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5/14参議院農林水産委員会における藤田幸久の質疑議事録【未定稿】2019年05月19日

活動報告

2019年05月14日

参議院農林水産委員会における藤田幸久の質疑議事録(未定稿)

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○藤田幸久君 おはようございます。
 今、平野委員が質問されたこと、本当に同感でございまして、私もいろいろ準備したことが幾つかございますが、少しはしょってその部分はいきたいと思っております。
 まず、農地中間管理機構というのは受け手の見込まれない農地を引き受けないというふうにされておりますが、その理由及び実態からまずお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農地の集積、集約化を進めるためには、農地バンクが農地を借り受け、担い手にスムーズに転貸を行っていくことが重要であると考えております。
 一方で、農地バンクは、スムーズに転貸を行うことを重視する余り、相談の段階で受け手が決まっていないと借り受けないという画一的な運用がなされていたことも事実でございます。このような実態を踏まえまして、今回の見直しにおきましては、人・農地プランの実質化の取組の中で、新規就農者の受入れですとか新規作物の導入など、新たな担い手を生み出すための地域の合意形成を進めますとともに、このような取組を後押しするために、特に担い手が不足している中山間地域における協力金の要件緩和等も行うことといたしております。
 人・農地プランによりまして、地域のこの将来像を描くことで、地域の内外の担い手が農地を引き受けやすい環境を整えて、しっかりとマッチングを進めてまいらなければならないと存じております。
○藤田幸久君 次、移ります。
 今年三月に、全国農業会議所が政府に意見書を提出をいたしました。相続により農地の存在する市町村以外に居住する人が農地の権利を取得する場合に、農地の相続を放棄したい、あるいは農地を市町村に寄附したいといった申出や相談が増えていると、そこで必要な措置を検討してほしいと要望がされておりますが、これについては昨年の骨太の方針においても、所有者不明の土地の発生を抑止する方策について議論がなされておりますが、その状況について法務省から答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(西山卓爾君) 所有者不明土地問題を将来にわたって解決するためには、所有者不明土地の発生を抑制することが重要であるものと考えており、土地所有権の放棄を可能とすることは、そのための方策として検討されるべき重要な課題の一つであるというふうに認識しております。
 土地所有権の放棄につきましては、土地所有者が一方的に土地の管理コストの負担を免れ、これを土地の帰属先機関の負担とすることになりかねないなどの課題があり、現在、法制審議会民法・不動産登記法部会におきまして、土地所有権の放棄が許される要件設定の在り方や、放棄された土地の帰属先機関の在り方などについて調査、審議がなされているところでございます。
 このように、御指摘の点につきましては既に法制審議会において調査、審議を行っているところでございますが、法務省としましては、二〇二〇年中に必要な制度改正を実現することを目指して、引き続きしっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 農地の集積、集約化についていろいろ質問したいと思っておりましたが、これは平野先生の先ほどの質問で非常にいい指摘をしていただきましたので、一点、この点に関しまして資料でお配りしておりますけれども、立憲会派の方で、衆議院の農林水産委員会において、現段階に設置されている機構を廃止したり、あるいは戸別所得補償制度の復活に努めるといった内容の修正案を提出しております。新聞記事、出しておりますけれども、この修正案に対する大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農地バンクは、現在、約三十万人の所有者から約百十四万筆、十八・五万ヘクタールの農地を借り受けまして、七・五万人の受け手に転貸をしております。
 仮にこれを廃止するということになりますれば、これらの農地について担い手が再交渉するという必要が生じることとなりまして、現場への影響が大きいものと考えます。
 また、円滑化団体につきましては、既に九割の団体が実績がほとんどなく、今の農地バンクの役割を完全に担わせることは困難ではないかと考えているところでございます。
 このため、農林水産省といたしましては、都道府県単位の農地バンクか市町村段階の組織かという二者択一で考えるのではなくて、それぞれの良さを生かして一体的にこの集積、集約化を進めていく考えでございまして、今回の見直し案を御審議をいただいているところでもございます。
 修正案にも出されました今回のこの旧戸別所得補償制度につきましては、全ての主食用米の販売農家を対象に交付金を支払うものであると承知をいたしておりますが、担い手への農地の集積ペースを遅らせる面があること、十分な国境措置がある米への支援について、他の農産物の生産者ですとか他産業、納税者の理解が得難い等の課題があるものと考えているところでもございます。
○藤田幸久君 この農地集積について、地域によっても違いまして、私の茨城県というのは、全国第三位の農業生産額、四千九百六十七億円を誇っておりますけれども、実は担い手への農地集積率は三二・八%でございまして、全国平均の五五・二%を下回っております。
 元々、今回の集積というのは、貸し手と借り手の間にあった賃借契約を集積バンクを通して貸し借りに変えるというのが実情ではないかというのが指摘がありますけれども、なぜ地域差があるのか、それから、機構が新たな案件を取りまとめるのに時間が掛かり過ぎているという指摘がありますが、その改善策についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農地バンク事業が開始をされました平成二十六年度以降、担い手への農地の集積率は上昇に転じまして、平成二十九年度の集積率は全国で五五・二%となっているところでもございます。
 一方で、地域ごとに差が見られまして、農業経営全体の多くが担い手である北海道ですとか、あるいは水田率が比較的高い東北や北陸地方におきましては農地集積が進んでおりますが、中山間地の占める割合が高い中国、四国あるいは近畿地方や大都市圏を抱えます関東・東海地方におきましては農地集積が遅れているといった状況になっております。
 このために、農地集積の、あるいは集約化を加速化させる観点から、今回の見直しにおきましては、農地バンクとJA、農業委員会など、地域でコーディネーター役を担ってきていただきました組織との連携を強めながら、一体となって、中山間地域を含め、農地集約化のための地域の話合いも推進をしていこうとするものでございます。
○藤田幸久君 その茨城の関係で、今、ブランド和牛の常陸牛とか梨、メロン、イチゴ等の輸出を増やしております。平成二十九年度の輸出総額は三億二千七百万円なんですが、そこで、この知的財産権の保護が重要になってきております。
 和牛の受精卵とか精液を中国に持ち出そうとする事件が起きました。それから、日本から流出したイチゴが韓国で品種改良されてアジア市場に輸出をされたと。それから、日本のシャインマスカットが中国で栽培され、別の名前で流通していると。
 大臣は、この和牛遺伝資源の適正な流通管理ということをおっしゃって、法改正も視野に入っていると答弁をされておりますが、その内容についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 和牛は、私からもう申し上げるまでもございませんけれども、関係者が長い年月を掛けて改良してきた我が国固有の貴重な財産であります。和牛の遺伝子、遺伝資源の海外への流出には、大きな私どもも危機感を持っているところでございます。
 このため、農林水産省といたしましては、我が国における遺伝資源の適正な流通管理の確保に向けまして、和牛遺伝資源の流通管理に関する検討会を設置をさせていただきました。現在、この検討会におきまして有識者に幅広く議論をいただいているところでもございます。
 これまでの検討会におきましては、譲渡記録を保管するなど、精液や受精卵の流通管理を徹底すべきとの御意見、さらには、知的財産の観点から、契約による保護の重要性に関する御意見などをいただいているところでございまして、まだ全ての内容を御説明できる段階ではございませんけれども、この検討会で出された御意見等も踏まえながら、法改正も視野に入れて、どのような対応ができるのかを検討をしているところでございます。
○藤田幸久君 先ほどG20新潟農業大臣会合について質問がございましたが、その関係で、今とも関連するんですが、日本は近隣諸国との間で農林水産に関するいろんな問題を抱えております。具体的には、韓国との間では、今、茨城県など八県産の農林水産物等の輸入規制、中国との間では、アフリカ豚コレラウイルスの日本への侵入防止対策なんかがございます。
 このG20の農業大臣会合で、韓国や中国との農水大臣との会談で、これらの課題に向けた解決について議論をされたのか、どんな進展があったのか、有効な対策があったのかについてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 今回のG20新潟農業大臣会合の機会を捉えまして、私自身、閣僚が参加した十八か国全てと二国間会談を実施をいたしたところでございます。
 韓国との間では、放射性物質に係る日本産食品の輸入規制が農林水産関係では最大の課題であると認識をしている中で、こうした認識に立ちまして、李介昊農林畜産食品部長、食品部の長官ですね、に対しまして、被災地復興のための重要な課題であるということをまずは説明をした上で、この規制措置を一日も早く撤廃するように強く要請をさせていただきました。
 また、御指摘のアフリカ豚コレラにつきましても、致死率が高いわけでございまして、さらに、この有効なワクチンや治療法がないことから、情報共有の強化ですとか、OIE等の国際機関への協力等を通じまして国際社会が一致団結して対処することが重要であるということも伝えさせていただいたところでございます。
 G20のこの新潟農業大臣会合におきまして、アフリカ豚コレラへの対処につきましては、議長である私から問題を提起をいたしまして、全体会合の中で各国で意見交換を行いますとともに、閣僚宣言におきましてもこの点が盛り込まれたところでもございます。また、中国や韓国との二国間協議におきましても、このアフリカ豚コレラの対応、旅客による違法な持込み防止についても協力をしていくことを確認をさせていただいたところでございます。
○藤田幸久君 では、農林中金の問題についてお伺いをしたいと思っております。
 今日、皆さん、お配りされております出席要求者名簿、一番下のところに農林中金理事長と書いてあるんですが、これに線がずばっと入っていまして、いらっしゃれないと。何か、与党の方で認めないということでございますけれども、上月筆頭と私は同じ選挙区で夏、参議院選挙やりますので、是非御配慮いただきたいというふうに思っております。それはさておきまして、いや、非常に重要な、理事長お出になることが非常に重要だろうと思っておりますので、申し上げておきたいと思っております。
 それで、大臣、通告しておりませんが、お答えいただきたいんですが、農水大臣はこの農林中央金庫に関する主務大臣でございますでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農水大臣はそのとおりでございます。また、金融庁も関係がございます。
○藤田幸久君 金融庁との違いについてお答えいただきたいんですが、農水大臣は、農民の皆さんと農林中金のどちらの味方でしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農林中金には農民の皆さんのためにしっかり業務をやっていただかなければならないと、こう思っておりますので、どちらの味方という観点からということではなくて、私は、農業を営む、農業に関係する皆さんの全ての味方だと、こう思って認識をいたしております。
○藤田幸久君 それを数字でお聞きしたいと思います。
 農業の担い手確保に向けた農林中金の融資実績について数字をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農林中金の直近の農業関連融資残高は五千百八十七億円、総貸付残高十一兆七千四百二十六億円の四%でありますが、近年、農業関連の新規融資に注力しておりまして、直近の新規融資額というのは四百五十一億円と、農協改革開始後、平成二十七年度に二百八十一億円の約一・六倍に伸びていると承知をいたしております。
○藤田幸久君 済みません、四百五十一億円というのは何%でしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 何%ということではございませんが、四百五十一億円は、この直近の新規融資額が四百五十一億円になっていると今申し上げさせていただいたところでございます。(発言する者あり)
 もう一度申し上げますが、農林中金の直近の農業関連融資残高は五千百八十七億円でございまして、総貸付残高十一兆七千四百二十六円の四%でございます。
○藤田幸久君 まあちょっと数字のごまかしというか、言い方ありますが、非常に少ないんですね。六十兆円以上の預金残高を有している農林中金とすれば極めて少ないわけですね。
 先日私がリスクを指摘したCLOなど、投資するのではなくて、農林中金の設置目的に照らせば、農水業の振興に資金を融通すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 今の御指摘に対してですけれども、豊富な資金を、農業、食品産業の発展に資するよう農業法人等への資金提供に活用することも重要であると考えておりますが、その旨、平成二十六年六月のこの農協改革に関する取りまとめでも今申し上げましたようなことを明記をしたところでございます。
○藤田幸久君 それでは、この担い手確保以外も含めて、農林水産業の振興のために農林中金は総額で幾らの資金を貸し出しているんでしょうか。また、その貸出金に占める割合はどのくらいでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 先ほどお答えをさせていただきましたことをまたもう一度申し上げさせていただきますけれども、直近の新規の融資額は四百五十一億円、農協改革開始後、平成二十七年度で二百八十一億円の約一・六倍に伸びているところでございますが、これは担い手だけではなくて、それぞれに関して新規の融資額が行われているということでございます。
○藤田幸久君 この前、農水省からいただいた資料で、投資損失引当金というのがございます。これは二〇一三年の三月の時点で五十一億二千万円であったわけですが、その後大幅に減少が続いて、昨年の三月では十億三千二百万円まで下がりました、五十一億から十億に。ところが、昨年の後半になると六億円も増加しています。昨年の十二月の時点では十六億八千三百万円となっています。
 昨年後半に再び増加したのはなぜなのか、それから、農林中金というのは投資におけるリスクの高まりを認識しているので増加したのか、その二点についてお答えいただきたいと思います。質問通告してあります。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農林中金からの聞き取りによりますと、二〇一八年の後半に投資損失引当金が増加をしたのは、農林中金の関連会社一社において自己株式の取得により純資産額が低下をしたため、追加で引き当てをしたことによるものと聞いております。
○藤田幸久君 ということは、その関連会社のそういう状況というのが理由であって、リスクの高まりというのは認識していないということですか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農水省といたしましては、金融庁とともに、前回も先生から御指摘をいただいておりますCLOの投資拡大がシステミックリスクに発展をして金融システムの安定が損なわれないよう、規制の強化をこの三月に行ったところでもございまして、今後とも、内外の経済、市場動向に注視をしながら、必要に応じて適切な対応も行っていきたいと考えております。
○藤田幸久君 済みません、通告の主語は農水大臣ではなくて農林中金であります。今の答弁は農水省としての考え方でございまして、私の質問通告は農林中金に当てた質問でございますので、農林中金に代わってお答えを、この主語でお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 御指摘をいただきましたけれども、農林中金から、先生からいただきました御質問の趣旨を踏まえまして、農林水産省として私は今答弁をさせていただいているところでございますので、御理解をいただければ大変有り難いなと、こう思います。(発言する者あり)
○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(吉川貴盛君) 答弁の打合せに大変時間を要しまして、恐縮に存じます。
 まず、投資損失引当金でありますけれども、これは農林中金が保有する子会社や関連会社の株式に対する引当金でございまして、CLOに対する引当金ではないということでございます。
 さらに、農林中金の保有するCLOにつきましては、貸付けが最上位クラスのものに限定をして、裏付け資産の分析、ストレス耐性分析を厳格に実施していると承知をいたしております。
 リスク管理を徹底していると聞いておりますが、農林水産省といたしましては、金融庁とともに、このCLOを含めた有価証券の運用状況を注視しながら、保有する有価証券等のリスクに見合った管理体制の整備等も求めてまいりたいと存じます。
○藤田幸久君 簡潔に、つまりリスクの高まりは認識されているんでしょうかというのが質問でございますが、それだけにお答えいただきたい。それがポイントでございます。
○国務大臣(吉川貴盛君) 今申し上げましたように、この当該損失引当金というのは、農林中金が保有する子会社や関連会社の株式に対する引当金でございまして、CLOに対する引当金ではないということでございます。
 今、農林中金の保有するCLOについて、格付が最上位クラスのものに限定をして、裏付け資産の分析、ストレス耐性部分を厳格に実施をしていると、リスク管理を徹底しているというのが農林中金の、私どもが聞いたところで、このように答えているものでございます。
○藤田幸久君 ちょっと答えになっていないんですが、ちょっと先に行きます。
 農林中金はダイレクトレンディングへの投資を増幅させているというようでございますけれども、これは、銀行が貸出しできないような無格付の中小企業に対してファンド、事業法人が貸付けを行う商品と言われております。銀行が与信管理できないような貸付先に対して、ファンドを通せば銀行が与信を持つという、ある意味では矛盾したものでありますけれども、これはCLO以上に危険性があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 一般に、このダイレクトレンディングとは、ファンド等が銀行を介さず直接企業等に貸し出すローンを言うと承知をいたしておりまして、農林中金は、主にこれ、米国の中堅規模の企業ですとか非上場企業に向けて、これら企業の全資産を担保とする貸出しを行うファンドに対して投資を行っていると承知をいたしております。農林中金では、第一順位の担保権を有するローンへの投資に限定するほか、ファンド及び個別案件ごとの運用結果についてファンドマネジャーから定期報告を受けるなど、リスク管理を徹底をしていると聞いております。
 いずれにいたしましても、農林水産省といたしましては、金融庁とともに、この系統金融機関向けの総合的な監督指針において、保有する貸出債権等のリスクに見合った管理体制の整備を求めますとともに、運用状況の把握のための聞き取りなどを実施をしているところでもございます。
○藤田幸久君 今の答弁は、リスクに見合ったいろんな運用の経験者がいるから大丈夫だという話ですけれども、そもそも銀行を介さずに直接投資をするということがCLOよりもはるかに危険ではないかというのが、これは世界的にそういう認識でございますが、その部分は大丈夫なんですか。
 つまり、ファンドマネジャーがしっかりしているからと、これは金融庁に対するいつもの逃げの答弁なんですが、そういう問題で済まない状況に今来ているんじゃないかと。これ農民の皆さんが出しているお金ですけれども、これも、こういうやり方で大丈夫なのかというのがほかの金融関係者の定説でございますが、大丈夫ですかということを聞いているんです。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農中からの、この質問をいただきまして、聞き取りをさせていただきましたけれども、このファンドによる与信管理に関しましては、徹底した案件選別、検討案件のうち三ないし五%のみの投資の実施、二番目に、発行体制の財務への影響力、財務制限条項をファンドが決定、さらには高頻度の記帳管理、業績悪化企業は週一で運営陣に聞き取り、高い債権回収能力、経験豊富な企業債権の専門家が多数在籍をしていると、そういうことを聞いております。
○藤田幸久君 いや、そういう理由の問題じゃないと思いますが、ちょっと先に行きます。
 先日の私の質問に対して、農林中金と称して、国際分散投資という運用方針でやっていると。その結果、CLOへの投資が増加したと言われて、答弁をしましたけれども、実際には国際分散投資が失敗したためにCLOへの偏った運用に切り替えざるを得なかったんじゃないでしょうか。国際分散投資の原則をむしろ無視して、株式のエクスポージャーをヘッジしたわけですね。それから、リスク管理が甘いので、その代替投資を急速に売却する状況に追い込まれたと。ですから、その逆相関関係が成り立たないポートフォリオの運用に切り替えてしまった。
 だから、この前の答弁は、国際分散投資の結果こうなったと。だけど、逆で、国際分散投資が失敗したからこういうふうになったのではないかというのが実態じゃないですか。
 もしそういうふうに農林中金が言ったことを農水省が目の当たりに受けたとしたら、農水省のこういう資金、運用に関する知識がないということになってしまいます。
 農水省の主務大臣としての、主務省庁としてのつまり目利きが利かないということになりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 前回、大澤局長が答弁をしたとおり、CLOが増加した原因につきまして、農林中金は、国際分散投資という基本コンセプトの下、債券、株式、CLO等から得られる収益とリスクを考慮しつつ、投資判断やリスク管理を実施する中で、結果的にCLOへの投資が増加したと説明をしております。
 個々の金融商品のこの投資戦略についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、農林水産省といたしましては、金融庁とともに、このCLO投資の拡大がシステミックリスクに発展をして金融システムの安定が損なわれないように、規制の強化をこの三月に行ったところでもございます。
 今後とも、内外の経済、市場動向を注視をいたしまして、必要に応じて適切な対応を行っていく考え方でもございます。またさらに、金融庁とも連携をしながら、財務のシミュレーションやリスクシナリオにおける運用益ですとか収支展望についても作成するように指導もいたしているところでもございます。
○藤田幸久君 別の質問に行きます。
 今後数年間の財務シミュレーション、農林中金においては、資金収支、含み益、経常利益をどのように見込んでいるのか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 大変どうも失礼いたしました。
 今も申し上げましたけれども、個々の金融商品の投資戦略につきましてはコメントを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、金融庁とともに、CLO投資の拡大がシステミックリスクに発展をして金融システムの安定が損なわれないように、規制の強化をこの三月に行ったところでもございます。
 今後とも、この内外の経済、市場動向を注視をいたしまして、必要に応じて適切な対応を行っていく考えでもございますし、また、金融庁とも連携をいたしながら、財務シミュレーションやリスクシナリオにおける運用益、さらにはこの収支展望についても作成するように今指導もしているところでございます。(発言する者あり)
○藤田幸久君 今、小川理事がいいことを言っていただいて、チェックする側とされる側を同じ方が答弁しているということで、非常にまずいわけでございますけれども。
 今の答弁ですと、そうすると、資金収支、含み益、経常利益、あるいはその運用益、収支展望のシナリオですね、これは農水省は把握しているんですね。把握しているけれどもここでは言えない、それとも、その数字自体を農林中金から農水省はちゃんと取り寄せているんでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 中身までは公表できないということでありますが、取り寄せているところでございます。
○藤田幸久君 ということは、かなり、何といいますか、危ういということであるならば、農水省が知っていて答弁しているということでよろしいですね。
○国務大臣(吉川貴盛君) 今私も何度も申し上げておりますけれども、投資の拡大がシステミックリスクに発展をして金融システムの安定が損なわれないように、規制の強化をこの三月に行ったところでもございます。
 さらに、内外の経済、市場動向も注視をしながら、また、必要に応じて適切な対応を行っていくところでございます。
○藤田幸久君 私はシステミックリスクって一言も言っていないんですが、何回も大臣がおっしゃっているということ自体が何かを表しているのかなと思っておりますけれども。
 その状況の中で、次の質問でございますが、資料の最後のページに日経新聞の記事がございます。これは、農林中金は農協に五月までに信用事業を分離するかどうかの方針を示すよう求めていると。
 JAは、金融事業強化との目的で農協の合併を考えるとの報道がありますが、これは事実でしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農協の信用事業につきましては、農林水産省としては、人口減少や高齢化、金利の低下及び高度化する金融規制等を踏まえまして、代理店を含めて信用事業の在り方を真剣に検討をしながら自主的に方向を決め、実行するように促しているところでもございます。自主的に方向を決めということは自己改革を行うということでございますので、そういったことを、今しっかりと自己改革を促しているということでございます。
○藤田幸久君 この新聞によれば、ワーキンググループで農林中金などが明らかにしたとあります。明らかにしたわけですね。その確認を、ここにそう出ていますが。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農中から、合併を検討、金融事業化を強化へとあったのは事実ということでございます。
○藤田幸久君 農林中金は、世界金融危機の際に有価証券で一兆円以上の含み損を抱えてJAからの資本増強を要請したという前科があるんです。その世界金融危機のときには三十九・五兆円でしたが、今五十三・五兆円の有価証券を保有しています。ということは、巨額の含み損を抱える事態が再び起きる危険性はないのか。まず、そこについてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農林中金は、系統の余裕金を運用する役割を担っていると承知をいたしております。農協の組織再編の結果いかんにかかわらず、農林中金の運用が系統信用事業全体に影響を及ぼす関係にあることから、農林水産省といたしましては、農林中金の運用状況というものを注視をしてまいりたいと存じます。
○藤田幸久君 クレジット等への投資に関しては、昨年の三月が四百十八億円の含み益がありました。それが、昨年十二月の段階では含み損千三百十四億円に陥っています。
 こうした中で、去年の三月、含み益四百十八、十二月、含み損千三百十四億円、こういう中で農林中金に信用事業を集中させるというのは大丈夫なんですか、危険ではないですか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 先ほども申し上げさせていただきましたけれども、農林中金は系統の余裕金を運用する役割を担っております。農協の組織再編結果いかんにかかわらず、この農林中金の運用が系統信用事業全体に及ぼす影響関係にありますことから、農林中金の運用状況を農林水産省といたしましてはしっかりと注視をしてまいりたいと存じております。
○藤田幸久君 こういう状況の中で信用事業を集中させることがあっていいんですかという質問であります。
○国務大臣(吉川貴盛君) 若干、ちょっと時間を下さい。
○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(吉川貴盛君) 大変どうも時間を要しまして、失礼をいたしました。
 先ほどからお答えをさせていただいておるところでございまするけれども、先ほど申し上げましたのは、代理店化となりますと信用事業が完全に集中する結果になります。この場合はもちろん中金の運用が重要であります。代理店化しなくても、つまり信用事業が農協が行うといたしましても、その余裕金が中金に集まりまして中金の運用が農協に影響を及ぼすことという意味で、いずれの場合もこの中金の運用が重要でありまして、我々はそれを注視をしていくということを申し上げたつもりでございました。
 大変失礼いたしました。
○藤田幸久君 済みません、運用のことをお聞きしているんじゃなくて集中させることの是非について伺っているわけでございます。
 こういう形で、この間ですが、日経新聞にあるこの農林中金が明らかにしたということはそのとおりだとお認めになったわけですが、では農林中金は、これだけ農協を合併してこうやって集中していくということ、今の段階で、むしろそれはそういう方向に進むのは非常に危険ではないかと。だから、その運用の問題じゃなくて集中させること自体が今の段階で危険じゃないんですか、それはむしろ、主務大臣として農民を守る立場からそれはむしろ抑制的に慎重な配慮というものを大所高所から指導すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 今も申し上げましたように、運用も含めて集中をした場合でも全体に影響を及ぼす関係にありますことから、農林中金の運用状況をしっかりと注視をしてまいりたいと。いずれにしても、主務官庁としては、集中をするにしてもこの運用にするにしてもしっかりと注視をしていく必要があるということを申し上げたつもりでございます。(発言する者あり)
○委員長(堂故茂君) 質問続けてください。藤田幸久君。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(吉川貴盛君) 大変失礼をいたしました。
 信用事業の方向性に関しましては、これは自主的な方向を促す観点から、私どもといたしましてはコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じまするけれども、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたとおり、代理店化すると信用事業が中金に集中をする結果になる、この場合はもちろん中金の運用が重要でありますので、しっかりと注視をしていかなければならないということであります。
 代理店化しなくても、信用事業が、農協が行うということになりますけれども、その余裕金ですとか、中金に集まる、中金のこの運用が農協に影響を及ぼすということもありますので、いずれの場合も中金の運用が重要であるという観点から、私どもはしっかりとこの注視をしてまいりたいということでございます。
○委員長(堂故茂君) 藤田幸久君、申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
○藤田幸久君 はい。
 農水大臣と農林中金の利益相反の部分が今出てきた部分だろうと思っておりますし、規制改革会議の言いなりになるということは恐らく農水省あるいは多くの農民の皆さんにとっても決して芳しくないという観点からも、次回はやはり、いわゆる引用ではないということと利益相反の関係から、農林中金のしかるべき方を当委員会にお呼びいただくことを与党に申し上げて、質問を終わります。