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  • 【2017年4月26日】

    活動報告

    2017年04月26日

    参議院国際経済・外交に関する調査会における藤田幸久の質疑議事録(未定稿)

    ○会長(鴻池祥肇君) ただいまから国際経済・外交に関する調査会を開会いたします。
    国際経済・外交に関する調査を議題といたします。
    本日は、「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」のうち、「信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題」に関し、「日韓、日朝関係」について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
    本日は、静岡県立大学国際関係学部教授小針進参考人、関西大学経済学部教授(北朝鮮経済論専攻)李英和参考人及び南山大学総合政策学部教授平岩俊司参考人に御出席をいただいております。
    本日は、お三方の先生方には、参考人として、御多用の中、御出席をいただき、誠にありがとうございます。
    忌憚のない御意見を頂戴し、我々の調査の進展の一環にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。ありがとうございます。
    本日の議事の進め方でございますけれども、まず、小針参考人、李参考人、平岩参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただき、午後五時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
    なお、御発言は着席のままで結構でございます。
    それでは、小針参考人から御意見をお述べいただきます。小針参考人。
    ○参考人(小針進君) どうも、こんにちは。
    本日、国会の方でほかの委員会、調査会等止まっているということで、これだけ開くことになって非常に光栄に感じております。あと、本日はお招きいただきまして、ありがとうございます。
    私は小針と申しますけれども、主に日韓関係についてお話をさせていただきたいと思います。
    時間もありませんので、なるべくはしょりながら行きたいと思います。今お手元の方にパワーポイントのものがちょっとあると思うんですけれども、それを見ながらお願いしたいと思います。
    私の方で今日お話ししたいのは、今の日韓関係、必ずしも良くないわけですが、私が研究しているのは、主に日本人と韓国人がお互いどう眺め合っているかということに非常に関心があります。あと、韓国人の意識。今日はその辺のお話、データをちょっと幾つか紹介することと、あと、今どういうことが日韓関係で変化が起こっているのか。
    それからあと、最近の情勢についても若干触れたいと思っております。最後に、どうすればいろいろ問題がうまくいく手掛かりがあるのか、その辺についても触れたいと考えています。
    まず、パワーポイントの紙の一枚目を見ていただきたいんですけれども、上段御覧になりますと、これは、この間、日韓がどんなふうにお互い眺め合ってきたということを四五年から最近までずっとちょっと書いてみました。これ私の意見じゃなくて、お互いがこう見ているんじゃないかという大きい枠なんですが、一番下にあるのは、こういう中で今どのぐらい日韓間で往来数があるかというと、御覧のとおり、韓国人が五百万人ぐらい、日本人が二百万人ぐらい相手の国に行っているという状況です。
    ここで分かることは、韓国人が日本に来る数の方が二〇一三年、一四年を境にして上回ったということですね。これが一つのポイントです。日本人が少なくなっている。これは、恐らく反日的な情緒があるところに行きたくないというような心理なんかもあると思うんですが、次のページをちょっと開けてください。
    二ページ目、これはお互いがどの程度親近感を持っているか。
    上段が日本人の韓国観が分かる内閣府の世論調査の結果です。これもお分かりのとおり、二〇一一年というのがもう過去最高の日本人の親近感、韓国に対して持っていたんですけれども、これもう半分ぐらいに翌年下がる。これは二〇一二年に当時の李明博大統領が竹島に上陸した、これが非常に大きい。さらに、二〇一四年も非常に低い数字が出ていますけれども、朴槿恵大統領のいわゆる告げ口外交というふうに称されるようなことが大分あるんだと思うんですね。
    一方、下段を見ていただくと、これは韓国人の日本観で、概して好感持っているという人は三割ぐらい。この三割ぐらいというのが、十人に三人ですから多いとも少ないとも解釈は可能なんですが、二〇一五年、非常に低い数字が出ています。
    次のページをめくってください。
    ただし、どの場合もそうなんですけれども、かなり層を見ないと分からないことがあったり、あと調査でも、ワーディングでありまして、例えば、今、日本に好感ありという人は先ほどのを見ていただいたように一七%しかいないんですが、ワーディングを日本人にと変えると四〇%ぐらい好感持っていると答えるデータが出ていますし、あるいは若い人、十九歳―二十九歳辺りだと過半数が日本人に好感持っているという数字も出ます。ただ、日本という国家の名前になると低く出る。こんな傾向があります。
    今のページの一番下なんですけど、これは先月のデータなんですけれども、十点満点で採点する周辺国の点数化で、アメリカは伝統的に十点満点で五・七点と高い数字が出るんですけれども、中国が四点ぐらいで高く推移してきたんですが、THAADの配置をめぐる中国側からのいろいろな影響があり、非常に数値が今落ちています。先月の調査だと、日本が三・三点なんですが、これよりも低い数字が出たということで韓国のメディア等では言われています。一番下は北朝鮮に対する感情です。
    次のページを開けてください。
    じゃ、我々、我が国の日本人は例えば何か特徴があるかというと、例えば、四ページの上段のこれパワーポイントになるんですけれども、これで、興味深いことに、最近韓国に行く日本人は女性の方が多いということですね。一九八六年ぐらいですと、飛行機乗っていると、百人乗っていれば十四人ぐらいしか女性がいなかったところ、今はもう六十人近く女性だということで、この辺も大きな変化なんだと思います。
    今までデータ的なことをちょっとざっとおさらい、お話をしましたが、次に、質的にどういうことが言えるのかまとめたものが四ページの下段でございます。
    最近の情勢は、やはりネットを中心に非常に嫌韓ムード。ネットに限らず、慰安婦をめぐる日韓合意が二〇一五年十二月にあって、これである程度感情の悪化というのは下げ止まりかと思ったんですけれども、御存じのとおり、昨年の暮れ、今年の初めにかけて、慰安婦像の問題でまた日本人をかなり刺激している問題が起こっているということです。
    これは、例えばこの辺のことは、一般の生活でいうと、さっきも言ったように韓国に行く人が少なくなっている、それからあと、交流事業なんかもやはり幾つか停滞をしています。商品なんかでも、例えば韓国のマッコリとか焼酎というものが大分減っているんですが、ただしビールは増えています。これはなぜかというと、プライベートブランド、つまり韓国製と分からないようなものは、韓国のビールは結構増えているんですが。
    その一方で、韓流と言われるもの、韓国のドラマだとか歌だとか、それはファンはファンでかなり固定した人がいるという、こういう現象ですね。
    これが今の眺めだと思います。
    次のページ開けていただきまして、五ページの上段なんですが、むしろこちらの方が皆さん御関心かもしれませんけれども、韓国の日本への眺めは、日本における韓国に対する眺めと比べるとそれほど悪化はしていません。ただし、元々日本に対しての習慣的な懐疑主義というのでしょうか、何かこうちょっと、日本は何かやるんじゃないかみたいな感情を持っているのは余りこれは変わっていなくて、ですから日本が非常に今韓国に対していら立ちがあるほどの変化はないという感じなんですね。
    あと、ここも日本人のと違うのは、対日感情、反日的なものがあったとしても、余り生活者としての行動には影響がない。例えば、日本に来る人の数というのは非常に増えております。そこに書いているとおり、二〇一五年は四五%増えている。
    それから、お酒なんというのも、そこに書いてあるとおり、日本酒や日本製のビールはすごく今人気がある。それからあと、韓国の若者が日本で就職することが非常に増えていますね。これは、アベノミクスで非常に雇用が増えているというような報道が韓国でなされていて、その影響はかなりある。
    ただ、三点目に書いたんですけれども、日韓関係非常に問題出てくるのは、韓国のメディアの問題が非常に僕は大きいのではないかと思います。
    特に、何かファクトを伝達するというよりも、裁くことに何か熱心なような感じがします。特に、日本の韓国に対する今の悪化した感情に関して若干無頓着な感じがするなと思います。そんなような状況です。
    今のそのページ下段へ行きますと、この日韓の七十二年、お互いのやっぱり向き合い方をちょっと整理するとそのように、五段階ぐらいに分けてみたんですけれども、今は、発展した時期があったんですが、その後の停滞期ではないかと。その停滞というのは、次のページ開けていただきたいんですけれども、六ページなんですが、根本的なその構造的な変化があるのではないかと思います。
    例えば、韓国は朴槿恵政権、日本が安倍政権だということで、一時的な悪化というよりも、長い目で見ると今構造変化が起こっているんじゃないか。
    一番目、そこに書きましたけれども、日韓間でいろいろな各界でパイプが先細りしている。例えば政治においても、かつてであれば、例えば日韓間で問題があれば、韓国から金鍾泌首相という人が来て中曽根さんとお話をしてうまくいろいろ乗り切るというようなことがあったんですが、そういうパイプがちょっと細まっているんじゃないか。
    これは、いろいろな業界というか、各界でそういうことはあるんじゃないか。
    二番目は、韓国における日本の圧倒的な重要性、例えば経済、韓国経済に占める日本の比重なんかはどんどんどんどんやっぱり低まっています。輸出相手国とすると、かつては日本が一位でしたけれども、今五位、六位ぐらいということで、あと日本からの技術移転についてもそれほどもう期待していないというか、こういうことがある。
    あと、三点目なんですけれども、これは日本人の感情と関わることなんですが、韓国社会で非常に道徳志向的なメンタリティー、これちょっと後でお話ししますけれども、ファクトというよりもちょっと道徳的志向で物事を考えちゃうようなところがあるのではないか。特に、圧力的な市民団体の動きが非常に政治に影響を及ぼしていて、それが日韓関係にもある。あと、韓国社会自身が、相対的剥奪感、誰かが得しているから自分が損している、そういう論理の中で幾つか、朴槿恵さんの最近の罷免というのもこの延長線上で考えるべきなんですけれども、日韓関係にもこういうことがちょっと影響しているのではないかと思います。
    四点目、日本においては若干閉塞的な要素がある。あるいは、ヘイトスピーチというふうに呼ばれるものがある。
    それからあと、五番目なんですけれども、韓国における司法の判断というのが非常に日本から見るとちょっとおかしい、あるいは政治のことを余り考えない判決が出ている。これはある意味では独立的なのではあるんですけれども、非常に分かりにくい。国民の道徳的志向だとか感情にちょっと影響されているんじゃないか。一方で、日本の方では、韓国を外交面で特に特別扱いするというような要素がなくなってきていると思います。特に、李明博大統領の竹島訪問以降、そういう構造があるように思います。
    それからあと、グローバル化の問題。
    それから、中国に対しての関係者、当局者の姿勢がかなり異なってきた。今、THAADの問題で状況はまた変わってきているんですけれども、この辺も日韓間の一つやっぱり問題点として出てきているのではないかと思います。
    次のページを開けてください。
    先ほど市民団体の動きなんというのもちょっとお話をしたんですが、今、例えば韓国の方で政府が対日姿勢を考慮するときに、どんなものかなという仮説、どういうメカニズムなのかという仮説なんですが、例えば、今そこに出ているEという政府の対日姿勢をつくるときには、恐らくメディアがいろいろ対日論調Aに出ているような報道をするんですけれども、それは国民世論が非常にアンチ日本的な情緒があるので、これを事前にくみ上げてちょっとどうかなと思うような報道ぶりをして、それで政府もある程度影響を受けて、国民から弱腰だとか言われて出てきているんじゃないかなという、これが幾つか説明ができることなんですが、最近はこれに市民団体の影響が非常に大きいように思います。例えば、慰安婦をめぐる問題なんかも市民団体の影響とかがすごくあるように思うんですけれども、こういう構図の中で韓国の対日政策あるいは対日世論ってつくられているんじゃないかと思うんですが。
    そのときの参考なんですけれども、今度七ページの下段ですが、日韓、特にさっき言った司法の問題でいうと、日本というのは非常に法実証主義的なメンタリティー、逆に言うと遵法じゃないものに関しての生理的嫌悪があるんですけれども、韓国はむしろ反道徳的な行為に対して非常に生理的な嫌悪があると。
    ですから、日韓間で歴史の問題がもう制度的には解決しているのにもかかわらず韓国からいろいろお話が出てくるというのは、そもそも道徳的に悪いことなんですからもう少し正すべきだ、歴史も道徳的に正すべきだというようなことが前面に出てきているんじゃないか。これはそこに書いている京都大学のある先生が言っている図式なんですけれども、そんなふうにこれが大分作用しているんじゃないかなと思います。
    次のページ、八ページ開けてください。
    こちらの方はちょっと最近のお話なんですが、したがって、朴槿恵大統領をめぐる問題というのも、我々日本人から見るとかなり理解しにくいところがあると思います。特に、先ほど相対的剥奪感という話をしたんですが、朴槿恵大統領がいろいろ権力を私物化して得をしている崔順実さんというお友達がいると。自分たちが今非常に、大学出ても就職できない、苦しいというのはこういう得をしている人がいるからだという、そういう認識ですね。それをしかも道徳的な志向で非常に切るということで、朴槿恵さん、許せないという部分があるのではないかと思います。
    そうしますと、この間の日韓関係、例えば先ほどお話が出た日韓合意に関しても、朴槿恵政権下で行われたあらゆる政策に対して非常に正統性が問われるということだと思うんですね。そこで捉えているので、非常に批判が韓国の中で出てしまう。
    今ちょうど大統領選挙の選挙戦真っ最中で、昨日もテレビ討論とか行われているんですけれども、あらゆる、対日政策だけじゃなくて、経済にしろ北朝鮮政策にしろ、何でもこういった側面で朴槿恵政権のやった政策について論じているようなところがありました。例えば、今有力になっているのは文在寅さん、安哲秀さんという朴槿恵さんから一番距離のある人たちなんですが、この人たちが朴槿恵さんの側にいた候補に言うときには、もうそもそもあなたたちにはいろいろ論じる資格がないんだと、そういう言い方をしてしまう感じなんですね。
    その中で、今、日本に関する実は問題というのは、それほど争点になっていません。テレビの討論会、何回か見ても、対日問題が議論にほとんどなっていません。ただ、文在寅さんという人は日韓合意に関して再交渉を度々口にしています。安さんもそれをよしとするわけではないんですが、文さんよりもちょっと弱い感じなんですけれども、安さんの場合は、例えば日本のある大学でちょっと研究員やっていたとか、尊敬する人の中に日本の学者の名前が入っていたりとかしているので、ちょっと対日観が違うのかもしれません、ちょっとそれもよく分かりませんけれども。
    あと、今韓国の方は、例えば文陣営の方も、日韓関係どうするかというときにやっぱりツートラックというような言い方をしている人がいまして、これは朴槿恵政権前半というのは、初期の頃はいわゆる告げ口外交ということで非常に日本を責めたわけなんですが、後半はツートラック、つまり歴史問題と外交は区分するというような戦略を取って、恐らくその前半の失敗から後半のツートラックで維持するんじゃないかというふうに言われております。
    あと、八ページの下なんですが、我々今の選挙を見るときに、単純に日本に近い、日本から遠いということだけで見るんではなくて、これ、五年前の実は日本のテレビの画面をちょっと写真で撮ったんですけれども、当時はこのような図式を描いていたんですね。でも、実際はそういうことではなくて、かなり朴槿恵さんというのはいわゆる日本に対しては厳しくやっていった。したがって、対日観がどうかというよりも、朴槿恵さんが問題だったのは国内での対処能力がなかったということだと思うんですね。
    安倍政権の場合は、今いろいろな問題があるのかもしれません、一強というふうによく言われますが、国内での対処能力、説得能力あるわけですけれども、朴槿恵さんはそれがなかったということが非常にちょっと大きいのではないかと思います。特に、今は韓国はどちらかというと左派的な情緒が支配していますので、朴槿恵さんが説得するのはなかなか難しかったのではないかと思います。
    次のページ開けてください。
    九ページの上段ですけれども、これはちょっと時間がないのではしょりますが、韓国のやってきた日本に対する姿勢というのは、どちらかというと同一化圧力みたいなことを取ってきたので、日本が同じようなことをやっていいかどうか、これはまた別の問題じゃないかと思います。
    特に、相手国にはやっぱり好意的なファクターというのがあって、今この九ページの一番下は、ただ単純に日本をどう思うか、アメリカをどう思うかというふうに聞くんじゃなくて、例えば誠実という面でいうとそれぞれどう感じますかというと、韓国人の五五%の人が日本は誠実だと答えていて、ただ、温かみということで少ないとかもあって、したがって、いろいろな好意的なファクターというのがあるんだということをやっぱり知っておく必要があるのではないかと思います。
    次の十ページ開けてください。
    ここでもちょっと一個データを紹介したいんですが、よくパブリックディプロマシーという言い方をしますけれども、その中でも二〇〇七年、前の安倍政権のときからJENESYSというプログラムをやっていると思うんですね。アジアからたくさん青少年を招いていて、民主党政権下でもこれがずっと持続されて今の安倍政権でもまだやっていますが、ここで行っている人たちというのはかなりやっぱり日本に対しての理解者になっています。
    十ページの一番下のものは、訪日全くない人と観光旅行等であってもこのプログラムに参加していない人と実際に参加した人をちょっといろいろ調べたんですが、これ、我々で、研究者の仲間でやったんですけれども、やっぱり行った人というのはかなりいい日本観を持っている。
    最後のページ、十一ページ見ていただきたいんですけれども、例えば、東日本大震災の前に日本に来た韓国人にこれを聞くと、九〇%ぐらいの人が日本の被害に共感して胸が痛かったと答えています。それ以外の人というのはその数値がやっぱり低くなっていて、したがって、そのJENESYSという日本政府がやっているプログラム、これはある程度やっぱり効果があるというふうに言っていいんじゃないかと思います。
    最後、あと一、二分ですが、どうすればこれからいいのか幾つかちょっとヒントなんですけれども、一つは、この間の日韓間のモデルというのは、これ成功した二国間関係なのか、あるいは失敗した二国間関係なのかというようなことをやっぱり一回問うた方がいいと思うんですね。
    確かに、周辺国では韓国が所得が上がって安定して安全保障上プラスになっている部分もあれば、それは成功なんですけれども、歴史問題ということでいうとなかなかずっと引きずっている、これは失敗しているのかもしれません。ただし、引っ越しも断交もやっぱり事実上八百万人ぐらいの人が往来しているからできない隣国だということで、これは戦略的利益を共有しているというふうに総理の施政方針演説でも言及しているんですけれども、この意味はやっぱりある程度また考える必要があると同時に、日本と韓国、体制は同じは同じなんですが、ただ、大統領制と議院内閣制、立憲君主制と共和制というふうに、かなり違う側面もあるということを知るべきです。
    それからあと、ウイン・ウインの関係。例えば、お互い今観光立国化したいと言っているわけなんですけれども、このときに、相手国がいないと観光立国はやっぱりなれないと思うんですね。それとか、あるいは日本企業というのも韓国でそれなりに黒字を出している、ジェトロのこれ調査なんですけれども。それから韓国においても、メディアなんかに出るのはかなり顕在的な日本への眺めなんですけれども、潜在的な日本への眺め、好意的な眺めというのもあるので、ここはやっぱりある程度大事にしなきゃいけない。
    最後に、日韓共同宣言というのが二十年前に、来年で二十周年になって、出されたんですけれども、これ別刷りで皆様にお配りしていると思うんですけれども、これは当時の小渕政権、自民党政権、それで韓国の方は金大中政権、どちらかというと進歩的、革新的な政権と言われていましたけれども、これ見るとかなりやっぱりいいことが書いてあります。最近の北朝鮮情勢なんか考えると、ここに出ている防衛協力だとか、あと、相手国に対してかなり、日本に対しても、専守防衛でずっとやってきて、途上国支援してきて、平和と繁栄を築いてきたと、こう大統領は褒めているんですけれども、またこのようなもののリニューアルが、来年以降政治の世界で行っていただければなと思います。
    時間になりましたので、駆け足ですけれども、以上です。どうもありがとうございました。
    ○会長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
    次に、李参考人から御意見をお述べいただきます。李参考人。
    ○参考人(李英和君) 関西大学の李でございます。
    私の方は、役割分担ということも考えまして、最近の北朝鮮情勢と日本との関わりということに絞ってお話をさせていただこうと思います。
    大体論点は三つでして、一つは、金正恩政権あるいは金正恩体制になってからの大量破壊兵器を中心とした軍事的な能力ということです。もう一つは、その金正恩政権、大量破壊兵器を有する金正恩政権の攻撃意思といいますか、脅威の度合いは能力掛ける意思だというふうに言われます。能力については簡単に触れさせていただいて、問題の必ずしもよく見えない意思の方について私の方の意見を述べさせていただいて、その上で、日本が取るべき、あるいは国際社会が北朝鮮に取るべき方策について私見を述べさせていただくというふうにさせていただきます。
    限られた時間ですので、まず最初に結論部分から述べていきたいというふうに思います。
    一応、北朝鮮の核実験を含めた、あるいはミサイルの発射を含めた危機は昨日で一応山が過ぎたかのように見えますけれども、これからも一山、二山、三山あるということは確実であります。いずれにせよ、トランプ政権、それに対して厳しく対応するということで、よく言われるフレーズですけれども、あらゆる選択肢がテーブルの上にあるというふうに言います。どのような選択肢、あらゆるという表現ですから、全ての選択肢を用意しているということでしょうけれども、私はその選択肢、どんなものを使ってでも、あるいはそれを総動員する形で、金正恩政権の核保有、核保有だけではなくて、生物化学兵器を含めた大量破壊兵器、大量殺りく兵器の廃棄を目標にして進まなければならない。その中で、まかり間違っても、一発たりとも、核兵器であれあるいは毒ガス兵器であれ、日本の地に着弾させるようなことがあってはならないと。
    もちろん、そういうふうになれば大変な被害が日本に及ぶということは言うまでもないことですけれども、同時に私が強調したいのは、そのような事態になれば、後々、これからの将来、北朝鮮の国民にとって大変な災いの種になるということ、そのことを通して日朝関係、あるいは北朝鮮はいずれなくなってしまって韓国に吸収されるものというふうに思っています、そういう意味では日韓関係。いずれにせよ、朝鮮半島と日本の関係も、日本に一発でも大量破壊兵器が着弾するというような事態が起きれば、今後百年間、憎悪と敵意に満ちた不幸な関係は続くと。
    今の日本の課題、これまでの課題は、過去の不幸な歴史をきれいさっぱり清算する、未来志向の関係を築くということで、これまでいろんなトラブルはありましたが双方努力を日韓両国続けてきたというふうに思います。ところが、今回の北朝鮮の危機、それどころでなくて、今後百年間をまた対立、反目の関係にしてしまうのかどうかの重大な岐路に立っているということで、どのような手段を用いても、どのような犠牲を払ってでも、韓国、アメリカに対する攻撃はもちろんですけれども、日本に対する攻撃を防がなければならない。アメリカのオバマ政権の末期、そしてトランプ政権の初期も代行を務めた国務省のラッセル次官補、北朝鮮が大量破壊兵器をアメリカに使う、そういう能力を持った瞬間に金正恩は即死するというふうに表現をしていました。恐らくそうなるんだと思います。もし金正恩党委員長が即死したとしても、北朝鮮の国民は北朝鮮の地で二千五百万人が生き残る、生き続けるということになると思います。北朝鮮の国民、独裁政権の下で、過去七十年間、大変な塗炭の苦労をなめ、そして大飢饉等で大変な犠牲を払ってきました。金正恩後の北朝鮮にとって最大の課題は、北朝鮮の経済と社会の復興と再建ということになります。
    その北朝鮮の経済と社会の復興、再建のために最も大きな力を発揮しなければならない、あるいはする能力のある国は、アメリカでも韓国でも中国でもなく、私は日本だというふうに思っています。援助も必要でしょう、そして、援助だけじゃなくて投資も必要だということです。その北朝鮮の再建にとって、ポスト金正恩の北朝鮮の再建にとって必要な日本との関係を根底から悪化させるというような事態は、北朝鮮国民のためにも何としても防ぐということが今求められているということです。
    同時に、もう一点強調したいのは、レジュメに書きませんでしたけれども、今、トランプ政権とそれから習近平政権、北朝鮮問題をめぐって急接近をし、ある種蜜月のようなムードを醸し出しています。両大国の協調、北朝鮮問題に対する協調関係で北朝鮮の非核化あるいは北朝鮮危機の鎮静化、解決ということが成し遂げられれば結構なことなんですけれども、しかし、韓国そして日本から見れば、中国とアメリカが蜜月で、密接な協力の下に、両大国が仕切る形で北朝鮮の問題あるいは朝鮮半島の問題を解決するということが今回起きれば、よく言われるG2体制、米中がアジアを共同で取り仕切る、支配するということに大きな道を開くということになります。
    そうなりますと、韓国もそうですけれども日本もそうです、アジア外交、あるいはもっと狭く言っても北東アジアでの外交で主体的に能動的に動くという余地をなくしてしまうということですので、今回の北朝鮮危機については、いろいろ制約がありますけれども、核を持たない韓国、日本ということも含めて制約がありますけれども、できる限りのコミットメントをすると。それが経済制裁であれ、あるいは軍事的な貢献であれ、あるいは政治的な貢献であれ、ありとあらゆる分野で、韓国と日本ができることなら共同してこの北朝鮮の危機にコミットする、その下で解決していくということが強く求められている。
    日本がこの問題で役割を果たせない、あるいは韓国が役割を果たせないということになりますと、これも見通せる期間、十年、二十年の間で、先ほど言いました、繰り返しになりますけれども、アジアで米中共同支配体制が確立してしまうということ、そのことが韓国、日本にとって幸せな世界であるならいいですけれども、そうなるかどうかは予断を許さない、むしろ不安を感じるというのが実情かというふうに思います。
    それでは本題の方に入っていきまして、脅威の度合いを測る変数、能力と意思、金正恩体制のということで進めていきたいと思いますけれども、能力については簡単に、時間もありませんので、レジュメを参照していただきながら要点だけを見ていきたいと思います。
    北朝鮮が今問題になっているのは核、そして核ミサイル問題だということです。要するに核兵器、核保有ということなんですけれども、北朝鮮が実は核保有を始めた、あるいは核保有国としての黎期はいつなのかということです。これが非常に重要でして、最近であるならまだ完成していないだろうということになりますし、二十年以上も前ならもうとっくに完成しているということになります。どちらなのかということですけれども、私の意見では、あるいは私が諸説ありますけれども最も信用できると思っている説は、北朝鮮の核開発、核兵器開発の黎明期は一九九一年だと、ちょうどソ連が崩壊した年だというふうに信じて疑いません。
    ソ連の崩壊で北朝鮮は経済的なパトロンを失って大変な危機を迎えましたけれども、同時に、核開発という意味でいいますと大変な好機、チャンスを迎えたと。ソ連が崩壊して核管理、核兵器の管理が甘くなったのに付け込んで、一九九一年にウクライナとそれからカザフスタンから合計三発のソ連製の核弾頭をひそかに入手をしたと。これを模型にして、あるいはモデルにして、標本にしながら、ソ連で失業した核開発の技術者を大量に高給で雇い入れて、北朝鮮で雇用をして核開発に邁進をしたということになります。
    このことの意味は何かといいますと、北朝鮮の核技術は九一年当時のソ連の技術を出発点にしたのであって、一九四五年当時、広島、長崎の原爆の当時の技術水準からスタートして実験をし勉強しているというのではないということですよね。
    もう既に、九一年当時のソ連は世界中に核弾頭を飛ばせました。それほど小型化していましたけど、それをスタート、出発点にして核開発を行って今日に至っているということになりますと、もう二十五年以上ということになります。どれほど核開発が、核弾頭の開発が進んでいるかということは想像に難くない。
    北朝鮮の九一年以降の目的は、小型弾頭の量産化と信頼性の向上であって、大型のものを小型にするということが課題ではなかったということですね。したがって、その後の核実験も信頼性を実証する、そしてその後の活動も核弾頭の量産を図るということです。
    今何発持っているのか、その結果と。いろいろ説がありますけれども、大体私は二十発と、小型核弾頭は二十発。まだアメリカには、運搬手段ができていませんから、ミサイルが、ICBMができていないので、あるいはSLBM、潜水艦発射型ミサイルもできていないのでアメリカには飛ばせませんけれども、もう十分韓国、日本には小型核弾頭を発射できると、ミサイルは十分あると。
    ただ問題は、千基とも二千基とも言われる弾道ミサイルに対してまだ量産が追い付かずに、核弾頭の、二十発ぐらいしかないということになります。
    今後はこの核弾頭をどんどん増やしていくという、それが目標。
    あと、二〇二〇年にはこれが五十発になるだろうというふうに言われています。五十発の核ミサイルが発射可能ということになります。ということは、残り千発あるいは二千発のうち、今のところでいいますと二十発しか核弾頭を積めないわけですけれども、残りのミサイルはどうするんだということになりますけれども、これについては、後ほど触れますけれども、化学兵器、生物化学兵器ですけど、特に化学兵器を搭載したミサイルとして使用するというのが金正恩政権の考え方。要するに、生物化学兵器と核兵器の二刀流を使うという、そういう基本的な方向だということです。
    今、ちょっと横道にそれるかもしれませんけど、喫緊の課題は六回目の核実験を阻止するということでいろいろ動いています。各国が努力しているようですけど、私から言わせれば、六回目の核実験を阻止することに何の意味があるんだろうと率直に思わざるを得ません。もう既に五回やっているわけですよね。五回やっていれば、通常、核兵器の検証は終わったと、完成したというふうに見るのが一般常識です。
    それに加えて、実は、一九九八年にパキスタンで核実験が立て続けに六回行われました。その結果、パキスタン、核保有国を自称しています、あるいはそれを認める国もありますけど、核保有を。
    その九八年の六回目の実験、最後の実験のときには、実は北朝鮮の核弾頭をパキスタンが代理で実験をしたと。北朝鮮が、いろいろ政治的な理由、日朝国交正常化をしたいとか韓国の左派政権とうまくやっていきたいという様々な理由で自国ではやりたくなかった、しかし核実験はやりたいということで、パキスタンで代理実験をやったと言われています。
    それを含めるともう六回やっているわけですから、技術的な必要性から行う核実験はもう終わった、今後行う核実験は政治的なメッセージ、政治的な道具だというふうに考えたらいいですよね。
    ですから、今すぐやらなくてもいい、もう技術開発は終わっていると、事実上。政治的に有利なときに使う、不利なときは使わない、有利なときにやる、不利なときはやらないということになっているというふうに考えていただいたらいいというふうに思います。
    〔会長退席、理事酒井庸行君着席〕
    繰り返しますけれども、一九九八年に北朝鮮よりもはるかに工業水準の劣るパキスタンが核保有国になったわけですから、北朝鮮がまだ核保有国としての実力を備えていないと考える方に無理がある。パキスタンに比べれば、北朝鮮は核開発の点でいえば生徒ではなくて先生だというふうに考えていただいたらいいということです。その事実に目を背けてきたということのツケが今回っているというふうに考えていただいたらいいということです。
    本来なら、核開発が一九九一年に本格化した、道が開けたということであれば化学兵器を捨てればいいんですけれども、貧者の核兵器、核兵器を持たない国が持つ大量殺りく兵器としての毒ガス兵器、生物兵器ですから、核開発が軌道に乗れば捨てればいいのに、北朝鮮はその気配がありません。
    北朝鮮は、御承知のように、生物兵器禁止条約、化学兵器禁止条約に入っておりません。そのことに加えて、入っていないだけじゃなくて製造施設あるいは兵器を保有していまして、保有量だけでいいますと約五千トンというふうに見られています。この五千トンってどれぐらいの規模かということですけど、廃棄途中のロシアそれからアメリカを除けば、どんどんどんどん今処理していますから減っていっているんですけど、一遍にゼロになりませんから、それを除けば世界一ということになると。
    廃棄途中のロシアとアメリカを入れても世界第三位。ただし、北朝鮮は廃棄するんじゃなくて維持あるいは増産をしているという点に注意をしておく必要があるのと、その化学兵器については最近目立つべき特徴がありますよね。一つは、その化学兵器を使って、金正男氏、金正恩氏の実の兄がVX剤で暗殺されるという、テロとして実践で使われたと。これ、北朝鮮が使ったというのは明白です。もう一つは、つい最近です、シリアのアサド政権がサリンガスを搭載したミサイル攻撃を自国民、反体制派に加えました。シリアと北朝鮮の毒ガス、化学兵器をめぐる協力関係はよく知られた話です。つい最近でも、その関係を維持し、協力し、強化し続けています。
    私は、今回のシリアのアサド政権の毒ガス、サリンの使用は、北朝鮮による代理実験、ちょうどパキスタンでやったような、あるいは共同実験だというふうに見ています。なぜかといいますと、レジュメの二ページ目の上のところに書きました、昨年の秋に、ほとんど日本では報じられていませんけれども、金正恩政権が北朝鮮軍の中に連隊級、ですから大体三千人規模ですけど、の生物・化学兵器部隊、専門部隊を新たにつくったということですね。専門的に化学兵器を使い、それを運用する、そういう態勢に入ったということ。その後に起きたのが金正男テロ事件とアサド政権のサリンの使用だということに注目をしておく必要があるということです。
    と同時に、その前になりますけれども、レジュメの一ページ目の一番最後のところを見ていただいたらいいですけど、これもほとんど日本では注目されませんし報道されませんけれども、金正恩政権ができて二年目の二〇一三年の末ですけれども、金正恩党委員長の肝煎りで、北朝鮮軍、またこれも組織改編がありました。何かといいますと、戦略ロケット軍部隊、要するにミサイル部隊、これを統合再編して戦略軍司令部というものに一本化したと。これまで短距離、中距離、長距離で分かれていた部隊を一つにして、それもフェールセーフ、要するに、誤射したり間違って使ったりしないためにいろいろ安全装置が、段階が踏まれていますけど、それを極力省いて、金正恩氏の指示の下で即座に発射できるという態勢に切り替えたということです。この時点で、実は私の意見では、韓国と日本がいわゆる核ミサイルの照準化、ロックオン状態に入ったというふうに思います。何か事が起こってからどこに撃とうかと考えている暇はありませんから、核戦争については、自動的に飛んでいくというコンピューターに目標設定をする必要があります。
    日本、韓国に戦略軍司令部でコンピューターで目標設定、照準化がされたのはこの時期だというふうに見て間違いがないというふうに信じていますし、同時に、考えていただきたいんですけど、この前日本に四発ほど撃たれましたけど、その射程を逆に西側に移動させますと、中国が射程の中に入ります。日本に中距離ミサイルを撃ち込むことができるということは、北京に中距離ミサイルを撃ち込むことができるということを技術的には意味をします。
    単なる技術的な問題だというふうに考える向きも多いですけれども、私はそうは見ておりません。
    残念ながら出所、情報の出どころははばかりがあって言うことはできませんけれども、この同じ時期に、日本、韓国を照準化したのと同じ時期に中国への照準化も終わったと、自動的に北京に飛んでいくという態勢を取ったということ。そんなことを私が知っているぐらいですから中国指導部が知らないはずがないということで、この後、中国と北朝鮮の微妙な関係あるいは対立関係は新たな段階に入って今現在に至っていると、最近の中国の強硬な姿勢はこのことによるものだというふうに考えてもいいんじゃないかということです。
    まとめに入ります。簡潔にということでレジュメの最後ですけど、私自身がんサバイバーでして、がん治療、今も続けていますけど、職場復帰したのが去年、二年間がん治療で入院、ベッドの上におりました。奇跡的に生きて戻ってきましたけど、その経験に引っかけてというか、ベッドに横たわりながら、北朝鮮の核問題の解決はがん治療に似ているというふうにつくづくと思いました。
    今必要なのは、漢方薬ではもう治らない、あるいは、何とか水とか何とか食材とか自然食材とか、そういう民間療法では治癒が望めない。治癒する方法はがんで言われる標準三大治療しかない。三大治療は何かといいますと、一つは薬物治療、抗がん剤治療だと、もう一つは外科手術だと、もう一つは放射線治療だと。この三種類、私、受けました。これは大変な副作用があります。つらかったです。途中で放棄しようかと思うぐらいつらかったですけれども、副作用があってもこれをやらないと根治、完治はしないというのが北朝鮮の今の核問題あるいは大量破壊兵器の問題。なぜなら、数十年間放置してステージが三から四に入りかけているから、一の段階ではないということです。
    抗がん剤治療を担当するのは中国だと、要するに経済制裁をやるということですね。経済制裁をやって、ちょうどがん細胞を弱らせる、腫瘍を小さくするのと同じように脅威を小さくした上で、なくすことはできません、抗がん剤で完治させることはできません、しかし、がん細胞、腫瘍を小さくした上で、体に負担のない小ささにした上で外科手術を行って局所的に腫瘍を取り除くという、いわゆる軍事的な手段が避けられない。これは日本も何らかの形で参画する、敵地攻撃能力、先制攻撃であれ報復攻撃であれ関わる必要があるということ。この主治医はアメリカになる、執刀医はアメリカになるんでしょうけれども、補助医として日本と韓国がこの外科手術にも加わるということが求められているということです。
    それから最後、その外科手術がうまくいった後でも、ちょうどイラクがそうですけれども、がんが再発したり、あるいは転移したら意味がないんですね。ISの支配になるというようなことになれば余計問題が大きくなる、手の施しようがなくなるということですから、そういった意味で、どこに潜んでいるか分からない再発あるいは転移の脅威を取り除くために放射線治療。これは何かといいますと、亡命政権づくりを含めた政治的な圧力ですね、政権交代ということ。あるいは、一番喫緊でできやすいのは、中国が制裁やりますけれども、同時に、制裁よりももっと簡単でしょうね、中国が北朝鮮と結んでいる軍事同盟、中朝友好親善援助協力協定、軍事同盟、安保条約ですけど、これを中国が破棄するという政治的メッセージを打ち出せば、北朝鮮の軍部、中国が背を向けたということをはっきりと見て取れば、反旗を翻す可能性が極めて高まるというふうに思います。
    日本政府の役割ですけれども、じゃ、中国が仮にそうするとして、日本政府の役割は、亡命政権構想を進める、あるいはそれを積極的にサポートする。亡命政権、選手はそろいました、高級幹部がたくさん逃げていますから、選手はいます。サポーターがいないということですから、日本がサポーター役になるということが重要だというふうに思います。
    時間が来ました。以上で一旦終わりたいと思います。ありがとうございます。
    ○理事(酒井庸行君) ありがとうございました。
    次に、平岩参考人から御意見をお述べいただきます。平岩参考人。
    ○参考人(平岩俊司君) よろしくお願いいたします。南山大学総合政策学部の平岩でございます。
    お二方の参考人の先生から、日韓関係、それから北朝鮮情勢を含めた日朝といいますか、それについて体系的なお話がありましたので、私の方からは朝鮮半島と日本という、少し細かい、体系的なというよりは雑感を中心としたお話をさせていただきたいというふうに思っております。
    〔理事酒井庸行君退席、会長着席〕
    御依頼の日韓、日朝関係についてということですので、日本と朝鮮半島ということで考えればいいんだろうと思いますが、当然ですけれども、朝鮮半島は日本にとってみれば隣接した地域であると。しかしながら、御案内のとおり、日本が朝鮮半島を一九一〇年から三十五年間にわたって植民地統治をしたという歴史的経緯がありますので、戦後の日本と朝鮮半島の関係というのは非常に難しいものになっているというのが現状かと思います。
    とりわけ、朝鮮半島で本来一つの国になるはずだった国が分断国家になったために、日本とすれば韓国と北朝鮮という二つの体制と向き合わなければならず、それぞれがそれぞれの難しさを持っているということを我々は理解をする必要があるんだろうと思います。
    まず、韓国について言えば、その歴史問題が、これはまた後でお話をしますが、歴史問題は日韓関係の中で非常に複雑でデリケートな問題であります。その一方で、極めて理性的な安全保障協力の問題というのがあります。これは、韓国という国は、恐らく植民地統治から解放された後に日本との関係をある種韓国なりに清算しなければならなかった、ある種乗り越えていかなければいけなかったのでしょうけれども、韓国側の立場で日本との関係を清算する前にいわゆる冷戦体制が始まって安全保障協力を余儀なくされた、そこに理性と心情のジレンマが韓国は日本に対してはあるんだろうと。
    一方の北朝鮮は、歴史の上では日本に対して勝利をしたことになっておりますので、そういった複雑さというものはありませんが、日本にとってみれば、拉致、核、ミサイルという極めて重要な問題があり、なおかつ今現在も日本外交にとって極めて重要な課題となっているということなんだろうと思います。
    それぞれ見ていきたいんですけれども、まず韓国でありますが、これはもう先ほど小針参考人の方からも詳細に御報告がありましたように、現在の韓国は、朴槿恵大統領が職務停止に追い込まれている、弾劾が可決をされて憲法裁判所がそれを是とする判断をし、次の大統領選挙が目前に迫っていると、そういう状況であります。
    実は、韓国のそういう執務が止まっている、韓国の大統領の朴槿恵政権が職務停止に追い込まれているにもかかわらず、実は日本と韓国との間では、理性的な協力関係については随分進展をしているということであります。安全保障問題をめぐってのGSOMIA、情報交換協定であるとか、あるいはTHAAD、これは日本と直接関係ありませんけれども、ある意味では広い意味でのミサイルディフェンスでの協力、北朝鮮のミサイル防衛での連携というものが行われているというのが今の状況であります。
    しかしながら、次の大統領選挙の結果いかんではこれも非常に難しい状況に追い込まれるかもしれないということを我々は注意をする必要がありますし、それから、より重要なのは二〇一五年十二月のいわゆる慰安婦をめぐる日韓合意、この行方というのも次期大統領の判断によってはまた面倒なことになるかもしれないということであります。
    先ほどTHAAD問題についてお話ししましたが、これも小針参考人の方からも御指摘がありましたように、日韓関係を考える場合に中国に対してどう向き合うのかという大きな問題もあろうかと思います。
    細かい問題はともかくといたしまして、最近、最近といいますか、ここ数年ですけれども、日本側からいわゆる韓国疲れといいますか、韓国との付き合いにも辟易する、そういう雰囲気というのがあります。とりわけ、私のように朝鮮半島を専門にしている人間はそういうことは言えないんですけれども、例えば安全保障の専門家であるとか、あるいは国際関係の専門家であるとか、あるいは経済の専門家であるそういった人たち、かつて韓国との関係は日本にとって極めて重要だという、理性的な部分で日韓関係が重要であるというふうに言っていた人たちが、ここ数年、もうちょっといいかげんにしてほしいというような声が多く出てきてしまっている。私なんかにも、あなたは韓国と付き合っていて疲れないかというようなことはよく指摘されます。専門家が疲れていてはいけないわけなので、そこは私の仕事ですからというお答えをしておるんですけれども。その前提になりますのが、実は同じようなことは韓国の専門家の中からも出てきていて、日本との付き合いについて疲れていると。日韓双方がお互いに疲れている、そういう状況が生まれてしまっているというのが今の状況かと思います。
    これは、いろいろ考えてみると、これまで、何といいますか、日本と韓国は非常に近い、例えばアメリカとの同盟を共有しているとか、あるいは市場経済を共有しているとか、あるいは法治主義を、法の支配を共有しているとか、そういう共通項を中心にして、日韓は同じなんだからという前提での協力関係を構築してきた部分があろうかと思います。とりわけ、一九九〇年代の後半から、日韓ワールドカップ、さらにはいわゆる韓流ブームですね、日本でいう、そういうようなところで日本の多くの人たちは、韓国という国は、あるいは韓国の人たちは日本とすごく似ていて近い、同じような考え方を持っているという、そういうある種の誤解を持ったんだろうというふうに私は思っております。
    ですから、これまでその共通項を強調した日韓協力ということだったんですけれども、これからは、それぞれ国が違うわけですし、それからその考え方も、あるいは重きを置く点も違う、これはもう当たり前の話であります。それを前提にして、一体なぜ日韓関係が重要なのかということを、根源的な問いではありますけれども、これを問い続けることが恐らく日韓関係では重要になってきているんだろうと思います。今非常に日韓関係難しい状況ですが、逆の言い方をすれば、これまで余り明確に考えてこなかった、日韓関係はなぜ重要なのかという根源的な問いかけをするいいチャンスであろうというふうに私は考えております。
    次に北朝鮮でありますが、これはもう安全保障の問題については李参考人の方からもお話がありましたが、日本にとっては更に重要な問題として拉致問題というのがございます。日朝関係考える上で極めて重要な問題であります。
    核、ミサイルの問題については、これはアメリカとの協調を前提にし、国際社会の連携というものを前提にして北朝鮮に対して対話と圧力で臨むと、こういう基本方針があるわけですから、それを前提に進めていけばいいんだろうと私は思っておりますが、この拉致問題についてはなかなか複雑なところがございます。
    これは御案内のとおり、日本と北朝鮮はいわゆるストックホルム合意によって北朝鮮側が拉致問題を再調査をするという約束をしたわけでありますが、昨年の核実験、ミサイル発射の強硬姿勢に対して日本側が、それについて、ストックホルム合意の際に一部解除をした独自制裁の一部をまた元に戻して、更にプラスアルファで制裁を加えるということに対して北朝鮮が反発をし、ストックホルム合意そのものを北朝鮮側は日本側が破ったんだという、そういう立場を取るわけであります。
    ただ、その後も、日本側も北朝鮮側の状況次第でということだったんでしょうし、北朝鮮もこのストックホルム合意そのものをどうするのかというのはちょっとよく分からないところがあったんですが、日本側が駄目にしたんだ、自分たちが駄目にしたわけではないという、ある種宙ぶらりんの状態が続いていて、条件が整えば戻り得るプラットホームになっていたところがあるんですが、先日、宋日昊日朝国交正常化交渉担当大使が北朝鮮を訪問した日本側のメディアに対して、この問題についてはもう終わった話であって、残留日本人問題に関しては言及があるということであります。
    御案内のとおり、この残留日本人問題というのは実はストックホルム合意の内容でもありますので、果たして宋日昊大使がどういうつもりでこのストックホルム合意について位置付けをしたのかというのがいま一つ曖昧なところはあろうかと思いますが、少なくとも昨今の北朝鮮に対する非常に強い国際的な圧力の中で、日朝交渉を何らかのきっかけにしたいという北朝鮮側の思いがあるということは恐らく間違いないでしょうし、それに対して日本がどう利用し向き合っていくのかというのは今後の課題になろうかというふうに思います。
    北朝鮮については様々な評価というのがあるわけでありますが、これは今、トランプ政権が北朝鮮政策の見直しということを言いながら、これまでの北朝鮮政策は全く間違いであったというようなことを言います。私もそういう部分が恐らくあるんだろうと思います。それは、恐らくこれはとりわけアメリカだけではなくて日本もそうだと思うんですけれども、北朝鮮の体制の安定度についてかなり低く見積もっていた。要するに、ああいう体制は長もちするはずがない、すぐに崩壊するだろうという前提で、あるいはそれを期待してといいますか、そうしたものをある程度、それほどあんな体制は長くもたないんだということを前提に向き合ってきたところがあるように思います。
    例えば、九四年の米朝合意枠組みによって北朝鮮に対して軽水炉を提供するというような約束をするわけですけれども、このときも当時のクリントン政権は、北朝鮮の体制というのは五年間もたない、だから北朝鮮に対して軽水炉を供与しなくてもいいんだというようなことを主張したというふうに、そういう判断があったというふうに言われております。
    果たしてそれがどうだったのかということでありますので、やはり、北朝鮮に対して、確かにいろんな問題があって不安定な要素というのがかなりたくさんあることは事実なんですけれども、それでも我々の期待を超えてのある種の政権、体制の強靱性というものがある体制であるということは我々は考えていかなければいけませんし、またもう一つは、金正恩体制の行動原理、北朝鮮という国を最高指導者のパーソナリティーで説明していくケースというのは多いと思うわけですけれども、まあ実際そういう側面がないわけではないとは思いますが、金正日時代も金正恩時代も、ある意味で彼らなりの合理性、彼らなりの判断というのがあって、決して今、北朝鮮が行っていることも経験不足の若い最高指導者が思い付きでやっているわけではないということを我々は注意する必要があるんだろうと思います。思い付きでやっていたらここまで核、ミサイルの能力を上げるということは恐らくできないわけで。
    この北朝鮮の情勢に関して言いますと、我々がもう一つ注意しなければいけないのは、よく、我々といいますか、日本国内、メディアも含めてそうなんですけれども、韓国情報というのをかなり信頼し当てにするところがございます。もちろん、恐らく韓国の情報機関始めとして、北朝鮮についての情報、それからその分析にエネルギーを注入しているのは間違いありませんし、非常に、何といいますか、質も高いということは私も認めますが、その一方で、対外的に流される情報というのは、冒頭お話ししましたように、分断国家であるということを前提にして、北朝鮮の体制をどういうイメージで国際社会に伝えたいのかというような思いが恐らくあるでしょうから、やはり韓国から発せられる情報というのは注意深く検討していく必要がありますし、やはり日本の独自の立場から考えていく必要があるんだろうというふうに思います。
    ですから、体制の安定度について、何といいますか、余り崩壊を期待するような、あるいはいずれ崩壊するんだということを前提にした政策というものは、結果的に北朝鮮に時間を与えてしまう。この典型的なのはオバマ政権のときのいわゆる戦略的忍耐ということだったんだろうと思います。
    このオバマ政権の戦略的忍耐の背景にも、これは一昨年ですか、オバマ大統領自身が、CNNかユーチューブだったですかね、ユーチューブにインタビューで答えた、あんな体制長もちするはずがないということをおっしゃいましたが、まあそういう北朝鮮の体制というのが長続きしないということを前提にする政策というのは、残念ながらこれまでは余り効果的ではなかった。我々が期待するような結果、結論には至っていないんだということを注意する必要があるんだろうと思います。
    もちろん、北朝鮮問題に関しては、中国、まあ日米韓の協力関係というのが大前提ですし、今現在、韓国が先ほどお話ししましたように大統領選挙に突入をしていて、次の政権いかんでは日韓関係非常に難しい状況に追い込まれるかもしれないんですが、やはり日米韓が基本であることは間違いありません。ただ、やはり中国の役割は非常に大きいということもあって、中国、ロシアを視野に入れ、対話と圧力をバランスよく用いて、北朝鮮側が例えば日朝交渉などを求めてきた場合にどう向き合うのかということを考えていく必要があろうかというふうに思います。
    三番目といたしまして、あと五分もないですので、最後、まとめを含めて、朝鮮半島情勢と日本の役割と、それから終わりにというところでお話をさせていただきたいと思うんですが。
    御案内のとおり、現在、トランプ政権が北朝鮮に対してかなり厳しい状況で向き合っておりますので、朝鮮半島情勢、注目されておりますし、昨日の建軍記念日までに何かやるんではないのか、あるいは今月末まで行われている米韓軍事合同演習に際して北朝鮮が何かするのではというようなことが言われております。ですから、当然それについては引き続き注意をしていく必要がありますし、とりわけアメリカとの連携というのが重要になります。
    ただアメリカは、残念ながら、北朝鮮との交渉であるとか北朝鮮との向き合い方で必ずしも経験が豊かなわけではありませんし、そもそも今のトランプ政権自体が新しい政権であるということもあって、北朝鮮との向き合い方に関して言えば経験不足があろうかと思います。
    それを前提にすると、やはり日本は、日米関係が良好であるということを前提にして、このアメリカの経験不足をいろんな形で補填していく必要があるんだろうと思いますし、それから、先ほどからお話をしておりますように、日米韓の関係が重要であるということを考えれば、やはり次の韓国の次期政権がどういう政権になろうかということは非常に重要なんですけれども、どんな政権であっても、やはり安全保障上の協力関係、そういったものの必要性を次の政権にも粘り強く説いていく必要がありますし、その協力関係というものを構築していく、そういう必要があるんだろうと思います。そういう意味で、先ほどお話ししましたように、日韓関係はなぜ重要なのかという根源的な問いかけというものを日韓双方で考えていくいいチャンスであろうかというふうに思います。
    さらに、北朝鮮については先ほどお話ししましたのでいいかと思いますが、同時に、今のアメリカの動きで注目されるのは、やはり中国に対して応分の役割をというところであります。これも、今回のアメリカの非常に強い形での圧力は、北朝鮮のみならず中国に対しても向けられていて、中国が徐々に、徐々にではありますけれども、重い腰を上げつつあると。
    今回のトランプ政権の北朝鮮に対する姿勢というのを暫定的に評価すると、少なくとも中国が少し顔色を変えているというところは評価できるんではないかというふうに私は個人的に思っております。日本や韓国がかなり積極的に中国に働きかけをしたとしてもなかなか中国は重い腰を上げませんでしたが、アメリカがこういうような形でやれば、本当の意味での中国がどういうことをやるのか、あるいはどういう役割を果たしていくのかということは、まだ私は流動的であって本気で動き始めたとも思ってはいないんですけれども、少し顔色が変わったという、これまでとは様子が違うということを自覚しているということは、非常に意味があることだろうというふうに私なりに理解をしております。
    さらには、その状況次第ではロシアの関与、朝鮮半島問題に関してはロシアの関与、影響力というのも我々は忘れてはいけないことなんだろうと思います。
    日ロ関係のこういう枠組みからも北朝鮮問題でロシアの役割を使うようにその働きかけをするというのは、これも日本の非常に重要な役割の一つになってくるだろうと思います。米ロ関係、それから米ロ関係が対立的になって中国と北朝鮮の関係が冷却化すれば、北朝鮮にとってロシアというのは非常に魅力的なカードになりますので、このロシアに対する働きかけは日本としての役割、責任ということになってくるんだろうというふうに思います。
    最後に、あと一、二分お時間をいただいて、喫緊の課題としての北朝鮮問題では、この問題についてはやはり日本は積極的に関わっていくべきだろうと思います。
    これは、なぜならば、北朝鮮問題が解決していくプロセスというのは、恐らく東アジアの安全保障環境がつくられていく過程ですから、そこに日本は絶対に関与していなければいけない。その中でイニシアチブを取れるのが今後の日本の立ち位置を決めることになるでしょうし、それから、日本にとって朝鮮半島の問題というのは、受け身ではなくて積極的な意義というものを見付けて、日本なりに積極的な関与の仕方をしていく必要があろうかと思います。
    それから、日韓、日朝、あるいは朝鮮半島と日本という非常に限られたエリアの中で考えるとどうしても細かい問題が出てくるし、大きな枠組みの中でその重要性というものを考える。東アジアの一部としての日韓関係、日本と朝鮮半島の関係、それから世界の一部としての東アジア、そうした視点が必要でしょうし、中長期的な視点、短期的な視点ではなくて、中長期的に朝鮮半島との関係をどうするのかということを考えることが、恐らく今後の世界における日本の立ち位置を決めていく上で極めて重要な課題ということになろうかと思います。
    少し長くなってしまいましたが、私の方からお話しさせていただくのは以上とさせていただきます。どうもありがとうございます。
    ○会長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
    以上で参考人からの意見聴取は終わりました。これより質疑を行います。
    本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
    質疑及び答弁の際は、挙手の上、原則として会長の指名を受けてから着席のまま御発言くださいますようお願いを申し上げます。
    まず、大会派順に各会派一名ずつ指名をさせていただき、その後は、会派にかかわらず御発言をいただきたいと存じます。
    委員の一回の発言時間は答弁を含め十分以内となるよう、また、その都度答弁者を明示していただきますよう御協力をお願いをいたします。
    それでは、質疑のある方は挙手を願います。○藤田幸久君 今日は、三人の先生方、ありがとうございます。
     三人の先生方の非常に重要な今日は御発言ということと、鴻池会長の人徳でこの調査会だけが開催をされているという、台風の目のようで、嵐の中で大変勉強させていただきましてありがとうございます。
     まず、北朝鮮の関係で李英和先生にお伺いしたいんですが、この亡命政権構想。いろんな見方はありますが、北朝鮮は、核を持っているがゆえにイラクとかリビアのように攻撃されることはないというふうに実は自信を深めているという説もあります。一方で、イラクあるいは旧ユーゴのように、独裁政権が倒れた後というのは大変国が混乱してしまう。したがって、非常に強気にいる北。一方で、そういう独裁政権が崩壊した後、周辺国も含めて、日本も含めて大変なことにならないための放射線治療ということだろうと思いますけれども、そういう厳しい中でどういう形で亡命政権構想というものを樹立していくことが可能かということについて簡単に、というのは、二、三問皆さんにしたいと思いますので、お答えいただければ幸いでございます。
    ○参考人(李英和君) 亡命政権構想ですけれども、ポイントは、政権交代は政権交代なんですけれども、より安定的、平和的な政権交代を、相対的に平和的な政権交代を目指すということが肝要でして、その観点からいいますと、今、金正恩政権の中枢にいる側近の人たちが金正恩政権、金正恩体制を見限る、離反するというシナリオが一番ベストだというふうに思っています。そのためにどういう政権構想を立てるかということが今一番重要な点です。
     その観点から、亡命政権構想、当事者、それをつくろうという当事者の間から出た意見ですけれども、金一族、金王朝の金一族から次期の指導者を立てようということ、ある意味でいいますと、形式だけ見ると金王朝が続くということになるんですけれども、人を替えるという形ですね。より穏健な、危険思想を持たない金王朝の一員に替える、そのことを通して安心して側近が離反するという格好をつくりたい。
     韓国主導になるとかアメリカ主導になるということになりますと、今の金正恩政権を支えている側近、自分の首を心配しなきゃならない、自分の命を心配しなきゃならない、金正恩政権にしがみつくということになりますけど、その心配がない形での政権交代。
     繰り返しになりますが、金一族からということで第一候補に挙がったのが、今チェコ大使をしている金正恩氏の実の叔父さんに当たる金平一チェコ大使、そして第二候補が、暗殺されてしまいましたけれども金正男氏。ベストシナリオは金平一、金正男が手を組むというのがベストシナリオだったんですけど、暗殺でその構想、最後のベストシナリオは壊れたと。一つ残っていると、金平一を首班とする亡命政権、これはヨーロッパにつくろうという動きがあります。他方で、アメリカで最近、亡命政権樹立のための集会が持たれたようです。こちら側は軍人を中心とした亡命政権をつくろうという構想で、今二つの大きな潮流があるということで、私が北朝鮮留学中よく現地の人から言われたことですけど、朝鮮人三人集まると派閥が四つできる、数が合わぬということですけど、なかなか団結しにくい気質なんですけど、この二つの潮流を一つにするというんですか、そういうサポーターの調停というか応援が求められていると。
     問題は、韓国政府、なかなか亡命政権構想を支持することはできない。憲法上唯一の国ですし、北朝鮮といろんな場合で交渉しなきゃなりません、離散家族の問題も。亡命政権を支持しておいて金正恩政権と交渉するのは難しい。同じようなことは日本にも言えます、拉致問題があってですね。しかし、そこは知恵を絞って、日韓両国あるいはヨーロッパの国も巻き込みながら、与野党が役割分担をする、あるいは政府の外交と議員外交を使い分けるという形で亡命政権構想、実るようにしていく必要がある。そうすれば、高級幹部、核心幹部の離反を誘発することも夢ではないというふうに思っています。
    ○藤田幸久君 この間、マレーシアと北朝鮮の間で、北朝鮮は、北朝鮮在住のマレーシア人をある意味では出国禁止にして対応しました。その際に、今回、北朝鮮に在住の日本人の方々、どうやって、まず、どういう方々がいらっしゃって、万が一の場合にお助けするかという非常に重要な問題ですが、今、日本政府がどのくらい把握しているかも定かでない中で、北朝鮮在住の日本人の方々を救うための方法について、何かお知恵があれば。
    ○会長(鴻池祥肇君) どの先生に。
    ○藤田幸久君 李英和先生です。
    ○参考人(李英和君) 非常に重要ではありますけれども、大変難しい、私自身も頭を悩ましてしまう。
     現実問題でいいますと、核問題の処理の中で、どんな形であれ、例えば軍事衝突が起きたということを想定した場合が一番問題だというふうに思います。その混乱の中でどう救出するかということ、いろんなタイプの拉致被害者も含めた日本人の方、残留日本人も日本人妻もいますし、その方をどうするかということですけど、現実問題でいいますと、アメリカ軍に頼むというお願いの仕方もありますけれど、やっぱり地の利あるいは同じ民族だということを含めた韓国軍に第一義的には捜索と救出をお願いせざるを得ないと。そういった意味では日韓関係重要だということになりますし、そうかといって、アメリカ軍であれ、やはり韓国軍であれ、忙しい中、あるいは銃弾が飛んでくる中、日本人を探してきてくれ、その過程で命を落としても仕方ないというようなことはなかなか言えないです。
     いずれにせよ、直接捜すことはできませんけれど、あるいは直接救出するということは困難でしょうけれども、自衛隊の方々に、とにかく現地に足を踏み入れてその救出活動をサポートする、あるいは救出した後、その保護を現地で引き受けるというようなことを考える必要があるというふうに思います。
    ○藤田幸久君 平岩先生に。先ほど、トランプ政権の一つの功績といいますか、中国の重い腰を動かした。他方、今カール・ビンソンに自衛艦が二隻追尾して、場合によっては日本海に入るという話もありますが、しかもその作戦のこれはガイドラインにFDO、柔軟抑止選択肢とありまして、それ読んでみると、部隊行動を見せ付ける行動を探るとか、相手側による事態の更なるエスカレーションを防ぐために、あるいは行動を取ることによって相手に正しく意図を伝達しということはかなり威嚇的に取れると思うんですけれども、こういうやり方が、韓国を含めて、今お話に出ている一種の外交的ソフトランディングにとって効果があるのかどうか、韓国の対応も含めてどうお考えでしょうか。
    ○参考人(平岩俊司君) ありがとうございます。
     もう御指摘のとおり、いわゆる具体的な軍事行動を取るためというよりは、むしろその強い圧力を見せ付けて相手に姿勢変化を求めていくということなんでしょうけれども、少なくとも、今の段階でいうと、残念ながら北朝鮮はアメリカが具体的な軍事行動を取れないだろうというふうに考えているんだろうと思います。
     それはアメリカ側の対応の悪さも少しありまして、例えば非常にシリアの攻撃以降、北朝鮮に対する圧力を加えているという印象があったんですけれども、例えばカール・ビンソンが実は朝鮮半島に向かっていなかったとか、あるいはマクマスターという補佐官がもういわゆる軍事力じゃなくて外交だというようなことを言って、少しタイミングとして早い、北朝鮮側が強気に出る、強気に今出ている中で、もう少しその姿勢が変わってからでもよかったような気がするんですけれども、そういうような意味での少しバランスの悪さというのはあるんですが、アメリカ側の対応というのは一応評価を私はしております。
     とりわけ中国に対してかなり強いメッセージということになって、恐らく中国からすれば、まだ完全にそういう日本やアメリカと一緒になって北朝鮮に対して何かするというよりは、むしろこのままだとアメリカが非常に強硬な姿勢に出てくるかもしれないから、自分たちが自分たちの持っている影響力というのをより使っていかなければいけない、まだそういう段階なんだろうと思いますが、これはちょうどイラク戦争が始まった直後ぐらいの雰囲気に似ていまして、六か国協議のために中国はイラク戦争が早期に収束すると今度アメリカが北朝鮮に何かするかもしれないということでやった、そのときの雰囲気に似ておりますから、中国が少し今回も顔色を変えて動くかなというところなんだろうと思います。
    ○藤田幸久君 時間ですね。ありがとうございました。
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