地方の方で負担が大きいというんで、この〇・三から〇・六の間もかさ上げしていただけると大変有り難いというのが実際私は地方の方とお話をしていて分かっておりますので、ほかから回してきたということはほかの財源から持ってきているわけですから、やっぱり耐震化というのは非常に重要で、平成二十七年度まで完了ということであるならば、この〇・三から〇・六の部分がこれ非常に多いんです、これは資料三でもお渡ししていますけれども。したがって、是非この部分の対応をしていただくことが、茨城県というのは実は、下村大臣、あれなんです、県全体で、しかもおととしの三月十一日の二時四十六分のあの地震の後、三時十五分ぐらいにもう一発来ているんです。だから、市庁舎の壊れた、あるいは学校が壊れたところも非常に多いんです。したがって、この〇・三から〇・六というものが非常に重要だと、そういう背景がございますので、ちょっとそれを前向きに御検討いただきたいんですが。
○国務大臣(下村博文君) まず、Is値〇・三未満のものでありますが、これは国庫補助が三分の二、そしてそれ以外に地方負担、これは地方債として元利償還金八〇%、これをしていることによってここの実質的な地方負担が六・七%でございますが、同様に、Is値〇・三以上のものであっても、これは国庫負担が現在二分の一でございますが、この地方負担については、同じように元利償還金八〇%、つまり残りの四〇%を持っているということで、実質的な地方負担が一〇%ということですから、事実上はほとんど同様の措置によって地方負担が軽減されているということでございます。
○藤田幸久君 私もちょっと地方のを聞いてみたところ、実際の負担が大きいと、〇・三から〇・六がという話聞いていますので、もし今の御説明の地方負担が同じでないという場合には是非御検討いただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 確かに地方が六・七%負担と一〇%負担ですから、この三・七%分が多いということでありますが、そもそものかさ上げに対応しては、相当国の方が事実上負担をしているということについては御理解いただきたいと思います。
○藤田幸久君 その上で是非御検討いただきたいと思います。
 それから、あと数分でございますので、資料の四ページ目に出ておりますけれども、実は茨城県は、そういうわけで市町村が庁舎も随分被害を受けました。その被災庁舎の建て替え事業の進捗状況と、それから全体の事業費がこれ数字で出ているんですけれども、例えば一番上の三つ出ております水戸市、高萩市、城里町というのは、基本的に国が全面的に予算を拠出しますという前提で始まって、その市の方でそれぞれ計画をしていった結果この数字になっているということなんですけれども、その日立市以下は元々何割かは国でということでいっている、上の三つは基本的に国が全面的にという形でスタートして、総務省とのやり取りの中でこういう数字になってきているんですけれども、この事業全体の進捗状況と全体事業費に対する国費の割合を教えていただきたいと同時に、実現に至るまでの課題についてどう評価されているか、総務副大臣、お願いいたします。
○副大臣(関口昌一君) 今、藤田先生の御質問でございますが、茨城県内で庁舎の建て替えが必要なのは、九の市と町のうちの現在七の市と町が既に建て替えに着手しているところであります。
 壊滅的な被害を受けた庁舎の建て替えについては全額地方負担で実施しているところでありますが、地方負担のうち、原形復旧に相当する標準的な事業費を対象として、震災復興特別交付税で全額措置することとしておるところであります。
 茨城県からの聞き取りでは、庁舎の建て替えを行う九市町の総事業費は合計で三百二十億円、そのうち約四六%の百四十八億円が原形復旧に相当する標準的な事業費として震災復興特別交付税の措置対象となるということを試算しておるわけであります。
 恐らく、これを聞いて先生は、それじゃ、原形復旧に相当する部分を超える部分はどうするのかという話であるかと思います。構造物の強化や防災機能強化に要する経費等については、充当率一〇〇%の地方債を充てて、その元利償還金の七〇%について交付税措置をするということとしているところであります。
 それから、今後の課題でありますが、新庁舎の建設費や機能の検討に際しては、住民の方々との意見調整に時間が掛かっており、いまだ建て替えに着手できていない団体もあると聞いておりますが、今後、建て替えの進捗状況に応じて適切な時期に震災復興特別交付税を措置できるように努めてまいりたいと思います。
 とにかく、現場、被災地の方々も大変な思いをしているということでありまして、その司令塔となる庁舎でありますので、一日も早い建設促進に向けて頑張ってまいりたいと思います。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 隠れた被災県でございまして、そしてその各庁舎がこれだけの形で被害を受けておりまして、まさに復興のシンボルになる事業でございますので、是非更に前向きに御支援をいただきますことをお願いをいたしまして、そろそろ時間なんですかね、それでは、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。