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ツバルの水没や海面上昇はマユツバ?2008年08月28日
活動報告
2008年8月28日
ツバルの水没や海面上昇はマユツバ?
26日から2泊3日の予定で、ツバルのODA調査を行っています。
ツバルは、「海面が上昇し、椰子の木が倒され、学校も水没している」として、藤原紀香さんなどのテレビ番組などで日本では大きく報道されています。
東京都の石原都知事や小池百合子環境大臣なども短時間の訪問をしています。
しかし、参議院の調査団として今回の訪問の準備にあたり、参議院調査室が接触した南太平洋諸国研究の権威である大阪学院大学の小林泉教授は、海面上昇などと言われている根拠に大きな疑問を提示しています。(「国際開発ジャーナル」8月号、9月号)
その主なポイントは以下の通りです。
- ツバルの海岸侵食や2月ごろの満潮時に地面から湧き出る噴水現象は、海面上昇とは無縁で、それは人間による環境破壊と社会的理由だ。
- 第二次大戦中に米軍が千人以上の人員と多量のブルトーザーなどを投入し、滑走路を建設したが、そのために近隣の島を含む地域から大量の土砂を採取した。それら多数の穴から水が噴出しているのは当時からのことだ。
- 最大の島フナフチ島では、1973年に871人であった人口が今では5,300人が住み、過剰な人口流入となっている。これに伴い、行政府、警察、消防、病院などが建設され、「重量オーバー」となっている。
- 排水汚染による環境劣化で、島を形成する有孔虫が減少し、土壌形成を妨げている。
- 護岸工事などで海流が変わり地形に変化を起こしている。
また、サンゴ礁研究の第一人者で東大の茅根創教授も「海水の噴出や海岸浸食は他に原因があり、現状では海面上昇があるにしても影響はごくわずかだ」と述べています。
訪問中に多くの関係者からお話しを聞くことができましたが、こうした学者の方々の見解を裏付ける話も聞くことができました。さらに分析を続けますが、現場に足を運ぶことと、科学的な調査が必要であることをつくづく感じました。
ツバルの人々はとても温かく、楽園のような海は透き通り、こうした自然をぜひとも守りたいという思いは大きく高まりました。そのためにも真実と真の原因をしっかりと突き止め、正しい対応が必要だと感じました。
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3~4メートルの深さの穴が2キロも続く!
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(新聞は2週間に1回。テレビはない)
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