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パキスタン大地震被災地調査報告2005年10月11日

活動報告

2005年10月11日~17日

パキスタン大地震被災地調査報告

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パキスタン地震現地調査報告(10月11日~17日)
民主党国際局副局長
前衆議院議員
藤田 幸久
 10月11日~17日に「民主党パキスタン地震調査団」で現地調査を行って参りました。まだ死者が数千人しか判明していなかった地震翌日の9日に前原代表、鳩山幹事長から「行ってくれないか?」という要請を受け、以前アフガニスタン支援で関係のあったパキスタンの旅行社と連絡をとり、道路が寸断された現場を訪問できる車やガイドなどの段取りをつけました。

 今回の地震は、阪神大震災の11倍のエネルギー、家を失った人の数が約330万人、数百キロ平米に及ぶインフラや生活基盤の破壊度などで、スマトラ沖地震・津波を上回る「想像を絶する被害状況」でした。町全体がプレスにかけられたようにペシャンコになったり、山がばっくり割れたり、地すべりでえぐられていたり、停車中の大型バスが地震で横倒しになっていたり。そして瓦礫の下には多くの遺体が埋もれたままの悪臭。

 21日現在で死者が5万人。しかし、実際には10万人を超えるとの見方が有力です。孤立し被害状況もわからない山岳地が多く、雪も迫り、放っておけば1万人の子供が飢えと寒さで死んでしまうという国連のNUICEFの警告も出ています。千の病院と八千の学校が崩壊したほか、市役所や軍の施設なども倒壊して関係者が死傷したこと、大規模地震を想定していなかった政府や軍の初動体制の遅れが被害を拡大させました。

 しかし、政府や軍部が加速度的に対策を強化しており、私たちは5人の閣僚に同行して現地を訪れる機会を得ました。彼らがトップダウンで援助の現場対応や苦情処理に取り組んでいる姿に感銘を受けました。被災地の中心はインドと半世紀にわたって紛争が続いているカシミール地域ですが、パキスタン政府は初めて国際赤十字(キリスト教の)や、イスラエルのNGO(ユダヤ教),対立するインドの支援を受け入れ、震災が印パ両国の関係改善につながるのではないかという期待を持たせてくれました。

 日本からは緊急援助隊が翌日の9日に成田を出発したものの、民間機を乗り継いだため到着が遅れ、生存者の救出ができませんでした。これまで13回海外出動している緊急援助隊による救出例は2回だけです。機動力のある専用機の調達が急がれます。また国内の地震に対する緊急援助隊の規模と能力の拡大も必要です。自衛隊はヘリコプター数機が物資輸送を行っていますが、さらに、瓦礫の除去や道路の復旧など機材も活用した支援が効果的だと思われます。

 素早く現地に駆けつけた日本のNGOは、今最も必要なテントの配布や医療活動など「最も顔の見える援助」を行っていますが、現地での輸送、配布などでの大使館やJICAなどの支援が必要です。

 こうした課題については「小泉総理に対する申し入れ」を作成し、20日に前原代表と細田官房長官に提出しました。国内の震災対策の強化にも更に努力を傾けてまいります。

 パキスタン地震への多くの皆様からのご支援をお願いいたします。