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スマトラ沖大地震・津波災害への今後の対応についての申し入れ2005年03月08日

活動報告

2005年3月8日

スマトラ沖大地震・津波災害への今後の対応についての申し入れ

内閣総理大臣
小泉 純一郎 殿


2005年3月8日

スマトラ沖大地震・津波災害への今後の対応についての申し入れ

民主党スマトラ沖大地震・津波災害救援対策本部
本部長   川端 達夫(幹事長)
本部長代理 鳩山 由紀夫(ネクスト外務大臣)
事務局長  円より子(ネクスト防災担当大臣)

 さきに発生したスマトラ沖大地震に伴うインド洋津波災害は、未曾有の広範な人類同時災害である。被災者、被災国政府に対して、どのような支援が真に有効かを検証するため、民主党は2月14日から19日、被害の甚大であったインドネシア、スリランカに調査団を派遣した。同調査の結果を踏まえ、政府に対して以下のことを重点に取り組むことを要請する。

  1. 中長期的復興支援規模の大幅拡大
     アジア開発銀行、日本国際協力銀行、世界銀行が共同で実施した被害・ニーズ調査によれば、インドネシア、スリランカ2国だけで被害総額が約60億ドルになり、現在国際社会が表明している約50億ドル強の援助では不十分であり、中長期的復興に向けて支援規模の拡大が不可欠である。

  2. 邦人保護対策の抜本改革  被災国で被害を受けた日本人に対する、在外公館の対応について様々な問題が発生したことを踏まえ、災害時に捜索、医療、鑑定、被災者保護・サポートなどを含む総合的で「心の通った」対応ができるよう抜本的な邦人保護対策を早急に構築すること。

  3. 援助金会計監査への参画  インドネシア、スリランカ政府の国際社会援助金の会計監査や透明性への積極的姿勢に呼応して、国際社会の支援に基づく復旧・復興対策が真に被災者のニーズに合致し、有効に活用されることを確保するため、援助金使途の会計監査に参画し、透明化をはかること。

  4. NGOの直接支援強化  日本のNGOによる初動支援活動は目を見張るものであり、ジャパンフラットフォーム(JPF)という枠組みの存在の大きさを示したが、JPFは緊急人道支援が主な対象であり、今後の中長期的な復旧・復興支援に向け、政府からNGOへの直接資金協力の規模と対象範囲を拡大すること、審査や運用の柔軟性を拡大することが急務である。

  5. 国際復興支援のための人材バンクの創設  民間企業や国際機関の職員やOBなども含めた経験者を国際緊急援助隊のように登録し、活用できるメカニズムを検討すること。専門分野の技術専門家というよりも国際的な援助の調整やプロジェクトの企画、管理ができる人材を、国際人道支援隊、国際復興支援隊のような名称で人材バンクのように創設する。

  6. 和平仲介への協力  今回の災害で甚大な被害を受けたインドネシア・アチェ州、スリランカ・北東岸部は、長年の紛争地であり、復旧・復興の実効性を高めるには、政府と反政府組織との一致協力体制が不可欠であり、その体制構築とともに和平仲介に積極的に協力すること。

  7. ニーズ調査  支援のあり方を巡り、被災者と政府施策とのミスマッチを最小化するため、被災者からの聞き取りを含む丁寧なニーズ調査を行うこと。また、すでに顕在化している災害トラウマ被害者の精神的ケア、災害孤児対策も含めた、持続的な支援態勢を構築すること。

  8. プロジェクト調査  状況の進化に応じた中長期的対策を含めた視点と、国際機関や内外のNGO間での充分な連携と役割分担のもと、被災者の物的被害、地域の社会基盤等の破壊などによる被害の現地調査を踏まえ、援助のプロジェクト調査を行うこと。また実行後はプロジェクトのモニタリング(監視)による評価を行うこと。

  9. 防災・予知体制  さきに神戸で開催された「国連防災世界会議」において合意した「地域津波早期警戒システム構築」を含む国際的な防災、予知体制の構築に積極的な役割を果たすこと。

    以 上