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参議院財政金融委員会における藤田幸久の質疑議事録「金融機関の合併/新銀行東京について」2010年04月20日

活動報告

2010年4月20日

参議院財政金融委員会における藤田幸久の質疑議事録

金融機関の合併、新銀行東京について

平成二十二年四月二十日(火曜日)

   午前十時開会

○委員長(大石正光君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。

 委員の異動について御報告いたします。

 昨日までに、富岡由紀夫君、姫井由美子君及び前田武志君が委員を辞任され、その補欠として松浦大悟君、行田邦子君及び石井一君が選任されました。

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○委員長(大石正光君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。

 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁監督局長畑中龍太郎君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(大石正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

    ─────────────

○委員長(大石正光君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。

 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。亀井内閣府特命担当大臣。

○国務大臣(亀井静香君) 昨年六月十二日及び十二月十一日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告を国会に提出申し上げました。

 報告の対象期間は、それぞれ、平成二十年十月一日以降平成二十一年三月三十一日まで、平成二十一年四月一日以降九月三十日までの二つであります。

 これらの報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。

 初めに、管理を命ずる処分の状況について申し上げます。

 今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。

 なお、今回の報告対象期間中に、預金保険機構と新生銀行の間で行われました訴訟において、裁判上の和解が成立したこと等から、預金保険機構は新生銀行に対して、その補てんとして、百六十二億円の支払を行っております。

 次に、預金保険機構による主な資金援助等の実施状況及び政府保証付借入れ等の残高について申し上げます。

 破綻金融機関からの救済金融機関への事業譲渡等に対し、預金保険機構から救済金融、救済機関に交付される金銭の贈与に係る資金援助は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十八兆八千六百七十億円となっております。

 また、預金保険機構による破綻金融機関からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆四千六百六十二億円となっております。

 これらの資金援助等に係る政府保証付借入れ等の残高は、平成二十一年九月三十日現在、各勘定合計で五兆七千四百七十億円となっております。

 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しましては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。金融庁といたしましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。

 御審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○委員長(大石正光君) 以上で説明の聴取は終わりました。

 これより質疑を行います。

 質疑のある方は順次御発言願います。

○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。

 まず、FRC関係で一つ質問申し上げたいと思いますが、私の茨城県では三月一日に関東つくば銀行と茨城銀行が合併し、筑波銀行が発足いたしました。この筑波銀行は四月十五日にあおぞら銀行との資本提携に踏み切ることを明らかにしておりますけれども、地域経済、大変低迷しております。そんな中で、茨城でいうと中位の地域銀行でございますけれども、こうした厳しい経営環境が続いておりますが、こういった合併の動きに関して金融担当大臣の方で所感があればお伺いしたいと思います。

○国務大臣(亀井静香君) 金融機関の合併が体質強化また地域経済に対しての責任を果たしていくという、そういうような観点から必要であると、このように判断をされて実施をされていくことについては金融庁として別に異存があるわけではありません。ただ、単に合併をすれば良くなるという、そんなものでは私は金融機関はないと思います。合併をする以上、そのメリットがあるのかないのかということを事前に十分これはお互いに協議をした上で私は進めていく必要がある、安易なことをやっていくことが解決にはならないと。

 ただ、私は、合併そのものがいかぬとか言っておるわけじゃありません。先ほど言いましたように、二点から考えて必要であればおやりになればいいと、このように思っています。

○藤田幸久君 これからは新銀行東京について御質問したいと思います。

 最近、たちあがれ日本という政党ができて、その生みの親の一人が石原知事でございますが、この生みの親の石原知事がある意味じゃおつくりになった新銀行東京が今のままでは立ち上がれないという状況じゃないかと思っております。

 この新銀行東京の寺井社長が最近おっしゃっている、これは都政新報の記事によりますと、言わば危篤状態から集中治療室から出ることができたと、まだ入院患者であることは間違いないということでございますが、金融庁あるいは東京都が今後やはり監督責任その他をしっかり発揮していただくことが本当に立ち上がる新銀行東京になるのではないかと、そういう観点から質問させていただきたいと思いますが。

 まず、経過からいいまして、平成十五年三月に東京都の方がこういう設立を表明して以来、監督当局であります金融庁は、東京都との協議をだれが担当し、東京都のだれと協議を進めてきたのか、大体いつから始まり、どのように行われたのかということについてまずお答えいただきたいと思います。

○大臣政務官(田村謙治君) お答えします。

 平成十五年三月に東京都が新銀行の設立を表明して以降、金融庁の担当は監督局でございますけれども、監督局が中心となって東京都と意見交換あるいはヒアリングなど実施をしたところでありますけれども、個別銀行の問題のそれ以上の詳細については申し上げることは差し控えさせていただければと思います。

○藤田幸久君 確認で結構ですが、監督局で銀行第一課、それから東京都の方は設立準備室が担当したというふうに伺っておりますが、それで間違いないかどうかお答えをいただいた上で、結果的に千十六億円の毀損をしたわけですね。当時の金融庁と東京都の間でこういった関与や協議内容に問題がなかったかということと、そもそも地方公共団体である東京都が金融機関を設立運営するということについて、そのことは大丈夫なのかという問題意識はなかったのかどうか、お答えいただきたいと思います。

○国務大臣(亀井静香君) 私は、石原知事が当時の金融状況を見て、地域の中小零細企業・商店のニーズにきっちりと対応していないんじゃないかという、そういう認識の下で、それでは主としては都民のためにそういうことをやはりやらざるを得ない、そういう善意の発想から取り組まれたということは間違いないと、このように思っております。

○藤田幸久君 設立をされて、おととし、平成二十年の五月に金融庁検査が行われました。これ、開業されてから三年たっていますね、御承知のとおり。それで、その累積赤字が判明し、それから東京都が四百億円を投入した後の対応でございますが、経営悪化の状況というのは開業されて一年目から既に決算上も数字が出てきていたわけでありますけれども、なぜ早めに金融検査に入らなかったのか。例えばゆうちょ銀行だったら直後でしたね。ところが、なぜこの新銀行東京は三年たってから、あるいはそれまでしなかったのかということについてお答えいただきたいと思います。

○大臣政務官(田村謙治君) 個別の金融機関に対する検査の実施時期についてどのように判断しているかということにつきましては、今後の金融検査の実効性を損なうおそれもあるということで差し控えさせていただきたいと思います。

 一般論といたしましては、検査の実施時期については、金融機関の規模、特性、金融機関の経営状況や業務改善の実施状況、システム統合等の特殊要因の有無といった様々な要素を総合的に勘案をして判断をしているところでございます。

○藤田幸久君 政権替わったんでね、田村さん。今の、つまり、去年と同じ金太郎あめの答弁を聞くためにやっているわけじゃないので。今先ほど亀井さんがおっしゃったように困っているから必要に応じてつくったのに、今のような答弁では何のために政務官をやっていらっしゃるのか、ちょっと気持ちを入れ替えて答弁をしていただきたいと思いますけれども。

 結局、三年間やらなかったということに対して、普通であればやるところがやらなかったということは、これはやっぱり東京都側あるいは新銀行東京側の方から金融検査に入らないようにというような働きかけがあったのか。つまり、直接、間接的な方法も含めてそういったことはなかったんですか。

○国務大臣(亀井静香君) 議員の御指摘でありますけれども、田村政務官は誠意を持って議員の御質問にきっちりと答えておると、このように私は確信をいたしますので、御理解をいただきたいと思います。

 ただ、前政権下においてのことではありますけれども、やはり金融庁としては常にそうした銀行、特に設立後の状況というのがうまく目的どおり機能しておるかどうかということはもう細心の注意を図ってこれについての監督検査は実施していくべきであると、このように考えております。

○藤田幸久君 金融検査に三年入らなかったと、それから、その後も業務改善命令を出していませんよね。最終的には去年の一月に新銀行東京側から改善計画が出されていますけれども、これは四年たったわけですね。

 もう一度、田村さん、なぜ金融検査に入らなかったのか、あるいはその後の業務改善命令を出さなかったのかという理由についてお答えいただきたいと思います。

○大臣政務官(田村謙治君) 委員のお気持ちは十分に理解をしているつもりでございますけれども、ちなみに、本来野党時代から中心的な役割を果たしていらっしゃる大塚副大臣は、今総務委員会からもう間もなくいらっしゃるということでございますが、それはともかく、繰り返しになりますけれども、今のその検査の時期につきましては、一般論として、先ほど申し上げたような金融機関の規模、特性ですとか金融機関の経営状況、様々な状況を総合的に判断をして検査の時期を決定をしているということでございまして、個別の、この本件についてどのような判断をしたかという詳細については差し控えさせていただければというふうに思っている次第でございます。

 そして、業務改善命令をなぜ出さなかったのかということでありますけれども、それもやはり個別の対応につきましてはコメントを差し控えさせていただきますが、一般論といたしましては、業務の健全性、適切性の観点から重大な問題が認められる場合に、あるいは銀行の自主的な取組では業務改善が図られないと認められる場合、当局としては業務改善命令の発出を検討するということとされているわけでございます。

○国務大臣(亀井静香君) 今政務官がお答えしたとおりでありますが、別に石原知事を都議会自民党が支持をしておったからとか、選挙で応援したからとか、あるいは当時は自民、自公政権であったとか、そんなことにおもんぱかって金融庁がやらなかったということは私はもう力学上もなかったのではないかと。金融庁はある意味では政治的に公平な中立な立場に立って常にやっておるわけでありますから、当時、金融庁としてはそういう判断からやらなかったんだと思うわけでありますけれども、今後とも金融庁はそういう観点から、これについては問題があったということは事実でありますし、現在の状況も大変な状況であることは明らかでありますから、金融庁としては、石原知事に何の遠慮もするつもりはございませんし、きっちりとやっていくつもりでございます。

○藤田幸久君 今のお言葉に加えて、先ほど田村さんが大塚副大臣のことをおっしゃって、大塚副大臣がこの間、二月に衆議院の委員会で、これは金融庁もそうだけれども、監督責任、だけれども、やっぱり東京都も株主として監督責任があるのではないかという論点があるということでございますので、その東京都の方についてお話を移したいと思いますけれども。

 この新銀行東京の経営理念の中に、中小企業者を始めとする地域における幅広いお客様に適時適切な資金の供給、支援を行い、地域社会に貢献するとあるわけですね。先ほど亀井大臣まさにおっしゃったように、これは中小企業のニーズのために石原さんがおつくりになったんだと。

 そうしますと、去年十二月の中小企業向け貸出金等は、前年比、一昨年に比べて二百億円減少しているんですね、去年の末で。これに対して金融庁はどういう対応をされたのか。去年の四月から十二月期決算ですけれども、最終損益で十四億円黒字を出しているんですけど、これは本業では十七億円の赤字で、なぜ黒字になったかというと、リスケによる引当金の流入益が出ているんで黒字になったんですね。

 ですから、大臣、中小企業のためにつくった銀行が中小企業のために役立ってないということですが、どういうふうにお考えになりますか。

○国務大臣(亀井静香君) 私は、東京都が、知事が設立したときのそうした目的に従って業務展開をしていくように、株主という立場からもこれはその意見を反映をしていくべきであって、やはりこの銀行は中小企業、零細企業、商店、そういうところにきちっと焦点を合わせた融資をやっていくべきだと。

 その結果として、どういうことになるか。ただ黒字にすればいいという表面のことでいいということにはならない。これは設立の趣旨からしてそうでありますから、委員のおっしゃるように、そういうところにきっちりと焦点を合わせた結果どうなんだということが真価が問われるところであると、このように思っています。

○藤田幸久君 今の点を更に詰めていきたいと思いますが、大臣おっしゃったように株主なんですけれども、その株主という場合に、東京都の場合に、いわゆる銀行法に定める支配株主とやはり同等の責任があるんではないかと、前提としてですね、ということが一点。それから、東京都の株主の規定に関して、銀行という公共的な性格により株主の関与は制限されるというような中でと書いてあるんですけれども、これ、やっぱり銀行という公共的な性格によって株主の関与は制限されるということ自身がおかしいんではないかと思いますけど、この二点。

 つまり、支配株主と同等の責任があるんではないかということと、やはり公共的な性格としての株主の関与というものは制限されるべきでないと思いますが、この二点、いかがでしょうか。

○国務大臣(亀井静香君) 何度も申し上げますように、設立目的がそういうことでありますから、東京都が全般について責任を持っていくということは当たり前の話でありまして、会社法上の制限とかいろんな問題がありますけれども、やはりこれは知事が強いリーダーシップを、自分がつくった銀行ですから、そういうことを発揮をしていかれてしかるべきであって、そんなことを世間が何もあれこれ批判をすることは私はないだろうと思います。

 今度知事に会ったらよく言っておきます。

○藤田幸久君 その当初の目的と、それから実際に目的がなかなか達成されてないというような具体的な数字が、この四百億円を投じたとか、千十六億円の毀損、それから去年も、つまり中小企業に対する貸出しが二百億円も減っちゃっていると。それで個別の内容についてはお答えされないということでありますけれども、そのやり取りの内容は別にして、結果としてこれだけ数字が出てきて、そして店舗も一つになってしまっていると。

 これはやはり、中身は別にして、監督官庁であるところの金融庁とすれば、明らかに、大臣も答弁されたように、当初の目的と違った結果が出たということについてはお認めになりますか。

○国務大臣(亀井静香君) おっしゃるように、それが違っておることはもう現実の問題でございますから、そのことについての金融庁の責任を逃れるつもりはございません。ただ、現時点において、じゃ、この銀行をつぶすとか、そうしたつもりもございません。今後、設立目的に従って、知事が強いリーダーシップを発揮をして所期の目的を達成されるよう、私の方からも強くお願いをしたいと思います。

 金融庁も監督検査権を持っておるわけでありますから、私は金融庁に、すべての金融機関に対して、やはり金融庁がただおっかない存在だけではなくて、コンサルタント的な機能も発揮をしながら、相談に乗りながら監督検査をやれということを指示をしておるわけでございますが、そういう観点から対応してまいります。

○藤田幸久君 今の話と関係で、まさにコンサルタント的に、私はつぶせと言ってるんじゃなくて、さっき冒頭で、前提で申し上げましたように、新銀行東京は立ち上がってほしいと思っているんですね。たちあがれ日本を生んだ知事の、まあ大臣おっしゃったように、自分がつくった銀行でございますから、立ち上がっていただかないと中小企業が困るわけですね。

 その場合に、実は知事は、その新銀行東京を黒字化した後でセカンドステージ、つまり今後の方向性としていろいろ都議会の委員会の中でもおっしゃっておられまして、例えばその中で、ほかの銀行との合併とか外資との事業提携というようなことを発言されているんですけれども、これ、だから当初の目的があって結果が出ていないと。一方で、今後はこういうことをされたいとおっしゃっているということは、それに対して、今までの経過からして、金融庁の方でもこういうそのセカンドステージに対して知事がおっしゃっていることについていろいろ協議されているんですか、あるいは知事がこういう発言をされること自体は問題ないんでしょうか。

○国務大臣(亀井静香君) 金融庁自体が、また私が金融庁の担当大臣として今後の展開について具体的に相談に乗っておるわけではありませんけれども、さっき申し上げましたように、知事が渾身の力を込めてこの問題解決、二番目のステージに移っていかれる前に第一ステージにおいておやりになることが私はたくさんあるんではないかと思う。第一ステージにおいて知事がそういうことをおやりにならないで他の銀行と提携するとかどうこうするとか言われましても、これは相手のあることでありますから、はいはい、そういたしますという相手が出てくるわけでもございません。

 第一ステージにおいて、知事自らが先頭に立って、姿を見せて果敢に取り組んでいかれる、それだけの、私はやはり、ことであろうと、このように思っております。

○藤田幸久君 少しポーズを置く意味も含めまして、これは財務省も、これも金融機関への検査監督というのは金融庁の所管でありますけれども、財務省の方も健全な財政の確保等の観点から、これは金融危機管理等について共管する仕組みというふうに承知しておりますが、その前提で、この新銀行東京をめぐる一連の問題に対して財務省はどういうふうにとらえられておられるか、峰崎副大臣、お願いいたします。

○副大臣(峰崎直樹君) 藤田議員にお答えしたいと思いますが、私もまさに財政金融委員会の委員の一員のときにはこの問題には大変関心を持っておりましたが、これは財務省の職務権限といいますか、御指摘のように、金融の破綻処理制度及び金融危機管理については金融庁と共管ということになっているわけでありますが、御指摘の点を今ずっとお聞きしていて、やっぱり個別銀行の監督内容ということで、率直に申し上げまして、この個別銀行を監督する立場に今はございません。かつての財政・金融分離で金融庁が存在しているわけでございまして、当然のことながら、これはちょっとコメントは立場上差し控えさせていただきたいというふうに思っているわけであります。今、田村政務官や大臣もお答えになっているように、やはりこれは所管する金融庁がこれは適切に行われているというふうに私自身は感じをしております。

 ここまで私自身が、これは立場上の見解でございまして、個人的な見解を言えといえば幾らでも、多少あるのでありますけれども、この点は差し控えさせていただきたいと思います。

○藤田幸久君 質問通告していませんが、いかに当初の目的に比べて大変な状況になるかということで、これ寺井社長自身がおっしゃっているんですけれども、これから、今まで相対的に高い金利の定期預金が満期を迎えて、預金の流出が起こっているということなんですよね。

 そうすると、これからますます大変になるんじゃないかということは、やはり個別の内容についてはとおっしゃっていますけれども、やはり大臣、外務省の機密文書じゃありませんけれども、やはり今までのプロセス、やはりかなりの特異性があったということは、今回の、地方公共団体が初めから設立したとか、それからスタートゼロからじゃなくて、別の会社を移行して設立をしたとか、経緯はあったにしても、ただ出てきている数字等が、やはり今の寺井頭取、社長がおっしゃっているように、かなり危篤状態から集中治療室経ている状況でありますと、金融庁の方も個別のことには云々という以上に、これはやはり大変な社会的な影響も多いし、まして大臣がお始めになりました中小企業金融円滑化法に関しても、この新銀行東京はその法律に対する取組に関してもどうも余りうまくいっていないというような状況でございますので、少し踏み込んでやはり検証し、つまり地方公共団体がつくった場合、つまり株主責任だけではなくて任命権があった、それで金融庁がかかわっていた。

 したがって、その少し取組方について、今回の反省を踏まえて、石原知事に個人的に強く言っていただくと同時に、監督官庁とこの個別の銀行との設立、それからその後のパフォーマンスの在り方について、やっぱり今までとは違った取組方をやっていただく必要があると思うんですが、その点いかがでしょうか。

○国務大臣(亀井静香君) もう金融庁といたしましても、東京都がこれは言わば主導をして、東京都の政策目的、そういう観点からもこれは設立されておるわけでありますから、これがおかしくなっていくという状況を金融庁はただ手をこまねいて見ておるというわけにはまいりません。金融庁にどこまで能力あるかということになると別でありますけれども、もう全力を挙げて、やはり新銀行がきっちりと立ち上がっていただく、そういうことに金融庁としては全力を挙げて、これはさっきも言いました、コンサルタント的な機能も発揮をしながら、また一方では監督検査という強い権限も持っておるわけでありますから、これを駆使していきたい。

 石原知事の当初の夢が、純粋な夢だと思いますよ、もう。それがやはりある意味で将来的にも実現をしていくということを私自身もこいねがっておりますから、そういう観点からも金融庁としては対応していきたいと、このように考えております。

○藤田幸久君 そうしますと、いわゆる監督官庁として、設立に関する部分と検査に関する部分と、それからコンサルタント的に今後の金融機関としての在り方についてと幾つか分けられると思うんですけれども、多分そのかかわり方が、普通の今までの、民間が、自分で株主さんが設立をしているような銀行と違っている。そして、大臣自身が度々おっしゃっておられますように、石原知事の夢とおっしゃいましたが、それから中小企業を救うということをおっしゃいましたけれども、ただ、多分、数字の面で見て、それからいわゆる高金利の満期が今度は流出が始まっているというふうな状況からしますと、今のままでいくとその夢と逆の現実があって、その現実があるということは社長自身がお認めになっていると。そうすると、夢を実現するというよりも、まず、立ち上がるためには相当の要は治療が必要だろうと思うんですが、その部分について、一般論でおっしゃいましたけれども、相当突っ込んだいわゆる外科的な手術とそれから内科的な手術と両方必要じゃないかと思うんですけれども。

 もう少し具体的に、つまり知事に対してこうおっしゃるということだけじゃなくて、検査の在り方等を含めて、やはり今までと違った詳細な戦略的なアプローチが必要だろうと思いますが、その辺いかがでしょうか。

○国務大臣(亀井静香君) 担当大臣としても、これがどうなるかということは看過できない問題でありますので、私は、都知事ともそういう面についての意見交換をもう具体的にもやってまいりたいと。そうして、金融庁としても、今おっしゃいました金融庁として持っておるあらゆる権能、ノウハウを全面的にバックアップをそれをもってしていくということをやらしたいと、このように考えております。

○藤田幸久君 せっかく大臣おっしゃっていただきましたので、知事それから銀行の幹部それから都議会あるいはいろんな中小企業の団体、知事は広島始めいろんな信金、信組の方と交流されたりとか一番生の声をお聞きになって、前回もいわゆる借り渋りの状況なんかもう御存じでございましたので、そのいわゆる借り手側の方とも是非直接お会いしていただければ、大変皆さん、東京都の方も喜ばれると思いますし、田村さんはもし静岡県が新しくつくった銀行があれば多分踏み込むお気持ちもあると同時に、東京都の方もそういうふうに思っていらっしゃると思いますので、大臣、もう一度そういう形でそういう方々とお会いいただけるかどうか、お答えいただければ幸いです。

○国務大臣(亀井静香君) 先ほども申し上げましたが、議員が御指摘のように、放置できる問題じゃございませんので、ある意味では依然として最高責任者だと思います、知事は、株主であるとかなんとかという以上に。私は、知事とも直接お会いをして意見交換もしたいと思っておりますし、同時に、やはり大勢の中小零細企業の方が知事と同じように夢というか、それに希望を託しておられた面もあるわけでありますから、また現にそれに従って融資を受けられた方、申込みをされた方、また現在その処理をめぐっていろいろ御意見を持っておられる方々がいらっしゃるわけでありますから、これをこの方々とも私自身が直接意見も交換をする、そういう場も早急にセットしたいと、こういうふうに考えております。

○藤田幸久君 では、是非亀井大臣のリーダーシップでその立ち上がれ新銀行東京ということが実現できるようにお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。