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アメリカは原則地雷禁止に転換2022年06月22日

https://jp.reuters.com/article/usa-defense-landmines-idJPL4N2Y82SJ

アメリカは地雷政策を見直し、対人地雷の使用を制限する方針転換を発表しました。朝鮮半島を除き、対人地雷の全面禁止をうたう対人地雷禁止条約(オタワ条約)に順ずるものです。
 私の1996年の衆議院議員としての初仕事が日本のオタワ条約加盟問題でした。私はまず国会で「難民を助ける会の絵本『地雷ではなく、花を下さい』の売り上げでカンボジアの地雷除去活動の支援ができます」と国会議員に呼びかけました。私は相馬雪香さんが創設した難民を助ける会の創設メンバーの一人でした。先ず民主党(最初の民主党で鳩山由紀夫、菅直人の二人が共同代表)の50人以上の全議員が10冊ずつ買ってくれました。約半年間で全ての政党の国会議員に4千冊ほどが売れ「国会のベストセラー」となりました。
そして羽田孜、鳩山由紀夫両議員の指導で対人地雷禁止推進議員連盟を結成しました。当時太陽党の党首であった羽田孜元首相が同じ党の小坂憲次議員(後の文部科学大臣)を会長に選んでくれました。私は事務局長でした。小坂会長の紹介で入会した最初の自民党議員が中谷元議員(後の防衛庁長官)でした。中谷議員は陸上自衛隊出身で、地雷の埋設訓練を通じて対人地雷の残虐性を認識するようになり、カンボジアで市民の地雷被害を目の当たりにし、「国防上の問題はあっても、対人地雷は人道的に使うべきではない」と考えていたのです。当時防衛庁は100万個の対人地雷を保有しており条約に反対していた中で、中谷議員の行動が転機になりました。最終的には387人の国会議員の賛同をえました。さらに中曽根康弘元総理を初めとする歴代の総理経験者全員も支援して下さいました。
 また1997年のノーベル平和賞は地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)とその代表のアメリカ人の女性活動家ジョディ・ウイリアムスさんが受賞しました。
 ベルギー、カナダ、デンマーク、オーストリア、フィリピンなどの駐日大使数人が、ベルギー大使館で共同記者会見を開き、日本政府にオタワ条約調印を求めるアピールを出してくれました。駐日大使達が、赴任国の日本政府に対して政策変更を求めるというのは前代未聞のことでした。
 メディアの大きな支援もありました。自ら地雷で傷を持つ朝日新聞の百瀬和元さん、読売新聞の山田寛さん、そして難民を助ける会主催の様々な集会の司会をNHKの野村正育アナウンサーがボランティアで引き受けて下さいました。
そして、橋本龍太郎総理と小渕恵三外務大臣の大きな政治決断を取り付け、日本政府は世界に遅れることなくオタワ条約に加盟することができました。 
 この写真はカンボジアの地雷被害者で両脚のないキュー・カナリットさんを小渕外務大臣にお連れした時のものです。オタワ条約の直前に私の長男、幸英が事故で亡くなりなしたが、小渕外務大臣は私の自宅まで焼香に駆けつけて下さいました。とても心の温かい首相でした。
 まさに、NGO、国会議員、外交官、マスコミによる連携プレーでした。「核無き世界」に向けての活動もこうして連携がますます必要と思います。

https://jp.reuters.com/article/usa-defense-landmines-idJPL4N2Y82SJ

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55136840R00C20A2000000/
https://jp.reuters.com/article/usa-defense-landmines-idJPL4N2Y82SJ