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中国国際交流協会と国際IC日本協会との会談2023年06月05日

劉洪才副会長を団長とする中国国際交流協会代表団を国際IC日本協会理事全員でお迎えしました。同協会は国際ICの中国側の担当団体です。コロナ後の初の外国訪問であり、日本、ベトナム、韓国という重要な隣接諸国歴訪との位置づけでした。
私は会長として以下のように挨拶しました。「今世界は『新たな戦前』、つまり『新しい大きな戦争が起こる前触れの時期』を迎えていると警鐘を鳴らす人すらおります。今まさにICの前身であるMRA『道徳と精神を再建』することによって『大きな戦争』を阻止しようという、MRA/ICの出番の時かと感じております。私がMRA/IC創設者のブックマン博士から学んだ言葉の一つが、『一国の最大の安全保障は、隣国の信頼と感謝をえることにある』です。日本が近隣諸国との間で全面的な国交があるのは中国と韓国だけです。ロシアとは平和条約が未締結です。その意味でも日中韓の信頼関係増進に日本が更なる努力を傾ける必要があり、とりわけ民間のイニシアチブが重要であると感じております」
劉洪才団長は来日直後まず新潟県の田中角栄記念館を訪問し、日中国交を決断した田中角栄元首相の決断と実行の姿を学んだと語ってくれました。そして、今回の訪問国とは政府間同士での課題は多いが、それ故に政党、経済人、NGO間の民間交流が重要である。日中間は友好条締結約45周年という節目の年であるので、それにふさわしい雰囲気づくりをしたい、と述べました。
日本協会の矢野弘典名誉会長は、元東芝の欧州総代表、元日本経団連専務理事であり、ビジネスも含めた日中交流の幅広い経験について述べました。国際IC日本協会会長として訪中して両協会の交流の基礎を固めたことや、関係する静岡県と浙江省との友好30周年に、静岡県訪中団の一員として訪中して歓迎を受けたことを紹介し、中央政府間だけでなく地方政府間の交流が必要なことなどを述べました。                             矢野名誉会長が論語に精通しており、論語塾も開いていることを聞いた劉洪才団長は、田中角栄首相と毛沢東主席、周恩来首相など中国首脳との交流の中に論語の言葉が幾つか含まれていることを紹介し、にこやかな対話となりました。

中国国際交流協会朱桂傑副秘書長は、最近の日中両国での世論調査で相手国に対する好感度が両国とも下落していることを懸念し、特に青少年同士の交流の必要性を指摘しました。また朝鮮半島の担当者として、北朝鮮との対話と平和的問題解決の重要性を指摘しました。

最近まで中国国際交流協会の日本担当で、駐日中国大使館に着任したばかりの王琳公使参事官は、矢野弘典名誉会長ご夫妻他一行が訪中した際に現地で同行した思い出などを述べ、今後は大使館で日中交流を担当する抱負を語って下さいました。

 国際IC日本協会理事で、在日韓国人の成豪哲弁護士は、MRA/IC主催の第1回東北アジア青少年フォーラムに参加して以来、IC活動を通した交流活動に従事しており、近年は、同フォーラムの日本側の学生参加者に関する勧誘等を担当していること、同フォーラム参加者から次の世代に国際交流を承継することの大切さを紹介しました。そして、日中韓に加えて参加国を増やす発想についても語られました。
 私と劉洪才団長との最初の出逢いは1996年に民主党結党後最初の外国訪問団(鳩山由紀夫団長)で訪中した時です。この訪中団は、先ず大連の日本人残留孤児の養父母を訪問してお礼を申し上げるという企画からスタートしました。それ以来の長いお付き合いです。彼は中国共産党中連部が長く、北朝鮮駐在大使という要職も務めた党外交の中枢人物です。
 私は最後に、広島の原爆記念碑の碑文「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませぬから」に触れました。そして、この碑文の決定に1950年の浜井信三広島市長のMRA世界大会出席やアメリカのアーリントンの無名戦士の墓の参拝が契機となったことを紹介しました。最後に「原爆投下国と被爆国の両方を含めた『全人類の過ちとして、原爆投下を繰り返してはならない』というメッセージです。これを現在に置き換えれば『核保有国』と『非保有国』の両方の共同責任として過ちを繰り返さないという意味です。そのためにも隣国同士の信頼関係が一層重要であると思います。」と述べました。