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平成から令和へ2019年04月30日

「改元後の危機を回避するために」 間もなく、平成から令和へと新しい時代を迎えます。 近年の天皇陛下ご夫妻の、平和、国民生活の安寧、傷ついた国民に対する癒しの行動は、近現代史における世界最高の指導者としての地位を確立したと言っても過言でないと思います。これだけ国民に愛され、尊敬される指導者が世界を見渡しても存在しないことは事実であると思います。 他方、私も含めた政治家のあり方や行動が陛下のステーツマンシップや行動に比して雲泥の差であるという事実を受け止め、反省しなければなりません。 「明治以来、改元直後に日本を大きな経済危機が襲った」という以下の歴史から学ぶべきです。 ① 1868年明治元年:政府は財政危機突入及び経済混乱激化に対処すべく政府紙幣を発行、全国各地で偽札が横行し経済大混乱に突入(歴史教科書では封印されている)  ② 1912年大正元年:経済長期悪化からの脱却を戦時経済活性化で実現すべく1914年第一次世界大戦参戦 ③1926年昭和元年:金融不安深刻化が加速し1927年昭和恐慌突入 ④1989年平成元年に続く1990年バブル崩壊 現在の最大の経済問題は、マイナス金利政策で、国内向け融資では利益確保が困難なジャパンマネーが米国に還流し、米国の株高、国債金利上昇、ドル高を可能にし、欧米の財政赤字の尻拭いをしているという現実です。ゆうちょ銀行、農林中金、メガバンクなどの日本の金融機関が米国企業向けのローン債権(CLO)の約3分の1を保有していると言われます。  CLOに関して、カーニー・イングランド銀行総裁が、世界金融危機の原因となった米国のサブプライム・ローンとCLOとの近似性を挙げて警鐘を鳴らしました。イエレン前FRB議長もCLO市場のリスクを指摘しています。 しかし、日本がマイナス金利政策を止めれば、これまで米国に還流していた巨額のジャパンマネーの供給が止まり、米国の財政、経済はたちまちに破綻し、「第二の世界金融危機」が発生する可能性すらあると言われます。 日本は限界が来るまで金融緩和政策を続けざるを得ないところまで追い込まれていますが、その間に日本の金融機関が抱える債権の不良化などが起きれば日本自体が金融危機に陥る可能性が高くなります。   アベノミクスの失敗を認めた上で、国家の非常事態に対する対応を、党派を超えて、民間の協力も得て、国を挙げて講ずるべき時であると思います。  陛下の比類なきご貢献に報いるためにも、政治家とのギャップを埋めるためにもこの大きな課題に全力で取り組んで参ります。