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  • 【2015年6月2日】

    活動報告

    2015年06月02日

    参議院外交防衛委員会における藤田幸久の質疑議事録

    ○藤田幸久君 民主党の藤田でございます。
     これから七十分ございますので、主に中谷大臣を中心にしっかり議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
     資料をお配りしていると思いますけれども、まず、文民統制、文官優位について、中谷大臣が著書「誰も書けなかった防衛省の真実」という本を書いておられます。その中から二ページほど持ってまいりました。
     この一ページ目の方でございますけれども、二行目からいきますと、「オペレーションと訓練は、自衛隊幕僚監部や統合幕僚監部が責任を持って行うこと、各幕僚長や統合幕僚長が直接大臣・官邸・総理に連絡し、指示をもらうことを徹底すべきです。」と。で、ちょっと右の方にいきまして、「重大事項は、各幕僚長が直接大臣に報告することになっています、しかし、大臣や官邸への連絡は、実際はいつも内局がすることになっているのです。」と。で、括弧の中で、四角の中ですが、「それは、大臣には、内局の局長や事務次官が秘書官を通じて連絡を行うという法的な仕組みが、まだ改善されていないからです。」とあります。さらに、下の四角の方に行きますと、「第十二条には、官房長と局長、幕僚長との関係が書かれており、各幕僚監部に関する各般の方針、基本的な実施計画の作成についての大臣の行う指示・承認・監督は内局の官房長と各局長の所掌事務となっています。これでは、運用も人事も、独自の判断ができるわけがありません。」というふうに書いてございます。
     それで、その先に行きますと、「シビリアンコントロールとは、政治の軍への優越です。しかし的確な情報を入手できなければ、政治は正しい判断ができません。」。「いつまでたっても、自衛隊の組織、機能が見えにくいのは、極言すれば、政治と自衛隊のつなぎの部分に内局が介在しているためではないか。これが、私の胸中から、なかなか拭い去れない疑念のひとつです。間に入るものによる情報の遮断、真実の変質さえ危惧される現状の中で、政治と軍事の距離が遠いものにされてしまっているのです。」とあります。
     そこに内局の方たくさん今日も座っていらっしゃいますけれども、この中谷大臣の、はっきり書いていらっしゃる、これ、「誰も書けなかった防衛省の真実」ということは、やっぱり本音が一番詰まって凝縮されておると思うんですけれども、この私が引用した部分についての、中谷大臣、この前は何か割と官僚答弁が多かったので、本会議のときは、今日は是非、政治家として本音で御答弁をいただきたいと思います。お願いします。
    ○国務大臣(中谷元君) 御指摘の著書につきましては、「あたご」の衝突事件、また元事務次官の背任事件などを踏まえて、当時の防衛省をめぐる様々な問題について私の個人的問題意識を述べたものでございます。
     その中で、文民統制につきましても述べさせていただいておりますが、当時から私が一貫して考えておりますのは、内局部局の文官である官房長、局長による政策的見地からの大臣補佐と、自衛官である各幕僚長による軍事専門的見地からの大臣の補佐はバランスよく行わなければならず、文民統制の主体である大臣をしっかり補佐をする体制について不断に検討する必要があるということでありまして、大臣として物事を判断する際に、やはり文官としての意見も、そして軍事専門家の、特にオペレーション、運用に関しては現場の自衛隊の意見、これを聞いて、両方の補佐を受けて適切に判断をする必要があるのではないかという認識を述べたものでございます。
    ○藤田幸久君 今の話と全く逆のことを書いていますよね。つまり、大臣や官邸の連絡はいつも内局がすることになっているので、最後の方ですけれども、要するに間に入ってしまうと、つなぎの部分に内局が介在しているんだと。だから、今おっしゃったようにバランスよくというよりも、間に入ってしまうので、政治と、つまり自衛官の制服の間の距離が遠いものにされてしまっていると書いていらっしゃるわけですから、今、補佐という言葉を幾ら使おうとも、あるいはバランスということをおっしゃっても、ここでおっしゃっているということは、要するに制服と政治との間に内局が入って遮断をしてしまうと書いてあるわけですので、今の答弁と逆のことを書いていらっしゃる。これ、文字はうそをついておりませんので、全く逆じゃないんでしょうか。
    ○国務大臣(中谷元君) ですから、不断に検討する必要があるということを書いておりますが、やはり重複するところがありまして、大臣のところまで上がってくるのに時間が掛かるというケースがございます。特に災害とか緊急事態につきましては早く私も掌握をして判断をしなければならないわけでございまして、やはり連絡調整、こういう点については重複するところはいずれかの組織に任せて、より迅速、そしてより的確に事態が、物事が行われるべきではないかと、そういう旨を記述したつもりでございます。
    ○藤田幸久君 先日、大野議員の質問のところで、このいわゆる重複の部分について、重複はないというような答弁をされておられたと思いますけれども、今の答弁と逆ではないでしょうか。
    ○国務大臣(中谷元君) 実際に今の業務におきまして、統幕が実施しているところ、そして運用企画局が実施をしているところの重複部分といたしましては、図表にも示しておりますけれども、内局の部局の文官が統合幕僚監部に対して、今度移すようにいたしておりますけれども、関係省庁との調整、対外説明業務等を担当するというようなところにおいて、非常にここが重複するから事態がなかなか報告ができなかった部分もありますので、この辺においては今回整理をいたしまして、内部部局の方に、運用に関する法令の企画立案機能は内部部局が維持をするとして、実際に統合幕僚監部には、実際の部隊運用に関する業務を対外説明業務も含めて統幕監部に一元化をする、より的確に迅速に事態が報告できるようにということで改編をしたわけでございます。
    ○藤田幸久君 五月二十六日の大野理事からの質問に対して、「正式に内容が確定されるまでの間は内部部局の方からやらせていただいておりましたけれども、実際に行動について確定していく方は統合幕僚監部の方で行っていたという実態がございます。」と。つまり、重複はなかったと答弁されていますが。
    ○国務大臣(中谷元君) なかなか大臣のところに報告があるということは、現状におきまして、運用企画局、この中で総合的に検討して上がってくるわけでございますので、非常にいろんな情報におきましても時間を要するような事例、特に私が本で書きましたけれども、「あたご」の衝突事案におきましては、大臣に連絡が上がってくるところに時間を要したというような事例として指摘をしたところでございます。
    ○藤田幸久君 二十六日の答弁は、重複がないというふうに読める答弁をしていますが、これまでの答弁と違っていますねという質問に対してお答えをいただきたいと思います。
    ○国務大臣(中谷元君) 通報とか連絡調整の業務につきましては、同一の時点での同一内容についての通報、また連絡調整を内部部局と幕僚監部とから二重に行うものではないというものの、取り扱う事項の内容や業務の要領が同様のものを内部部局と統合幕僚監部のそれぞれにおいて行っているという意味で業務の重複があったということでございます。
    ○藤田幸久君 重複はあったんですね。
    ○国務大臣(中谷元君) お話ししたように、同一時点での同一内容についての通報、連絡調整を内部部局と統合幕僚監部から二重に行うというものではないものの、取り扱う事項の内容や業務の要領が同様のものを内部部局と統合幕僚監部のそれぞれにおいて行っているという意味での業務重複があったということでございます。
    ○藤田幸久君 では、重複があったということを確認をさせていただきました。
     それで、またそのことに戻ってまいりたいと思っておりますけれども、そのことと、制服と政治の間に内局が割り込むということについてはまだお答えいただいていませんけれども、つまり、本で書いていらっしゃることは、これ、内局が介在し情報の遮断、真実の変質さえ危惧されると、それで距離が遠くなっているということをおっしゃっていますので、つまり、今までそういう遮断する存在としての内局があったという認識は、これ間違いないですね。
    ○国務大臣(中谷元君) 私の勤務上、やはり内局の考え方も統幕の考え方も両方聞いて判断をしなければならないわけでございます。そういうことで、実際私の経験をした上において述べたものでありまして、これはあくまでも私の個人の問題認識として記述をしたものでございます。
    ○藤田幸久君 そうしますと、経験からして、この内局の、つまり割って入る介在があったという事実を、当時、個人の政治家としてそういう認識を持っていたということは間違いございませんですね、これ書いた段階で。
    ○国務大臣(中谷元君) 部内で調整をするために時間を要していたことは事実でございますが、私個人としては、もう少しスピーディーに幕僚監部等から事実とか、また専門的な話を聞くことができればよかったなというふうに思っております。
    ○藤田幸久君 つまり、制服の方から専門的な話を聞けなかったということですね、今のお話は。聞けばよかったということは、聞けなかったということですよね。
    ○国務大臣(中谷元君) 当然のことながら、部内で調整はされていたものと思っておりますけれども、私の思いといたしましては、もう少し早く直接そういう軍事的な見地からのアドバイスや意見、こういうことは聞ければよかったなということでございます。
    ○藤田幸久君 また、今の点、戻ってまいりますが、要するに、早く直接聞けない内局の存在があったというふうに政治家中谷元さんは当時考えていたということが、この動かし難い文字として書かれているということでございます。
     では、その二ページ目に移っていきたいと思いますが、同じく、この中谷大臣の当時の本でございますけれども、一番上のところの後半ですが、「運用企画局は廃止することも視野に入れるべきです。」と。それからちょっと置きまして、「オペレーションに関しては、統合幕僚監部がありますから、ここに権限を集中させるべきであり、」と。
     まさに今回の法案はこのとおりになっていますが、こういう考え方が今回の法案に反映されているというふうに認識してよろしいですね。
    ○国務大臣(中谷元君) これは防衛省改革の一環ということで、統合幕僚監部の一元化と運用に関してはということでありましたが、これはもう自由民主党の中の国防部会を中心に防衛省の様々な将来像について検討をし、討議をし、提言をまとめたという時点からこの必要性におきましては主張をいたしておりましたし、また、自民党全体としての協議の中でも、この点において様々な観点から検討をした結果まとめられたものでございまして、それを踏まえて防衛省としても防衛省改革で検討をされました。
     北澤大臣が現職のときもこのテーマで議論をされまして、様々なシミュレーション等も行って対応をしてまいったわけでございますが、そういった経緯も含めまして、オペレーションにおきましては、一国有事をする場合にやはり迅速に物事が報告され、そして判断されるということは私は極めて大事なものでございますので、そういった観点で検討された結果、このような改革案になったということでございます。(発言する者あり)
    ○藤田幸久君 結局、元に戻したんだという北澤当時の大臣の声が聞こえましたので、報告をしておきます。
     都合によって民主党、都合によって北澤大臣の名前が出てくる、肯定、否定も含めてございますので、それは一番佐藤理事が知っていらっしゃるので、そういう発言があったということをちょっと私の口から申し上げて。
     今大臣は、オペレーションは一国有事とおっしゃいました。そのことがこの二ページの下の四角の中に入っています。つまり、「オペレーションや部隊のこと、」という言葉で始まっておりますこの引用の二行目に、「あわせて内局がやっているため、時間と労力を無駄にしている面があります。」と書いてあります。これ、オペレーションに関して。
     それから、下から三行目の右の方ですけれども、「内局の担当者の説明のわかりにくさ、時間のかかることに、いらいらすることがあります。」と。その下の行の右の方ですが、「話が早く、しかも深い面があります。」と。
     つまり、この「あたご」のときに、先ほどから何回か引用されていますので、このときに、要するに制服から直接入ってくることを、内局がこういうことで、いらいらするようなことで邪魔をしたといいますか無駄になったので伝わらなかったと。しかも、オペレーションですから、一国有事の際に内局がそういうことをしたのできちっと大臣に伝わらなかったというふうに書いてありますが、その理解でよろしいですね。
    ○国務大臣(中谷元君) 官僚の機構としてそれぞれの部署があって権限があって、それを通じて大臣まで上がってくるわけでありますので、それぞれの決裁、了解等を経ますとそれだけ時間が掛かってまいります。報告に対する時間も必要であります。そういうものが私は必要ないとは言いません。
     しかし、結果的に、そういう政策的な見地からの内局の意見、判断と、やはりこれは軍事的、専門的な見地での状況判断、こういうことを総合的に防衛大臣としては聞いた上でその物事の善しあしを判断するということでございまして、そういう意味で、やはり物理的にどうしても時間が掛かってしまうんですね。非常に優秀な人がそろっていても、どんどんどんどん人を介すことによって時間が経過してしまうと。
     そういう点で、二重的に重複する部分もあるので、今回は運用に関しては統合幕僚監部に一元化をして、そして、そういう政策的見地から物事を見る人も当然その中に入れて、入れた上での話を聞いた方が迅速かつ的確に物事が行われるのではないかということでございます。
    ○藤田幸久君 大臣、一国有事とおっしゃっているんですね。一国有事のオペレーションとおっしゃっているときに、そんな優秀な人が時間が掛かってと、そんなのんきな話じゃないと思うんですよね、これだけ内局が邪魔をしていると書いてあるわけですから。それで一国有事のときに情報が遅れたということをおっしゃっているのに、しかもこれだけ書いてあることをそういう形で否定するというのは、非常に私は姿勢を疑うので、そういう言い逃れというのはちょっと見苦しいと思いますので、それは反省をいただきたいと思います。
     その上で、次のこの大きなページを御覧いただきたいと思います。
     まさに今のいわゆる内局による様々な行動ということを表しているのが、いわゆる文官統制だろうと思います。私はなぜこういうものを作ったかといいますと、これ左側、引用されておりますのは全部歴代の総理であります。中曽根長官に関しましては後に総理になられましたが、総理経験者三人の方々が左の答弁内容に関しまして、文官統制ということについて発言をされておられます、国会の中で。
     まず、左の佐藤栄作総理。上から四行目、右の方、これはこの間、大野議員が引用された部分ですけれども、「国会の統制、内閣の統制、防衛庁内部における文官統制、及び国防会議の統制による四つの面から構成されておりまして、」と。つまり、「防衛庁内部における文官統制、」と明確におっしゃっている。これ、私もこの間代表質問で取り上げ、そして大野さんも聞いたところでございます。
     次に、中曽根防衛庁長官です。赤の部分で、「部内の背広の者が制服の者に威張るということではない、それは政治理念が軍事理念に優越するということである。」と書いてあります。それから数行下の赤の部分ですけれども、右の方で、「内局においてこれを統合するということは非常に大事な要素でもあるのです、そういう意味におけるシビリアンコントロールというのはある程度あるでしょう、なぜならば、内局というのは長官を補佐する。いろいろ部隊、各幕に対して指示を与えるときも内局が審査して、そして報告にくるのも、また上から下へ下達するのも、内局を通してやるというシステムになっておる」。これは、先ほど中谷大臣が本の中でおっしゃっている、つまり上に行くのも下に行くのも内局が入るとここに書いてあるわけです。
     それから、一番下の竹下元総理。真ん中辺の赤のところへ行きますと、「内局というものが制服をコントロールすると申しますか、そういう機能がまず第一義的にあるではないか。」と。
     つまり、衆議院でもいろんな方がこの文官統制について質問しました。私も、それを踏まえてこの間代表質問で質問いたしました。なぜ質問したかといいますと、これ真ん中の衆議院のところですけれども、これ、大臣が答弁されている際に、この左の佐藤総理、中曽根防衛庁長官、竹下総理が文官統制について引用されているのに対して、真ん中の衆議院の部分では文官統制のことは言っていないんです。答え方とすれば、ほかの部分で政治が優先しているとか、「防衛庁長官、これは必ず背広であります。」とか言っているんですね。
     それから、中曽根防衛庁長官に対する答弁のところも、「政治理念が軍事理念に優越する」と言っていますとか言って、「文民優位とは政治優位であると考えておりまして、」と。したがって、こう言っているので、佐藤総理、中曽根防衛庁長官はこの文民統制のことを言っているんですというふうにすり替えているんですね。
     同じように、竹下元総理に関しましても、「内局と制服とのいろいろな話し合いがあって」とか書いておられまして、要は、文官統制についての引用についていろんな方が質問しているのに対して、中谷大臣はそれ答えていないんです。
     ただ、唯一、その文官統制に対して答えを始めたのは、一番右の参議院の真ん中辺でございますけれども、この間、私が代表質問で質問した際に、つまり、大臣、逃げないでくださいと、文官統制そのものについての部分についても答えてくださいということに対してやっと答えてくださったのが、この私の質問に対する答弁、上の方から、佐藤総理大臣も云々云々、次に中曽根防衛庁長官も云々云々、竹下内閣総理大臣も云々云々として、そして最後の部分、私の質問に対する答弁という上の三行目の右の方ですけれども、「内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨であると理解されます。」と。初めてここにおいて、文官統制というのは内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨でありますと、初めてここで文官統制について答えているんですね。
     私は、やっぱりこれだけ大きな法案でございますから、文官統制、まさに内局による介入といいますか、ということについて、大臣自身がこれだけいろいろおっしゃってきている。しかも、総理ですね、今の政権は、今までの総理の、小渕総理の答弁を翻すようなこと、あるいは歴代総理の例えば談話に対することも翻すようなことをやっていらっしゃるので、総理経験者の今までやってきたこと、おっしゃってきたことをひっくり返すというのは常道かもしれませんけれども、少なくとも、この三人の総理経験者が文官統制について言及している、その部分についての答弁を求めているのに対してしっかり答えていただきたいと思いますが。
     今までのところで文官統制ということについてまともに答えないで、最後はやっと補佐という形で文官統制ということについて定義されておられますけれども、そのことについてまず答弁をいただきたいと思います。
    ○国務大臣(中谷元君) シビリアンコントロールというのは政治の統制でありまして、それを受けて防衛大臣が文民、いわゆる国会議員から選ばれたわけでございますが、どう大臣がコントロールするかにおきましては、文民による補佐もありますし、幕僚監部のように軍事的専門家の補佐、これも受けるわけでございます。
     そこで、設置法の十二条に官房長及び局長が大臣を補佐するという旨を明確に定めており、補佐の意味は述べたとおりでありまして、統制を補佐者が行うということはできませんが、こうしたことを踏まえれば、政府として文官が部隊を統制するなどの文官統制の考え方は取っていないというのは明らかでありまして、歴代の総理による答弁についても、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨であると理解をされるわけでございます。
     具体的に佐藤総理の例を挙げましたが、ここでは、防衛省の内部において文官が自衛官を統制すると解釈をした場合に、じゃ、この答弁は国会における統制、内閣における統制、内閣における統制に含まれる国防会議の統制を挙げる一方で、これらと同じく政府が文民統制の要点としている防衛庁長官の統制についてのみ言及を避けている、あえて防衛庁長官の下位にいる者に言及をしているということになります。
     しかしながら、同年に発刊された防衛白書の文民統制に係る記述、また、佐藤総理からの文民統制とは政治が軍事に優先することである旨の累次の答弁、そして、憲法上国務大臣は文民でなければならないとされていることなどからくる文民統制における国務大臣の重要性を踏まえれば、佐藤総理がそのような意図を持って答弁したと解釈するのは無理があって、お尋ねの佐藤総理の答弁における防衛庁内部における文官統制は、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨と解釈するのが適当でございます。
     また、中曽根総理の答弁につきましては、この文民統制という言葉については、私は、部内の背広の者が制服の者に威張るということではない、それは政治理念が軍事理念に優越する言葉である、内局というのは長官を補佐するとも答弁をしておりまして、こうした答弁や同年に中曽根防衛庁長官の下で発刊された防衛白書の文民統制に係る記述を踏まえれば、お尋ねの内局による統制は必要であるとの答弁は、防衛庁の所掌事務全体について、防衛庁長官の判断の下で統一的に遂行されるよう、各種施策の遂行に当たっては防衛庁長官の下、内部部局が各幕僚監部と調整し、取りまとめる旨を述べたものであると理解をされるわけでございます。
    ○藤田幸久君 端的にこの佐藤総理の文官統制の部分、中曽根防衛庁長官の文官統制の部分、それから竹下元総理の文官統制の部分、そこについて評価をしてください。
    ○国務大臣(中谷元君) 竹下総理についてはまだ述べておりませんが、この竹下総理の答弁につきましても、防衛庁の防衛予算、防衛政策についての議論をする中で、実際この発言の前にも予算編成や防衛の基本の政策についてという言葉がありまして、発言をされたものでございます。
     この説明に当たって、基本的な認識といたしましては軍事に政治が優先すると答弁した上で、防衛政策等を立案する際に、まず内局と制服とのいろんな話合いがあって、内局というものが制服をコントロールすると申しますか、そういう機能がまず第一にあるのではないかと答弁をいたしております。
     こういうことで説明をさせていただきましたが、こういうことを踏まえますと、政府として文官が部隊を統制するなどの文官統制の考え方は取っていないということは明らかでありまして、御指摘の歴代総理による答弁についても、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨であると理解をされるわけでございます。
    ○藤田幸久君 この私の資料の一番右の一番下を御覧いただきたいと思います。
     これは昭和四十五年の中曽根防衛庁長官の答弁です。一番下の三行の赤の部分を読み上げたいと思います。「制服の相当な力を持っておる人間が内局の責任あるポストにつくことは適当ではないという考えに立って、いわゆる長官補佐機関の文民優位という形を実行しております。」。
     文官統制そのものでありませんか。
    ○国務大臣(中谷元君) 同時に、中曽根総理はそうでないことも言っておられまして、様々な発言がございます。
     内局というのは長官を補佐をするといった答弁等がございまして、やはり私の考え方につきましては、内局の文官の補佐を行われる大臣による文官統制の趣旨でもありますし、防衛大臣は統合幕僚監部を始めとするこういった軍事的な補佐、これを両方受けて行うものであると認識をいたしております。
    ○藤田幸久君 委員長、今質問した後、委員長にお諮りしたいと思いますが、先ほどから私が質問していることには答えずに、ほかの部分でこう言っていますという答弁ばかりであります。これは、対照表が明らかになっているように、これ左の段は、総理あるいは総理経験者が文官統制ということに対して、真ん中の衆議院における答弁においては、そのことに言及せずにほかの場所でこう言っている、したがって文民統制だという切替えをしています。
     そして、今の答弁が典型的でございまして、私が聞いたのは、この一番右の一番下の中曽根防衛庁長官の、「制服の相当な力を持っておる人間が内局の責任あるポストにつくことは適当ではないという考えに立って、いわゆる長官補佐機関の文民優位という形を実行しております。」。
     これは文官統制そのものではないですかということを聞いているんで、ほかでどう言っているかと聞いているんじゃなくて、これがイエスかノーかをお答えをいただきたいと思います。
    ○国務大臣(中谷元君) これは、防衛省・自衛隊の統制の問題ではなくて、内部部局による人材の配置の在り方について述べているものであると考えております。
     この答弁をされた前後の防衛白書に、文民統制に係る記述を踏まえれば、お尋ねのいわゆる長官補佐機関の文民優位性という答弁は、文官が自衛官に優越するということではなくて、防衛庁において政策的な大臣補佐を担う機関である内部部局は文官主体の組織である旨を述べたものであると理解されます。
    ○藤田幸久君 歴史的に国会において、国権の最高機関で、まして総理だった方が答弁した内容について、後に別の大臣なりがその解釈についてほかのところでこうおっしゃっているのでこういう解釈ですというふうに、今解釈改憲ということが昨年から始まっておりますけれども、この議事録の解釈変更といったことを国権の最高機関で、これ議事録というのはこれ事実ですから、それを後々の大臣がその解釈でもってそこでおっしゃっていることはほかの文脈からして違いますということを言って果たしていいんですかね。
     この内容については、少なくても、この制服の相当な力を持っている人間が適当でないとおっしゃっているんですね、適当でない。これは、適当でないということは、その統制ということの意味は別にして、この制服の責任あるポストの人がこういう形で行うということは適当でないということは、これ政府の方針であったということは間違いございませんですね。
    ○国務大臣(中谷元君) 文官の役割というのは、政策的見地からの大臣の補佐でございます。当時の中曽根長官は、この内部部局における人材の配置の在り方について述べたものであると考えております。
    ○藤田幸久君 これは、人材配置という何か人事部長の話じゃないと思うんですね。これはこの国の政策決定に関する重要な自衛隊法についておっしゃっていることであって、この制服の人が責任あるポストに就くことは適当でないと。適当でないということについてはっきり政府としては当時そういう認識でいたということは間違いないですね。
    ○国務大臣(中谷元君) これは内局の人事配置の話をされているんじゃないでしょうか。こういう内局の性格から見て、制服の方が、力を持っておる人間が内局の責任あるポストに就くのは適当ではないという考えに立ってお話をされております。まさに内局というのは政策的見地で大臣を補佐するわけでございますので、これは何の問題もないと思っております。
    ○藤田幸久君 ですから、要するに、制服の人が優位に立つことがあってはならぬということですね。
    ○国務大臣(中谷元君) 内局というのは、そもそも政策的見地によって大臣を補佐するということでございますので、あの当時の中曽根防衛庁長官はそのような趣旨で政策的見地を行う内局の責任あるポストにおいては制服は適当ではないと述べたと思っております。
    ○藤田幸久君 したがって、このまさに佐藤総理、あるいは今の引用もそうですけれども、中曽根当時の長官、あるいは竹下総理がはっきりおっしゃっているような形でのこの文官優位ということが実態としてあったということ、そのこと自体を否定されますか。
    ○国務大臣(中谷元君) これは、政策的見地からの補佐を行う組織が内局でございます。このような見地で制服の高官が就くのは適切ではないというふうに当時の防衛庁長官が述べられたと思っております。
    ○藤田幸久君 したがいまして、そういう制服の方に関しては文官が優位であると。したがって、制服の方がそういうポジションに就くということについてはこの優位性を損なうという実態があったということは、これ、総理あるいは防衛庁長官もおっしゃっていたことを踏まえて、そういう実態があったということは間違いございませんですね。ほかでどう言っているかということは言わないでください。
    ○国務大臣(中谷元君) この御発言を見る限り、内局の性格から見て、制服の相当な力を持っている人間が内局の責任あるポストに就くことは適当ではないという考えに立って実行するということでございます。
     したがいまして、やはり内局のポストというのは政策的見地を大臣に伝えるわけでございますので、幅広いこういった政策的な活動、見地、そういうものを必要とするという観点で申し述べられた、いわゆる内局の位置付け、性格からしてという見地で申し述べたことではないかと思っております。
    ○藤田幸久君 内局の位置付けについてということの確認をいただいたと思っております。
     そこで、大臣が最近よく使われている補佐という言葉でございますけれども、その補佐ということの定義、それから、例えば助言とはどう違うのか、それからその補佐する人とされる人との間の優位性が存在するのかについて、まず防衛大臣からお答えいただき、その後、法制局長官からお答えをいただきたいと思います。
    ○国務大臣(中谷元君) 一般に法律用語における補佐というのは、機関の長たる職員の職務の執行をそのすぐ下位にある職員が助けることの意味に用いられております。
     他方、助言は、ある機関に対し他の者がある行為をなすべきこと又は行為をなすことについて必要な事項を進言するとの意味に用いられます。
     これでよろしいですか。(発言する者あり)
     済みません。優位性が何を指すかは必ずしも明らかではありませんが、一般に補佐される者である上司は、補佐する者である部下を指揮監督できるという意味で優位であると考えます。
    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) 防衛大臣からお答え申し上げたとおりでございますけれども、若干補足的に申し上げますと、補佐といいますのは、上位にある者の職務を下位にある者が助ける場合に一般的に用いられております。
     例えば、国、地方公共団体、その他の公法人などにおきまして、法令によりその機関の長に権限が付与されている場合において、一般にその職員が当該機関の業務を行うことは、法的には補佐として行うものであると理解しております。
     他方、助言といいますのは、そのような上下関係を前提とせずに、ある者が他の者に対して知見、意見などを述べてその者を助けるということでございます。
     その優位性という点でございますけれども、先ほど申し上げたとおり、補佐といいますのは上位にある者の職務を下位にある者が助ける場合でございますので、その助けられる者が優位であるということが前提でございます。
    ○藤田幸久君 とおっしゃいましたが、実は上下といっても補佐する側といいますか、が実は補佐をされる側を大きく動かすことが今までの内局といいますか官僚機構の中で多々あったのではないかという実例をこれから示したいと思います。
     それは、大きな紙の次の紙を御覧いただきたいと思います。これは、実は、一九九七年に橋本総理の指示で、当時の久間防衛庁長官が、国会答弁を認めるというふうに訓令を廃止したんです。具体的に言いますと、昭和二十七年からの長年続いた訓令がございますけれども、その訓令には、国会答弁は幕の人間ではなく内局の人間が行うという訓令がございます。実は、先ほど福山議員が使われていたこの訓令で、これは偶然でございますけれども、この小さい紙、これが訓令そのものでございます。国会答弁は幕の人間ではなく内局の人間が行うという訓令がございまして、それを橋本総理の指示で久間防衛庁長官が廃止をしたんです。
     ところが、その直後に事務次官がそれを否定する通達を出したというのが私が今お配りしているこの事務次官通達でございます。当時の村田事務次官の通達でございます。
     どういうことをしたかといいますと、国会における審議等は基本的に内部部局が対応し、各幕等は軍事専門的、技術的事項その他権限と責任を有する事項について対応してきたと。組織的一体性、整合性を図る観点から、今後ともこれらの点に変わりはないと。つまり、久間長官がそれまでの訓令を廃止して国会答弁を制服組ができるようにした途端に、事務次官がそれをできないような実は通達を出してしまったという通達でございます。
     ということは、大臣が、これ吉田総理以来の長年の、これは橋本総理の指示で制服組が答弁ができるようにしたにもかかわらず、この実は通達でもって事務次官が止めてしまったというこれは内局の反乱なわけでございます。
     それで、もっと詳しく説明をいたしますと、この訓令というのは、まさにこれは福山議員がお配りになっておりますけれども、の資料がたまたま出ておりますけれども、三条の三に出ていますけれども、各幕の方針は内局が審議するというのがこの福山さんが配られた資料の方の訓令にあります。それから、五条のところで、幕僚監部の作成する指令、通牒、指示も内局が審議するとあります。それから、十三条で、部隊その他の機関からの上申、報告でさえ幕僚長は内局を通じて防衛庁長官に提出する。そして、この第八条のところに、首相官邸や国会、他省庁との連絡交渉は各局においてするものとすると。それから、幕僚監部に勤務する職員は、国会等との連絡交渉は行わないものとすると。これは先ほど中谷大臣が本でお書きになったことの裏付けのこれまさに訓令であります。
     これは、要するに、これだけいろいろ内局、内局、内局といって制服を抑え込む目的の訓令がずっと吉田総理以来あったわけですね。それを橋本総理の指示でこの訓令を廃止した途端に配られたのがこの通達でございます。
     通達を御覧いただきたいと思いますが、まず一のところの右の方ですけれども、「長官の補佐機関たる長官官房及び各局と各幕僚監部が双方とも国家行政組織法上の「内部部局」として位置づけられ、」、そして、その下に行きますけれども、「両者がともに内部部局において並立する関係にあったため、」、並立というか、要するに対立ということですね、したがって、その下の右の方に、「一般的な事務調整のルールを定める」という位置付けにしたんです。
     つまり、長官が訓令を廃止したのに対して、いや、事務調整の問題なんだと、これはというふうにランクを下げちゃっているわけですね、一般的な事務調整のルールだと。先ほど人の配置だというふうに大臣が逃げたのと同じような感じであります。
     それで、次のページ、この通達の二ページ目に行っていただきますと、上の方から二行目の右の方ですけれども、「暫定的な措置として、」、その下に行って、「当分の間その効力を有することとされたものである。」と。つまり、そういうふうに格を下げちゃっているわけですね。
     そして、二のところに行きまして、四行目、右の方ですけれども、この訓令の「大部分は法令の趣旨を確認的に規定したものであり、」、「四十年以上が経過する中で、個別の訓令等の制定や業務運営の積み重ねにより、内部部局及び各幕等の事務の運営の方法は明らかにされてきていることから、今日的な目で見れば、昭和二十九年当時に当分の間効力を有することとされた事務調整訓令の役割は終わったものと考えられる。」と。ここに来て、急にもう役割は終わったんだと勝手にこれ決め付けちゃっているんですね、村田事務次官の方は。
     そして、次の段落へ行きますと、三行目、次の段落の右側の方です。「これまでも、国会との連絡交渉については、国会における審議等が主として政策的観点からなされるものであることから、基本的に内部部局が対応し、各幕等は必要に応じ軍事専門的、技術的事項その他権限と責任を有する事項について対応してきたところである。」と。で、「国会以外の中央官公諸機関との連絡交渉についても、これまで内部部局及び各幕等はそれぞれの権限と責任に応じて対応し、その際、組織的一体性・整合性を図る観点から各幕等は基本的事項を所掌する内部部局と連携をとりつつ対応してきているところであり、今後ともこれらの点に変わりはない。」と。事務的に言って断定しているわけです。
     そして一番最後のところ、二行ですが、「この廃止」、つまり訓令の「廃止により現行の事務の運営の方法が変更されるというものではない。」というんです。
     中谷大臣、これ、先ほど、本でお書きになったものとまるで逆のことを、大臣が決めたことを事務次官ほかがやってしまったんです。そもそもこの通達はまだ生きているんでしょうか。
    ○国務大臣(中谷元君) 通達は生きております。
     御指摘の次官通達は、まず保安庁時代、昭和二十九年から定められていたいわゆる事務調整訓令を平成九年に廃止するに当たって、事務調整訓令の廃止の趣旨及び理由について、当時の検討の内容を内部に参考にするように示したものでありまして、このような内容の文書を事務次官の通達として発出することは特に問題がないものと考えます。
     本通達におきましては、国会との連絡交渉については、「基本的に内部部局が対応し、各幕等は必要に応じ軍事専門的、技術的事項その他権限と責任を有する事項について対応してきた」とし、「今後ともこれらの点に変わりはない。」としておりますが、かかる文言のために自衛官の国会出席が抑制されているものではありません。
     いずれにせよ、自衛官の国会答弁の必要性については国会において御判断される事項だと考えております。
    ○藤田幸久君 何かよそよそしい話ですね。
     さっきの本に元々書いていることと逆のことを、これ事務次官通達でやっちゃっているんですね。先ほど本でおっしゃっていたことの逆をこういう形でやってしまっている。
     それから、内局がいろいろやっていらっしゃると本でおっしゃっていたけれども、ここまで内局されているんですね。大臣が決めたことを、これ事務次官がこうやってひっくり返しちゃっている。しかも、大臣が決めたというのは、橋本総理がそうと英断したことを事務方がこれだけひっくり返してしまっている。これでは、今回、内局とそれから制服の関係を変えておられるといっても、この通達がまだ生きているということは、結局、事務的なやり方が政策的な決定よりも、実質的にこちらの方が通用しているということなわけですね。
     それで、国会における制服の方々の答弁については国会がお決めになるというふうに、何か冷ややかなお話をされていますが、大臣として、先ほど来おっしゃっている、深く、即時性を持って、現場の情報をもって大臣が判断をされるということに関して言えば、我々国会議員も同じ情報を得なければ国権の最高機関として判断ができないわけですね。
     ということは、大臣自身も国会議員であるわけですから、当然制服の方も、ほかの国でもそうでありますけれども、直接的、専門的、そして深い情報を国会で直接答弁をするということの方がはるかに国益にもかなうのではないか。そして、防衛省としても、国民及び国会の皆さんから理解をしていただくということが重要であるとお考えになるならば、そんな突き放した考え方じゃなくて、しかも法律的にそれが可能だとおっしゃっているならば、むしろ今までの主張からして、当然国会において制服の方が答弁をされるべきだというふうなお考えははっきりおっしゃられないんでしょうか。
    ○国務大臣(中谷元君) 自衛官の国会における答弁の必要性につきましては、あくまでも国会において御判断されるべき事項であると考えます、まず基本は。
     その上で、国政について幅広い御議論が行われる必要性はありますが、国会におきましては、防衛大臣たる私を始めとする政務が行うとともに、政策的見地から大臣を補佐する官房長、局長、また改編後の統合幕僚監部にあっては政策的知見を有する運用政策総括官といった文官に行わせることとし、各幕僚長については引き続き、防衛大臣を軍事専門的見地から補佐する者として、自衛隊の部隊運用を始めとする部隊の管理・運営に専念させたいと考えております。
    ○藤田幸久君 つまり、国会の判断ということではなくて、防衛大臣の判断として制服は答弁させないということを決めているということですね。ということは、この通達に中谷大臣も従ってしまう、そして本来お考えになっていたような、制服の直接的、専門的な情報というものが、大臣としての判断も、そして国会として、つまり国民としての判断にとっても重要だという部分については、大臣の判断でそれはさせないという方針にお変わりないんですか。それとも、こういう議論を踏まえまして、大臣の方で制服も国会答弁に立たせるということは、これ大臣がお決めになれるんじゃないでしょうか、いかがですか。法律的な制約はないんじゃないですか。
    ○国務大臣(中谷元君) 国会で答弁に立つというのは私を始めとする政務の役割でありますし、また政策的にそれを補佐する内局の職員が政策的にお答えするということでございまして、部隊の運用等につきましては、軍事的、専門的見地から補佐する者として、自衛隊の部隊運用を始めとする部隊の管理・運営に専念させたいと考えております。
    ○藤田幸久君 実は二〇〇八年のこの参議院の外交防衛委員会で私はこの質問をしているんです。そのときに浜田当時の防衛大臣は、事務次官通達はありますけれども、「自衛官の国会での答弁というのは、私自身はあり得べしというふうに思っているところであります。」と、当時の浜田大臣がこれだけはっきり自衛官が答弁すべきだとおっしゃっているんですが、今回、防衛省設置法改正で、そして制服の方がいろいろな意味で役割が増大して、かつその必要性をこれだけおっしゃっていながら、何で中谷大臣は浜田大臣よりも後退してしまっているんでしょうか。
    ○国務大臣(中谷元君) まず、この通達が現在も生きているということでございます。また、こういった国会における答弁等につきましては、非常に政策的なお話でございますので、そういう点で、私のような政務に就く者、そしてそれを補佐する者がお答えするのが適切でありまして、自衛官等につきましては隊務運営に専念させるということでございます。
     ただし、自衛官の答弁の必要性につきましては国会で御判断をされることでございますので、国会から出てこいということになりますと、それは国会の意思に従うことになろうかと思います。
    ○藤田幸久君 つまり、国会の方で制服の方、今度はその組織が変わりますので、制服の方も、いわゆる今までの内局だけだったところに制服の方も入っておられるわけですけれども、ということは、国会の要請があれば、それを大臣として拒むものではないというふうに理解してよろしいですね。
    ○国務大臣(中谷元君) 自衛官の国会答弁における必要性につきましては、あくまで国会において御判断をされる事項であると思っております。
    ○藤田幸久君 判断が出た場合に、それを拒む法律あるいはその政策的意思はないということでしょうか。
    ○国務大臣(中谷元君) 私的には、国会というのはシビリアンコントロールの中でも最大のものであると認識をいたしております。つまり、国民の代表で構成される国会でございますので、国会でお決めをされると、御判断をされるという事項だと思っております。
    ○藤田幸久君 つまり、国会で判断した、つまり指名をしたと、制服の方、統幕長なり、それに対しては、大臣はこの通達という事務方がずっと作っていることを超えてそれを受け入れると、あるいは法律的にそれを妨げる法律は存在しないということでよろしいですね。
    ○国務大臣(中谷元君) これまでも自衛官が国会の決定によって証言をしたという歴史もございます。この事務次官通達の文言のために自衛官の国会出席が抑制をされているものではないと考えております。
    ○藤田幸久君 今回の防衛省設置法改正に伴って、この今の通達見ておりますと、今防衛省設置法改正でやろうとしていることとこの通達、村田次官の、内容がかなりそごがあるような気がいたしますが、今度、防衛省設置法改正の後には事務次官通達によってこういう事務的な内容についてそれを変更する用意はありますでしょうか。
    ○国務大臣(中谷元君) 今般の組織改編に伴ういわゆる事務調整訓令の廃止に係る事務次官通達の取扱いにつきましては、法の成立後、施行までの間に必要な検討を行った上で判断したいと考えております。
    ○藤田幸久君 その場合には、大臣と事務方といいますか、これは何かこのときの村田次官のところを見てみると、久間大臣と、当時は長官と村田次官ほかがこれ連動してやったというふうに思えないんですけれども。今回、防衛省設置法改正に関しては、通達を変えるという場合には大臣御自身が直接通達の改正に関わる決意はございますね。
    ○国務大臣(中谷元君) あくまでも大臣が責任者でありますし、次官というのは大臣を補佐するものでございますので、大臣と次官は緊密に調整をいたしまして、補佐を受けながら大臣が決定する立場であると考えております。
    ○藤田幸久君 時間が七十分ですが、あと十分ぐらいになってきましたので、ちょっと次のことに移りたいと思います。
     安保関連法制について一つお聞きしたいと思います。それは、一番最後のページの資料を御覧いただきたいと思います。これは、先週、私の方で政府の方に要請をした定義付けに付いてきた紙であります。最初は何か広辞苑の紙を持ってきましたけれども、それはひどいじゃないかと申し上げたところ、持ってきた紙がこの一番最後の紙であります。
     私が聞いたのは、平和、独立、安全、事態、存立、これについての定義をお聞きしたわけでございます。この中で、そうですね、私いろいろ聞きたいことがあるんです、例えば「平和」という意味に、「戦争がなくて世が安穏であること。」とありますね。つまり、戦争がないだけじゃなくて、世の中安穏であるということがこの平和の定義です。それから、「安全」という意味は、「物事が損傷したり、危害を受けたりするおそれのないこと。」。これは、この定義でいいますと、これは大変重みがあるなと思ったわけですが。
     ということは、この平和安全法制というふうに今衆議院で法案が審議進んでいますけれども、平和安全法制ということは、世の中の安穏やおそれがないことを目指すわけですが、これ今の、つまり今までの日本の考え方とは違って、外国に自衛隊が、日本が直接攻撃をされていなくても出ていくこと、それからある意味では軍事的な予算と体制を拡大をするんだ、それが抑止力だということを外に発信しているということは、この平和と安全という定義からすると、世の中の安穏やおそれがないということと反対の方向に今の平和安全法制というのは進んでいるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
    ○国務大臣(中谷元君) 今回の法案は何のために改正をするかといいますと、やはり国民の命、平和な暮らしを守り抜いていくためでございます。また、国際社会の中でも平和と安全に寄与をするために目指すものでございまして、まさにこの定義のとおり平和と安全を目的としたものであると私は考えております。
    ○藤田幸久君 法制局長官は、この五つの用語についてどういうふうに定義しておられますでしょうか。
    ○政府特別補佐人(横畠裕介君) なかなか個々の語についての定義というものをお答えするのが難しゅうございまして、例えば平和という言葉も、国際の平和と使われてみたり、家庭内の平和みたいなものもございますし、独立にしましても、国家の独立もあれば、司法の独立という場合もございます。安全も、国民の安全もあれば、交通安全といったような、いろんな文脈で言葉が用いられますので、それぞれの語の定義というのを一概に申し上げることはできません。
     法令は日本語で書かれるわけでございますけれども、そこで用いられるそれぞれの語自体の意味は、一般に日本語としての意味、すなわち日本語を用いる人々の間で理解されるところの意味によるわけでございます。その意味で、法令で用いる語につきまして、一々その定義をして用いているものではございません。法令の条文におきましては、様々な語を組み合わせまして句、節、文を構成することにより、規範としての意味内容を表しているところでございます。
     現行法におきましては、例えば事態対処法の第一条におきまして、「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に資することを目的とする。」というような形でこれらの語が用いられておりますし、周辺事態法におきましては、第一条におきまして、「我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」という語というか、句が用いられております。
     このように、条文におきましては、様々な語を組み合わせて用いるということで一定の限定された意味を表そうとしているものでありまして、個々の語の意味を定義して用いているものではございません。
    ○藤田幸久君 これは引き続き議論させていただきたいと思いますが、岸田外務大臣にお越しいただいていますので、一問。
     先日、私、本会議でガイドラインについて質問いたしました。それに対して岸田外務大臣は、新ガイドラインのうち、平和安全法制に係る法案が御承認いただける場合に実施可能になるものとして、例えば日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動の部分で記述された日米協力についてというふうに答弁されましたが、この法案が承認された場合に実施可能になる新ガイドラインの中の項目について、全て挙げていただきたいと思います。
    ○国務大臣(岸田文雄君) 新ガイドラインは、一般的な大枠あるいは政策的な方向性を示す日米間の文書であり、日米いずれの政府にも法的権利又は義務を生じさせるものではないということを申し上げた上で今の御質問にお答えさせていただきますが、現行法上、我が国が行うことができないと考えられることとして、まず一つは、第四章A節、平時からの協力の措置のうち、アセット、装備品等の防護について、自衛隊が米軍のアセットを防護することとしている部分。そして、第四章D節、日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動のうち、米国又は第三国に対する武力攻撃に対処するため、我が国が武力攻撃を受けるに至っていないとき、我が国が新三要件を満たすときに、武力行使を伴う作戦を行うこととしている部分、これは本会議でお答えした部分ですが、これを挙げることができると思います。
     また、現行法上も可能ではありますが、この平和安全法制の議論によって拡充し得るという点につきましては、この第四章A節、平時からの協力措置のうち後方支援、あるいは第四章B節、日本の平和及び安全に対して発生する脅威への対処のうち非戦闘員を退避させるための活動、海洋安全保障、捜索・救難、そして後方支援、さらには第五章、地域及びグローバルな平和と安全のための協力のうち平和維持活動、海洋安全保障、非戦闘員を退避させるための活動、そして後方支援、これらが挙げられると思います。
     これらについては現行法上も実施可能なところではありますが、平和安全法制において改正法や新法として現在国会で御審議いただいている部分であり、この法制次第ではこの拡充があり得ると考えます。
    ○委員長(片山さつき君) 藤田幸久君、そろそろ時間でございますが。
    ○藤田幸久君 時間が最後になってきましたけれども、シンガポールの安全保障会議に中谷大臣御出席されましたけれども、アメリカと中国とのやり取り、それからフィリピンの大統領があしたいらっしゃいますけれども、防衛装備移転協定を締結するということのようでございますが、その二つについて、簡単にお答えいただければ幸いです。
    ○委員長(片山さつき君) 中谷防衛大臣、簡潔にお願いします。
    ○国務大臣(中谷元君) シャングリラ会合におきましては、各国の防衛大臣が一堂に会していろんなテーマについて議論をする場でございました。南沙諸島、西沙諸島に関してアメリカも見識を発表いたしました。内容につきましてはもう新聞で公開されておりますので、このような認識を持っているわけでございます。
     フィリピンにつきましては残念ながら大統領が来られていなかったわけでございますが、せんだって訪日をされた折には、今後日本とフィリピンの防衛協力といたしまして、キャパシティービルディングとか、また人材交流とか、こういうことを通じて寄与していくというような旨の話をしたわけでございます。
    ○藤田幸久君 ありがとうございました。終わります。
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