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「トランプ劇場を収める パブリックリレーションズの出番」を寄稿2025年09月05日
日本パブリックリレーションズ学会に「トランプ劇場を収める パブリックリレーションズの出番」を寄稿しました。以下が概要です。
1 序論1 今必要な倫理性、双方向コミュニケーション、自己修正?
ウクライナ、中東やアフリカ等での紛争に米国のトランプ大統領が開始した関税戦争も加わり、世界全体で様々な対立が多発している。トランプ米国大統領に関するニュースが毎日登場する、いわゆる「トランプ劇場」である。トランプ大統領の政治手法は、以下の3つに象徴されるのではないか?
1 Diversity, Equity, Inclusion(DEI、多様性、公正性、包括性)の否定は従来の米国の価値観や倫理性の否定?これに対して、香港の政治学者の丁学良氏などが中国の毛沢東による「文化大革命」と類似していると指摘している。(CNNテレビ 5月15日)
2カナダを51州目の州にする、メキシコ湾をアメリカ湾とするといった一方的対応は、双方向コミュニケーションの否定
3トランプ大統領の「祖国を救うものはいかなる法も犯さない」という発言は、自分の行うことは全て合法であるとの主張であり、自己修正の否定である。これに関して、中国人ブロガーが、毛沢東の「造反有理」とつながる、と投稿した。
倫理性、双方向コミュニケーション、自己修正とは、井之上喬代表が指摘するパブリックリレーションズ(PR、注1)の基本であり、これらを否定している「トランプ劇場」を収める出番の好機ではないか?
2 序論2「日本の失われた30年」以上のトランプ劇場の震撼
私は2月から2年間の予定でオックスフォード大学政治国際関係学部客員フェローとして赴任している。日本パブリックリレーションズ学会の「失われた30年検証研究会」のシニアリサーチャーとして参画した提言書「日本再生へのチャレンジ~国家経営の抜本的改革」の実現の道筋を研究することも大きな目的である。併せて、政治対立が激化しているいわゆる民主主義諸国の民主主義の危機の打開策の研究もテーマに加わった。例えばフランスの首相も入れれば、日本、米国、英国、ドイツ、イタリア、カナダというG7諸国の全ての政府のトップが交代した1年である。7月の日本の参議院選挙も含め、これらの国々で、自国ファースト、外国人に排外的な政治勢力が台頭している。
その欧州は、「トランプ劇場」との闘いの最前線である。しかも、各地での紛争に関税戦争も加わり、世界全体が政治、経済、安保、文化、教育も含む「トランプ劇場」へと戦線が拡大した。英国の国営BBC放送でもトランプ大統領に関する報道が毎日登場し、彼の一挙手一投足に世界が震撼している。漂流する日本の政治以上に、「トランプ劇場」への対応が世界の最重要課題であると実感する欧州である。
ご一読下さい。
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