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東北三県の市町村長などと復興シンポで講演2011年08月07日

 8月6日仙台で開催された『東北で語ろう!国と地方とNGO

の共同集会  東北の農業・林業・水産業復興支援集会』に出席しました。国家ビジョン研究会(代表:中西真彦元東京商工会議所副会頭)の主催です。私は、国家ビジョン研究会世話人補佐で、度々私の東北の支援活動に同行してくれたたLOTS災害支援団体代表の富山泰庸さんの招きで出席しました。また、私が平野達男復興担当大臣出席の仲立ちをさせて頂きました。

 

 

(私の左から:中西代表、篠原副大臣、平野大臣、

 仙台市奥山市長) 

 

第一部では、平野達男復興担当大臣と篠原孝農林水産副大臣が基調スピーチを行いました。

 

第二部では、皆川林野庁長官、溝畑観光庁長官、阿部石巻商工会議所副会頭、川嶋日本赤十字看護大学客員教授と私が提言という形で発言しました。 

 

 

 

第三部では、岩手、宮城、福島の15程の市町村長と代理が、現場からの報告と訴えを行いました。

 

 

 

●高い防潮堤が津波から町と人命を救った。

●死者こそ少ないが、町が沈下し田畑の多くが浸水し多大の被害を被ったがマスコミも大臣も来てくれない。「市町村長は金だけもらって政府の批判ばかりするが、財源の苦労もない」と言った政治家がいるが、そもそも地方に徴税権を与えていないではないか!

●住民の数以上のボランティアが来てくれたが、手伝いもしないでテレビを見たりお菓子を食べている住民がいて恥ずかしかった。もっともそれだけ精神的に参っていたのかもしれないが。

など、生の貴重な体験をうかがえました。これだけの市町村長が一堂に会したことはなく、富山さんがこれらの地域を支援してきたことへの感謝から、これだけの参加になったと思います。

 

 

    (左が、司会の富山さん)


 私は、以下のようにスピーチしました。

 

「命と生活、きずな、新しい東北、尊敬される日本」

 

 

●私はこれまでに世界48カ国を訪問しました。NGOボランティアとしてカンボジア、アフガニスタン、アフリカ、東欧などで難民支援活動を行い、国会議員になってからも、ハイチ、スマトラ、パキスタンなどでの津波、地震救援活動を行ってきました。それらの悲劇以上に心が痛むのが、故国東日本での大震災です。私は、これまでに被災した地元茨城県の20近くの市町村の他、宮城県、岩手県、福島県での支援活動を行ってきました。福島県の飯館村と伊達市では放射線物質の除染活動にも参加しました。しかし、ボランティア活動家としても政治家としても充分に支援ができないもどかしさと自戒の念で一杯でした。そんな中、彗星のように現れ、被災地の救世主のような活動をしているのがLOTS富山さんです。

 

●戦後日本の焦土からの奇跡的復興、新幹線や電化製品などに対する驚嘆以上に、東日本大震災後の日本人の威厳、冷静さ、粘り強さ、きずなは世界の称賛を得ました。外交関係が緊張したアメリカ、中国、ロシア、そして北朝鮮を含む全世界から暖かい支援を受け、対日感情も大きく好転しました。

 

●津波に比べ、地震による死亡者の驚異的な少なさや、公共建築物の耐震性の高さは日本ならではの結果です。学校校舎の強さは、過去2年間の耐震工事政策の成果です。

 

●被災した役場職員、消防団員、郵便局員、医師、看護士などの不眠不休の献身。自衛官、警察官、消防士などの大活躍と国民からの感謝と尊敬。被災県の知事や市町村長の責任感とステーツマンシップ。震災は素晴らしい人材を次々と誕生させました。

 

●これらに比べ、復旧・復興活動の遅れ、省庁の縦割りや既存の法律の障害、国・県・市町村の連携の不備、そして、とりわけ、「政治の遅れとリーダーシップの欠如」を正さなければなりません。

 

●そして、福島原発問題対応の抜本的転換が必要です。情報の全面開示、工程表の見直し、放射線モニタリング、省庁の壁を越えた国家プロジェクト的な除染活動も必要です。また、もし住民の帰還が長期に難しい状況になれば、政府として速やかに方針を明らかにし、移住や疎開先の準備、生活、雇用、社会保障、教育などに政府が責任を持って当たることを国家事業として取り組むべきです。

 

●原発問題さえ対応ができれば、日本は悲劇を乗り越えて、東北でモデルのような国作りを成し遂げ、日本全体の経済を復興させ、そして平時にはできない、大改革を成し遂げることができると思います。

 

●命と生活を第一とし、きずなを高め、生まれ変わった東北、そして尊敬される日本を作ろうではありませんか!その主役は国民の皆さんです。

 

シンポジウムの概要は以下でご覧になれます。

http://kokka-vision.jp/symposium/20110806.html

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