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『G20諸宗教フォーラム 東海大学コロキウム』でスピーチ2024年01月20日
『G20諸宗教フォーラム 東海大学コロキウム』でスピーチしました。 以下が和訳です。「新・平和と和解への課題 宗教指導者の更なる出番」コロナの蔓延やウクライナとガザでの戦争など、世界は危機に突入しています。これらの戦争はもはや「遠い戦争」ではなく、地球上のすべての人にとって「明日の我が身の戦争」ともなっています。
2019年に開催された諸宗教会議で、ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領は、「宗教を憎しみや暴力の正当化にしてはならないという信念のもと、私たちは一致団結しなければならない。宗教の名の下に戦争が行われてはならない!"と訴えました。
しかし、宗教が戦争を正当化するために利用された例は多々あります。日本が第二次大戦に参戦する正当化のひとつに宗教が使われた事実も見過ごすわけにはいきません。
宗教指導者による平和構築の取り組みは、これまで以上に不可欠です。宗教者は、宗教が紛争を正当化するために使われるのではなく、和解を促進するために政策立案者や国際組織と協力できます。
政治指導者、特に権威主義的な傾向を持つ指導者は、宗教を信じる信者を他者に対して敵対するように扇るのが得意です。それが、分裂や不平等や混乱を世界中に広げています。
従って、宗教指導者は、憎しみを助長するのではなく、他者を受け入れ、愛するように信者を導くために、更なる努力を傾けることが求められています。
2023年7月、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、平和と安全保障に向けた多国間の取り組みをまとめた「新・平和への課題」を提唱しました。元々の「平和への課題」は、1992年にブトロス・ブトロス=ガリ国連事務総長が、冷戦終結後の異なる人種や宗教間の内部紛争に対処するために提唱したものです。
これに感銘を受けた私は、1996年に「和解への課題」会議を設立しました。このプログラムは、現在もアフリカやパレスチナ人とイスラエル人が共に会し、学ぶ「safe space」を提供しています。さまざまな紛争の和解プロセスに携わってきた一人として、仲介者が自分の手柄のために和解を試みようとすると、必ず和解が失敗することを体験しています。宗教指導者の皆さんは、そのことを知っているが故に、控えめに、関与を表立って示さなかったのかもしれません。
しかし、私たちが今直面している危機は、宗教指導者がもっと目に見える役割を必要としているのではないでしょうか。持続可能な開発にとって、平和とは今まで以上に不可欠な条件です。宗教指導者による「新・平和と和解への課題」が求められていると思います。
この極めて重要なフォーラムのご成功を心からお新・平和と和解への祈りいたします。
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