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参議院外交防衛委員会における藤田幸久の質疑議事録2018年06月28日
活動報告
2018年06月28日
参議院外交防衛委員会における藤田幸久の質疑議事録
○藤田幸久君 おはようございます。国民民主党の藤田幸久でございます。
時間の関係で、質問通告をした後ろの方から質問させていただきます。
まず、防衛大臣、二十六日に富山で元自衛官が起こした殺人事件、これをどういうふうに受け止められるか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 一昨日、二十六日ですが、富山市の交番で警察官に刃物で刺して拳銃を奪った者が、近くの小学校にいた警備員に向け発砲し、交番勤務の警察官と警備員のお二人がお亡くなりになった事件が発生をいたしました。亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族の方に心からお悔やみを申し上げたいと思います。
この事件の被疑者は、過去、陸上自衛隊で二年間勤務しておりました。過去、自衛隊勤務の経験を有する者がこのような事件を起こしたことは大変遺憾であり、全く許し難いものと受け止めております。私としては、事務方に対し、警察から捜査への協力の求めがあればしっかり対応するように指示をしたところであります。
○藤田幸久君 ドライブレコーダーでたまたまこの人が狙撃をしている映像が出てきました。あれ見ていると、プロが道路の反対側から撃っているというのは非常に明らかです。ということは、実力組織であった自衛隊の人がそういう技術を擁している、そういう人がそういう何か意思を持った場合には、これはプロとして、つまり狙撃をしている部分が実は映像出てきているんですけれども、ということは、これはやっぱり、実力組織にいた人が仮に辞めた後もそういったことにならないようなふだんからの対応が必要だなと、つくづく映像を見て感じたんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) ちょっと私もそのドライブレコーダーというのは詳しく見ておりませんが、通常、自衛官の訓練というのは、一般論としては小銃の使用に当たる訓練を行っているということであります。また、この者は迫撃砲の対応をしていたと報告を受けております。
○藤田幸久君 いずれにいたしましても、そういう実力組織にいた方がそういう技術を持って、つまり意思を持った場合にああいうことができるというのが、映像を御覧になっていただきたいと思いますので、非常に衝撃的でしたので、対応をお願いしたいと思います。
次に、外務大臣、カンボジアについてお伺いしたいと思います。
実は、もう来週の七日に総選挙が始まります。昨年十一月に野党が解散を受けて、実質的に国民の半数の支持がある野党が結局選挙に参加できないと。これは、公平性も正当性もない選挙になるのではないかと。
二枚目にちょっと新聞記事入れておりますけれども、この中で、外務大臣、今年フン・セン首相にお会いになった際に、国民の意思を適切に反映した選挙にすべきだということでございますけれども、今のままでいくと公平性あるいは正当性のある選挙にならないのではないかと思いますが、認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) カンボジアの総選挙でございますから、カンボジア国民の意思がしっかりと反映される形でこの選挙が実施されることが極めて重要だというふうに考えておりまして、残された時間は限られておりますが、カンボジアの国民の意思がきちんと反映される選挙になるように、日本政府としてカンボジアに対して働きかけを続けてまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 資料の三枚目から数ページ御覧いただきたいと思います。
三枚目は、ついこの間の日曜日、ソウルの日本大使館前で、これは数千人のカンボジアの方が日本大使館の前でデモをされました。それから、その次が、これはフランスの日本大使館の前で約百五十名と書いてあります。その次が、これはニューヨークですけれども、これが大体数百名。そして、その次が、これは二週間ぐらい前でしょうか、銀座で千人ぐらいのカンボジア人の方が、是非、日本政府に対する要望をされたわけです。そして、その後で、最後の二枚資料を入れておりますけれども、外務大臣宛てに在住日本のカンボジア人の皆さんが請願をされた。
これだけ見ておりますと、まず私感じますのは、これだけ日本一国が外国の方々に期待をされている外交案件というのはこれしかないんじゃないかと思っておりますけれども、こうした実際に請願が届けられましたけれども、これに対して河野外務大臣はどのように対応されるんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 請願が出されていることは承知をされております。カンボジア国民の意思が反映されるような総選挙になるように、しっかりとカンボジア政府に働きかけをしてまいりたいと思います。
○藤田幸久君 なぜ日本一国がこれだけ、例えば日本で千人参加したということは、在日カンボジア人のかなりの方が参加をしている。数千人ソウルでこういうことをされたということは、多分、韓国在住のカンボジア人の相当の方が実はこうやって直接行動をされている。それだけなぜ日本が期待されているというふうにお感じでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 日本はカンボジアの民主化のプロセスをしっかりとこれまで支えてまいりました。それは、カンボジアの多くの方々にも日本の貢献というのを御理解をいただいているのではないかというふうに感じております。そうした方々のこうした行動もありますので、カンボジア政府に対して、国民の意思を反映する選挙がしっかりと行われるように日本政府としてもきちんと働きかけを続けてまいりたいと思います。
○藤田幸久君 今大臣おっしゃっていただいたように、民主化の支援を日本がしてきたということが、このカンボジアの皆さんが、つまり今各国政府の中でカンボジアの選挙を支援しているのは中国とロシアと日本、一部韓国と理解しておりますけれども、つまり民主国で支援をしている唯一の日本、しかも民主化を支援してきたということなわけです。
そんな中で、済みません、二ページ目の資料、これ読売新聞の記事、分かりやすいんですが、つまり、野党が日本の野党と違って半数近く取っていて、その方々が議席を奪われて、それから英字新聞が一つが廃刊され、もう一つは今度はオーナーが替わってと、こういう中で、国会議員の不逮捕特権がじゅうりんをされ、野党の党首が逮捕をされ、網走のような遠いところで逮捕をされ、NPOの弾圧、メディアの弾圧、こういうことに対して、つい最近でございますが、国連の人権委員会で四十か国が懸念を表明しております。
日本も、今、働きかけをというふうに大臣おっしゃいましたけれども、こういったことについてはやはりはっきりと懸念を表明して、より強い働きかけをしていくべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 昨年の九月に野党の党首でありますケム・ソカさんが逮捕され、十一月に最大野党の救国党が解党をされ、政治情勢の緊張が高まってきておりましたが、日本政府としては、様々な機会を捉えて我が国の懸念を伝達し、状況の改善に向けた働きかけをカンボジア政府に対して行ってきたところでございます。
メディアが閉鎖される、あるいはNGOの国外退去ということにつきましては、こうした司法の手続がもたらす萎縮効果が市民社会あるいは政治の場に与える悪い影響につながっているわけでございますので、人権理事会や二国間対話の場でこれまでも累次懸念を表明してきているところでございます。
選挙が始まるまで時間もありませんが、しっかりとカンボジア政府に我々の懸念を伝え、カンボジア国民の意思が反映されるような選挙になるように働きかけをしてまいりたいと思います。
○藤田幸久君 是非お願いしたいと思います。
一枚目の資料、これ二〇〇九年の新聞記事でございますけれども、実はこの関係で、つい最近、アメリカの国務省が公開した外交文書がございます。これは、一九六九年に佐藤栄作総理とニクソン大統領が結んだ核密約の交渉の関係でございます。
この文書は、キッシンジャー大統領補佐官がニクソン大統領に宛てたもので、キッシンジャー氏は、有事に核兵器を再び持ち込むという選択肢があるが、極秘に交渉を進めなければいけないというふうにおっしゃっております。
この件に関しては、平成二十二年、当時の岡田克也外務大臣による調査報告によりますと、この一枚目の新聞記事でございますが、佐藤栄作総理宅に遺品として残されていた文書が佐藤総理の秘書官であった若泉敬氏の著作に掲載されている合意議事録の内容とほぼ同一のものであると報告をされています。この記事の写真の下のところ、「沖縄返還へぎりぎりの判断」というところで、現在、政府のNSCの代表をされておられます谷内正太郎さんが、三段目、二段目ぐらいですけれども、この文書は若泉さんが著書で明らかにしたものと同一のもので、合意の最終版だというふうにおっしゃっておられます。
ということは、これはやはり有事の際の沖縄への核持込みが、今回の国務省の公開を受けて、これはあったんだということがいよいよ明らかになったと受け止めざるを得ないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 政府といたしましては、アメリカ側の文書の内容についてお答えをする立場にはございません。
その上で申し上げれば、平成二十一年から二十二年にかけて、当時の民主党政権の岡田外務大臣の下で実施された外務省の調査の結果、いわゆる合意議事録は外務省の文書からは発見されず、また、この文書について当時外務省として何らかの関与又は知識があったことを示す文書の存在も確認されなかったと承知をしております。
外務省といたしましてこの文書についてコメント申し上げることは困難でございますが、当時の有識者委員会の報告書は、この文書が佐藤内閣の後継内閣をも拘束する効力を持ったのかについては恐らく否定的に考えざるを得ないだろうと指摘をしております。
いずれにいたしましても、この文書につきましては、歴代の内閣に引き継がれてきていないと承知をしており、両国政府を拘束するような効力を持っているとは考えておりません。また、政府といたしましては、非核三原則を政策上の方針として堅持してきており、これを見直すような考えはございません。
○藤田幸久君 拘束する力はないけれども、当時、つまり瞬間的にこういったものがあったということを証明したのが今回の文書だろうと思いますけれども、ということは、それを否定する根拠を示さない限り、やはりこれは非常に重要な意味を持つ。まして、日本にとって一番重要なアメリカという極めて民主的な国がこういう文書を出してきたということについては、しっかりそれについて確認をするか、つまり、それがないならない、引き継ぐかどうかは別の話ですけれども、その段階においてそういったことはあったということについてはお認めをいただかなければ、これは外交上も、これは要するに否定するならば否定する義務があるのではないか、ここに至ってはと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 政府として、アメリカ側の文書についてお答えをする立場にございません。
また、このいわゆる合意議事録は、岡田外務大臣の下の調査で外務省の文書からは発見されず、また、この文書について当時外務省として何らかの関与又は知識があったことを示す文書の存在も確認されなかったということでございます。
○藤田幸久君 いや、ですから、今官邸にいらっしゃる谷内さんがはっきりこれ、この文書はこの若泉さんが明らかにしたものと同一のものだというふうにおっしゃっています。ということは、ちょっと政府見解を出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 当時の岡田外務大臣が、外務省の文書からは発見されず、また、この文書について当時外務省として何らかの関与又は知識があったことを示す文書の存在も確認されなかったということでございますので、外務省としてはそれ以外にお答えのしようがございません。
○藤田幸久君 今現在、政府にいらっしゃる方が、つまり公の新聞でこういうことをおっしゃっている、そしてその裏付けとなるような資料が出てきたということでございますので、政府見解として、この内容について統一見解を出していただくように委員会の方に要請をさせていただきます。
○委員長(三宅伸吾君) 後刻理事会にて協議いたします。
○藤田幸久君 時間の関係で、ちょっと一旦北朝鮮問題に移りたいと思います。
いわゆる、完全かつ検証可能な、そして不可逆的なというこの四十七の項目についてでございますけれども、前回の私のこの委員会の質問の中で、北朝鮮のこのCVID四十七項目について河野大臣は、ポンペオ長官から四十七もやることがあるという話はございましたが、特に中身について伺っておりませんと答弁がありました。他方、今週月曜日の予算委員会で安倍総理は、四十七項目についての一々の説明は、もちろん大統領と私の間ではございません、まさに長官と外務大臣レベルでやる話だということは御承知のとおりだろうと思いますと答弁しています。
つまり、安倍総理は外務大臣がやっていると、ところが、外務大臣はこの間伺っていないと、これ、どちらが事実なんでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 北朝鮮の大量破壊兵器、そしてミサイルの完全かつ不可逆的、検証可能な廃棄を具体的にどうするかというのは、これは私とポンペオ国務長官の間でやり取りをすることだというふうに承知をしております。四十七の項目の一々の内容については伺っておりません。
○藤田幸久君 ということは、総理はやっているはずだと言っているけれども、実際はやっていませんということですか。
○国務大臣(河野太郎君) 大量破壊兵器及びミサイルのCVIDについては私とポンペオ長官でやることでございまして、様々なやり取りをさせていただいております。ただ、四十七というのは、その中身の一々について伺っておりませんということを申し上げているだけでございます。
○藤田幸久君 この日朝協議に関して、最近、北朝鮮国営のラジオ放送で、誰それのありもしない拉致問題をわめき立てて自分らを拉致被害国に化けさせようとしていると。あるいはスイスのジュネーブで開かれた軍縮会議で北朝鮮の代表は、日本とは関わりのないことで首を突っ込むべきではないと言っておりますけれども、こういう姿勢で北朝鮮が来ている場合に、そういう姿勢を克服して日朝関係をどうやって進めていこうとしているのか。今度は新しい課まで外務省の中におつくりになる。
どうやって、向こうがそういう姿勢で来ている場合に、それをうまく超えてというのか、かわしてというのか、どういうふうに進めていこうとお考えなのか、その展望についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 日朝の手のうちを明かすことは差し控えたいと思います。
○藤田幸久君 手のうちというか、向こうはそういう公で発信をしている際に、こっちはただ手のうちを明かさないといって黙っているだけなんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 向こうの態度にかかわらず、交渉の手のうちは明かしません。
○藤田幸久君 やり取りしてもあれなので、条約について伺います。
本議定書の提案に関しては、内容が最終的に固まっていない段階で外務省の方で出してきましたけれども、こういうタイミングに誤りがあったということについてはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) モントリオール議定書改正につきまして、国会提出後に国連から正文の訂正提案がなされたことから、政府としては国連からの提案内容について丁寧に説明をしつつ、今次国会で御承認をいただく外交上の意義を勘案し、審議をお願いをしてまいりました。
条約について国会の御承認をお願いするに当たっては、引き続きしっかりと対応してまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 今回、異例の形でございましたが、今回の教訓あるいは今後に生かすとすればどういう対応が必要だったんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 条約について国会の承認をお願いするに当たっては、今後も引き続きしっかりと対応してまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 この改正については、オバマ政権は熱心に取り組んでいました。他方、トランプ政権は、パリ協定からの脱退を表明するなど、いわゆる気候変動対策には非常に後ろ向きの姿勢を見せておりますけれども、アメリカはこの議定書の改正に対してどのような姿勢を取っているか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) アメリカが現政権となってから開催されました昨年十一月の議定書締約国会合におきまして、アメリカの代表は、本議定書改正の目標とアプローチを支持し、スケジュールは未定であるものの、米国として締結に向けた検討プロセスを開始している旨を表明をしているというふうに理解をしております。
○委員長(三宅伸吾君) 時間が参りました。
○藤田幸久君 はい。
では、条約は今日の委員会で終わりでございますけれども、まさに外交の今、時代になっておりますので、引き続き、外務大臣も出張が多かったわけですが、積極的に委員会に参加をして充実した審議をこれからもしていただきますことをお願いをいたしまして、質問を終わります。
時間の関係で、質問通告をした後ろの方から質問させていただきます。
まず、防衛大臣、二十六日に富山で元自衛官が起こした殺人事件、これをどういうふうに受け止められるか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小野寺五典君) 一昨日、二十六日ですが、富山市の交番で警察官に刃物で刺して拳銃を奪った者が、近くの小学校にいた警備員に向け発砲し、交番勤務の警察官と警備員のお二人がお亡くなりになった事件が発生をいたしました。亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族の方に心からお悔やみを申し上げたいと思います。
この事件の被疑者は、過去、陸上自衛隊で二年間勤務しておりました。過去、自衛隊勤務の経験を有する者がこのような事件を起こしたことは大変遺憾であり、全く許し難いものと受け止めております。私としては、事務方に対し、警察から捜査への協力の求めがあればしっかり対応するように指示をしたところであります。
○藤田幸久君 ドライブレコーダーでたまたまこの人が狙撃をしている映像が出てきました。あれ見ていると、プロが道路の反対側から撃っているというのは非常に明らかです。ということは、実力組織であった自衛隊の人がそういう技術を擁している、そういう人がそういう何か意思を持った場合には、これはプロとして、つまり狙撃をしている部分が実は映像出てきているんですけれども、ということは、これはやっぱり、実力組織にいた人が仮に辞めた後もそういったことにならないようなふだんからの対応が必要だなと、つくづく映像を見て感じたんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) ちょっと私もそのドライブレコーダーというのは詳しく見ておりませんが、通常、自衛官の訓練というのは、一般論としては小銃の使用に当たる訓練を行っているということであります。また、この者は迫撃砲の対応をしていたと報告を受けております。
○藤田幸久君 いずれにいたしましても、そういう実力組織にいた方がそういう技術を持って、つまり意思を持った場合にああいうことができるというのが、映像を御覧になっていただきたいと思いますので、非常に衝撃的でしたので、対応をお願いしたいと思います。
次に、外務大臣、カンボジアについてお伺いしたいと思います。
実は、もう来週の七日に総選挙が始まります。昨年十一月に野党が解散を受けて、実質的に国民の半数の支持がある野党が結局選挙に参加できないと。これは、公平性も正当性もない選挙になるのではないかと。
二枚目にちょっと新聞記事入れておりますけれども、この中で、外務大臣、今年フン・セン首相にお会いになった際に、国民の意思を適切に反映した選挙にすべきだということでございますけれども、今のままでいくと公平性あるいは正当性のある選挙にならないのではないかと思いますが、認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) カンボジアの総選挙でございますから、カンボジア国民の意思がしっかりと反映される形でこの選挙が実施されることが極めて重要だというふうに考えておりまして、残された時間は限られておりますが、カンボジアの国民の意思がきちんと反映される選挙になるように、日本政府としてカンボジアに対して働きかけを続けてまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 資料の三枚目から数ページ御覧いただきたいと思います。
三枚目は、ついこの間の日曜日、ソウルの日本大使館前で、これは数千人のカンボジアの方が日本大使館の前でデモをされました。それから、その次が、これはフランスの日本大使館の前で約百五十名と書いてあります。その次が、これはニューヨークですけれども、これが大体数百名。そして、その次が、これは二週間ぐらい前でしょうか、銀座で千人ぐらいのカンボジア人の方が、是非、日本政府に対する要望をされたわけです。そして、その後で、最後の二枚資料を入れておりますけれども、外務大臣宛てに在住日本のカンボジア人の皆さんが請願をされた。
これだけ見ておりますと、まず私感じますのは、これだけ日本一国が外国の方々に期待をされている外交案件というのはこれしかないんじゃないかと思っておりますけれども、こうした実際に請願が届けられましたけれども、これに対して河野外務大臣はどのように対応されるんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 請願が出されていることは承知をされております。カンボジア国民の意思が反映されるような総選挙になるように、しっかりとカンボジア政府に働きかけをしてまいりたいと思います。
○藤田幸久君 なぜ日本一国がこれだけ、例えば日本で千人参加したということは、在日カンボジア人のかなりの方が参加をしている。数千人ソウルでこういうことをされたということは、多分、韓国在住のカンボジア人の相当の方が実はこうやって直接行動をされている。それだけなぜ日本が期待されているというふうにお感じでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 日本はカンボジアの民主化のプロセスをしっかりとこれまで支えてまいりました。それは、カンボジアの多くの方々にも日本の貢献というのを御理解をいただいているのではないかというふうに感じております。そうした方々のこうした行動もありますので、カンボジア政府に対して、国民の意思を反映する選挙がしっかりと行われるように日本政府としてもきちんと働きかけを続けてまいりたいと思います。
○藤田幸久君 今大臣おっしゃっていただいたように、民主化の支援を日本がしてきたということが、このカンボジアの皆さんが、つまり今各国政府の中でカンボジアの選挙を支援しているのは中国とロシアと日本、一部韓国と理解しておりますけれども、つまり民主国で支援をしている唯一の日本、しかも民主化を支援してきたということなわけです。
そんな中で、済みません、二ページ目の資料、これ読売新聞の記事、分かりやすいんですが、つまり、野党が日本の野党と違って半数近く取っていて、その方々が議席を奪われて、それから英字新聞が一つが廃刊され、もう一つは今度はオーナーが替わってと、こういう中で、国会議員の不逮捕特権がじゅうりんをされ、野党の党首が逮捕をされ、網走のような遠いところで逮捕をされ、NPOの弾圧、メディアの弾圧、こういうことに対して、つい最近でございますが、国連の人権委員会で四十か国が懸念を表明しております。
日本も、今、働きかけをというふうに大臣おっしゃいましたけれども、こういったことについてはやはりはっきりと懸念を表明して、より強い働きかけをしていくべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 昨年の九月に野党の党首でありますケム・ソカさんが逮捕され、十一月に最大野党の救国党が解党をされ、政治情勢の緊張が高まってきておりましたが、日本政府としては、様々な機会を捉えて我が国の懸念を伝達し、状況の改善に向けた働きかけをカンボジア政府に対して行ってきたところでございます。
メディアが閉鎖される、あるいはNGOの国外退去ということにつきましては、こうした司法の手続がもたらす萎縮効果が市民社会あるいは政治の場に与える悪い影響につながっているわけでございますので、人権理事会や二国間対話の場でこれまでも累次懸念を表明してきているところでございます。
選挙が始まるまで時間もありませんが、しっかりとカンボジア政府に我々の懸念を伝え、カンボジア国民の意思が反映されるような選挙になるように働きかけをしてまいりたいと思います。
○藤田幸久君 是非お願いしたいと思います。
一枚目の資料、これ二〇〇九年の新聞記事でございますけれども、実はこの関係で、つい最近、アメリカの国務省が公開した外交文書がございます。これは、一九六九年に佐藤栄作総理とニクソン大統領が結んだ核密約の交渉の関係でございます。
この文書は、キッシンジャー大統領補佐官がニクソン大統領に宛てたもので、キッシンジャー氏は、有事に核兵器を再び持ち込むという選択肢があるが、極秘に交渉を進めなければいけないというふうにおっしゃっております。
この件に関しては、平成二十二年、当時の岡田克也外務大臣による調査報告によりますと、この一枚目の新聞記事でございますが、佐藤栄作総理宅に遺品として残されていた文書が佐藤総理の秘書官であった若泉敬氏の著作に掲載されている合意議事録の内容とほぼ同一のものであると報告をされています。この記事の写真の下のところ、「沖縄返還へぎりぎりの判断」というところで、現在、政府のNSCの代表をされておられます谷内正太郎さんが、三段目、二段目ぐらいですけれども、この文書は若泉さんが著書で明らかにしたものと同一のもので、合意の最終版だというふうにおっしゃっておられます。
ということは、これはやはり有事の際の沖縄への核持込みが、今回の国務省の公開を受けて、これはあったんだということがいよいよ明らかになったと受け止めざるを得ないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 政府といたしましては、アメリカ側の文書の内容についてお答えをする立場にはございません。
その上で申し上げれば、平成二十一年から二十二年にかけて、当時の民主党政権の岡田外務大臣の下で実施された外務省の調査の結果、いわゆる合意議事録は外務省の文書からは発見されず、また、この文書について当時外務省として何らかの関与又は知識があったことを示す文書の存在も確認されなかったと承知をしております。
外務省といたしましてこの文書についてコメント申し上げることは困難でございますが、当時の有識者委員会の報告書は、この文書が佐藤内閣の後継内閣をも拘束する効力を持ったのかについては恐らく否定的に考えざるを得ないだろうと指摘をしております。
いずれにいたしましても、この文書につきましては、歴代の内閣に引き継がれてきていないと承知をしており、両国政府を拘束するような効力を持っているとは考えておりません。また、政府といたしましては、非核三原則を政策上の方針として堅持してきており、これを見直すような考えはございません。
○藤田幸久君 拘束する力はないけれども、当時、つまり瞬間的にこういったものがあったということを証明したのが今回の文書だろうと思いますけれども、ということは、それを否定する根拠を示さない限り、やはりこれは非常に重要な意味を持つ。まして、日本にとって一番重要なアメリカという極めて民主的な国がこういう文書を出してきたということについては、しっかりそれについて確認をするか、つまり、それがないならない、引き継ぐかどうかは別の話ですけれども、その段階においてそういったことはあったということについてはお認めをいただかなければ、これは外交上も、これは要するに否定するならば否定する義務があるのではないか、ここに至ってはと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 政府として、アメリカ側の文書についてお答えをする立場にございません。
また、このいわゆる合意議事録は、岡田外務大臣の下の調査で外務省の文書からは発見されず、また、この文書について当時外務省として何らかの関与又は知識があったことを示す文書の存在も確認されなかったということでございます。
○藤田幸久君 いや、ですから、今官邸にいらっしゃる谷内さんがはっきりこれ、この文書はこの若泉さんが明らかにしたものと同一のものだというふうにおっしゃっています。ということは、ちょっと政府見解を出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 当時の岡田外務大臣が、外務省の文書からは発見されず、また、この文書について当時外務省として何らかの関与又は知識があったことを示す文書の存在も確認されなかったということでございますので、外務省としてはそれ以外にお答えのしようがございません。
○藤田幸久君 今現在、政府にいらっしゃる方が、つまり公の新聞でこういうことをおっしゃっている、そしてその裏付けとなるような資料が出てきたということでございますので、政府見解として、この内容について統一見解を出していただくように委員会の方に要請をさせていただきます。
○委員長(三宅伸吾君) 後刻理事会にて協議いたします。
○藤田幸久君 時間の関係で、ちょっと一旦北朝鮮問題に移りたいと思います。
いわゆる、完全かつ検証可能な、そして不可逆的なというこの四十七の項目についてでございますけれども、前回の私のこの委員会の質問の中で、北朝鮮のこのCVID四十七項目について河野大臣は、ポンペオ長官から四十七もやることがあるという話はございましたが、特に中身について伺っておりませんと答弁がありました。他方、今週月曜日の予算委員会で安倍総理は、四十七項目についての一々の説明は、もちろん大統領と私の間ではございません、まさに長官と外務大臣レベルでやる話だということは御承知のとおりだろうと思いますと答弁しています。
つまり、安倍総理は外務大臣がやっていると、ところが、外務大臣はこの間伺っていないと、これ、どちらが事実なんでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 北朝鮮の大量破壊兵器、そしてミサイルの完全かつ不可逆的、検証可能な廃棄を具体的にどうするかというのは、これは私とポンペオ国務長官の間でやり取りをすることだというふうに承知をしております。四十七の項目の一々の内容については伺っておりません。
○藤田幸久君 ということは、総理はやっているはずだと言っているけれども、実際はやっていませんということですか。
○国務大臣(河野太郎君) 大量破壊兵器及びミサイルのCVIDについては私とポンペオ長官でやることでございまして、様々なやり取りをさせていただいております。ただ、四十七というのは、その中身の一々について伺っておりませんということを申し上げているだけでございます。
○藤田幸久君 この日朝協議に関して、最近、北朝鮮国営のラジオ放送で、誰それのありもしない拉致問題をわめき立てて自分らを拉致被害国に化けさせようとしていると。あるいはスイスのジュネーブで開かれた軍縮会議で北朝鮮の代表は、日本とは関わりのないことで首を突っ込むべきではないと言っておりますけれども、こういう姿勢で北朝鮮が来ている場合に、そういう姿勢を克服して日朝関係をどうやって進めていこうとしているのか。今度は新しい課まで外務省の中におつくりになる。
どうやって、向こうがそういう姿勢で来ている場合に、それをうまく超えてというのか、かわしてというのか、どういうふうに進めていこうとお考えなのか、その展望についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 日朝の手のうちを明かすことは差し控えたいと思います。
○藤田幸久君 手のうちというか、向こうはそういう公で発信をしている際に、こっちはただ手のうちを明かさないといって黙っているだけなんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 向こうの態度にかかわらず、交渉の手のうちは明かしません。
○藤田幸久君 やり取りしてもあれなので、条約について伺います。
本議定書の提案に関しては、内容が最終的に固まっていない段階で外務省の方で出してきましたけれども、こういうタイミングに誤りがあったということについてはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) モントリオール議定書改正につきまして、国会提出後に国連から正文の訂正提案がなされたことから、政府としては国連からの提案内容について丁寧に説明をしつつ、今次国会で御承認をいただく外交上の意義を勘案し、審議をお願いをしてまいりました。
条約について国会の御承認をお願いするに当たっては、引き続きしっかりと対応してまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 今回、異例の形でございましたが、今回の教訓あるいは今後に生かすとすればどういう対応が必要だったんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 条約について国会の承認をお願いするに当たっては、今後も引き続きしっかりと対応してまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 この改正については、オバマ政権は熱心に取り組んでいました。他方、トランプ政権は、パリ協定からの脱退を表明するなど、いわゆる気候変動対策には非常に後ろ向きの姿勢を見せておりますけれども、アメリカはこの議定書の改正に対してどのような姿勢を取っているか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) アメリカが現政権となってから開催されました昨年十一月の議定書締約国会合におきまして、アメリカの代表は、本議定書改正の目標とアプローチを支持し、スケジュールは未定であるものの、米国として締結に向けた検討プロセスを開始している旨を表明をしているというふうに理解をしております。
○委員長(三宅伸吾君) 時間が参りました。
○藤田幸久君 はい。
では、条約は今日の委員会で終わりでございますけれども、まさに外交の今、時代になっておりますので、引き続き、外務大臣も出張が多かったわけですが、積極的に委員会に参加をして充実した審議をこれからもしていただきますことをお願いをいたしまして、質問を終わります。
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