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全ての紛争当事者と連絡が取れる仲介組織2025年07月08日

 スイスのジュネーブで、The Geneva Centre for Security Policy (GCSP)のThomas Greminger理事長と会談しました。元欧州安全保障協力機構(OSCE)理事長も務めた元スイスの外交官です。 ウクライナや中東での戦乱が拡大する中、彼はワシントン、モスクワ、イスラエル、トルコなどの関係国を歴訪しています。北朝鮮を含め敵対する全ての当事者と話ができる数少ない仲介役です。自分は政府のような権限を持つnegotiator(交渉役)ではなく Facilitator(調整役)だと自任しますが、この稀有な役割に期待します。近々対話の動画もアップします。

 GCSPは1985年の米国レーガン大統領とロシアのゴルバチョフ書記長のサミットを契機に設立されたシンクタンクです。冷戦下の外交と軍備競争に関して両首脳が直接対話し、関係諸国の当事者などが会するためにスイス政府が支援して設立したシンクタンクです。本年25周年を迎えます。

 その後、Paul Dziatkowiec仲介・和平支援局長と会談しました。元オーストラリアの外交官で、最近ウクライナの停戦マニュアルをまとめた人です。

 また国際赤十字赤新月社連盟(International Federation of Red Cross and Red Crescent Societies, IFRC)のFrédérique Protin最高法務責任者を訪問しました。IFRCは各国赤十字社(152か国)、赤新月社(33か国)などの連絡調整を目的とする世界最大の人道主義団体で、かつて近衞忠煇さんも会長を務めました。Protinさんは、カンボジアの野党指導Sam Rainsyさんの長男Sam Patriceさんの夫人です。

 この二つの組織は、各国の紛争当事者の全てとコンタクトが取れる貴重な組織です。