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  • 【2004年11月2日】


    活動報告

    本会議 会議録

    平成16年11月2日(火曜日)
    午後1時開議

    衆議院TVへリンク*『衆議院TV』ではこちらの審議中継をビデオで配信しています

    ○会議に付した案件
     町村外務大臣のイラクにおける邦人人質事件に関する報告及び質疑

    ○議長(河野洋平君) 藤田幸久君。

    〔藤田幸久君登壇〕
    ○藤田幸久君 藤田幸久でございます。
     私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりましたイラク人質事件に関する報告について、小泉内閣総理大臣に質問をいたします。(拍手)

     まず、質問に入ります前に、香田証生さんが、国民の期待もむなしく、無残にも遺体で発見されたことは、心痛にたえません。香田さんの御冥福をお祈りするとともに、御遺族に対して心よりお悔やみを申し上げます。この間、耐えがたき御心痛を受けられた御家族に対し、政府からの物心両面での最大限の支援を、まず小泉総理にお願いするものです。
     また、何ら関係のない民間人を無残に殺害した犯人グループの残虐な手口には、激しい憤りを禁じ得ません。
     この間、香田さん救出に向けた政府関係者の不眠不休の努力は率直に評価したいと思います。
     民主党も、四月のイラク人質事件の際と同様、自衛隊の撤退問題とは切り離し、人質の救出を第一義とする観点から、情報の交換や共有など、政府にも協力する用意があるとの立場を表明し、事件が発生した二十七日には対策本部を立ち上げ、二十四時間体制で解放に向けての活動を行ってまいりました。鳩山由紀夫ネクスト外務大臣がジュマイリ駐日イラク大使に直接協力要請を行ったほか、岡田克也代表がアルジャジーラ・テレビで犯人グループに対する解放を直接呼びかけました。また、イラクの宗教指導者を通した働きかけも行いました。
     さて、具体的な質問に入ります。

     私は、中越地震で二歳の皆川優太君の救出に見られたような、一人の命を救おうとする感動的な執念とチームワークの再現を祈りましたが、奇跡は実現しませんでした。今回の政府の対応には、四月と異なり、どうしても香田さんを救出するという熱意と執念が感じられませんでした。
     それを象徴的にあらわしているのが、事件発生直後の小泉総理による、強硬なイメージが突出したメッセージです。特に、豊岡の台風被災地での突き放すようなしぐさの映像が繰り返し外国メディアで放映された影響を総理はどう認識されておられるのか、まず伺います。(拍手)

     こうした小泉総理の発言に対して、バグダッドの有識者や学者、イスラム聖職者などが、小泉首相の発言が人質殺害の時期を早めたと思う、犯行グループの誤解を解くこともできず人質を死亡させた日本側の最大のミスは小泉首相が犯した、小泉首相は熟慮せずすぐに挑発的な声明を出してしまったなどと述べたことが報道されています。
     受け手がどう感じるかが重要だという観点から、こうしたイラクの良識的な一般市民の反応を小泉総理はどう受けとめているのか、伺います。

     私は、自衛隊の撤退を表明すべきだったと総理に言っているのでは毛頭ありません。結果として、自衛隊駐留継続やテロとの闘いを挑発的に言い続けることと香田さんの若い命とが、二者択一的なイメージとして伝わってしまったことの結果責任を問うているのです。(拍手)
     一国の総理としての発言の重さに対する認識を問うとともに、脅しに屈しない姿勢と香田さんの救済とのどちらか一方ではなく両立し得る方策と、人命尊重への努力を粘り強く続けるべきではなかったかをただしているのです。総理自身の冷静なお言葉をお聞かせください。(拍手)
     同じように、町村外務大臣が二十七日に行った、アルジャジーラなどに出演しての発言にも疑問を禁じ得ません。
     「イラクで日本人を人質にしているグループへ」と題したメッセージには、日本のイラクの復興努力に対する支援や自衛隊の復興支援、さらには日本主催によるイラク復興信託基金に関する会合などが次々と述べられています。
     これでは、犯人側が敵とするアメリカやイラク暫定政府と日本との緊密な関係を誇示しているだけではありませんか。少なくとも、犯人グループがアルカイダと名乗っているという認識を持たずに外務大臣はテレビカメラに向かっていたのでしょうか。答弁を求めます。(拍手)

     このメッセージの最後には、「私そして日本国民のすべてが、香田さんの早い解放を願っております。」と結ばれています。まるで他人事のようであり、犯人たちに対して直接解放を求めてはおりません。つまり、小泉総理も町村外務大臣も、香田さんの命を救おうとする具体的な発信がなかったことの是非を改めて総理に伺いたいと思います。皆川優太くんを救ったようなあの連帯や人道主義は存在しなかったのでしょうか。(拍手)
     四月の人質事件の際には、米軍のファルージャに対する停戦が人質解放に役立ったと言われていますが、先週はファルージャのザルカウィ派に対する激しい攻撃が続けられ、双方に多数の死者が出ました。米軍による攻撃の激化がアルカイダの反発を強めたとの見方もありますが、日本政府は香田さん救済の観点からアメリカに対して攻撃自粛などを要請したのかどうか、総理に伺います。(拍手)

     次に、今回の人質事件に際し、バグダッドの鈴木大使は、イラク暫定政府のアラウィ首相に直接会って協力要請すべきところを、電話での要請で済ませています。また、三十日に香田さんとは異なる遺体発見の際も、大使館員がだれもティクリットの病院に確認には行っておりません。こうした体制が政府を迷走させ、香田さんの御家族に多大の御心痛を与えたことは否めません。
     総理、これだけ政府を挙げての危機に際し、日本の特命全権大使が、赴任国の首都で、その国の首相に思うように会えないという現状は、ゆゆしき問題だと思いませんか。この外交体制の不備と政府の迷走に対し、総理はいかなる改善策をお持ちか、しっかりお答えいただきたい。
     今のイラクは、特措法のもとで自衛隊を派遣するという政治決断で暫定政府を承認している日本外交の最も重要な国の一つです。国策として、また総合外交能力としての情報収集・分析能力が求められているのではないでしょうか。これがなければ、第二、第三の奥大使や香田さんが生まれかねず、さらにはサマワで活躍する自衛官の身にも危険が迫っています。政府の情報分析経験者や警護能力を持った民間警備会社、現地人の登用も含めた総合的な治安、情報収集・分析能力の改善が急務ではないでしょうか。外交の最高責任者としての総理にお尋ねいたします。

     民主党は、当初から、大義なきイラク戦争及び憲法上疑義のあるイラク特別措置法による自衛隊の派遣に反対してきました。
     最近は、イラク攻撃の根拠とされた大量破壊兵器について、アメリカ政府高官の情報操作疑惑が消えないばかりか、アメリカ政府の最終報告は、公式に大量破壊兵器の発見を断念しているではありませんか。戦争の大義は既に崩壊しています。アナン国連事務総長まで、米国等の単独主義を批判し、国連憲章上の疑義を挙げ、法の支配を強調している事態をどう受けとめているのですか。町村外務大臣の答弁を求めます。(拍手)

     小泉総理は、今になって、戦争の大義について、大量破壊兵器の脅威がなくても、イラクの累次にわたる国連決議違反で正当化できると軌道修正しています。しかし、一連の国連決議は大量破壊兵器の脅威が前提にあり、この存在が否定された今、国連決議にすがる言い逃れを詭弁と言わずして何と表現すればいいのでしょうか。小泉総理の答弁を求めます。(拍手)

     今回の人質殺傷事件は言うに及ばず、昨日はサマワの陸上自衛隊宿営地にロケット弾が着弾し、コンテナを貫通しました。宿営地内の施設の被弾は初めてです。本気で殺傷しようとしているようにも思えると、サマワから帰った自衛隊員の談話が報道されています。こうした事態を総理はどう認識しているのか、伺いたい。宿営地が攻撃の対象とされたというこの新たな事態を迎えても、自衛隊が活動できる非戦闘地域という派遣要件は満たしていると考えるのか、小泉総理の御認識を伺います。(拍手)

     また、自衛隊の治安を守っているオランダ軍も早晩撤退する方針と聞いています。このような状況においては、イラク特措法の規定に基づき、自衛隊の撤退を考えるべき時期に来たと考えますが、小泉総理から、自衛隊の撤退についての方針を伺います。

     また、期限が切れる十二月十四日を前に、国会閉会後の抜き打ちによる政府決定をすることなく、しっかりと、国会と六割以上が延長反対と考える国民の前で審議を行うことを強く求めたいと思います。総理の明確な答弁を求めます。(拍手)

     九・一一事件以降の先制攻撃論に基づく単独行動主義的な独善的な戦争によって、今、世界は大きな岐路に立たされていると思います。昨年のイラク戦争開始前にはアルカイダも自爆テロも国内には存在しなかったと、最近、あるイラク政府の関係者が私に語ってくれました。
     ますます一般市民が犠牲になっているというこの正気を欠いた戦争に対して、日本も真の人道主義の立場からの平和構築のために立ち上がるときが来たと私は確信しています。総理に、この認識に対する答弁を求め、先ほどの谷本議員に対するようなそっけない答弁ではない答弁を総理大臣及び町村外務大臣に求めて、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)

    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕
    ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 藤田議員にお答えいたします。
     私の発言がテロ事件解決に与えた影響についてでございますが、人命を盾にとってみずからの要求を通そうとする行為は卑劣きわまりない行為でありまして、いかなる理由であっても許すことはできないと思っております。香田さんがテロの犠牲になられたことは、まことに残念であります。
     自衛隊の人道復興支援は、イラクの人々と国際社会の平和と安全のために重要と考えております。新たなテロを防ぐためにも、我が国がテロに屈しないとの立場を堅持することが重要と考えており、イラク人のために人道復興支援活動を行う自衛隊を撤退させないとの私の発言は、このような我が国の立場を明らかにしたものであります。

     政府は、今回の人質事件に当たって、イラク政府及び関係各国に協力を依頼し、ヨルダンでの現地対策本部の活動等を通じ、解決に向けて全力を尽くしてきたところでございます。
     香田さんの命を救おうとする具体的なメッセージについてでございます。
     政府としては人質解放のためにあらゆる努力をいたしましたが、その一環として、外務大臣が二十七日、二十八日の二度にわたりアルジャジーラに出演するほか、関係国、関係機関に協力を要請し、解放に向け全力を尽くしてきたところでございます。

     米軍に対して攻撃自粛などの要請をしたのかとのお尋ねでございます。
     政府としては、人質の安全な解放に向けたあらゆる努力の一環として、米国とはさまざまな経路を通じた情報交換等を行いましたが、数多くの未解決の事件があること、こうした事件が今後とも発生する可能性があること、さらに、関係した方々の立場にかんがみ、その詳細について申し上げることを控えさせていただきます。
     イラクにおける外交体制についてでございますが、今回の事件に関して政府は一体として最善の努力をしたと考えております。バグダッドの治安情勢は厳しい状況にあり、在イラク大使館の警備につきましては、現地の状況を踏まえ、できる限りの対応を行ってきております。
     イラクについては、安全対策、情報収集・分析について、可能なあらゆる手段を活用するとともに、現地の状況の動向に合わせ、その改善強化に努めております。今後とも、我が国のイラク復興支援を支えるこうした努力を継続してまいります。

     我が国の国連決議に基づく対イラク武力行使についてでございます。
     我が国が対イラク武力行使を支持したのは、イラクが十二年間にわたり累次の国連安保理決議に違反し続け、また、国際社会が与えた平和的解決の機会を生かそうとせず、最後まで国際社会の真摯な努力にこたえようとしなかったとの認識のもとで、自主的な判断に基づき武力行使を支持したのであり、その判断は正しかったと考えております。

     
    サマワの情勢についてでございます。
     昨日のサマワ宿営地に対する砲撃事案については、現地部隊において、砲弾の捜索を含めた事実関係や背景等の確認を進めているところであります。
     サマワの治安情勢は、予断を許さないものであると認識しております。バグダッドなど他の地域と比べれば比較的安定しているものの、先日もロケット弾の不発弾が宿営地内に着弾しており、今後もこうした事案の可能性を否定することはできないと考えております。
     しかしながら、これまでの情報とあわせて総合的に判断すれば、今回の事案により直ちに自衛隊の活動するサマワ周辺が非戦闘地域の要件を満たさなくなったとは考えておりません。
     自衛隊の活動に当たっては、現地の情勢に注意しつつ、情報収集を強化するとともに、適切な警戒、危険回避の措置をとり、隊員の安全確保に万全を期してまいります。

     
    自衛隊の今後の活動についてでございます。
     一般に、自衛隊の撤退については、復興支援活動の目的を達したと考える場合など、我が国が政治的、外交的な判断として派遣を終了させる場合のほか、活動場所が非戦闘地域の要件を満たさなくなった場合や、危険が迫って安全に活動を続けることが難しくなった場合には、自衛隊は、特措法の規定に従って、活動の全部または一部を中止したり、退避、撤収などの措置をとることになります。

     イラクの復興は道半ばであり、我が国にふさわしい分野において引き続き復興に積極的に貢献することが重要であります。私自身、最近、アラウィ首相やハッサーニ・ムサンナ県知事などとの会談において、自衛隊の人道復興支援活動に対する高い評価と、引き続き駐留することに対する期待を改めて認識しております。
     自衛隊のイラク派遣の基本計画では、派遣期間が本年十二月十四日までとされております。その後どうするかについては、国会における議論や、その時点における国民世論の動向を踏まえつつ、イラク復興の状況や現地治安情勢等を総合的に検討して適切に判断してまいります。
     人道主義の立場から平和構築に立ち上がるべきだとのお尋ねでございます。
     現在、イラクの人々は、新しい国家の建設のために必死の努力を行っております。国際社会は一致してこの努力を支援する必要があると思っております。我が国としては、今回の卑劣なテロ行為に屈することなく、引き続き、国際社会と協調しつつ、イラク国民による努力を支援していく考えであります。

     残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)

    〔国務大臣町村信孝君登壇〕
    ○国務大臣(町村信孝君) 藤田議員にお答えをいたします。
     犯人グループがアルカイダの背景を持つグループを名乗っていることを認識せずにメッセージを流したのではないかというお尋ねでございますが、二十七日及び二十八日に、本件人質事件をめぐる諸般の事情を十分に踏まえた上で、香田さんが純粋な民間人であることなどを指摘しつつ、犯人グループに対して人質解放を強く求めるメッセージを発出したところでございます。

     次に、米国等によるイラクに対する武力行使についてのお尋ねであります。
     イラク監視グループは、大量破壊兵器がイラクにおいて発見されなかったと報告をいたしましたが、仮に対イラク武力行使が行われていなかったならば、今回のような徹底した調査の実施は困難であり、大量破壊兵器疑惑から生ずるイラクの脅威は現在も続いていたことになると考えられます。
     かつて大量破壊兵器を使用したことのあるイラクが、安保理決議に従わず、国連査察団が大量破壊兵器をめぐる疑惑を否定し得ないという極めて異常な状況のもとでは、国際の平和と安全の維持を確保するために安保理決議に基づきとられた行動を支持するのは当然のことであると考えます。

     なお、九月二十二日の小泉総理との会談において、アナン国連事務総長は、自分の真意は先ほどの訪日の際に強調したとおり、イラク問題については前向きに対応することが重要ということであり、そういった自分のアプローチには何ら変化がないことを御理解いただきたい旨、そういう発言をされたと承知をしております。
     以上であります。(拍手)

    ○議長(河野洋平君) これにて質疑は終了いたしました。

    ○議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。
        午後三時散会

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