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  • 【2012年5月28日】

    5月25日財務省の財務総合政策研究所「職員セミナー」で講演しました。テーマは、「世界48カ国での経験を霞が関に活かす」です。元々若手職員のために私の国際的な体験をお話しすることになっていましたが、幹部の人たちも多数出席してくれました。


     


           


     


     


     


     


    主なポイントは以下の通りです。


    一  大学卒業後、世界の紛争解決のNGOの草分け、MRA(Moral Re-Armament,道徳再武装、後のIC,Initiatives of Change)に参加。MRAは「道徳と精神の力で一人ひとりが内面から武装することが世界平和への道である」との理念のもと、独仏の和解や戦後の日本の国際社会復帰などに貢献。


     


    二  MRA青年親善使節(Song of Asia)に参加。アジア・大洋州14カ国60名の青年と2年間、14カ国を歴訪。110の家庭でホームステイ。


    アジアは世界の四大文明と四大宗教を生んだが、世界から見ると内戦、紛争、貧困、汚職、憎しみなどのイメージが強い。そうした、イメージとは異なるアジアの良い点をアジアの青年として発信する、という目的。「戦後」「平和」という言葉は、日本だけでしか通用しない言葉「難民」「人権」「先住民」「マイノリティ」などは、日本ではほとんど聞かない言葉「紛争」と同居しているのが地球の通常の姿のようで、日本だけが台風の目の中の平和にあると実感。


     


    「私も英語が話せなかった!」 唾の飛ぶ距離で聞くと聞き易い。鉛筆を噛み、顔の筋肉を変えて英語の発音を向上させた。


     


    三 独仏の和解


    1946年から1950年にかけて、3500人のドイツ指導者と1500人のフランス指導者が5年間スイス・コーのMRAで和解。ドイツのアデナウワー首相やフランスのシューマン首相などが信頼関係を構築した。


    息子を目の前でゲシュタポに拷問されたイレーヌ・ロー議員(社会党婦人部長)が、ドイツに対する憎しみを謝罪し、ドイツ国内に入って和解活動を行う。(1947


    二つの世界大戦の原因となった鉄と石炭の9か国共同管


    理から、EEC、EC、EUへと発


     


    四 日本の国際社会復帰


    1950年戦後初めて、大きな団体がマッカーサー将軍に出国を認められる。


    スイス・コーのMRA会議に参加(東芝石坂泰三社長、中曽根康弘議員、浜井信三広島市長、日本海員組合西巻敏男氏など72名。)そこから、イギリス、ドイツ、アメリカなどを訪問。各国との和解活動を行う。米国議会で二人の国会議員が第二次世界大戦について本会議場で謝罪 


    「過ちは繰り返しませぬから」という広島原爆記念碑の


    碑文が、この後に決定される。


     


    五  1979年尾崎行雄の三女、相馬雪香さんと共に難民を助ける会の創設に加わり、主に海外プロジェクトを担当。


    1984年、歌手の森進一さんの依頼でアフリカのザンビアの難民キャンプで井戸掘りや診療所のプロジェクトを立ち上げる。以来1985年から「じゃがいもの会」が20回開催。


    そのキャンプの外で、「水洗トイレ、電動黒板つきの小学校」が日本政府の援助で建設。水や電気の乏しいところで何故?と驚く。「予算を消化するため」というのが政府の説明。各国でのODAのムダ遣いの現場に憤慨。後に政界に入る一つのきっかけとなる。


     


    六  コー円卓会議(日米欧経済人円卓会議)


    1985年オランダ・フィリップス社F.フィリップス会長から「日本のまやかしの微笑」というオランダの新聞記事を受け取る。その要旨は「“権力の要塞通産省”と結託する日本の電機業界がダンピング、標的戦術などの戦略を駆使して欧米企業の破壊を担っている。財閥という企業の戦闘集団は、共通の敵がなければ、国内市場でお互いに破壊し合う性向を持つ。そこで通産省は海外に共通の敵を与えて、標的戦術を用いた」


    フィリップス会長は「第二次大戦も相手に対するイメージから勃発した。こうしたイメージが拡大すれば日本は孤立する。何でも話し合える信頼の場が必要だ」として、コー円卓会議をスイスで創設。フィリップス、シェル、ネッスル、3M,プルーデンシャル、P$G,キヤノン、松下電器、東芝、日立、住友電工、日産自動車などの経営者が参加。


     


    七 日米欧経済人による倫理綱領「企業の行動指針」を作成


       通商問題を解決するためにも先ず企業が自らを律することが重要であるとして。欧州の「人間の尊厳」、米国の「ステークホールダーズに関する原則」、日本の「共生」が三本柱。キヤノン賀来龍三郎会長の「共生の理念」企業進化論 第1種企業(資本主義的企業)第2種企業(運命共同体的企業)第3種企業(ステークホールダーへの責任を果たす企業)第4種企業(真のグローバルな社会的責任を果たす企業)


      企業の貢献 


        ①国内のインバランス(貧富の格差)、


        ②先進諸国間のインバランス(経済摩擦)


      ③南北間のインバランス(貧困や債務問題)、


        ④次世代とのインバランス(資源や地球環境問題)


        共生の英語訳を作成:Living and working together 


        for the common good symbiosis (生物の共生)と


        か、co- existence(軍事的共存)では適当でないの  


        で。


        その後もコー円卓会議メンバーの橋本徹日本政策投資銀


      行頭取(現)や矢野弘典元日本経団連専務理事が、国際


      IC日本協会会長を務める。


     


    八  対人地雷禁止条約(オタワ条約)調印


    1996年衆議院議員当選後の初仕事。NGO、国会議員、在日外交官による連携プレー。


    難民を助ける会の絵本「地雷ではなく、花を下さい」の売り上げでカンボジアの地雷除去活動。全ての政党の国会議員が数カ月で5千冊購入。


    「対人地雷全面禁止推進議員連盟」の結成。7人の首相経験者を含め超党派の国会議員388人がオタワ条約調印賛成の決議に署名。軍縮問題ではなく、人道問題としたことによって、与党も加わり超党派の体制ができた。


    地雷禁止活動に熱心なダイアナ妃の死去、地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)のノーベル平和賞受賞などの追い風。


    数人の駐日大使が日本政府に調印を迫る共同記者会見を開催。NGOを中心に政治家、在日外交団、官僚を含むネットワークを形成。橋本龍太郎総理、小渕恵三外相も加わり、防衛庁内局を包囲して日本政府が97年オタワ条約に調印。


     


    九  先進諸国では、トラック2外交が常識。二元外交などという言葉は聞かれない。


    議会承認に基く公的資金支援による民間の財団等が設立され、議会や政党と連携して、途上国援助、民主化支援や紛争解決に取り組む


    ドイツ :エーベルト財団(社民党)、アデナウアー財団(キリスト教民主同盟)など政党別。


    70年代以来、最も歴史が古い。


    アメリカ:NED(米国民主主義基金)が窓口となり、共和党、民主党、財界、労働界のNGOに振り分ける。


    カナダ :ライツ&デモクラシー


    イギリス:ウェストミンスター民主主義基金が窓口となり、各政党などに振り分ける。


    フランス:シューマン財団、ジョレス財団など政党別


    オランダ:超党派のための民主財団


    豪州  :民主機関センター


      各国とも、最初は外務省が反対するが、後に直接財団に加わるなどの支援を行っている


     


    十 National Prayer Breakfast Group


        米国議会の超党派の信頼関係の基礎


      南アフリカ和平などに貢献


      日本ではスモール・グループ(谷垣自民党総裁、津島雄二元厚労相、山崎高司元IMF理事が


    創設)として活動


     


    十一 現場は真理の宝庫―世界を回って学んだこと


       ネット映像ではわからない現場の匂い、湿気、距離感、凸凹感


       和解の原則「食事に始まり食事に終わる」


       話すより2倍聞くことで、人を変える


       「誰が正しいかではなく、何が正しいか」(Not who is right, but what is right)


       「自分のあり方が、国のあり方」(As I am, so is my nation)


          「一国の最大の安全保障は、隣国の信頼と愛を勝ち取ること」


     

               
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