ブログ
タイでの宗教間の和解支援国際会議に出席2013年03月02日
27日の深夜に羽田を発ち翌朝バンコックに着きました。昨年、財務副大臣の時に、私が三年掛かりで取り組んできたタイ南部の宗教対立の和解を目指す各宗教間の和解を目指すプロジェクトに対する日本政府の草の根無償資金援助を、昨年財務副大臣の時に決定しました。世界宗教者平和会議(WCRP)のタイ委員会が主体となる事業で、その第一歩として、南部のイスラム教、仏教、ヒンズー教、シーク教などの代表者間の相互理解と和解を目指す国際会議に出席しました。
対立が続く仏教とイスラム教の指導者が真剣に和解を目指している姿に感動しました。エイズ、麻薬、女性差別、貧困撲滅などに取り組む僧侶や宗教指導者の地道な取り組みと、和解のスキルを学ぶワークショップに感激しました。会議の初日には、この事業を支援して来た自民党の逢沢一郎元外務副大臣も出席しました。日本大使館からも、斎藤代理大使と岩間公使、伊藤一等書記官が出席してくれました。
また、タイ首相府で,国家安全保障会議(NSC)の元で南部国境地域行政センターを担当するソムキアット首相顧問と日本語が堪能なタイ外務省のモンコル副局長と会談しました。和解のための人材教育や民生支援に日本政府の支援を期待していました。また、前日マレーシアで、タイとマレーシアの国家安全保障会議(NSC)事務総長と、マレーシア国内の拠点からタイ南部で反政府活動を行うグループの代表との間で、和平協定プロセスを開始する合意書が調印されたことが報告されました。
イスラム教徒でもある旧知のスリン前ASEAN事務総長とも懇談しました。彼は、「オバマ大統領が安倍総理に譲歩したとされる中身をASEAN諸国は知りたがっている。本当に譲歩があったのか?そうならば、同じ程度の譲歩を得たいから。タイ、ベトナムなどはTPPは時期尚早と考えている」と、コメントしていました。
そして、旧知のムン・パタノタイ元副首相と30年ぶりに再会出来ました。
冷戦時代、彼の父でタイの労働組合の先駆者であったサン・パタノタイ氏は、親しいピブン首相と連携し、ピブン首相は親米路線を取る一方、サン氏は将来を見越して中国とのパイプ作りを担うという役割分担を行ないました。サン氏は長男ムン元副首相を米国留学させ、次男のワイ氏と長女のスリンさんを中国に送りました。スリンさんは、周恩来家で育てられ、その波乱万丈の生涯は「ドラゴン・パール」という自叙伝に描かれています。
- アーカイブ
-