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トランプ大統領の再選戦略の見直し2019年09月10日

 7月にワシントン・ポストとABCニュースが行った世論調査では、トランプ大統領の支持率が就任以来最も高い44%でした。  しかし、9月4日のニューヨーク・ポストに「共和党はトランプの政治路線を変えさせる必要があるーーさもなければ2020年で敗北を喫する( “Republicans need to get Trump to shift courses or suffer in 2020”)」というコラムが載っています。 ジョン・ポドホレッツ(John Podohoretz)というネオ・コンサーバテイブで、政治雑誌「コメンタリー」の編集長なども務めた人のコラムで、若い頃はレーガン大統領、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領のスピーチライターでもあった人です。 以下がその概要です。 「今年になってからこれまでに、既に13人の共和党下院議員が引退を表明した。その理由は、下院共和党は2010年以来初めて少数党となって政治的にほとんど無力になったことに加えて、来年の選挙でも多数党の地位を奪回する見込みがないので、トランプに率いられた共和党の船が暗礁に乗り上げて座礁する前に船を放棄してしまったからだ。共和党引退議員のうちの5人はテキサス州選出だが、テキサスと言えば1980年以来大統領選で共和党が失ったことがない州だ。ところが、2016年の大統領選ではトランプはここで(勝つには勝ったものの)52%しか取れなかった。  来年の大統領選で民主党候補がテキサスで勝つとは考えられないが、テキサスは急速に都市近郊の郊外住宅地開発(suburbanization)が進んでいる州だ。アメリカの郊外住宅地の拡大は全国的な現象であり、昨年の中間選挙でトランプへの反発が起こって下院共和党が40議席を失ったのも郊外住宅地を基盤とした選挙区だった。テキサスの政治家が状況が好転する見込みがなく別の道を求めて辞めてゆくのを見るとき、これは共和党にとって深刻なメッセージだと考えなければならない。この現象が今後も続けば、トランプが大統領になった時にいた計293人の上下両院議員の32%は2021年までに消えてしまうだろう。  トランプの最新世論調査の支持率の平均は42%だ。これは再選より1年前のオバマの支持率と変わらないとして真面目に受け取らない筋もあるが、オバマ第1期のほとんどは50%の支持率を維持し、再選までには失いかけた支持を取り返すことにも成功した。それに比べてトランプは、45%を越える支持率を記録したことがない。これは当選の得票率(48.8%)より低く、トランプは当選以来支持基盤を広げていないということになる。  トランプがやっていることは機能していない、あるいは充分に機能していないということだ。トランプ支持者がそんなことを考えたらトランプの電車の忠実な乗客ではないとにらまれるので、そういうことは考えるべきではないかもしれない。しかし、トランプの気持ちを変え再選を可能にする道に軌道修正させることができるのは、支持者の支持を失い吸引力を失ったという感じをトランプが持った時だ。人はバランス感覚を失った時に敗北する。」  この内容が全て当たっているとは思いませんが、再選のために中国、ロシア、イラン、デンマーク、ベネズエラ、などと争う政治だけはやめて欲しいと思います。世界の遠心力だけが拡大しているので。日韓関係も遠心力をとめなければなりません。