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「復讐しないで!と訴える、息子を殺害された母親」2023年10月20日

国際ICピレイ会長の訴え

私が日本協会の会長を務める国際ICのピレイ会長が以下の声明を発表しました。

親愛なる友人の皆さん

中東で紛争が起きているこの恐ろしい時期に、私たちが互いに手を差し伸べることが重要だと感じています。昨夜、BBCのニュースナイトのインタビューに答える悲嘆に暮れる母親、ミハエル・ハレフさんの話に私は深い感動を覚えました。彼女の一人息子ラオル君は、先週の音楽祭でハマスに誘拐され、その後、殺されたことがわかりました。悲しみの中で彼女はこう訴えました.

「私の子どもは怪物たちに殺されましたが、それでも私は、私の名による復讐を望んでいません。私は世界に訴えます。戦争をしないでと。この子たちを助けてください。今育っている子供たちは...人を憎むように教育されています。私がお願いしたいのは、彼らに人の愛し方と傷の癒し方を教え、この怒りと憎しみを止めてほしいということです。戦争は答えではありません。戦争は解決策ではありません。子供たちに愛を教える方法を見つけなければなりません。憎しみを持つ幼い子どもたちに、愛することを教えるのです。ミサイルや兵士を増やすのではなく、母親やヒーラーを増やさなければなりません。恐れに対する答えは、恐れを増やすことではありません」。泣きだした彼女は続けました。「私は政治家としてではなく、母親として言っているのです。母親、祖母、ヒーラーを連れてきて、人々に愛する方法を教えてください。私が求めているのはただそれだけです」

私たちは、ハマスによって恐ろしい暴力を受けたイスラエル南部の家族とともに悲しみにいます。ガザに住む何十万もの家族とともに悲しんでいます。ガザは、世界で18番目に強力な軍隊の怒りにさらされ、さらに強力な軍隊の支援を受けています。今週末の英国「ガーディアン」紙の記者が述べたように、死の天使が現在「唇をなめている」のです。

私たちイニシアティブズ・オブ・チェンジ(IofC)は、ほぼ100年にわたり、世界各地で紛争に巻き込まれた人々の苦闘を直接体験してきました。例えば、私たちは第二次世界大戦後、ヨーロッパの人々の癒しのプロセスを支援し、憎い敵を友に変えるために活動しました。また、北アイルランドでは「紛争」の最中に活動し、アメリカでは「Hope in the Cities」プログラムを通じて黒人と白人のコミュニティの和解を支援しました。アパルトヘイト政権時代の南アフリカでは、50年間も抑圧され柵で囲われた黒人多数派の人々の苦難を、白人少数派の人々が理解することを支援しました。 

私たちIofCは、暴力は決して私たちが望む結果をもたらさないという歴史の教訓を間近で目撃しています。私たちは、武器や戦争によって政治問題を解決しようとすることの無益さを目の当たりにしてきました。「暴力は暴力を生む」ことを知っています。ユダヤ教の聖書にあるように、『父親たちが酸っぱいブドウを食べると、子供たちはイライラする』と。

現在、この紛争のいずれかの味方をしようと躍起になっている各国政府は、同じ地域を故郷と呼ぶイスラエル人とパレスチナ人が平和的共存の道を見出すチャンスを幾度となく逃してきました。彼らは私たちを失望させました。

ユダヤ民族は長い間苦しみました。西洋の歴史は、陰湿で暴力的な反ユダヤ主義に悩まされてきました。このことと、ユダヤ人虐殺という不断の脅威がユダヤ人にとっての安全な天国の必要性を高めました。しかし、それは、死しか逃げ道がないほどに絶望的な生活を強いられている人々を囲い込んだり、何百万人もの人々を生まれ故郷からの難民にすることでは達成できません。 

私たちIofCは、許しを難しくする暴力の苦い記憶によって平和への道が閉ざされた時に和解を達成することは困難な闘いであることをよく知っています。敵対する人々の間に信頼関係を築く「誠実な仲介者」として、また分断された世界の「架け橋」として、私たちは「目には目を、の考えは世界を盲目にする」というガンジーの言葉の真実を理解しています。 

私たちの運動は、たとえ答えが遠く、問題が巨大に見えるときでも、神の導きを待ち、使命に忠実であることを基本としています。それゆえ、私たちは今「絶対愛」という私たちの基本理念に忠実である必要があります。 

ニュースの報道、政治的議論、分析、サイレン、戦争の大音響のなか、私は悲嘆に暮れる母親の言葉のなかに、静かで小さな神の声を聞きました。

「恐怖に対する答えは、恐怖をあおることではありません。..人々に愛し方を教えることです」

 私たちの時代の平和のために、祈り、さらに働きましょう!

ジェラルド・J・ピレイ

IofCインターナショナル会長