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  • 【2004年5月22日】


    メディアトピックス

    「近聞遠見:岡田克也の『隠れた一面』」 岩見隆夫

    毎日新聞朝刊
    2004年5月22日

    先週、<小小戦争>は面白くなる、と書いたら、2日後に片方の<小>が消えてしまった。一体、民主党内はなにがどうなっているのか。

    19日付の<鳩山由紀夫メールマガジン>によると、17日、小沢一郎代表代行から、「代表就任を辞退したい」と言われ、耳を疑った。国民年金の義務化以前の未加入なら法的責任は生じないのだから、辞退の必要はないのではないか、と翻意を求めたが、小沢はこう述べたという。

    「いや、そうではない。政治責任がまったくないとは思わない。小泉と同じ時期に未加入ならば、小泉を追いつめられないじゃないか。小泉と刺し違える覚悟で代表になることはやめる。それが小沢美学だ。許してほしい」

    と--。

    しかし、刺し違えどころか、小泉純一郎首相はけさ、勇躍平壌に飛んだ。小沢辞退をめぐっては、さまざまなうわさが流れているが、いずれ真相が浮きでてくるだろう。

    <小沢美学>のお陰と言うべきか、意外な展開で、岡田克也新代表が生まれた。若手起用で騒がれた自民党幹事長の安倍晋三より1歳年長だけの50歳だ。62歳同士の<小小>対決かと思われたのが、一転若返りである。

    政調会長、幹事長をソツなくこなし、酒を飲まない、面白みの乏しい堅物、というのが党内のほぼ一致した岡田評で、「性格が権威主義的、包容力に欠ける」という若手の声も聞いた。

    だが、次のような秘話もある。

    99年夏のコソボ、虐殺とNATOの空爆が終わったあとのことだ。大量の難民が発生した。

    国際ボランティア活動に長年従事した異色議員、藤田幸久民主党国際局長のことは前々回の当コラムで紹介したが、このとき新人の藤田は、「人道支援をすべきだ。難民救済のため隣国のマケドニアに民主党の事務所を開設したい」と提案する。藤田が出掛けることになるが、外務省は危険地域に国会議員が入ることに強く反対した。菅直人代表も、 「一人で行かせるわけにはいかない」と言うが、だれも手を挙げない。そのとき、岡田が、「ぼくが行きます」と申し出た。

     2人でコソボ入りする。現地では、戦火の煙が立ちこめるなか、イタリア軍司令官のもとで日本人の女性ボランティアが十数人、地雷除去のために懸命の活躍をしていた。感激した岡田は、 「数カ月後に必ずまた来ます」とボランティアたちに約束する。年末、岡田は、「行こう」と誘ったが、藤田が渋ると、一人で慰問に出向いていった。今度は自腹で。

    いま、藤田は、「恥ずかしながら総選挙も近く、私は決断できなかった。岡田さんは地味で不器用かもしれないが、心に感じたら実行する情の人だ。決断力もある」と言う。

    幹事長時代、落選議員の地元をたんねんに訪ね歩き、激励したことがあった。だれも知らない。議員の一人は、「14~15人回ったはずですよ。なかなかできないことです」と漏らした。

    隠れた一面である。一昨年暮れ、岡田が幹事長、野田佳彦が国対委員長、枝野幸男が政調会長に就任したとき、社民党の福島瑞穂幹事長(当時)からお祝いの花が届いた。

    岡田はすぐに送り返しただけでなく、野田らにも返すように勧めたという。小泉も贈り物を一切、受け取らない。

     <潔癖対決>か。これも、面白いかもしれない。(敬称略)

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