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参議院国家安全保障に関する特別委員会における藤田幸久の質疑議事録2013年12月02日

活動報告

2013年12月2日

参議院国家安全保障に関する特別委員会における藤田幸久の質疑議事録

藤田幸久君 おはようございます。民主党の藤田幸久でございます。
 官房長官、今日はお出ましいただきまして、ありがとうございます。
 もう既に二十分過ぎておりまして、会見の時間があるというので、順番を入れ替えて官房長官から御質問をさせていただきます。
 まず、通告をしておりました質問でございますけれども、これまでも政府はいわゆるテロリズムについての定義というものを表明されております。一方、本法案におけるテロリズムの定義というのが違っておりますけれども、今までの定義と、それから本法案の定義との違いについて、官房長官、お答えいただきたいと思います。
国務大臣(森まさこ君) それでは……(発言する者あり)本法案の定義だけ……(発言する者あり)
委員長(中川雅治君) 菅内閣官房長官。
国務大臣(菅義偉君) 一般的にテロリズムとは、特定の主義主張に基づいて国家等にその受入れ等を強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為、これについて、従来のテロリズムの見解はこのとおりでありました。
 そして、本案のことについては、「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動」をいい、一般的な意味におけるテロリズムの意味するところと違いはないと考えておりますけれども、あえて本案との違いを申し上げれば、本案におけるテロリズムというのは、法律で規定するためにより厳密に定義付けられたと、このように考えます。
藤田幸久君 大きな違いがあると思います。
 今までのテロの定義に加えて、今回の法案における定義で変わったところが幾つかございます。
 一つは、政治上その他という言葉が入っています。二つ目は、国家だけではなくて若しくは他人ということも入っています。三つ目は、恐怖ばかりではなくて不安ということが入っております。四つ目は、殺傷しの後に、重要な施設その他の物を破壊すると。ですから、大きく今までの定義と比べて今回の法案の定義は広がっているわけでございます。
 大臣、この不安を与えるということでございますけれども、このテロに関して、石破幹事長がブログで市民のデモについてもテロ行為とその本質において余り変わらないと言っておりますが、この考え方は、官房長官、どうお考えになりますか。
国務大臣(菅義偉君) まず、与党幹部の発言でありますので、政府としてはコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、御本人が、誤解を招かぬように一部撤回など真意をきちんと説明をしておられるというふうに思います。
 いずれにしろ、デモについて、法令の定める範囲内で行われる限りというのは、やはり言論の自由だというふうに考えます。
藤田幸久君 まさに、この法案が不安という言葉とか政治上という言葉とかいったことをまさに石破さんは言っているわけですね。したがいまして、今までのテロよりも、一般の方若しくは他人という言葉も入っておりますし、したがって、非常に大きな違い、つまりテロの解釈を拡大をして今回の法律ができていると。したがって、その石破さんのような発言が出てきているというふうに思われますが、その点について、官房長官、いかがお考えでしょうか。
国務大臣(菅義偉君) 幹事長は、このことに誤解を与えないようにという形の中で取消しをしたわけでありますので、そこは従来と私は何ら変わることはないというふうに思います。
藤田幸久君 それからもう一つ、実は私、二〇〇七年に福田総理に、テロは犯罪かという質問をいたしました。それに対して福田総理は、「テロ行為に該当するものについてはこれを犯罪とし、」と言っております。ということは、デモに参加をする方はこれ犯罪者というふうに石破発言は取れるわけですが、そう思われませんか、森大臣。
国務大臣(菅義偉君) デモについては、法律の範囲内で行われる場合はこれは全く問題ないわけでありますし、これは幹事長の発言もそこまで私は言及していないというふうに考えます。
藤田幸久君 そこで、今、石破幹事長の発言、それから今までの発言を整理をいたしますと、今回の法律は、まずテロの解釈を拡大しています。つまり、政治上という修飾語が入っています。それから、他人に対してというのが入っています。それから、恐怖だけではなくて不安ということが入っております。
 ところで、今朝の新聞見ますと、今回の法律で秘密情報が広がることを不安に感じるという世論が七八%という数字が出ています。ということは、むしろこの法律そのものが多くの人々に不安を与えているのではないでしょうか。森大臣、いかがでしょうか。
国務大臣(森まさこ君) まず前提として、テロの定義が広がったのではないかという御指摘でございますけれども、これは自衛隊法のテロリズムの定義と全く同じでございまして、これまでの定義を広げたものではございません。また、今までも御説明を申し上げていますとおり、前段の目的を持って人を殺傷し、重要な施設その他の物を破壊する行為、これをテロリズムとしておりますので、一般の方のデモはこのテロリズムには該当いたしません。そのことで皆様に御不安を与えるといっているところはないと思いますし、政府としてもしっかりと説明を申し上げてまいりたいというふうに思います。
藤田幸久君 官房長官は、今までの定義と今回のは違うとおっしゃったんですね。ところが今、森大臣は同じとおっしゃったと。今までの定義と明らかに違いますよ。
 私は、実は議事録見ましたけれども、今まで、つまりこの法案が出るまでの各種の答弁は、先ほど長官がおっしゃったように、特定の主義主張に基づき国家などにその受入れを強要する、又は社会に恐怖を与える、そういう目的で行われる殺傷行為と、もう全部答弁が来ているんですね。今回は明らかに違っているんです。先ほど、四つ具体的に申し上げました。これ全く同じじゃないじゃないですか。さっきは官房長官は違うとおっしゃって、森大臣は同じとおっしゃって、これ政府間で統一見解を出してください。
国務大臣(菅義偉君) 私の答弁、誤解をされていられるんじゃないかなというふうに思います。
 私は先ほど、本法案のテロリズムとは、政治上その他の主義主張に基づきという感じの中で、国家若しくは他人に強要する、又は社会に不安若しくは恐怖を与える、その目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいい、一般的な意味におけるテロリズムの意味するところと違いはないと考えられるが、あえて違いを申し上げれば、本法案におけるテロリズムには、法律に規定するためにより厳密に定義付けた、そのように先ほど申し上げました。
藤田幸久君 厳密にとおっしゃいますが、四つとも随分違ったことがこの法案に入っているわけですから、長年テロに関する定義と言ってきたこととまるで違った言葉が入っているわけですね。ですから、違う中でこういう言葉が出てきたがゆえに多くの人々が不安を覚えている。
 つまり、テロの定義を拡大をしたわけですね。ということは、この秘密の対象も拡大をすると、これだけ大きく拡大をするということになっているわけです。ですから、それが大きな不安を与えているわけですから、実際に文言上これだけ違っているじゃありませんか。(発言する者あり)
国務大臣(森まさこ君) いえ、これ官房長官の答弁書でございませんで、自衛隊法の条文でございますけれども、自衛隊法の八十一条の二に記載してありますとおり、「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で多数の人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊する行為」というふうに、これは自衛隊法の条文でございますけれども、本法案の条文を見ますと、この定義と、いたずらに拡大したものではないということがお分かりをいただけると思います。
藤田幸久君 今までのテロに対する定義のいろんな質問主意書その他に対してはそういうことを一言も言っていませんよ。それを、今回あえてその法律の条文を変えたということは大きな違いがあるわけですね。それが、このまさに石破さんがおっしゃっているテロ行為とその本質について余り変わらないということと全く一致をするんです。
 つまり、石破さんは、この市民の主張をテロと同一をしたというのは、政治上のということを実は石破さんの発言の中でも言っているわけですね。つまり、主義主張を実現したければ、己の主張を絶叫し、そして多くの人々の静穏を妨げるような行為というふうに言った上で、そして、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質において余り変わらないと言っているわけですね。ですから、主義主張と、まさに今の条文そのものを、つまり前半のこの法案の定義そのものを石破さんは言った上で、それはテロ行為だと言っているわけですね。全くそのとおりじゃないですか。この法案の前半そのもの、テロの定義の前半そのものが石破さんが言っていることそのものじゃないですか。
 ということは、テロということをこの法律は、石破さんと言っていること同じですから、認めるということじゃないんでしょうか。
国務大臣(森まさこ君) テロの、テロリズムの定義としては、これまでも私が国会、委員会等で御説明を申し上げてきましたとおり、先ほどの条文に書いてある二つの目的、そしてその後に書いてある、人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動、この目的を持って人を殺傷し、以下、又は重要な施設その他の破壊活動、これをしたときをテロリズムに該当するというふうに説明を申し上げておりまして、そのとおりでございます。
 また、自衛隊法に、もうこれは条文に、既存の法律できちっと規定をしてあるわけでございますから、この自衛隊法の条文を読んでいただければ、この定義をいたずらに拡大をしたものではないということがお分かりをいただけると思います。
藤田幸久君 この石破発言の、つまり、テロ行為とその本質において余り変わらないということについて、いろんな政党の皆さんにお伺いしたいと思いますが、桜内議員はいかがお感じになりますでしょうか。
衆議院議員(桜内文城君) 今のテロリストの、石破幹事長の発言についてだとお伺いいたしますが、他党の幹事長の御発言ですので、私が特にコメントをするのはふさわしくないと考えております。
藤田幸久君 では、政府でもない、他党でもない中谷議員は、御党の幹事長でございますが、どうお考えになりますか。
衆議院議員(中谷元君) テロリズムという定義はこの法案の条文に書かれているとおりでありまして、通常、法律に従ったデモというのはテロに該当しないと考えております。
藤田幸久君 では、岸田外務大臣、どうお考えになりますでしょうか。
国務大臣(岸田文雄君) 基本的には、先ほど来、政府としての立場、官房長官そして森大臣から御答弁させていただいておるとおりだと思います。デモにつきましても、法令の範囲内で行われる限り言論の自由だと考えます。
藤田幸久君 小野寺大臣はいかがですか。
国務大臣(小野寺五典君) 同じく、法令の定める範囲内で行われている限り、これは言論の自由だと思っております。
藤田幸久君 ということは、法令の範囲内でということがありましたけれども、このテロ、つまりデモそのもののテロとの関係については今まで発言が出てきておりませんけれども、それを石破幹事長が断定をしたと、つまり、法律の範囲内等と言わずに断定をしたということは、これはある意味ではこの法律の立て付けの目的の部分と全く一致していると、それに関してテロと断定したわけでございますから、法案そのものが非常に不安を与えて、他人に対していろんなことを強要していると。そういう意味で、意見を国民が発表すること自体を、その方法論は別にいたしまして、テロと断定したということについては、この法案そのものについて、そういった国民に不安を与えているということになりませんか。森大臣、お答えいただきたいと思います。
国務大臣(森まさこ君) これまで国会審議等、記者会見等の中で、デモ行為についてはどうですかという御質問をいただいたときにも、私は、これはテロリズムに当たりませんというふうに明快に答えてきております。また、国民の皆様に御不安をお与えしないようにしっかりと説明をしてまいりたいと思いますけれども、御指摘のような市民のデモ活動は、これはこの本法案のテロリズムに該当するものではございません。
藤田幸久君 ということは、自衛隊法以上に今までのテロリズムの定義というふうに政府答弁で言ってきたことを大きく変えて、この法案に、つまり、政治上その他という言葉を入れ、若しくは他人あるいは不安ということを入れたということは、自衛隊法であったにしても、これは最も大きな根本的な法律でございますから、ある意味ではこの国家の社会、安全保障全体に対する法律に関してこれだけ大きく拡大をしたと、それが多くの皆さんの不安を与えているということでありますから、この法案のその目的の部分自身が国民に対して秘密の拡大をする、あるいは恣意的な解釈があるというふうに不安を与えているということでございますから、その定義を変えたこと自体について自衛隊法以外のやっぱり説明が必要だろうと思うんですが、森大臣、いかがでしょうか。
国務大臣(森まさこ君) これは、既存の法律である自衛隊法に書いてあるものを使っているわけでございますから、これまでの解釈を拡大したものではございません。そして、今まで回答をしている解釈についても拡大をしたということはございません。
藤田幸久君 ということは、今後、政府答弁におけるテロリズムというのは、今回の法律のテロリズムの定義に変えるということですか。
国務大臣(森まさこ君) 本法におけるテロリズムの定義は、ここでお示しをしているとおりでございます。
藤田幸久君 したがって、政府におけるテロリズムの定義というものは元に戻すんですか、それとも、今回のこの本法案の定義が今後日本国政府におけるテロリズムの定義として定着するんですか。どちらですか。
国務大臣(森まさこ君) 私は、この本法案におけるテロリズムの定義として今お示しをしている定義、これは変わりはございません。
藤田幸久君 ということは、本法案だけこの定義でやっておいて、今度、法案が通った後のNSC等については元々のテロリズムの定義で対応するというふうに、この法案後の担当者になり得る官房長官、そういうことですか。法案成立後はテロリズムの定義を今までどおりの政府見解のままでいくんですか、それとも、この法案で出ている定義に今度政府見解を変えるんでしょうか。
国務大臣(菅義偉君) 法案成立後に、所管大臣というのはまだ実は決まっておりません。そういう中で、私、官房長官として今の立場で答えるならば、テロリズムとは、特定主義主張に基づき、国家等にその受入れ等を強要し、又は社会に恐怖を与える目的で行われるとの殺傷行為をいうという、これが今までの政府見解であります。このときも自衛隊法があったわけでありますから、この法案ができたということでこの基本方針は変わることはないというふうに考えます。
藤田幸久君 ということは、今までも自衛隊あったわけですね。なのに、それをあえて入れていなかったわけですよ。それを今回入れたということは、変えたということじゃないんですか。
国務大臣(菅義偉君) そこは、今までのこのテロリズムの見解、これは質問主意書に対してのこれですから、これは各内閣としての見解であります。このときも、同じように、自衛隊法の中にうたわれていたものはあったわけでありますから、そのときもこれでいっていますから、今回の法案が成立させていただいたということでも見解は変わらないというふうに考えます。
藤田幸久君 ということは、この特定秘密に関してだけ解釈を拡大をし、そしてこの他人とか政治上とか不安ということを入れて、ということはその特定秘密の特定をこの法案に関しては非常に拡大をすると、秘密とかテロとかいうことに対して。そして、この法案が成立した後は、元の、通常の、自衛隊法にかかわらず、今まで定義していたことに、より狭い形でのテロの定義に基づいて対応するということですね。
国務大臣(菅義偉君) 私、先ほどの質問の中で申し上げましたけれども、テロリズムの意味するところと違いはないと考えているということをさっきの答弁で申し上げました。
 そして、あえて違いを申し上げるならば、本法案に、テロリズムは法律に規定するためにより厳密に定義付けられているということを先ほど来答弁をしているところであります。
藤田幸久君 法律ごとに政府の用語が、定義が変わるんですかね。
国務大臣(菅義偉君) テロリズムの意味するところは変わらないということを私は冒頭申し上げております。
藤田幸久君 今法案についてのみこのテロリズムの定義を変えたと。そして、このことによって石破幹事長が昨日も、先ほども官房長官おっしゃったように、一部は撤回したという話ですから、全面的に撤回していないわけですね。撤回したかのようなことをおっしゃるけれども、その上で人が恐怖を感じるような云々、絶対にこれを許さない、本当に民主主義にとって正しいことなのかということは、まさに今回の法律において定義付けられた文言そのものを石破さんがおっしゃっているような流れであります。
 ということは、この本法案そのものが非常に一般の人々に対して不安を与えると、これは世論調査でも出ておりますから、その不安を与えるような法律というもののその定義が私は問題だろうと思うんですけれども、したがって、ということは、その自衛隊の定義そのものが一般の政府のテロリズムに対する定義以上に拡大をしていろんな修飾ができているということは、これ自衛隊のそういったその行為、定義付けそのものが一般の方々に不安を与えていると、そういうふうに取れませんでしょうか。
国務大臣(森まさこ君) 法律に規定をしてあるテロリズムの定義を拡大するものではございません。今までの政府による説明と違いはございません。これは法律に規定する、つまり自衛隊でも法律に規定をしています、本法案でも法律に規定をします。条文に記載するに当たってよりその意味を厳密に記載したということであって、その範囲を拡大したり意味を拡大したりしているわけではございません。
藤田幸久君 これまで国会の様々な議事録読んでいましても、自衛隊法があったときのテロリズムの定義にこういったことが入っていないんです。なぜ今までの定義にそういったことを入れなかったんですか。
国務大臣(森まさこ君) 済みません、御質問の、様々とおっしゃいましたか。
藤田幸久君 今までの議事録幾つか見ていますと、いろんな答弁がテロリズムの定義というものに、その政治的とか他人であるとか不安とかいうものは入っておりません。当時も自衛隊法はあったわけです。にもかかわらず、テロリズムの定義にそういったことを入れていなかったのはなぜですか。
国務大臣(森まさこ君) これは、条文に記載する場合には、例えば特定の主義主張に基づきという、その特定のというのは何かということをより厳密に書くために、政治上その他の主義主張というふうに書いております。
藤田幸久君 質問の意味は、今回の法律ではなくて、今までの政府答弁になぜそういった文言が入っていなかったんですか、自衛隊法があったにもかかわらず、ということを聞いています。
国務大臣(森まさこ君) 例えば、国会の今までの答弁でも、今私は平成十三年の参議院の外交防衛委員会の答弁を見ておりますけれども、自衛隊の八十一条の二を引用しまして、このような定義でございますというふうに述べておりますので、これが今までの政府答弁を拡大したということではございません。
藤田幸久君 明らかに、この法案について、今までと……
委員長(中川雅治君) ちょっとよろしいですか、官房長官の退室。
藤田幸久君 時間表がないんですよね。(発言する者あり)
委員長(中川雅治君) 済みません。じゃ、ちょっともう一度。
 官房長官、じゃ、退室、よろしいですか。
 じゃ、藤田幸久君。
藤田幸久君 長官が記者会見行かれるので、最後に質問いたしますけれども、これは、今までの政府答弁で、定義付けがある法案だけ違った定義付けで出して、そしてそれ以外はその違った定義付けを行わなかったという法律はあるんでしょうか。官房長官。
国務大臣(菅義偉君) 先ほど来申し上げていますけれども、このテロリズムそのものについて、質問主意書があって政府見解を出させていただいていますから、そういう中で、この答弁書を出したときに自衛隊法があって、今回もそういう意味では私は変わらないというふうに考えます。
委員長(中川雅治君) 官房長官、退室よろしいですか。
藤田幸久君 会見でしょうから、はい。また次回よろしくお願いします。
委員長(中川雅治君) じゃ、官房長官、退室ください。
藤田幸久君 それでは、ちょっと順番変わったので、少し順番を変えたいと思いますけれども、十一月の十八日だったと思いますが、私、この委員会で森大臣に、この特定秘密保護法案の英訳はありますかと聞きましたところ、概訳がございますという答弁でございました。その後、私は内閣の方にその概訳の英文を出せと言ったところ、ありませんと、そして今作成中ですと。
 金曜日に実はこの件について質問いたしますということを言いましたところ、内閣の方から、まだ作成中でございますと、来週に準備をいたしますという電話がありました。金曜日の十一時ごろです。ところが、金曜日、少なくとも私の秘書は十時ぐらいまで私の事務所におったんですが、その後に、この英文が私の事務所に投函されておりました。そして、その日付が十一月二十九日と書いてあるんですね。ということは、そもそもまず十一月十八日の段階における森大臣の答弁はうそだったということですか。
国務大臣(森まさこ君) この英訳については、この部分のものは当時からございます、ございました。
藤田幸久君 私、その後いろいろ官邸に何回もお電話をいたしました。ところが、存在が分かりませんと、ありませんと。それから、一番最近は金曜日の十一時ごろ、現時点では作成されていないと、つまり作成を検討しているということでございました。ということは、なかったわけですよね。
国務大臣(森まさこ君) 事務的な連絡については承知いたしておりませんが、当時からこのポンチ絵の英文はございますので、先生のお手元に迅速に届かなかったことはおわびを申し上げますが、当時からこのポンチ絵はございます。
藤田幸久君 情報調査室が十一月二十九日、それまで何回も私電話していました、内閣の方に。そうしたら、ない、ないと言っておりまして、そして金曜日の段階でも、英訳については作成を検討しているけれども現段階ではないということでした。ということは、その事務方がうそをついたんですか。
国務大臣(森まさこ君) 英訳の、その概要の英訳はございました。もちろん、条文の全訳はございません。そのように答弁を申し上げております。
藤田幸久君 これ概訳です。
国務大臣(森まさこ君) はい、概訳です。概訳は当時からございます。
藤田幸久君 概訳がない、概訳がないと言っておりました。概要の英訳がないとずっと言っていたんです、内閣の政府関係者は。
国務大臣(森まさこ君) 藤田委員のお問合せにしっかりと対応できなかったことはしっかりと注意をしておきますけれど、私の方で藤田委員からのそのお問合せについても承知をしておりませんでしたけれども、当時から概要はございました。
藤田幸久君 英訳はいつ作成したんでしょうか。英訳の概訳、概要資料。
国務大臣(森まさこ君) 十月の中旬ぐらいからございまして、それから修正案を反映したものを随時リニューアルをしております。
藤田幸久君 十一月十八日以降、私は政府にこの概訳を出すようにと、大臣の方から答弁があったからと言って二日に一遍ぐらい連絡をしておりました。そして、最終的に、二十九日金曜日の午前十一時、内閣情報調査室、固有名詞は言いませんけれども、固有名詞は分かっておりますが、電話がありまして、この概要の英訳については作成を検討していましたが、現段階においてはまだ公開するかどうか検討しているところですと。来週になって提出できる可能性もありますと言っておきながら、金曜日の少なくとも夜十時過ぎにこれが入れてあったんです、概要。
 ですから、その十一月十八日の段階でできたならば、すぐ翌日にも出していただくべきこと、なかったんじゃないですか。
国務大臣(森まさこ君) 当時からございまして、それに修正案を入れたものを随時リニューアルをしておりましたので、最終案ができていなかったのかもしれませんけれども、当時はございましたので、迅速に藤田委員のお手元に届かなかったことは厳重に注意をしておきます。(発言する者あり)
委員長(中川雅治君) 藤田幸久君。藤田幸久君。藤田幸久君、質問をお願いいたします。(発言する者あり)
 じゃ、速記を止めてください。
   〔速記中止〕
委員長(中川雅治君) 速記を起こしてください。
国務大臣(森まさこ君) 事実関係を確認をしてお答えをしたいと思います。
藤田幸久君 事実関係はもうはっきりしているわけで、うそをついたか、なかったかの二つしかないわけですから、お昼までに返答いただきたいと思います。よろしいですか。過去のバージョン全部、それから、いつそのリニューアルをしたのか、つまり衆議院の通過段階なのかどうなのか、それも含めてお願いします。
国務大臣(森まさこ君) 午前中に調べてお答えをしたいと思います。
藤田幸久君 私の方でどんな方に電話をしていたかということも分かっています。二日に一遍ぐらいですから、度々連絡をしておりました。それが、しかも私が事務所を出た後に投函をされていた。実は、御政府の方々、私の携帯電話に何回か電話をしてきたぐらいでありますから、私が月曜日の朝前に見るということが必要であるならば電話連絡も来たはずですが、あたかも今朝まで私の手元に届かないような形での投函の方法でありました。それはやっぱりおかしいんじゃないですか。
国務大臣(森まさこ君) 私の方に報告がございませんでしたので、事実関係を調べてお答えをしたいと思います。
藤田幸久君 同じように、概訳だけではなくて全部の英訳、それから韓国語あるいは中国語等も、大変隣接諸国が心配されておられるんでということを十一月十八日に質問いたしました。検討いたしますということでございましたが、全訳及び韓国語、中国語訳についてはどうなっているんでしょうか。
国務大臣(森まさこ君) まずは英訳から着手をしておりますけれども、その他言語についても検討してまいりたいと思います。
藤田幸久君 着手をということですが、まだ着手していないということなんでしょうか。あれからもう十日以上たっていますし、衆議院を経て今参議院に来ているんですけれども、まだ着手していないということですか。
国務大臣(森まさこ君) 英語以外の他の言語についても事実関係を確認をしてお答えをいたします。
藤田幸久君 いや、英語の全訳そのものもそうなんですが、いかがでしょうか。
国務大臣(森まさこ君) 全訳については、法案が成立をいたしましたら、これを作成をし公表するつもりでございます。
藤田幸久君 第三者機関の位置付けについてお伺いをしたいと思います。
 これは先週、福山議員の質問に対してですけれども、いろんな政党が違った言い方をされました。
 第三者機関の位置付けについて、まず桜内議員、どんな立場でしょうか、お答えいただきたいと思います。──じゃ、山田委員。
衆議院議員(山田宏君) 答弁者、今、桜内が退席いたしまして、私、提案者の一人でございます維新の会の山田宏と申します。
 今、藤田先生からお話ございましたこの第三者機関につきましては、附則の方で盛り込まれた内容につきましては、我々としては、政府の中であっても、独立した公平な立場で秘密指定というものが基準どおり行われているかどうかというものを監察し、検査をし、そして必要があればこの秘密指定はおかしいのではないかということを勧告できるような、そういった機関を想定をしております。
藤田幸久君 そうしますと、前回、桜内議員は首相の指揮監督とは別の観点からとおっしゃっていましたが、変わっていますね。山田委員。
衆議院議員(山田宏君) 先日、桜内委員の方からお話を申し上げましたように、首相の指揮監督権とは独立した立場での監察機関という点で変わっておりません。
藤田幸久君 ただ、先ほど山田さんは政府の中であってもとおっしゃったんで、違いますよね。
衆議院議員(山田宏君) 政府の中でありましても、独立した公平な判断ができる機関というのはあろうかと思います。
 私も杉並区の区役所で働いておりましたけれども、中には監査委員会事務局というものがありまして、それぞれ、これは区役所の中にはありますけれども、役所の中の様々な仕事につきまして監査をしていくと、こういった独立した立場でやっている機関がございますので、同じようなことを考えております。
藤田幸久君 では、みんなの党の畠中さんはいかがでしょうか。
衆議院議員(畠中光成君) お答えします。
 委員御質問いただきましたこの第三者機関につきましては、我が党についても、設置についてもちろんよいものであるというふうに考えておりまして、その形につきましては、今、山田議員からお答えいただいたとおりであります。
 それから、この本法案成立後、内閣官房に準備室が設置されてこの附則九条に基づいて本法案の適正な運用を図るための方策について検討が開始されるというふうに承知しています。この機関の形、専門性あるいは公正さ、カウンターインテリジェンスの観点、あるいは民主的な度合い、こういったことを踏まえてどういったものが適切かということが検討をされていくものと承知しております。
藤田幸久君 みんなの党は意見がないような話でございましたが。
 この件に関して、土曜日ですか、礒崎首相補佐官がこの第三者機関の位置付けについて、完全な独立ではないというような発言をされているようですが、森大臣、それでよろしいんでしょうか。
国務大臣(森まさこ君) 礒崎補佐官の御発言の詳細について確認をしておりませんが、政府としては、行政機関の内部であっても、この条文に書いてありますように、独立した立場で、公正な立場で監察する、そういう機関を想定をしております。
藤田幸久君 公正は当たり前ですけれども、要するに政府から独立をしていないということが、やはりよく例に出されます、あるいは今回も対応しておりますアメリカ等と違っているということでございますので、それでは第三者的なというふうにはならないんじゃないでしょうか、大臣。
国務大臣(森まさこ君) 米国においても省庁間上訴委員会などの行政機関の内部で独立した立場で公正に監督をしている機関があると承知をしておりますので、そういった機関を参考にして設置を検討してまいりたいと思っております。
藤田幸久君 アメリカと今おっしゃった中身とはまるで違っておると思いますので、その点を指摘しておきたいと思います。
 時間の関係で、もう一つ森大臣にお聞きしたいと思いますが、消費者行政についてであります。
 これは、森大臣の方が消費者行政も担当しておりますけれども、まず、消費者庁には特別管理秘密というのは何件あるんでしょうか。
国務大臣(森まさこ君) 特別管理秘密はございません。
藤田幸久君 ですが、森大臣は、十一月二十八日の委員会において、消費者行政に関する特定秘密の指定の可能性について、食品の中に毒物を入れるようなテロ情報はあり得るというふうに答弁されておりますので、違うんじゃないでしょうか。
国務大臣(森まさこ君) 小野次郎委員に対する答弁を引用なさっていると思いますが、そのときにも御説明申し上げましたけど、消費者行政と食品の安全は担当大臣、別でございますので、私もそのときにも申し上げましたが、消費者行政とはまた別にということで御説明をさせていただいた後に、食品の安全ということで申し上げれば、食品の中にテロが毒物を入れるということで、この議事録のとおりに御答弁申し上げております。
藤田幸久君 要するに、消費者行政に関して特定の可能性があるわけですね。
国務大臣(森まさこ君) 藤田委員御存じかと思いますが、消費者行政は食品の表示については担当しておりますけれども、食品の安全は別でございまして、私、内閣府特命担当大臣として食品の安全担当大臣も行っております。そこで、消費者行政の方でいえば、今特別管理秘密はゼロであるということを申し上げました。
藤田幸久君 じゃ、食品に関しては特定秘密があり得るということですか。
国務大臣(森まさこ君) 食品の安全について言えば、別表に該当する場合には、このテロの関係でございますけれども、特別管理秘密になると思います。
藤田幸久君 じゃ、今あるんですか。
国務大臣(森まさこ君) 今現在あるかないかということで申し上げれば、今現在はございませんけれども、食品の安全に関しては、これは現行の特別管理秘密でも食品の安全についてはテロの危険がある場合には指定をされることになっております。
藤田幸久君 ということは、これからどんどん増えるということが想定されるわけですか。
国務大臣(森まさこ君) いえ、そうではございません。現行の特別管理秘密、つまり特管秘、現行の特管秘でも食品の安全については、これはテロのおそれを常にはらんでおりますので、これは該当する可能性がございますので、それ以上に特定秘密が広がるということはございません。現行の特管秘のその中に特定秘密が規定をされるということでございます。
藤田幸久君 ということは、今日一貫して分かることは、今回の法律に関しては今までの政府答弁と違った形でのこの定義についても拡大をし、そしていろいろな意味で特定秘密が拡大されるおそれがあり、それを国民の皆さんが不安に感じていらっしゃる。
 そうした中で、この合法的ないわゆるデモという国民の意思表示をしているものに対して、閣僚経験者でもあり政府・与党の中心である方が、そして防衛大臣経験者でもある方がテロと同じような発言をされたということは、私は大変大きな問題だろうと思っておりますけれども、これ、森大臣、あるいはほかの閣僚の方もいらっしゃいますが、官房長官は退席されましたけれども、これは与党の言わば中核にいる方がそういった発言をされたということに対してこのままほうっておいてよろしいんでしょうか。つまり、法律そのものの拡大解釈あるいは形容詞が増えた部分に呼応するようなこの石破幹事長の発言だろうと思いますけれども、このまま放置しておかれるんでしょうか。
国務大臣(森まさこ君) 石破幹事長の御発言については政府としてコメントをする立場にはございませんし、いずれにせよ、本法案においてテロリズムの定義は今までの既存の法律の定義を拡大をしてはおりません。また、現行の特別管理秘密を拡大をするものでもございません。
藤田幸久君 拡大していくと先ほど例示の場合にはおっしゃって、そして実際に法文そのものの定義に関して今までの定義と全く違った増やした定義になっているということは、この法律だけでそういった形で形容詞を増やして、そしてまた法律が通った後はテロという定義をまた元に戻してしまうということで、この法案を通すためにいろんな形容詞を増やして法案成立を狙っているということで大変危険だろうと思いますけれども、もう一度確認をいたしますけれども、この法案が通った後はテロの定義というものは元に戻すんですか。それとも、この今回の法案の定義が今後、日本政府の定義として定着するんでしょうか。
国務大臣(森まさこ君) 先ほど官房長官からも御答弁申し上げたとおり、今回のこの法案のテロの定義は今までの政府の答弁のテロの定義と違うところはございません。法律の条文に規定するに当たって、それをより厳密に規定をしたということであり、何ら拡大もしておりません。また、例示についても拡大するというような答弁をしたことはございません。
藤田幸久君 厳密に言って、厳密に法律の定義が変わっているんですよ。だって、文章が増えているんですから。これ厳密に言って、文章が変わっているわけですから定義が変わっているんじゃないですか。法律によって今回は明らかに今までのテロという定義と違った表現が文言上も増えているんですよ。だから、違っているんじゃないですか。
国務大臣(森まさこ君) これは、今までの定義をより厳密に説明をしているだけであって、拡大をしているわけではございません。
藤田幸久君 説明ということは、だけど、これは法案に入っているわけですから、定義のことについてのいわゆる説明じゃなくて、法案の定義そのものが変わっているわけですよね。法案に対する説明書についてこう書いているんなら別ですけれども、定義付けそのものが大きく変わって増えているわけですから。
 ということは、今後もテロに対する定義付けというものは、説明も加えた、つまり定義が拡大をした大きな定義が今後は政府の答弁になるんでしょうか。
国務大臣(森まさこ君) 今までの政府の答弁を法律に規定するに当たって厳密に記載をしたということで、何も拡大はしておりません。
藤田幸久君 記載をしたということは、変わっているということですよね。記載されて、定義上に変わっているわけですから。記載をした分変わっているわけですよね。
国務大臣(森まさこ君) いえ、拡大をしておりません。
藤田幸久君 あえて違いを言えばというふうに先ほど官房長官もおっしゃっておりましたし、そしてその実際の定義そのものが、実際に文章が違うわけですから。
 ということは、政府として、今後もテロの定義が変わったのかどうかについて統一見解を要求したいと思います。
委員長(中川雅治君) ただいまの御要請につきましては、後刻理事会で協議いたします。
藤田幸久君 ありがとうございました。
 官房長官いらっしゃらなくなって残念でございますけれども、非常に定義そのものが大きく変わったということでございますので、政府の方でしっかり統一見解を出していただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。