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  • 【2009年3月9日】

    活動報告

    質問第五二号

    戦時中の連合国捕虜使役問題に関する第三回質問主意書

    右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

    平成二十一年二月十九日
    藤田 幸久

    参議院議長 江田 五月 殿

    戦時中の連合国捕虜使役問題に関する第三回質問主意書

    一 「一の1から3までについて」、「一の4について」及び「一の5について」の答弁について

    1.  前回政府答弁書において、「現在までの調査では、これらの外交記録の中に「麻生鉱業」が明記された文書及び御指摘の「一九四五年八月に河辺虎四郎陸軍中将がマニラで連合軍司令部に提出した文書」は確認されていない」とある。改めて、その後の調査に基づき、麻生鉱業に関するもの、とりわけ捕虜の取り扱い及び賃金支払いに関するもの、捕虜の母国への帰還に関するものを示されたい。また、一九四五年八月に河辺虎四郎陸軍中将がマニラで連合軍司令部に提出した文書が含まれている資料を示されたい。
    2. 2での調査では確認されていない」とある。改めて、その後の調査に基づき、連合国からの抗議文などの関係資料はこの事務室が保管していたのか、回答されたい。
    3.  前回政府答弁書において、終戦連絡事務局が「作成した捕虜に関する文書資料等については、その一部が外交史料館に保管されていることが確認されている」とある。その目録を示されたい。

    二 「二の1及び2について」の答弁について

    1.  サンフランシスコ講和条約締結後、捕虜問題を主管した部局はどこか。
    2.  東京裁判を主管した部局はどこか。
    3.  戦時賠償を主管した部局はどこか。
    4.  BC級戦犯を主管した部局はどこか。
    5.  シベリア抑留者を主管した部局はどこか。

    三 「三の1について」、「三の2から4までについて」、「三の5について」及び「三の6について」の答弁について

    1.  前回政府答弁書において、「元捕虜等からの要望等に対し、適切に対応してきている」とある。その「適切」に該当する、豪州における我が国の在外公館が受けた手紙の数及びそれに対する返書の数並びに要望の数及びそれへの回答を示されたい。また、その回答に対して、元捕虜等から再び要望等が寄せられた件数を示されたい。
    2.  前回政府答弁書において、「「痛切な反省と心からのお詫び」については、我が国が、かつて植民地支配と侵略によって、元捕虜を含め、旧連合国諸国を含む多くの国々の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたことにつき、率直にお詫びの気持ちを表明したものである」とある。「痛切な反省と心からのお詫び」は元捕虜の問題については、具体的にどのような行為に対して反省・お詫びしたのか。また、具体的な行為を明示することなく、「反省」及び「お詫び」を語るのは、元捕虜にとっては、真摯な対応をしているとは受け止められず、かえって誤解や不信を招き、逆効果と思われるが、政府の見解はいかがか。
    3.  「捕虜の労働に関する国際法の規定及び基本要件は何か」との前回の質問に対して答弁がなされていないので、再度回答を求める。また、国際法が捕虜の労働を許容する条件とは何か。
    4.  将校を捕虜として使役することは、国際法に違反していないか。

    四 「四の1について」、「四の2の(一)及び(四)について」及び「四の2の(二)及び(三)について」の答弁について

    1.  「二〇〇六年に麻生炭鉱の豪州人元捕虜のインタビューが豪州のABC放送や、「The Age」紙、「The Australian」紙などで報道されたが、それらは麻生外務大臣(当時)に報告されたか」との前回の質問に対して、前回政府答弁書において、「御指摘の報道については、麻生外務大臣(当時)に報告されたかどうかは確認できなかった」と答弁している。答弁書は麻生総理大臣からの回答であるので、確認するまでもなく、麻生総理自身から、報告があったかどうか答弁されたい。
    2.  在豪州日本国大使館及び在豪州日本国総領事館が、麻生鉱業で使役された元豪州兵捕虜が生存していることを初めて知ったのはいつか。また、テレビ、新聞などのインタビューに登場していることを初めて知ったのはいつか。
    3.  前回政府答弁書において、「マリリン・カルアナ氏、ジョン・ホール氏及びジョー・クームス氏からの手紙については内閣総理大臣官邸において接受したが、これらに対する返書は送付していない」とある。その後返書は送付したか。まだ出していないとすればその理由は何か。
       また、アーサー・ギガー氏からの手紙は接受したか。それに対する返書は送付したか。
    4.  久留米工業大学教授のウイリアム・アンダーウッド氏の二〇〇七年六月の麻生外務大臣あての手紙並びに同氏が同封した「麻生鉱業報告書〔一九四六年〕」及びGHQ司法調査委員会作成の「報告書一七四」について、前回政府答弁書において、「麻生外務大臣(当時)が受け取ったことは確認されていない」とある。答弁書は麻生総理大臣からの回答であるので、確認するまでもなく、麻生総理自身から、受け取ったかどうか答弁されたい。
       また、二〇〇七年六月の手紙を村松秘書が受け取ったことは、これまでの国会答弁で明らかになっているが、村松秘書は、「麻生鉱業報告書〔一九四六年〕」及びGHQ司法調査委員会作成の「報告書一七四」も受け取っていたか。

    五 「八の1について」、「八の2について」及び「八の3について」の答弁について

    1.  国際法によれば、捕虜受け入れ国は、俘虜収容所などが、使役させた捕虜の就労記録や労賃支払いの記録を保存、保管すべきと理解するが、政府の見解はいかがか。
    2.  戦時中使役させられた元捕虜の賃金の一部を供託したものがあったと思われるが、現在法務局が保管しているものの中に、連合国捕虜の供託金はあるか。また、法務局以外に保管している政府関係機関はあるか。あれば、それぞれの件数と総額を示されたい。
    3.  国際法によれば、労賃の支払いは、俘虜収容所または受け入れ企業が捕虜に対して支払うべき対価であり、本来、賠償、請求権の問題ではないと思われるが、政府の見解はいかがか。
    4.  麻生鉱業で使役されていた元豪州兵捕虜で麻生総理に手紙を出した三人に対して、俘虜収容所または麻生鉱業から労賃は支払われていたか。
    5.  前記4で支払われていない、ないし確認できないとすれば、国際法に違反すると思われるが、政府の見解はいかがか。なお、この質問は、法的に解決済みかどうかを質しているのではなく、国際法違反の事実ないしはその可能性があったのかを質すものであるので、その点を踏まえて答弁されたい。
    6.  麻生総理は、三人の元豪州兵捕虜が求める、①「苦しんだ人道に反する処遇及び従事した強制労働に対する謝罪」、②「過去六十四年にわたり、捕虜に対して歴史上の真実を無視してきたことへの謝罪」、③「世界の規範にそって、歴史上の不義を償う金銭補償の給付」のそれぞれに対して、どう対応する考えなのか。

    六 「九について」の答弁について

    1.  これまで元欧米連合国側捕虜との交流事業の中で、オランダ、イギリスなどに比べ米国の元捕虜及びその家族への扱いが異なってきた理由は何か。
    2.  「平成二十一年度予算案の中で、米国の元捕虜およびその家族を対象とする事業を外している理由は何か」との前回の質問に対して、前回政府答弁書において、「お尋ねについては、その対応について、引き続き慎重に検討しているところである」とある。麻生総理とオバマ米国大統領との会談の時期に合わせて、前向きな政策転換を期待するが、政府の見解はいかがか。

     右質問する。

    答弁書第五二号

    内閣参質一七一第五二号
    平成二十一年二月二十七日

    内閣総理大臣 麻生 太郎

    参議院議長 江田 五月 殿

    参議院議員藤田幸久君提出戦時中の連合国捕虜使役問題に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。

    参議院議員藤田幸久君提出戦時中の連合国捕虜使役問題に関する
    第三回質問に対する答弁書

    一の1について

     現在までの調査において、外交史料館に保管されている終戦前の外交記録の中に「麻生鉱業」が明記された文書及び御指摘の「一九四五年八月に河辺虎四郎陸軍中将がマニラで連合軍司令部に提出した文書」は確認されていない。

    一の2について

     現在までの調査において、外交史料館に保管されている終戦前の外交記録の中に、「在敵国居留民関係事務室」が関係していると考えられる連合国側からの抗議に関する文書の一部が確認されている。

    一の3について

     現在までの調査において、外交史料館に保管されている「終戦連絡事務局」が作成した捕虜に関する文書資料等として、連合国側からの抗議に関する「抗議事件関係資料」及び「終連管理部執務報告第一号」のうち「第四、俘虜抑留者」が確認されている。

    二について

     お尋ねの主管部局については、事項の内容及び相手国等によって様々であるため政府として一概にお答えすることは困難である。

    三の1について

     在豪州日本国大使館及び在豪州日本国総領事館が保管する豪州人元捕虜に関連する資料の中から、お尋ねの手紙等について網羅的に調査することは困難であるため、お答えすることは困難である。

    三の2について

     お尋ねの「痛切な反省と心からのお詫び」については、我が国が、かつて、元捕虜を含め、旧連合国諸国を含む多くの国々の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたことにつき、一般的に率直なお詫びの気持ちを表明したものであり、対象とする行為を特定したものではない。

     いずれにせよ、政府としての認識は、平成七年八月十五日及び平成十七年八月十五日の内閣総理大臣談話等において示されてきているとおりである。

    三の3について

     先の答弁書(平成二十一年二月十七日内閣参質一七一第三六号)三の5についてでお答えしたとおりである。

    三の4について

     お尋ねについては、一概に確定的なことを述べるのは困難である。

    四の1について

     政府としては、御指摘の報道について、麻生外務大臣(当時)に報告されたかどうかは確認できなかった。

    四の2について

     御指摘の事実を在豪州日本国大使館及び在豪州日本国総領事館が最初に認識した時期を確定的にお答えすることは困難であるが、例えば、平成十八年五月に旧麻生鉱業で労働していた豪州人元捕虜に言及した報道及び平成十八年七月に豪州人元捕虜のインタビューに言及した報道が、公電にて報告されている

    四の3について

     お尋ねの手紙については、現在対応を検討しているところであり、返書は送付していない。
     アーサー・ギガー氏からの手紙は内閣総理大臣官邸において接受したが、現在対応を検討しているところであり、これに対する返書は送付していない。

    四の4について

     政府としては、お尋ねの文書については、麻生外務大臣(当時)が受け取ったことは確認できなかった。また、御指摘の「村松秘書」が、当時、お尋ねの文書を受け取っていたかについては政府としてお答えする立場にない。

    五の1について

     お尋ねについては、一概に確定的なことを述べるのは困難である。

    五の2について

     お尋ねの「連合国捕虜の供託金」の存在については、承知していない。

    五の3について

     先の答弁書(平成二十一年二月十七日内閣参質一七一第三六号)八の3についてで述べたとおり、先の大戦に係る賠償並びに財産及び請求権の問題は、政府としては、日本国との平和条約(昭和二十七年条約第五号。以下「サンフランシスコ平和条約」という。)及びその他の関連する条約等に従って誠実に対応してきたところであり、これら条約等の当事国との間においては、お尋ねの点を含め、法的に解決済みである。

    五の4について

     旧麻生鉱業における労働に対する労賃の支払状況については、政府としては承知していない。

    五の5について

     お尋ねについては、一概に確定的なことを述べるのは困難である。

    五の6について

     先の答弁書(平成二十一年二月六日内閣参質一七一第二二号)三の2及び3についてで述べたとおり、我が国は、かつて植民地支配と侵略によって、元捕虜を含め、旧連合国諸国を含む多くの国々の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたとの歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを、これまで様々な機会に表明してきている。
     一方、我が国としては、先の大戦に係る賠償並びに財産及び請求権の問題については、サンフランシスコ平和条約及びその他関連する条約等に従って誠実に対応してきたところであり、これらの条約等の当事国との間では、個人の請求権の問題も含め、法的に解決済みである。

     我が国としては、関係諸国との信頼関係を一層強化するため、引き続き誠実に対応していく所存である。

    六について

     お尋ねについては、その時々において、政府としての対応を検討してきており、米国の元捕虜等については、先の答弁書(平成二十一年二月十七日内閣参質一七一第三六号)九についてでお答えしたとおりである。

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