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  • 【2004年5月8日】

    活動報告

    民主党欧米訪問代表団報告書

    2004年4月29日(木)~5月6日(木)

    1)期 間
    2004年4月29日(木)~5月8日(木)(7泊8日)
    2)訪問先
    国連本部(米国ニューヨーク)、ローマ法王庁(バチカン市国)、イタリア、スウェーデン、ノルウェー
    3)代表団メンバー
    <tdvalign=”top”> 菅  直人<tdvalign=”top”>荒井 聰<tdvalign=”top”>藤田 幸久<tdvalign=”top”>前原 誠司

    団長 民主党代表
    副団長 民主党役員室長
    事務局長 民主党国際局長
    団員 民主党「次の内閣」外務大臣(米国日程のみ)
    肥田 みよこ 民主党男女共同参画委員会委員長
    小川 勝也 民主党参議院政策審議会長
    事務局 樋口 博康 民主党役員室部長代理
    鈴木 賢一 民主党国際局・調査局副部長
    鈴木 恒一 民主党国民運動委員会 嘱託カメラマン
    宮永 重 警視庁代表警護官
    4)目 的
    • テロとの戦い及びイラク問題における国際的な動きなどをふまえて、国際協調の枠組み、特に真に国連主導の平和構築に向けて、国連本部や和平外交を推進するスウェーデン、ノルウェー、ローマ法王庁などの首脳及び幹部との意思疎通と連携・協力を深め、可能な限り野党外交で貢献すること。
    • 日本として将来可能な国際貢献のあり方や方策を検討するため、北欧諸国の国連待機部隊などの現状を把握すること。
    • 今わが国の最大課題である年金制度改革を、本当に国民生活に資し、国民が受け入れられる抜本的、かつ長期的な制度改革にするよう、党派を超えた政治的合意プロセスなどについてスウェーデンの経験・実例などを把握すること。
    5)民主党欧米訪問代表団 日程概要
    2004年4月29日(木)~5月6日(木)
    月  日(曜) 時 間 フライト テーマ 行動
    4月29日(木)

    東京

    ニュ-ヨ-ク

    19:10

    18:40

    成田発
    (JL48)
    ニューヨーク着

    &nbsp

    20:00 小沢俊郎国連代表部大使ブリーフ・夕食
    21:30~ 代表団打合せ
    (ニューヨーク:「ホテル・ザ・キタノ」泊)

    4月30日(金)

    ニューヨーク

    &nbsp &nbsp イラク問題
    北朝鮮問題
    中東問題等
    10:00~ ヘンリーキッシンジャー博士との会談
    (於:Kissinger Associates, Inc.)
    11:00~ アナン国連事務総長との会談(於:国連)
    13:00~ 国連邦人職員との昼食会(於:国連)
    15:00~ 北岡信一国連代表部大使との懇談(於:国連)
    16:15~ ブラヒミ事務総長特別顧問との会談(於:国連)
    17:00~ 代表記者会見(於:国連)
    19:30~ 原口幸一国連代表部筆頭大使 夕食会(於:公邸)
    (ニューヨーク:「ホテル・ザ・キタノ」泊)
    5月1日(土)

    ニューヨーク

    ローマ

    17:50

    ニューヨーク発
    (アメリカン航空166)

    &nbsp 11:30~ グランドゼロ訪問、献花
    12:30~ 現地邦人記者及び同行記者との昼食会
    17:50  JFK空港発
    (機中泊)
    5月2日(日)

    ローマ

    08:20

    ローマ着

    &nbsp

    12:30~ 在バチカン・イタリア大使館員との昼食会

    19:00~ 鹿野在バチカン日本大使からのブリーフ(於:公邸)
    翌日会談に関する代表団打合せ
    (ローマ:「グランド・ホテル・プラザ」泊)

    5月3日(月)

    ローマ

    &nbsp

    &nbsp

    イラク問題
    宗教間対話

    難民問題

    10:00~  バチカン閣僚・フィッツジェラルド大司教
    (諸宗教対話統括)との会談
    (於: <span
    lang=EN-GB>Via dell’Erba 1)
    12:30 松原亘子在イタリア日本大使 昼食会(於公邸)
    15:00 バチカン閣僚・濱尾文郎枢機卿(移住・移動者司牧統括)
    18:30 イタリア・テク国防政務次官
    20:00 塩野七生氏との懇談
    (ローマ:「グランド・ホテル・プラザ」泊)

    5月4日(火)

    ローマ

    ストックホルム

    16:10

    17:45
    19:00

    21:15

    ローマ発
    (LH5569)
    ミュンヘン着
    ミュンヘン発
    (SK3654)
    ストックホルム着

    イラク問題
    和平外交
    中東問題等

    9:00~ バチカン閣僚・マルティーノ枢機卿(正義と平和委員会統括)との会談
    (於: Piazza San Calisto 16)
    10:00~ 記者懇談
    11:00~ バチカン外務長官・ラヨロ大司教との会談
    (於:バチカン市国内Palazzo Apostolico, Terza Loggia, Sergretaria di State)
    12:40~ ダレーマ左翼民主党党首(イタリア元首相)及びファッシーノ書記長との会談
    (於:「左翼民主主義者」党本部)

    5月5日(水)

    ストックホルム
    →オスロ
    →東京

    11:30

    12:30
    16:45

    20:15

    ストックホルム発
    (AY655便)
    オスロ着
    オスロ発
    アムステルダム着
    アムステルダム発
    (JAL412)

    イラク問題
    イラク問題
    北朝鮮問題
    年金制度

    8:00~ スウェーデン・パーション首相との朝食会
    (於:首相官邸)
    9:00~ スウェーデン・ベングソン社会保健省副大臣との会談(於:社会保健省)

    12:30~ 空港ラウンジにて斎賀富美子駐ノルウェー大使からのブリーフ
    14:00~ ノルウェー・ボンネビーク首相との会談
    (於:首相官邸)
    (機中泊)

    5月6日(木)

    東京

    14:30

    成田着

    &nbsp

    17:30~ 代表団帰国記者会見(於:院内第4控え室)

    6)訪問の意義と成果
    • 現在、世界の最重要課題であるイラク問題の中心的役割を果たしている国連のアナン事務総長及びブラヒミ特別顧問と、国連重視の政策を推進しているスウェーデン、ノルウェー両国首相、イタリア野党の党首、ローマ法王庁閣僚などとの直接対話を行い、直近の多元的情報収集を行なうともに、真の国連主体によるイラク問題解決の枠組みについて、民主党の立場と具体的政策を表明する事ができた。
    • 真の国連中心外交と平和構築の包括的プロセス実現のために取り組んでいるローマ法王庁の主要閣僚、及びスウェーデン、ノルウェーの首相と、テロとの戦い、中東、スリランカやミャンマーなどでの和平外交のあり方や、国連待機部隊制度などについて詳細な情報収集ができた。その結果、国際機関、各国政府、政党及び議員、NGOによる国際的な協力分業体制の中での日本外交のあり方及び民主党としての政党外交のあり方を模索することができた。
    • 国民が受け入れ、真に安心・信頼できる年金制度を作りあげた、政治的な合意形成プロセスについて、スウェーデンの超党派による全会一致方式の委員会の役割や「オレンジ色の封筒」による国民に対する年金受取額の情報提供などの実例を直接詳細に聞くことができ、わが国の抜本的な年金制度改革のあり方について大きな示唆を得た。また、年金制度の一元化における被雇用者と自営業者との統一について、所得比例制度や保険料徴収体制の具体的効果を聞き、民主党の年金制度改革案の比較優位性について確信をえた。
    • これまでのわが党の外交的な成果として、国連事務総長への代表からの書簡、現地に本部を構えてのコソボやアフガニスタンの人道支援やイラク人質解放支援の積み重ね、及び定期的な英文メールマガジン及びFAXニュースの発信、在日外国特派員との交流などによって、民主党の平和外交への取り組みが海外や在京大使館で評価されており、政権交代しうる二大政党の一方としての認知が高まっている。これらの政党外交のさらなる推進が不可欠である。
    7)欧米訪問代表団をふまえての今後の検討課題
    • 国連本部、バチカンとの連携を推進するための、党内に「国連支援議員連盟」、及び「バチカン支援議員連盟」などの設立の検討。
    • 欧州等で政権党の圧倒的多数を占め、民主党の立場に近い各政党との相互理解と協力関係促進のために、党関係機関・組織による「社会主義インター」へのオブザーバー参加の検討。
    • 各国の在京大使館などとの人的なネットワーク作りの意識的な強化と、それらの党外交における有効活用の具体化について検討。
    • 国内外への党の外交姿勢・政策などの発信や活動をさらに強化するための党の国際広報機能、外交・情報収集機能、事務局体制の強化の検討。
    8)主要会談概要
    ヘンリー・キッシンジャー博士との会談(非公開)

    日時:2004年4月30日(金)10:00~10:30

    • 国際社会において、いかに民主主義を広げていくか、各国の歴史や文化も生かした民主化プロセスについてのキッシンジャー氏の見解を聞く。
    • イラク情勢、さらに中東・パレスチナ問題に関する意見交換。
    • 日米関係、特にその双務性に関して意見交換を行った。
    • 歴史家としての視点が強調された。

     

    コフィー・アナン国連事務総長との会談

    日時:2004年4月30日(金)11:00~11:40

    場所:国連本部 事務総長室

    • 新たな国連安保理決議の内容と採択時期について
    • 2月の訪日以降、ブラヒミ氏をイラクに派遣。政権移譲に向けて調査。
    • 5月末をめざして大統領、副大統領2名、首相などからなるイラク人による暫定政府を樹立。
    • 2005年1月の選挙に向けてイラク人による独立した選挙管理委員会を設立し、法的な枠組みを作る。
    • 新たな国連安保理決議は、国連の役割、治安維持にあたる多国籍軍の権限と役割、地域との関係、新暫定政権のあり方などについて明確に規定。
    • 同決議は、5月末あるいは6月はじめまでには採択する見込み。
    • 国連を守る治安維持体制については、現在は米軍主導の連合軍だが、将来は、国連のもとで専門的に組織された部隊が望ましい。
    • 多国籍軍の位置付けは、新たな安保理決議で確認されるもので、現時点では明らかではない。新たな国々への参加が打診されているが、現時点では仏独露はわからないし、どこの国が将来、参加するかも不明。
    • 菅代表よりイラク復興支援及び自衛隊派遣に関する民主党の立場をあらためて説明。新たな安保理決議のもとで国連を支援する形で多国籍軍が形成され、イラク政府による要請があれば、自衛隊の派遣についても検討可能。ただし、治安維持のサポートや人道・復興支援のみ。その上で、国連PKOの編成の可能性について聞いたところ、アナン事務総長は、国連PKOの設置は考えていないと明言。その理由は財政的な理由もひとつにはあるが、むしろ能力の問題が大きい。現在、イラクには15万人の兵員がおり、さらに増える見込みであり、国連PKOでこれだけの規模を維持展開することは無理とのこと。
    • 自衛隊派遣が可能になった場合、多国籍部隊における自衛隊の参加について、アナン事務総長は、「コマンドは米国以外におかれる。各国はその司令部との協議によってそれぞれ役割を決めることになる。軍事的に治安を回復し、人道支援を行うことが大切。どこの国がどのような対応をするかはわからない。」と発言。
    • 菅代表より、国連待機部隊を検討しているが、イラクの場合、北欧型国連待機部隊は使えるかとの質問に対し、アナン事務総長は、東チモールの場合は、国連PKOが構成され選挙を実施できたが、イラクの現状では北欧諸国も国連待機軍を派遣しておらず、状況は異なると発言。

     

    日本人国連職員との懇談会

    日時:2004年4月30日(金)13:00~14:30

    場所:国連本部

    • 国連で働く日本人職員から、国連から見た日本外交、国連での経験などについて話を聞いた。
    • 「日本外交は国連中心をうたいながら、実際にはアメリカばかり見ている」、「日本人職員数が未だに100名程度から増えない」、「イラク問題でも十分国連を使っていない(日本の政党で国連を訪ねたのは今回の民主党が最初)」、「国連はどう考えるのかを問うのではなく、国連で日本が何をしたいかを主張すべき」など、有意義な意見が出された。
    • 「民主党国連議員連盟」の設立、在京の国連諸機関との交流、国連職員と党職員との交流促進などの提案について検討することを約束した。

     

    ブラヒミ国連特別顧問との会談

    日時:2004年4月30日(金)16:15~17:00

    場所:国連本部 特別顧問室

    (菅代表等からの発言に対するブラヒミ特別顧問の発言概要は以下の通り。)

    • 5月末に設立をめざしているイラク暫定政府の構成について、大統領、二人の副大統領、首相は、シーア派、スンニ派、クルド人からひとりずつとの考え。
    • また首相は政治に関わらない適切な人、つまり誠実で率直なイラク人民であること、イラクの復興に奉仕できることが保証できる人物が望ましい。ただ、多くの政党から圧力があり、人選は難しい。
    • 5月中の暫定政府設立は、時間的にかなり厳しいが実現に最大の努力。実現のために全員に圧力をかけている。そうしないとことは進まない。
    • 可能な限り5月末までにイラク暫定政府を設立し、主権と責任の委譲はCPAと協議しながら6月30日までに終える方向。CPAは6月30日で解散し、ブレマー長官はバグダッドから出国。新たな安保理決議に向けてインフォーマルな協議を進めている。
    • 新しい国連安保理決議は、イラクの新たな暫定政府が出来た後、6月中のいつかに採択。新政権と安保理が協議して相互理解を深める必要がある。
    • 新たな暫定政府が早くできても、反米武力闘争を収めることに寄与するかはわからない。反米感情を抑える責任は米国にある。
    • イラクが30年の独裁、3つの戦争、戦前・戦後の恐ろしい思いを取り除き、安心感をえるためには、大変長い時間がかかる。1ヶ月はけっして長い時間ではない。暫定政権は5月が無理でも6月の早い時期に樹立したい。
    • しっかりと話し合うことが大切。この政治的活動に加えて、地域的な協力体制を作ることも和平の実現に欠かせない。そして暴力の連鎖を止めること。イラク人は教育も受け誇り高いので、イラクの人々が中心となって実現できると期待する。
    • 全てのプロセスで全ての関係者、クルド人、シーア派、スンニ派の多数の支持が必要。シスターニ師とも連絡をとっている。少なくとも強硬な反対を示さなければ最終的にはうまくいく。サドル師については、大きなマイナスはない。しかし、意見の相違は深刻。この点で米国はもっと慎重にならなくてはいけない。米国は今まで以上に責任を持って慎重に動かなくてはいけない。これまで慎重であればこのような事態にはなっていなかった。
    • 来年1月の選挙に向けて、国連は選挙の実施に責任を負っている。しかし、選挙もゼロから国連が行うのではなく、まずイラク人自身の手で作るものをサポートする。日本への期待としては、まず選挙プロセスに資金が必要。特に、外国に出ているイラク人の帰国や投票など。第二に、治安状況が許せば、国際的な選挙監視団への参加も期待。
    • 政権移譲のプロセスで先般決定した基本法の位置付けがどうなるか、今はわからない。イラク人による選挙前と選挙後の2つの移行期がある。正式な新憲法は選挙後に出来る。1年間、憲法のない状態が続くがこの期間を埋めるのが基本法。従って、暫定政府にあまり権限を与えてはいけない。
    • シスターニ師は基本法を認めていないが、彼に全てを承認してもらう必要はない。基本法がイラク国民の選択を縛ってはいけないというのがシスターニ師の主張。安保理が各宗派などに政治的な保証を与えれば足りる。6月後半から、1000~1500人のイラク人による評議会で自ら基本法の解釈を行い、納得してもらう。
    • 新たな安保理決議の内容は現時点ではわからない。国連の役割について明確に定義して欲しい。暫定政府と軍との関係、ブレマー長官が管理する資金など課題は多い。
    • 暫定政権設立後の多国籍軍のあり方が今の多国籍軍と変わるかは、わからない。指揮権で言えば、米国は国内法で、米軍は米軍以外の指揮官を持ってはならない。どのような組織になるかはわからないが、どのような組織であれ、多国籍軍を作った場合、トップは米軍にならざるをえないと考える。どれほど現在の連合軍と違ったものになるかどうかはわからない。
    • イラク全体が戦闘地域ということはない。ただ、特にバグダッド周辺は治安が悪く、ファルージャなどはバグダッドの延長線上。全土といわずとも治安が悪化していることは確か。米軍のやり方が成功するのかどうかにかかっている。
    • 治安維持は、多国籍軍だけに頼れるものではない。今でさえ、連合軍による治安は出来ていない。連合軍は、イラク人と戦っている状態。治安維持を早くイラク自身が行うようにしなくてはいけない。イラクの機関を自立させることが重要。CPAがイラクの軍隊や警察を解散してしまったことが問題。解散してしまったイラクの組織を米国が修復すべきだ。

     

    フィッツジェラルド大司教・「諸宗教対話評議会」議長との会談

    日時:2004年5月3日(月)10:00~11:00

    場所:バチカン市国「諸宗教対話評議会」会議室

    ※昨年ローマ法王は、自らイギリスのブレア首相やイラクのアジス副首相に会談するなどして、イラク戦争回避に精力的な活動を行った。また、米国同時多発テロ以後世界に広がる「暴力の連鎖」に懸念を表明したり、イスラム教とキリスト教の対立拡大につながらないようにとのメッセージをくり返し発信してきた。

    (菅代表等からの発言に対するフィッツジェラルド大司教の発言概要は次の通り)

    • 宗教を対立に利用しようとする勢力が世界にあることは残念。ローマ法王庁では、宗教間対話を進めつつ、あらゆる宗教が平和のために尽くせるよう努力している。
    • 「世界宗教者平和会議」(WCRP)などにおける立正佼成会の庭野日敬開祖を始めとした日本の宗教界の平和への取り組みを高く評価している。
    • 中東和平・パレスチナ問題について、宗教間対話を行ってきたが、政治の場でオスロ合意がまったく遂行されないことで宗教間対話も停滞。
    • パレスチナの人々の人権を尊重するために、国連による国際的な関与を強化すべき。これまで明らかに多くの国連決議が遵守されず、踏みにじられても何らの制裁すら行われていない。この二重基準での対応が人々の不信と無力感につながっている。国際的な権威、国連機関の役割を高めることが重要。
    • 国際的な意識を高めて、国際世論を高めていくことが重要。世論、政府、国連が一致して取り組む必要がある。中東和平のために法王も「壁がいるのではなく、橋がいるのだ。壁は安全を守るものではなく、文化の橋こそ安心につながる」と説いている。
    • イラク問題で、ローマ法王庁はバチカン市国という国家の面もありながら、マドリード・プロセスには受け入れられなかった。参加できれば何らかの貢献が出来たはずで極めて失望した。
    • 宗教側は政治に利用されることを警戒する。しかし、平和という大きな方向については、様々な宗教は政治ともいっしょに歩まなくてはいけない。政治的リーダーが宗教者に働きかけることも大切。イラク戦争の直前に、インドネシアの政府・宗教者・NGOが戦争反対の共同メッセージをもって法王庁を訪問した例もある。
    • 様々な違いで分かれるのではなく、理解しあうことだ。イスラム教関係者との対話も進めている。今回のイラク戦争でも、ローマ法王のメッセージにより、今回の戦争がキリスト教とイスラム教との対立にはならなかった。
    • 本当に必要とされているのは、正当性のある強力な国際的な権威であるが、国連は十分にその役目を果たしていない。拡大した欧州がさらに大きな声をあげることを期待している。EUも今はまだ十分な役割を果たしていない。拡大EUは、自己保身のためでなく世界に関与するEUでなくてはいけない。
    • 拡大欧州の経験が、日本のイニシアチブでアジアでも活かされることを期待する。

      ※これらの発言をふまえて、菅代表より、特に次の点について発言。

    • 平和の実現に向けた宗教界の努力に敬意。庭野日敬氏の宗教団体である立正佼成会とは民主党も交流がある。民主党としても、平和の実現のために、諸宗教間と政治との対話に貢献できるよう具体的な可能性を相談しながら検討していきた。
    • 自分も法王のメッセージを国会の党首討論で紹介させてもらった。日本は、イラクや中東においては、歴史的な国家間関係でも、また仏教などの宗教界も中立的な立場だ。そのような立場で、和平仲介に可能な方策を探りたい。
    • 日本の政治関係者として、この1年間ではじめての訪問と聞いた。これまで大国によるイニシアチブで解決できていない中で、宗教間の対話、国連の関与、中立的で平和外交を指向する北欧などの国々の関与が重要になると考える。今の日本政府・与党もバチカンの重要性を理解しているとはいえない。民主党は、バチカンとも交流を深め、平和構築について連携をしていきたい。
    • アジア共同体(AU)は、私の夢でもある。北朝鮮問題の解決に全力をあげ、早くAUが実現するようにしたい。

     

    浜尾枢機卿・「移住・旅行者司牧評議会」議長

    日時:2004年5月3日(月)15:00~16:00

    場所:バチカン市国 法王庁内会議室

    (菅代表等の発言に対する浜尾枢機卿の発言概要は次の通り。)

    • イラク、パレスチナにおける難民・移民の問題について取り組んでいる。また、船乗り、ジプシー、サーカス、旅行者など莫大な人々が世界中を移動している。それらの人々の世話や支援をしている。
    • アフガニスタンの時にも問題になったが、わが国の難民政策、入管政策を見直すべき。入管の取り調べで通訳もいなかったと聞いている。「移住労働者とその家族の保護条約」を日本は批准していない。移住に関する法律もしっかりすべき。法の未整備な中で、無国籍の子供が増えている。子供本人には責任はない。
    • 現在の国際情勢を受けて、欧州では人種差別的傾向が強まって、右傾化していることを憂慮している。乗り越えなくてはいけない。
    • バチカンは2つの顔がある。カトリックの主座として全世界のカトリック教会からの声や情報、そして元首を持つ国家としての顔で大使館から各国政府の情報が集まる。17世紀から続いている役所もあり、日本をはじめ各国との交流もその中で蓄積されている。
    • メッセージとしては欧米、カトリックの国々は耳を傾ける。特に、スペインや中南米のカトリック系の国家へのメッセージの影響力は大きい。しかし、そうはいっても、あくまでもひとつの宗教からのメッセージであり、アフリカやアジアには伝わり難い。
    • 文明の衝突と騒ぐ人もいるが、カトリックはもちろんイスラム教もユダヤ教も、ブッシュ大統領が神の名により戦争しているというのは、全く違うと考えている。宗教が戦争の原因であってはいけないいうことを、法王は絶えず言っている。

      ※これらの発言を踏まえて、菅代表等から日本における最近の入管政策の見直し、特に民主党の入管法改正案についての説明なども行い、また日本の最近の右傾化、排他主義的な傾向への懸念を示した。またバチカンの平和へのメッセージの影響力、世界からの情報収集力などの意味でも、民主党としてさらにバチカンとの交流を深めていきたい。そのための議員連盟など具体的な形を検討したい旨、発言した。

     

    テク・イタリア国防政務次官との会談

    日時:2004年5月3日(月)18:30~19:30

    場所:イタリア国防省 会議室

    菅代表より、イラク、ナシリアでのイタリア人19人の犠牲者へのお悔やみ、3人の人質事件のお見舞いを伝え、イラク情勢、自衛隊派遣、及びこれらに対する民主党の方針、イタリア政府及び軍隊の方針について、意見交換を行った。概要は次の通り。)

    • イタリア軍は、憲法11条の規定により、戦争行為や占領政策に参加することは禁じられている。したがって、軍を出動できるのは、人道支援と治安維持のための平和再建への貢献のみ。外務省が活動をコーディネートし、復興支援に限定して病院建設、エネルギー復旧、学校復旧、農業支援、文化遺産の保護・修復、医薬品の提供・運搬といった活動をしている。
    • 国連による治安回復と政権移譲、イラク人による選挙が行われ新たな政府が樹立されることを支援するのがイタリア軍派遣の目的。これを実現するために多くの国が参加することが大切で、拡大欧州の国々に期待。
    • スペイン軍の撤退については、イタリア政府は賛成しない。イタリア軍は、イラクの主権回復と国連決議を実施するということで活動している。その視点からすれば、現時点でのスペイン軍の撤退は必ずしもよいとは考えない。
    • 人質事件に関しては、イタリアはテロリストの脅しには屈しないとの立場。他方で、イタリア赤十字は、ファルージャへの人道物資輸送などを精力的におこなっている。
    • イタリア国内世論において、賛否があり、米国に反対し、イタリア政府を批判する立場があることは十分に承知している。一方、世論の動きの本質を見極めなくてはいけない。昨年11月のナシリアでの犠牲者は英雄となり、軍の派遣維持が大勢であった。今回も人質事件でデモ行進をしながらもテロには屈しないという点は国民の共通の理解。
    • 欧州で、ドイツ、フランス、ロシアなどのグループと2つのグループが対立しているようにいうが、国連中心のイラク復興に向けて欧州が一つにならなくてはいけないという方向性では一致している。イラク人の暫定政府ができればそのような国々も参加することを期待している。新たな安保理決議が採択され、国連中心の復興支援体制がとられれば、十分フランス、ドイツ、ロシアも参加する可能性はあると考える。ベルルスコーニ首相は、各国の首脳と話している。
    • 欧州議会議員の選挙では、イラクは重要ではあるが争点のひとつにすぎない。イタリアとしては、経済、雇用、教育、南部の発展、国内の安全対策など多くの課題がある。

     

    塩野七生氏との夕食懇談会

    日時:2004年5月3日(月)20:00~22:00

    場所:レストラン・エル・ツーラ

    • ローマ政治史、文化論、日本の政治状況、民主党への注文など、様々な意見を同氏よりうかがった。

     

    マルティーノ枢機卿・「正義と平和評議会」議長

    日時:2004年5月4日(火)9:00~10:00

    場所:ローマ:「正義と平和評議会」会議室

    (ローマ法王の平和へのメッセージをふまえて、イラクへの対応、バチカン平和外交のあり方、国連のあり方及び国際平和のための日本の役割について意見交換を行ったところ概要は次の通り。なお、枢機卿は、バチカン大使として16年間国連の場で活動してきた。)

    • ローマ法王庁は、イラク問題の当初から国連主導を訴え、戦争にはあらゆる局面で反対してきた。フセインももう少し待てば、完全にオープンになったとの証言もある。法王は平和へのメッセージでも、テロリズムがどこからくるのか明らかにしなくてはいけない。その原因を明らかにし政治的、社会的、文化的な解決を図らなくてはならないと言っている。
    • イラクの現状からすれば、スペイン軍の撤退は賢明ではない。力の空白ができた時の混乱は誰もが避けなくてはいけない。国連が来るまで駐留し、そのための準備を進めるべき。空白がない形で移行されなくてはいけない。
    • バチカンは1964年から国連にオブザーバー加盟をしている。総会での投票権はないが、それ以外の国連関係の会議にはフルメンバーとして参加している。今後、バチカンが国連の正式メンバーとなることも検討している。
    • バチカン外交は、ひと言で言えば、「純粋外交」。権力、軍事力、経済力を持っていないため、力ではなく道義的原則に則って外交を展開している。
    • 国連の国際社会での権威を高めるための改革が欠かせない。安保理のメンバーシップの問題。安保理の数を増やすことでは誰も異論はないだろう。問題は常任理事国の拒否権。発動しなくても、あるというだけで動きが止められる。1カ国でも拒否権を発動できる、というものではなく、例えば、5カ国のうち3カ国が拒否権を発動した場合など、可能な改革を出して欲しい。バチカンが国連に正式加盟をするよう努力している。
    • アフリカに対する日本のイニシアチブ、特にTICADの開催など、高く評価する。今後もアフリカ支援をさらにしっかりやって欲しい。

     

    ラヨロ大司教・バチカン外務長官との会談

    日時:5月4日(火)11:10~11:50

    場所:バチカン市国・ローマ法王庁 外務長官室

    • 日本が長い歴史、文化、価値、福祉を有していることをローマ法王は評価している。平和を築くことが最大の課題だが、今平和がテロによって脅かされている。国際法に則ってテロを防止する道が模索されなければならない。(菅代表の指摘のとおり)テロの背景には社会的、文化的原因がある。その対応には時間をかけた長期的な政策が必要だ。テロが存在する限り若者に未来は無い。女性に対する扱いも変わらなければならない。自分の社会の女性に対する扱いが他のマイノリティーに対する扱いを規定する。イスラム社会における女性の扱いも変わらなければならない。
    • 自爆テロを阻止するには、中東問題全体の対応が必要だ。エルサレムから始まる歴史的な問題への対応が必要だ。こうした問題がバグダットへとつながってきた。
    • 自民党と民主党の違いは何か?

      菅 日本の政治は、実質的には官僚が担ってきて、それに乗ってきたのが自民党だ。

      戦後の経済発展には貢献したが、税金の無駄使いを行なってきた。そうした矛盾や税金の無駄使いを変えようというのが民主党の立場だ。

       また民主党国会議員の70%が10年以内に初当選してきた若い議員だ。腐敗が無い。民主党は真の改革を実現しようとしている。

       自民党はブッシュ政権を100%支持し、イラクへの自衛隊派遣を決定したが、民主党は、イラク人主導の政権移譲が行なわれ、新たな国連決議が行なわれた場合に、限定された目的での派遣を容認するという立場だ。

     

    ダレーマ「左翼民主主義者(DS)」党総裁(元首相)、ファッシーノ書記長との会談

    日時:5月4日(火)12:40~13:40

    場所:イタリア左翼民主主義者党 党本部会議室

    (ダレーマ元首相とは、4年ぶりの再会。菅代表から、アナン事務総長らとの会談をふまえ、わが国のイラク問題への対応や民主党の姿勢を紹介。その上で、イラクへの対応に関するイタリア政界の動向、欧州議会選挙での争点や見通し、政党間の連携などについて意見交換を行い、相互に理解を深めるとともに、今後さらに交流と連携を促進することについて意見の一致をみた。主な内容は以下の通り。)

    • イタリアでは、6月に欧州議会選挙、地方選挙があるが、中道右派は多数に達することは出来ないとの見方。10ある中道左派政党の再結集を行い、政権担当時のプログラムを提示して闘う。10のうち4つの主要政党が合同してひとつの比例リストを作る。プロディEU委員長(元首相)も象徴的存在としてこれに入っている。これで3分の1の議席の獲得を目指し、他の中道左派の議席をあわせて過半数を取れると考えている。
    • イラク問題は大きな争点。戦争と米国の占領に反対。国連主導の体制をつくることはどの政党も賛成。違いはイタリア軍の扱いに対しての姿勢。ベルルスコーニ首相は、小泉首相と近い立場。しかし、DSはイラク人政府の樹立と国連の枠組みが大切としている。ブラヒミ氏とも話した。国連にとってイラクの選挙の段取りは可能だが、国連主導の多国籍軍のあり方が焦点。イタリア政府は表向き人道的支援と言っているが、今は戦闘状態だ。
    • ダレーマ氏より、社会主義インターへの参加について、関係機関(オルブライト元国務長官)がオブザーバー参加する米国民主党の例をひきながら、民主党の参加の可能性への問いかけがあった。これに対し民主党としても欧州地域をはじめ近い立場の政党と国際的な連携と交流を深めていくために、党関係機関がオブザーバー参加することを検討したい旨、表明した。

     

    パーション・スウェーデン首相との会談

    日時:2004年5月5日(水)8:00~8:50

    場所:ストックホルム・スウェーデン首相公邸

    (北朝鮮問題、パレスチナ問題、イラク問題へ取り組み、和平外交について意見交換するとともに、スウェーデンの年金改革の政治的プロセスなどについて聞いた。主な内容は以下の通り。)

    • 3月に、北朝鮮訪問がキャンセルされたのは、金正日氏が米国からの攻撃を恐れて軍隊視察を行ったためだと聞いている。
    • スウェーデンは、北朝鮮と互いに大使館を持つ長い国交関係を有し、また板門店に兵を出していることもあり、北朝鮮からは(軍事同盟に属さない)中立国であり、他の国々よりはましだとの信頼関係を得ている。4月28日に会ったブッシュ大統領からも、6ヶ国協議の参加国と同じようなレベルで北朝鮮に対する外交努力を行なって欲しいと促されている。
    • 2001年に平壌で金正日と会った。(この時、ミサイル発射を03年まで凍結するとの意向を金正日から引き出した。)彼には国際情勢などの情報が上がっていないとの見方があるが、決してそんなことはない。世界情勢を極めてよく把握している。拉致問題はじめ北朝鮮問題の解決に向けて引き続き努力するつもりだし、このことは3月に小泉首相にも伝えた。北に何の圧力もかけないと進展は無い。しかしプレッシャーをかけすぎて追い詰めてもいけない。
    • イラク問題は楽観的には見ていない。困難で危険な状況だ。米国の大統領選挙もある。元々国際法に反して戦争が開始されており、中東全体の文脈での解決が不可欠だ。イスラエル・パレスチナ問題とも密接に関係している。イラク問題解決には周辺諸国の協力が不可欠。オスロ合意が反故にされ、ロードマップが頓挫したが、この原点に戻り米国、EU、国連などが支えることが重要。
    • 国連主導の暫定政権作りが大切。国連と米国とのバランスがとれた新しい国連決議が必要だ。治安維持は米国が最終的な責任を負う必要がある。
    • 様々な紛争解決には多国間の枠組みが重要。全てのEU 諸国が二国間で問題解決しようとの野心を持っている。これは多国間の努力に代わるべきものではなく、補完的でなければならない。日本も得意な多国間分野で貢献して欲しい。
    • 韓国の太陽政策を支持する。日本、中国、韓国による北朝鮮の復興建設支援の呼びかけをしたらよい。5月1日に拡大EUが誕生したが、これは、「第二次世界大戦の戦時体制の終焉」を意味する。しかし、世界の中で唯一つ戦後の国境線が残ったのが南北朝鮮間の国境だ。朝鮮半島問題解決に向け関係5カ国が共同で取り組みことによって、東アジアの消費や貿易も拡大するだろう。やがて、菅さんが提唱する将来のAU(アジア共同体)のような地域になりうる。
    • 年金制度の構築は長い時間がかかる。特に、既存の年金制度が存在する中で改革を行うことは最も難しい。給付額から議論をするのはむずかしい。給付額はその次点での経済次第で確約はできない。しかし、拠出額に応じてコントロールすることは可能だ。経済や人口、国際経済などによって拠出額が決まる制度であり、政治的にも対応可能だ。確定拠出型になったことでコントロールが可能になった。
    • 働いていない人、収入のない人には最低保障年金で対応。その財源を働いている人に負担させる訳にはいかないので国家が税で賄う。税のやり方には何千ものやり方がある。保障には3%とか5%とかの税が必要だ。これには新しい制度が必要だ。既存のシステムとリンクしてしまうと混乱するし、政治的な問題に陥ってしまう。
    • 年金制度改革を行う場合は、より幅広い合意が必要だ。これは短期間ではできない。ほとんどの国で10年から15年かかる。合意形成はもっと大変だが意味がある。野党から与党になった場合は、与党になって初めて合意形成の必要に気づく。与党の場合は信頼できる合意作りが必要だ。安全保障や年金にはコンセンサスが必要だ。
    • スウェーデンでは45年前に年金制度が政争の具となったために、信頼感、安定性にかけていた。そのときには、給付額で争われたために、その後与野党ともツケを払うことになった。安定して透明性の高いものを創るためには、負担から話を進めることが大切とわかり、与野党間で合意がなされた。与野党が虚心坦懐に議論したので成功した。その時に自分は野党であった。そこで雇うとしても非常に大きく貢献できた。

      ※これらの議論をふまえ、菅代表より、わが国においても年金制度改革を選挙のためというより国民のための年金制度の確立へのプロセスに形成していきたい、野党であっても年金制度改革に大きく貢献したというスウェーデンの例からも野党としての存在意味についてさらに力強く思うと表明した。

    ベングソン社会省副大臣(年金担当)との会談

    日時:2004年5月5日(水)9:00~9:40

    場所:スウェーデン・社会省会議室

    (年金制度改革について、スウェーデンにおける国民的、政治的合意形成や年金一元化での経験をもとに、わが国の年金制度改革について意見交換を行った。また、同席したオスカション社会省社会保険部上級顧問から制度などに関して補足説明があった。主な内容は以下の通り。)

    • 社会保険制度で日本・スウェーデンで積極的な交流が出来ることを歓迎。先週は、高齢者福祉セミナーを日本と北欧諸国共同で開催した。
    • スウェーデンの旧制度は45年前に導入されたが、その過程で政争に利用され、議会では1票の差で決定された。年金は長期的に安定しなくてはいけないが、政治的に不安定であったことは不幸だった。1970年代に財政破綻が明らかになった。年金受給者に保証された年金が、保険料とリンクしていないというシステムだったため。1980年代に見直しのワーキンググループ、90年代に各党から代表を出して超党派で年金問題について議論。2つの小さな政党はこの議論から抜けたが、全会一致方式で議論を進め、主要な政党は超党派での議論を支持し、議会の80%が賛成した。
    • 年金制度改革では、政治的に安定したものであることが第一。現在、将来にわたって国民全体に関わるものであり、政治的立場の相違から制度に同意できないものであってはいけない。年金改革の議論は長い時間をかけてやってきたが、どんな問題も全員のコンセンサスを前提とし、多数決はしなかった。難しい作業であったが最終的に合意できた。その結果、最終的に年金制度を安定したものにすることができた。
    • この超党派の協議が成功したのは、各党代表が有力な経験ある政治家の集まりであったから。代表者たちは、有力者であり彼らの権限において議論を進めることが出来た。その代表者たちが大きな関心を持って大きな力を注いだことにもよる。また、財政状況への国民の強い危機感が年金改革への支持となった。
    • 新しい年金改革が導入されて1年。予想しなかった事態は起きておらず想定の範囲内。今、優先的に力を入れているのは、国民に年金制度の情報を積極的に発信すること。90年代に年金改革で協議した政治家も健在で現行制度をモニターしている。その議事録も公開されているが深刻な問題は指摘されていない。
    • 新しい年金制度では、自営業であろうが被雇用者であろうが同じ条件である。自営業者は自分の収入をオープンにして年金を支払うのは難しいこと。これは税の徴収も同じ。給付型の場合、拠出を減らそうという場合もあったが、拠出型になってから問題は小さくなった。拠出型であれば、その人が払った金額が受け取り年金額になる。保険料を少ししか払わなければ受け取りも小さくなる。スウェーデンでは、自営業は18.5%の全額払う。被雇用者の場合は雇用者が半額払うことになる。
    • 保険料の徴収は、国税庁が国税、地方税、年金、医療保険、介護保険などを一括で徴収する。国税庁の窓口が各地域にある。また、被雇用者では引かれた額が本人に渡る。調整は年に1回本人が申告して行う。
    • スウェーデンでは働いていない主婦は大変少ない。しかしそういうグループがあることはたしか。今は、拠出型なので払わない人は原則年金はないことになる。しかし、税を財源とする基礎年金があり、新たなシステムでも最低保証年金ということで最低額が保証されている。ただ、これをもらうにはスウェーデンに40年住んでいたことが条件である。
    • オレンジの封筒で年金がいくらもらえるかを国民に知らせている。現在、民間保険会社と連携して、インターネットで国と民間の両方でいくらもらえるかを調べられるようにしている。

     

    ボンネヴィーク・ノルウェー首相との会談

    日時:2004年5月5日(水)14:00~14:30

    場所:ノルウェー首相府会議室(オスロ・ノルウェー)

    (菅代表より、ノルウェーのアジア、アフリカにおける積極的な和平外交と、国連主導の平和構築の努力への敬意を示すとともに、イラク情勢、国連待機部隊制度、北朝鮮などについて意見交換を行い、今後のイラク問題や和平推進にむけて交流を深めていくことで意見の一致をみた。主な内容は次の通り。)

    • ノルウェーは、アフリカのスーダン、エチオピア、バルカン半島などで国連PKO等の平和維持活動に積極的に関与するとともに、スリランカ、ミャンマーなどでの和平外交を進めている。
    • イラクには、施設部隊を派遣し、英国軍とポーランド軍の中で、復興支援活動にあたっている。しかし、今年6月末に撤退する。これは、派遣当初に1年に限り復興支援に派遣すると決めていた既定路線であり、現状をふまえて撤退するものではない。予算も限られ、NATO演習もあり人員的な余裕もない。
    • ただ、将校クラスを10名程度現地に残す方向で、議会に諮る予定だ。これは、NATOの枠組みとして展開するもので、そのためには6月のイスタンブールでのNATOの会議を踏まえなくてはいけない。あくまで国際法に則って、イラク政府の要請に基づいて派遣することになる。
    • スリランカの和平に関しては、条件について協議するため、数日前にノルウェー外相がスリランカを訪問した。日本・ノルウェー間でこれまで以上に経済的・政治的協力を進めたい。
    • ミャンマーでも前進のサインが見えている。特に、バンコク・プロセスを進めたい。ただし、ミャンマーのすべてのグループが参加することが重要。アメとムチで協議の進展をはかる。
    • 北朝鮮への経済制裁法案について、ノルウェー首相から質問があり、菅代表から対話と圧力の一環として法律を作ったもので、実際には発動はされていない。発動をするかどうかは政府の判断と説明。
    • ノルウェーの即応待機部隊、及びそれと国連のSHIRBRIG(国連多国籍即応待機部隊)との関係については、時間がないので、詳細をノートにして一両日中に送るようにしたい。

    以上

    [藤田幸久茨城事務所]

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