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東日本大震災復興特別委員会における質疑議事録「放射能除染活動と避難住民の復帰対策/WSPEEDIの活用/原子力開発機構の活用/港湾に対する災害復旧支援対象の拡大/地方鉄道の早期復旧と経営支援/市庁舎建設修復支援/液状化問題/メルトダウン想定の分析について」2011年06月15日

活動報告

2011年6月15日

東日本大震災復興特別委員会における藤田幸久の質疑議事録

放射能除染活動と避難住民の復帰対策、WSPEEDIの活用、原子力開発機構の活用、港湾に対する災害復旧支援対象の拡大、地方鉄道の早期復旧と経営支援、市庁舎建設修復支援、液状化問題、メルトダウン想定の分析について

○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。大震災で避難をされた方、皆さん方にお見舞い申し上げながら質問をさせていただきます。
 まず最初に、主に海江田大臣にお尋ねをしたいと思います。
 私は、去る六月十一日、ちょうど大震災の三か月目に当たりますが、福島県の飯舘村で放射能の除染活動を行ってまいりました。東海村のジェー・シー・オー事故の収れんに活躍をした田中俊一さんという前の原子力安全委員会の委員長代理で、日本原子力開発機構のボランティアの皆さんとともに行ってまいった次第でございます。
 飯舘村は、御承知のとおり福島原発三十キロ圏の外にありますけれども、この原発に近い方々が多く避難した村でございます。実際には放射線量が高く、もしSPEEDIの数値が公表されていれば、あるいはIAEAの勧告を受け入れていれば、被曝を避けられた地域でございます。
 資料をお配りしておりますけれども、この資料の一ページあるいは二ページ等を御覧いただきたいと思いますが、いわゆる校庭などの平らな土地よりも、屋根とか雨どいとか草むらとか杉の枝、この方が汚染値が高いんです。それで、実際に何週間かに分けてこの方々、除染作業をやっておられまして、ポリイオンの溶液を散布した後セシウムの飛散を防止してから、土壌とかあるいは枯れ葉などを除去したということでございます。
 ここに幾つか出ておりますけれども、大体こういう除染活動をすることによって九〇%程度の除染は可能だという結果が出ております。この一ページ目の方に出ておりますが、ここでいただいたアスパラガスなんかもちゃんと除染をして、あるいは水で洗えばおいしく食べられたということでございます。
 家屋については、屋根とか雨どいとか草むら等は汚染値が高く、かなり広い範囲に除染が必要であるということもこういう専門家の方々が分かったわけでございます。
 ここで重要なことは、つまりセシウムの除染というものが非常に重要であるということが明らかになったわけですが、この点について海江田大臣の方から御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(海江田万里君) 藤田委員にお答えをいたします。
 田中俊一先生のレポート、私も子細に拝見をさせていただきました。その中で、委員御指摘のこのセシウムの除去というものに当面全力を傾注すべきではないだろうかと、しかも、その除染の場合のポイントなど、今委員御紹介ありましたけれども、事細かに記載してございまして、私ども大変参考になりました。
 このセシウムは、半減期の短いもの、それから比較的長期のもの、ございますけれども、やはり今大量に、これは特に飯舘村の場合は飛散をしているという状況もございましたので、やはりこのセシウムの除去というものは大変大切だという認識では私どもも一致をしております。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 ところで、高木文科大臣にお聞きしたいと思いますが、一方、文科省の方でいわゆる校庭の土を入れ替える天地返しというようなことをやっておられますけれども、これは確かに一時的、部分的に数値を下げることはできるわけですが、一方、こういうやり方ですと、数百年は天地無用の土地になってしまうということでもありますし、その後の管理が不可能ではないかと。したがって、暫定的に学校そのものの活動は再開できても、地域全体で住民の皆さんが被曝を避けるということとはまた別ではないかと思うわけでございますが、その点について御見解をいただければ幸いです。
○国務大臣(高木義明君) 藤田委員にお答えをいたします。
 校庭の土壌改良については、当面年間一ミリシーベルト以下を目指すという一つの具体策として、それぞれ取り組まれた学校について国が全面的に財政の支援をするということをさせていただきました。
 御指摘のとおり、土壌改良には穴を掘って集中的に埋める方法と、あるいは表裏、いわゆる天地返しという方法がございます。いずれもかなりの線量低減の結果が出ておりますので、我々としては、これから福島県内において、また近隣の県におきましても希望があればそういうことで適切に対応していきたいと思っております。
 御指摘の点につきましては、校庭の線量は下がりましても、やはり子供たちはもちろん、地域の住民はそれぞれ地域で生活をし、仕事をしておるわけでありますから、地域全体の線量の軽減というのもこれは重要な課題でございます。根本的には、やはり原子力発電所の早期の収束について全力を挙げることが当然でございますけれども、その間、あらゆる御提案やあるいは知見等を我々としては取り入れて、できる限りの線量低減を行っていくということに尽きるのではないかと思っております。
 いわゆる根本的、そして例えば残土の処理、処分等につきましても、これは政府全体として早急にその対応策を練って適切な処理をしなきゃならない、このように考えておりますので、御指摘のとおり、我々としては最大限の努力を傾け、日々注意を怠らずに取り組んでまいる決意でございます。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 今大臣の方から地域全体、そして国全体の取組ということでございましたが、そこで、ある意味では全体を統括しておられます海江田大臣にお伺いしたいと思いますが、文科省は例えば校庭をやっておられる、あるいは農水省は農業地域を中心にやっておられるということでございますが、やっぱり地域全体の除染活動が必要だろうと。そうしますと、今省庁別にやっておりますモニタリングあるいは除染活動というものを統合して、国全体として住民の皆さんの帰還の計画あるいは環境整備といったものを統合的に行う必要があるのではないかという思いがいたしますが、いかがでございますでしょうか。
○国務大臣(海江田万里君) 今委員御指摘のように、それぞれの省庁が、あるいは原子力発電所内のモニタリング等は事業者であります東京電力がやっているわけでございますから、そうした事業者も含めてそれぞれのところがやっておりますが、今直ちにこれを一つに統合して何か新たな組織をつくるというよりも、まさにこれが、私がチーム長を務めております原子力被災者生活支援チームというところがその意味では情報を共有をして、そこが全体的な日程等も勘案しまして行われておりますので、委員が指摘をされる問題意識というのは共有するところでございますので、将来的にはこれは保安院の在り方なども考えていかなければいけないということでございますから、その中でそうしたモニタリングの在り方、あるいは除染の在り方というのもしっかりとした組織的な裏付けをしなければいけないと思っておりますが、今はそれぞれに行ってもらって、その情報を原子力被災者生活支援チームでしっかりと統一的に把握をして、そしていろんな指示も出していくと、こういう形にしております。
○藤田幸久君 そこで、是非そのチームとして取り組んでいただきたいと思いますのが、この資料の三と四を御覧いただきたいと思いますが、つまり、資料の三を御覧いただきますと、廃棄土、つまり取った、除染活動をやった後の廃棄土壌の方が線量が高いというのが資料三に出ております。それから、資料四が、これは田中俊一さんほかが提案しておられる仕組みでございますけれども、例えばこうしたベントナイトを使うことによってかなりの効果があると。
 実は、飯舘村のこの場所ですが、二十人ぐらいの方が三日間やってこれだけ実は除染活動ができたと言っておりまして、ということは、各福島県の自治体で、規模によりますけれども、数十万とか数百万トンぐらいの廃棄物が出てくるだろうと。そうすると、福島県全体で数千万トンぐらいのものが出るとも言われております。ということは、二百年とか三百年、ほかの目的に供しない放射能管理型の廃棄物の集積処分場が必要であるということが言われております。
 したがいまして、私は、今の政府、あるいは海江田大臣のチームでしょうか、こういう除染事業を一種の国の公共事業として、例えば伊達市がこういうのに関心があるという話も聞いておりますし、金子恵美さんの地元ですね。それから、この飯舘村の区長さんなんかですね。ですから、地元の自治体に委ねて、それでできるだけ地域の住民の皆さんあるいは避難してきた方々を雇用するような形でそういった取組をしていただいたらどうかという提案でございますが、海江田大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(海江田万里君) この田中先生のレポートによりますと、田中先生が中心になって多くのボランティアの方々と一緒に、外国からの研究者なども一緒に入っていたというふうに承っておりますが、これは大変人手がたくさん必要で、先生のこの作業というのはまさにボランティアによって支えられていたわけでございますが、そうした除染作業にかかわる人手を現地の皆さん方の雇用対策の一環としてまさに雇用してみてはいかがかという提案がございました。これは大変貴重な意見だろうと思っております。
 これは放射性物質に汚染されました瓦れきだけじゃありませんで、今回の東北大震災の被災地全般、津波などの被災地の瓦れきの処理などにもそうした多くの雇用が必要でございますから、地元の方を雇っていただくということでは大変大切な御指摘かと思います。
 そして、その上で、今おっしゃったこの廃棄土壌ですね、あるいは廃棄の瓦れきも含まれるかと思いますが、これにつきましては、やはり管理処分場ということになりますと、やはり地元の同意と申しますか、やはり地元の、特にこれは県の同意、県の御理解が必要でございます。それをこの福島県でということになるのかどうなのかということは更に県とよくお話をしなければいけないと思っております。
○藤田幸久君 是非、福島県あるいは各市町村、そしてこの委員会にも岩城先生、森先生、増子先生、金子先生、福島県の議員の方もいらっしゃいますから、是非その辺連携をしていただいて進めていただきたいと思いますが、その際、もう一つ、今大臣がおっしゃっていただいた廃棄物処理に関して、いわゆる原発の敷地外での処理に関していえば、いろいろな条件が要ると。これは環境省との連携、場合によっては法整備も必要だろうという話でございますが、この辺の環境整備について、つまり原発の敷地外での長期的に大量の核廃棄物処理を行うという見通し、可能性についても大臣から答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(海江田万里君) この敷地の外につきましては、確かにこれまで法律がございません。今現在ないわけでございますが、法律の空白ということがございましたが、これは環境省が中心になりまして、たしか五月の二十七日でしたか、環境省の下に、もちろん経産省も入っております、あるいは幾つかの省庁、それから自治体も入っているというふうに聞いておりますが、そこで当面の扱いというものについての協議が行われて、一定の方向性が得られたというふうに聞いておりますので、もし必要があれば環境大臣にもう少し詳しくお話をしていただければよろしいかと思いますが、今環境省が中心になって、五月の二十七日にそういう方向性についての協議が行われ、一定の方向性が得られたと私は承知しております。
○藤田幸久君 引き続き、可能性について詰めていただきたいと思います。
 次に、高木文部科学大臣にワールドSPEEDIについて御質問させていただきます。
 資料の五から七まで、これは昨日かおとつい文科省の方でリリースした資料でございますが、SPEEDIというのが話題になりましたが、SPEEDIに比べて、ワールドSPEEDIというのはかなり遠い地域まで調査ができるということと、それから高い高度でも調査ができるという点が意味があると思っておりますが、それで、ここで取り寄せました資料の五ページ目から七ページまでは、要するに三月十五日の段階における大気拡散、降雨、雨ですね、それから地表の沈着状況等のシミュレーションでございまして、これは非常に意味があったと。これが早く出ておればという問題もございます。それから、他方、八ページ目と九ページ目の資料は、事故発生後二か月の例えばセシウムを含めた被曝線量の予測試算でございます。
 こういったものが、最初の三枚は、三月の段階で出ておればと、SPEEDIの話も出ておりますけれども。それから、八、九については、今後の対策において、まさに除染活動も含めました、モニタリングも含めました、こういう政府の機関が実はこういった能力があるということでございますので、対策本部としても、こういったものを組み入れて今後更に常時活用できるような仕組みをつくっていくべきではないかと思いますが、高木文部科学大臣、いかがでございますでしょうか。
○国務大臣(高木義明君) 委員御指摘のWSPEEDIについては、これは世界の原子力事故に対応した大気汚染を予測をしたり、あるいはまた大気の拡散予測、環境測定から発生源や時期を予測をする、また予測結果の評価のための欧米システムとの情報交換、こういった大きな役割が期待をされております。
 今回も、御指摘のとおり、三月十五日から十六日にかけまして、福島県内の空間線量の上昇プロセスについては三月二十三日に原子力安全委員会が放出状況を発表いたしましたので、それに伴いまして、WSPEEDIを活用した研究活動として一昨日、これ六月十三日でございますが、公表したものと承知をいたしております。
 また、発生後二か月の被曝線量については、外部被曝の実効線量、あるいは沃素131の吸入による実効線量と、こういったものについて同機構がWSPEEDIを活用して試算したものと承知をいたしております。こういった研究成果は、今後、当面ですけれども、原子力発電所の事故の検証、そしてまた作業の際にも一定の参考資料になるものと思っております。
 御指摘のとおり、こういったこれまで準備をされてきた大事なシステムがこれからしっかり活用できて、事故の収束、そしてまた住民の見えない放射線に対する不安解消のために大きく役立つことを、我々としては更に見直しながら努力をしていきたいと思っております。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 そこで、海江田大臣にお伺いしたいと思いますが、今まで私が質問してまいりました除染活動、それから今のWSPEEDI、これかなりいわゆる日本原子力開発機構の関係の方々が実は知見を持ってやっておられて、あるいは今後も取り組んでいただける内容の二つの大きな事例でございます。原子力開発機構というのは茨城県にございますこともあって、実は、福島原発事故の収束に向けた工程でも、あるいは今後の対応についても、ある意味では日本で唯一の総合的な原子力の研究開発機構でございます。したがって、こういうプロの集団は、それからモニタリングなんかに関しても実は実動部隊なんです。
 それから、済みません、今日お配りしております資料の通し番号のところが薄くてよく分からないようでございますが、いろんなところから持ってきておりますが、それで十一枚目に、JAEA、日本原子力開発機構の活動についての資料を入れておりますけれども、既に三月十一日以来もかなりの専門家が活動しております。それから、いろんな機材も持っております。それから、いわゆるシビアアクシデント評価といいますか、事故解析等もかなりやっておったんですね。ですから、こういうものももっと活用しておれば、いわゆるメルトダウンの可能性、分析、解析等も私はもっと効果があったんではないかと。
 それから、今後も、最終的な収束に向けての放射性廃棄物の処理、処分とか損傷燃料の処理とか、あるいは原子力施設の廃止措置、遠隔操作ロボットの活用とか、そういったものができるということをこの間調べたわけでございますけれども、こうしたものを今後の、政府全体として、今までは部分的な、言葉は悪いんですけれども下請とか部分的な情報提供程度だったわけですが、もっと本格的に組み入れていく。つまり、国の組織でこれだけのプロ集団がいるわけですから、そういう活用の仕方をされたらどうかと思いますが、海江田大臣、いかがでございますでしょうか。
○国務大臣(海江田万里君) 日本原子力研究開発機構、この技術水準、大変高いというふうに私も承知をしております。そして、確かに委員御指摘のように、当初はなかなかこの日本原子力研究開発機構の方々の専門的な知見をしっかりと聞く機会も少なかったわけでございますが、この機構自身が五月の六日に、対応する福島の事故、東京電力福島第一発電所、それから第二原子力発電所事故に関する支援活動ということで福島支援本部を設置をしたというふうに伺っておりまして、そしてこの五月の六日の時点から、例えば今東京電力と政府で組織をしております、以前の統合対策本部、今は統合対策室ですか、こちらにもお越しいただいて、そして状況をリアルタイムで把握をしていただいて、そして適切なアドバイスもいただいております。
 今この統合対策室では、ちょうど間もなく、道筋ですね、いわゆるロードマップでございますが、これを二か月目のチェックをやっているところでございますが、これについてもこの機構の専門的な意見は伺っていると承知をしております。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 ちょっと時間の関係でIAEAに関するところを飛ばしまして、国土交通大臣の方に質問をさせていただきたいと思います。
 三月十一日以来、国土交通大臣、ちょっと茨城の関係で申しますと、随分現地にも訪問していただきまして、港湾関係についても対応いただきまして、大変ありがとうございます。
 港湾の岸壁等についての支援は盛り込まれておりますけれども、埠頭の用地についてはまだ対象外になっています。それから、第三セクターが整備した機能施設についてもまだ対象外でございますけれども、これは港湾管理者の施設だけが復旧しても、実際に作業する民間の施設が復旧しないと港湾事業がなかなか回復できないということでございます。
 したがいまして、その第三セクターが整備した港湾施設あるいはその埠頭用地まで拡大をしていただかなければ、本当の意味での復興というものが地に着かないと思いますが、その点についてどうお考えか、御答弁をいただければ幸いです。
○国務大臣(大畠章宏君) 藤田議員からの御質問にお答えを申し上げます。
 私も藤田議員と同じように現地を見させていただきました。確かに、大変大きな被災を受けておりまして、非常にその復旧という、あるいは復興というものが大変大事であるということは御指摘のとおりであります。
 特に、埠頭用地ですとか第三セクターが整備した上屋等は、港湾管理者又は第三セクターが自ら復旧を行うこととなっておりますけれども、今回の震災の甚大さというものを勘案し、まずはそれらの被災状況を子細に把握するとともに、港湾管理者である県からの意見を十分聴取して、必要に応じて支援などの対応を検討し、補正予算等で対応できるように準備してまいりたいと考えております。
 いずれにしても、委員御指摘のように、港湾機能が早期に回復することが大変今大事でありまして、国土交通省としてもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 引き続きまして大畠大臣にお伺いしたいと思いますが、もう一つ、今回、岩手の事例もそうでございますが、かなり民間の鉄道が震災に遭いました。茨城県の方でも鹿島臨海鉄道あるいはひたちなか海浜鉄道等があるわけでございますが、これについては二分の一、今回の支援の対象ということになったわけですが、地方の中小鉄道事業者にとってはこれでもまだ負担が大きいと。
 ですから、阪神大震災のときと違ってなかなか経営基盤が小さな中小の民間鉄道が多いということでございますが、先日、この補助率を現行の四分の一から四分の三に引き上げるというような報道もございましたが、財務省の関係もあると思いますが、国交省としてはこういった方向性についてはどこまでお考えになっているか、それについてお答えいただければ幸いです。
○国務大臣(大畠章宏君) 鉄道の復旧についての御質問を賜りました。
 先ほど御質問の中にもありましたが、三陸鉄道など大規模に破壊されまして、自力での復旧というのが非常に難しいという鉄道事業者がございます。先ほど、国土交通大臣としてはどう考えているかということでありますが、私としては、結果的に国民の足である鉄道が以前と同じように国民が乗れるような状況にすること、これが非常に私は大事だと思います。
 そういう中で、鹿島臨海鉄道、ひたちなか海浜鉄道の例が出されましたけれども、現在、私ども掌握しておりますのは、鹿島臨海鉄道では新鉾田から大洋の間は七月の中旬ごろに運行を再開する目標であること、また、ひたちなか海浜鉄道については中根から那珂湊は六月二十五日運行再開予定、そして勝田から中根までは七月中旬運行再開予定、さらには那珂湊から平磯間については七月の中旬運行再開予定、さらに平磯から阿字ヶ浦までは七月末運行再開予定と伺っているところであります。
 いずれにしても、御指摘のように、この鉄道の復旧には大変大きな予算、費用が掛かることもございます。そういうことから、被害実態等を踏まえ、国土交通省としても、今後の補正予算に向けて、鉄道事業者の意見をお伺いしながら、再建に必要な支援策というものを十分に検討してまいりたいと思います。一日も早く地域の皆様方の足として利用できるように、今後とも全力で支援策を検討し実行してまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 同じように、今回も政府の方でかなり踏み込んでやっていただいたけれども、もう更にというのが市庁舎の建設修復の支援の問題でございます。
 茨城県の場合も四つの市役所の本庁舎が使用不可能になり、それから合併前の庁舎が不能になったというところがかなりあるわけでございますが、この臨時庁舎については復旧経費の三分の二が国庫補助対象となっておりますけれども、やはり地方負担の軽減を図るために、臨時庁舎等あるいは合併前の庁舎等に関しても財政支援をしていただくということによってできるだけ早い復興を進めていただきたいと思いますが、この件に関しては、総務省の鈴木副大臣、お願いしたいと思います。
○副大臣(鈴木克昌君) 御答弁申し上げます。
 今委員御指摘のように、今回、大規模災害、未曽有の大災害ということで、自治体の機能が大変混乱をいたしましたし破壊をされました。そこで、阪神・淡路のときにはなかったことでありますけれども、仮庁舎については、まさに今御指摘のように、国庫で補助をするという制度を見させていただきました。
 今お話しのように、今後、本庁舎とか合併前の庁舎等についてどういうふうにしていくかということでございますけれども、いずれにしましても、やがては本庁舎を本格的に建て替えていかなきゃならない、こういう時期は必ず来るわけでございます。
 そこで、全市町村の復興の在り方とか町づくりとか土地利用等の総合的な議論、調整を見て、そしていろいろなケースがあると思います、しかしそういうことを十分お伺いをした上で、さらに国としてどのようなことが可能であるのか、どのような措置が必要であるかということを検討をさせていただきたいと、このように思っております。
 以上です。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 同じように液状化の問題についても、これは松本大臣でしょうか、お伺いしたいと思いますが、昨日もいろいろお話が出ておりました。二千件ぐらいの液状化の対象の件数については被災者生活再建支援制度の対象になると、これは全壊又は大規模半壊と。しかし、残りの四千件については支給の対象外ということでございますが、やはり茨城県もかなり液状化で、液状化というのはある意味ではゼロからのスタートというよりもマイナスからのスタートという面もありますので、更なる御支援というもの、制度の拡充が必要かと思われますが、この点について、松本大臣、お願いいたします。
○国務大臣(松本龍君) お答えいたします。
 液状化の被害につきましては、四月に担当官を現地に派遣をし、また東副大臣、そしてその後検討部会を開きまして、今度は三半規管の関係もありますので病院の先生も含めて検討部会を開き、五月の二日に基準の見直しをいたしました。
 全てが救われるわけではありませんけれども、私ども、やっぱり全壊、大規模半壊というところの手当てをするのがこの支援制度の根幹であります。そういう意味では、半壊、一部損壊につきましては、県がやる応急復旧、応急対応というところで、それをいわゆる国が二分の一補助をするシステム等々、災害救助法等々、様々なスキームがありますので、それも活用していただきたいと思います。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
 枝野長官が会見終わって来られましたので、御質問したいと思います。
 資料の最後の二ページに付けております資料でございますが、これは十六名の原子力の専門家の方々が三月の三十一日に提案をした内容でございます。
 そして、その提言文の最初の方に、「はじめに、原子力の平和利用を先頭だって進めて来た者として、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝いたします。」という反省の弁からスタートし、既に、各原子炉や使用済燃料プールの燃料の多くは、破損あるいは溶融し、燃料内の膨大な放射性物質は、圧力容器や格納容器内に拡散・分布し、その一部は環境に放出され、現在も放出され続けている、特に懸念されることは、溶融炉心が時間とともに、圧力容器を溶かし、格納容器に移り、さらに格納容器の放射能の閉じ込め機能を破壊することや、圧力容器内で生成された大量の水素ガスの火災・爆発による格納容器の破壊などによる広範で深刻な放射能汚染の可能性を排除できないことにあると、ここまで書いておられます、三月三十一日に。これだけの十六人の方でございます。これはメルトダウンそのものではありませんか。
 私は、実は当時、枝野長官にこの方々に会っていただきたいと何回も申し上げました。それから、今日も度々お話ししております原子力開発機構の解析の資料も、実は総理始め官邸の皆さんにもお届けしておりました。それから、ロシアのチェルノブイリの対応に当たった方々の資料もお届けをし、御報告もしておりました。もちろん、政府として確定することができなかったということをおっしゃっておられますけれども、こういった類いのことは、疑わしくは検証をし、可能性のあるものは全て情報を得て解析をして対応に当たるということが必要ではないかと。
 そうしますと、ここまでの方々がここまで断定的におっしゃっているということに関しては、長官の方でもまあお会いになれないと御返事があったわけですが、政府として誰かがこの方々に例えばヒアリングをしてこの対応に生かされなかったのかどうかということについて、まずお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘の文章は、あの当時、私もいただいて拝読をさせていただきました。
 また、政府としても、炉心溶融が起こっているということを裏付けるデータはありませんでしたのでそのことは申し上げませんでしたが、しかし炉心溶融の可能性があるということについては十二日から認識をしておりまして、三月十三日以降、私自身も含めて、そのことについてはしっかりと記者会見等で御報告をしてきているところでございます。
 また、こうした事態でございますので、常に最悪のケースを想定して対応しなければならないということで、炉心溶融が起こっている、つまり今の文書で御指摘をいただいたようなことが起こっているという可能性を踏まえて、その場合でも安全が確保できるようにということでの対応を取ってきたところでございます。
 そうした中で、こうした政府としての原子力委員会の委員あるいは原子力安全委員会の委員の専門家の皆さん以外の専門家の皆さんの様々な知見、御意見というものを更に有効に生かさせていただくということについては、これは今回の事故の対応に当たって、そのことにとどまらず、必要な情報が必ずしもきちっと共有できなかった部分があることも含めて、もちろん一義的には現任の原子力委員会の委員の皆さん、原子力安全委員会の委員、あるいはその下に専門委員だったでしょうか、そういった皆さんいらっしゃいますので、そうした皆さんが責任を持って対応されるわけですが、そうした皆さんのOBであるとか、それ以外の専門家の皆さんの様々な知見や知恵をそうした現任の原子力委員会や原子力安全委員会、今の仕組みであればですね、の皆さんと共有をするような仕組みについては、今後検討していかなければいけないだろうと思っております。
○藤田幸久君 長官は記者会見で冒頭いらっしゃいませんでしたが、お聞きになっているかと思いますが、今日、実は除染活動、私が先週、飯舘村でやってきた、田中俊一さんという方がこの十六名の一人でございます。実際に除染活動を反省の意味も込めてやっていらっしゃって、しかもそれを、この原子力開発機構という政府で唯一のプロ集団がそれに取りかかれる可能性を持っておられて、炉の解析の情報も持っておられて、そういう方々が含めてやっておられた提案を生かせなかったということは、今後も、例えば枝野長官も細野さんもみんなオーバーワークだろうと思いますが、その部分で、情報を収集し、解析をし、判断をし、政府としてコーディネートして生かすような方式をこれから是非取っていただかないと、今後の終局に向けての体制が甘いのではないかと。
 ですから、個人の責任と能力を超える場合には、仕組みを変えて、たくさんコミッティーをつくればいいということではございませんけれども、有機的な体制を是非つくっていただきたいというのが私の趣旨でございまして、宝の持ち腐れではもったいないと思いますので、是非そういうことをやっていただきたいということを申し上げ、もしそれにコメントがあれば、郡司さんの御了解をいただいて、その範囲で御答弁いただければ幸いです。
○国務大臣(枝野幸男君) 御趣旨は私も同感でございます。やはり、これ、専門家の皆さんの専門的な様々な御意見、知見をいかに生かすかということでございますので、私は、原子力委員会あるいは原子力安全委員会、今現任のもちろん委員の皆さんが最終的に責任を持って政府に対する助言であるとか方針を出していただくわけでありますが、こうした皆さんのところにOBであるとかそれから様々な専門家の皆さんの知恵も集約されるというような形が必要だろうと思っておりますし、システム、法整備等が間に合わなくても、運用において原子力委員会や原子力安全委員会がこうした皆さんのお話、意見をしっかりと踏まえて対応できるように更に督促をしたいと思います。
○藤田幸久君 ありがとうございました。