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米国同時多発テロに関する第3回質問主意書2008年03月27日
活動報告
質問第八三号
米国同時多発テロに関する第三回質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
平成二十年三月二十七日
藤田 幸久
参議院議長 江田 五月 殿
平成二十年二月二十二日の米国同時多発テロに関する再質問に対する答弁書(内閣参質一六九第二六号)(以下「前回答弁書」という。)を踏まえ、さらに質問する。
一 ビン・ラディン氏は、同時多発テロ事件にどう関与したのか、また、その根拠を明らかにされたい。アル・カーイダにおける彼の立場、役割についても併せて明らかにされたい。
二 福田総理は、昨年十一月二十八日の参議院本会議における私の質問に対する答弁で「九・一一テロ攻撃は、高度の組織性、計画性が見られるなど、通常のテロの事例とは次元が異なり、国連憲章第五十一条による武力攻撃にあたる」と答えている。日本人二十四名を殺害したこのテロ攻撃、つまり武力攻撃を実行したアル・カーイダ、及びビン・ラディン氏に対し、日本政府はいかなる対応を行っているのか。
三 前記答弁で総理は、「国際社会は、典型的なテロ行為に該当するものについてはこれを犯罪とし、各国がこれを処罰するための法的枠組みを着実に整備してきております」と答弁している。日本も国際社会と同様に、「犯罪とし」、「法的枠組みを整備してきた」のか。その法的枠組みの詳細と、アル・カーイダ及びビン・ラディン氏にはいかなる法の適用を行っているのかを明らかにされたい。
四 九・一一テロ攻撃は、前記二でいうところの「武力攻撃」だけであるのか。それとも武力攻撃であり、かつ三でいうところの「犯罪」でもあるのか。もし犯罪でもあるならば、ビン・ラディン氏などに対していかなる捜査を行っているのか。また、その後も時折出現するビン・ラディン氏のものと言われる声明や映像などに対する検証作業を行っていないのか。
五 前回答弁書「三について」で、「米国政府の関係機関等との情報のやり取りについては、相手方との関係からその内容を明らかにすることは差し控えたい」とある。この内容は米国政府から得たのか、それとも事前情報の提供先から入手したのか。
六 前回答弁書「五について」で、「突入・墜落した四機に邦人二名が搭乗していた事実は、航空会社への照会等により確認した」とされるが、そのお二人の身元はいかにして確認したのか。これまで政府は、二十四名の犠牲者のうち、十三名はご遺体が確認され、十一名は米国の裁判所による死亡宣告によることを明らかにしている。このお二人は、このどちらの方法で確認されたのか。アメリカン航空一一便及びユナイテッド航空九三便について、それぞれ明らかにされたい。
七 このペンシルバニア州シャンクスビルに墜落したユナイテッド航空九三便について、犠牲者のご遺体、遺品等はどこにどのような状態で存在していたか、また、機体の残骸は墜落現場にどのような状態で存在したか。政府としての認識を明らかにされたい。
八 前回答弁書「七について」で、「ペンタゴンへのアメリカン航空七七便の突入はあり得ないとのプロのパイロット達の見解を承知していない」とある。では、この見解の基にある「NTSB(国家運輸安全委員会)が七七便のフライト・レコーダーに基づいて製作したシミュレーションは、ペンタゴン当局とNISTなどが発表している飛行コースと、高さも方向もまったく異なっている」という公開情報を承知しているか。もし、承知していないならば、洞爺湖サミットの警備や皇居を含む首都の警備等のためにも、日本政府としても、こうした公開情報の検証、分析を行うべきではないか。
九 平成二十年二月一日の米国同時多発テロに関する質問に対する答弁書(内閣参質一六九第八号)の「八について」で、「ジェット燃料の燃焼に起因する火災に関する知見がない」とある。また、前回答弁書の「十六について」で、「火災によってご指摘のような経過でビルが崩壊するかについては知見がない」、「十九について」で、「お尋ねについては知見がない」、「二十について」で、「第一ビル及び第二ビルの崩壊のお尋ねについては知見がない」とある。既に航空機による建物に対するテロ攻撃という前例がある以上、政府としてこれらの知見を獲得する責任があると考えるが、如何。九・一一以後、新首相官邸の建設が行われ、また国会議員の議員会館が建設中であるが、これらの建設や皇居や洞爺湖サミットの施設整備や警備に際して、前記のような知見なしに対応しているのか。また重要な首都の警備等にこれらの知見が不要と考えるのか。
十 前回の質問主意書八の「ペンタゴンのホームページで公表されているペンタゴンに突入した航空機のエンジンとされる写真は、ペンタゴン内部であるか、それとも外部であるか。」との質問に対する答弁がない。政府の見解を示されたい。さらには、このエンジンとされる写真はアメリカン航空七七便のものと断定されたのか。断定されたとするならば、いかなる方法で断定されたのか。また、前回答弁書「八について」で、「ジェットエンジンが概形をとどめなかったような実例について、運輸省航空事故調査委員会(当時)が昭和四十九年に設立されて以降、同委員会が調査を行った航空事故においては、そのような例はない」とある。飛行機部品には全て機体番号が記載されており、そこから機体が特定されるが、九・一一事件のように機体番号もほとんど特定されない現場も存在するような例は、運輸省航空事故調査委員会が設立されて以降存在するか。
十一 前回答弁書「十について」で、「米国国家運輸安全委員会(以下「NTSB」という。)は、事故の犠牲者の家族に対して、事故の経緯や原因等について説明することを義務付けられている」とあるが、日本人犠牲者二十四名の家族についてはどのような説明を行ったのか。
- 何名の犠牲者の家族が説明を受けたか明らかにされたい。
- 合計何名の家族が説明を受けたか。父、母、兄弟、姉妹等の内訳を明らかにされたい。
- 説明を受けた家族の在住していた国名を明らかにされたい。
- 説明を受けるための旅費、滞在費等は誰が負担したか。
- 説明者の内訳、所属、肩書きを明らかにされたい。
- 説明及び現場視察の時期と場所を全て明らかにされたい。
- 説明に用いた映像、写真、図面及び資料等の概要を明らかにされたい。
十二 前回答弁書「十八について」で「米国連邦危機管理庁(FEMA)の報告書には、第七ビル崩壊に関する報告が記載されていると承知している」とあるが、前回の質問主意書十八の「独立調査委員会報告書と米国国立標準技術研究所報告書(NIST)の報告書には、第七ビル崩壊に関する分析結果や報告がほとんど記載されていない」ことについて政府は承知していると理解してよいか。また、FEMA報告の中で、「第七ビルの火災の特定及び建物がどのように崩壊したかは現時点では不明である。最も良い仮説を立てたとしても(崩壊が)起こる確率はごくわずかでしかない。この問題の解決のためには、更なる調査、捜査、分析が必要である」と記載されていることを承知しているか。飛来した火災によって建物が崩壊するという事例は、首都などの防災や危機管理などにとって極めて重要と考えるが如何に。また、以上に鑑み、第七ビルの崩壊などに関する米国政府による再調査が必要と考えるが、如何に。
十三 ペンタゴンでは、犠牲者のご遺体、衣服、所持品、航空機の座席や部品の残骸などがほとんど発見されていないが、政府は、この事態をどのように認識しているのか。また、「政府として見解を示す立場にはない。」「政府としてお答えする立場にない。」との答弁だが、これらの機体の破損の仕方や破片の飛び散り方、遺留品の状態などについての基本データは、単にテロ対策ばかりではなく一般の飛行機事故に対する対応にとっても極めて重要であると思われる。日本でも建造物に飛行機が激突するような事件が起こることも想定して対応すべきと考えるが、如何。
十四 前回答弁書「二十について」で、ツインタワーの崩壊について、「米国は、御指摘の『崩壊』について米国連邦危機管理庁の調査報告書等で明らかにしていると承知しており、我が国政府として米国政府に対し、それ以上の報告を求めたことはない」との答弁だが、米国連邦危機管理庁、米国国立標準技術研究所、九・一一調査独立委員会の調査報告で、ツインタワー及び第七ビルの崩壊に関して具体的にどのような見解が明らかにされているのか、示されたい。
十五 前回答弁書「二十一について」で、「ビル崩壊後の撤去作業については、現場の安全等を考慮した上で米国が行った措置であると理解している」とあるが、現場の粉塵や空気中に呼吸器障害を起こす可能性が高い微細な粒子が大量に含まれ、さらに、発がん性の高いアスベスト、ダイオキシン、ベンゼン類、重金属化合物が、米国の安全基準を大幅に超えて存在していたことが明らかになっており、早急の撤去作業が極めて危険であるとの指摘が当初からあったことを承知しているか。また、そのような指摘にも関わらずEPA(環境保護庁)が「安全宣言」を行って作業を強行させた結果として、撤去作業に携わった作業員、消防署員、警察官の中には死亡した人がいる他、現在もなお、一万人を超す人々が呼吸器障害や癌などの後遺症に苦しんでいると聞く。在米などの邦人で九・一一以降、死亡したり、疾病、後遺症等で患っている人々はいないか。それらの人数や疾病名等を全て明らかにされたい。また、「現場の安全等を考慮した上で」という答弁は何を根拠としてなされたものであるか、明らかにされたい。
十六 現在、ニューヨーク・ケネディ空港の倉庫に、世界貿易センター地区にあった残骸の一部が保管されていると聞く。それは当事件の物的証拠が残されている唯一の例であり、ツインタワー崩壊の正確な様子を検証するための最大の手掛かりである。二十四名もの邦人犠牲者を出した我が国として、日本から調査団を派遣して、この残骸の調査を直接行うべきではないか。
十七 ツインタワーの犠牲者に関して、二〇〇六年三月に、南タワー(第二ビル)からおよそ八十メートル南に離れた旧ドイツ銀行ビル(通称バンカーズトラストビル)の屋上、地上百七十一メートルの場所から、七百個を超える犠牲者の遺骨が発見されたことを承知しているか。日本人犠牲者の遺骨が含まれている可能性もあり、日本政府として、どうしてそのような場所に大量の遺骨が運ばれてきたのか、という点も含め、早急にその調査を行うべきだと思うが、如何。
十八 前回答弁書「二十二について」で、「大型機を操縦するために必要となる技量を確保するために必要な訓練及びその時間については、個人差等もあることから、一概に回答することは困難である」とある。日本の法令に基づいて訓練を行っている航空大学や航空会社での大型飛行機操縦訓練では、その必要最低限度の期間は約何時間か。一般的なこととして、飛行学校でセスナ機の免許を取得した者が、ボーイング七五七型機のような大型機を操縦できるようになるまでに、どのような訓練と時間が必要か、見解を示されたい。
右質問する。
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