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参議院経済・外交調査会で昨年9月のアメリカ訪問の報告を行いました2018年02月14日

参議院経済・外交調査会で昨年9月のアメリカ訪問の報告を行いました。 以下が、私の報告です。これに対してアメリカの北朝鮮政策とアメリカ民主主義基金に関して多くの質問が寄せられました。 以下が、私の報告です。 「ODA特別委員会における海外派遣報告 酒井団長に続きまして、米国での調査のうち、ワシントンを中心にご報告いたします。 ワシントンでは、トランプ政権の政府高官人事が進んでいないことなども踏まえ、連邦議会議員や国務省、シンクタンク関係者などと、アジア外交を中心に意見交換を行いました。 調査の概要ですが、まず、北朝鮮問題や中国の海洋進出など、アジアにおける緊張が高まっていることを踏まえ、米国のアジア外交について聞いたところ、大統領の日々の発言だけに囚われず、実際にとられている政策など取組全体を見るべきであること、アジア政策は前政権の方針を引き継いでいること、同盟国や友好国との協力に加え、中国とは競合する面がある一方で、協力できるところを探っていくこと、さらに、アジア各国と良好な経済関係構築を目指すといった考え方が示されました。 また、米国にとっても身近な脅威となった北朝鮮問題に関しては、全ての選択肢がテーブルの上にあるが、米国の目標は外交的解決であり、核プログラムの放棄が目的で、体制の崩壊や半島の統一ではないとの考え方が示されました。一方で、有識者からは北朝鮮の非核化は幻想であり、同国の核保有を前提に解決策を模索すべきとの見方も示され、今後の大きな争点になることを予感させられました。 そのほか、議員団は関係者に対し、北朝鮮による拉致問題の解決に向けた米国の更なる協力や、普天間基地の辺野古への移転を始めとする米軍基地問題について、沖縄の実情を踏まえた解決などについて要請いたしました。 また、外交における議会の役割を調査する目的で、全米民主主義基金(NED)を訪問しました。近年欧米先進諸国では、議会や政党が法律と国家予算に裏付けられた組織を作り、外交や対外援助支援などを行っています。ドイツやフランスではエーベルト財団やシューマン財団といった政党別であるのに対し、イギリスやアメリカは議会を基本としています。アメリカのNEDは1983年、レーガン大統領の主導で法律に基づき設立された基金で、主に共和党、民主党、財界、労働界の組織を通じて90以上の国々で民主化支援、紛争仲介、選挙監視、人道援助などを行っています。今回もこの4団体の方々と意見交換ができました。 各国でこうした組織が形成された背景は、冷戦終結後、政府以外の紛争当事者が増え、外交を多元化する必要が生じたことにあります。NED側からは、米国国務省の外交課題が比較的短期であるのに対し、NEDは独立性をいかし、民主化支援のような長期的な外交課題に取り組むことができること、国務省の外交を損なうのではなく、補完するのが役割であるとの認識を伺いました。 また、NED設立に対して、当初国務省等の反対があった中で設立にこぎつけた経緯に関しては、当初は政党組織との協力に対する慎重論や、反共産主義組織ではないかとの懐疑論もあったが、同盟国内への支援活動から始めて実を積み上げ、冷戦終結後は多元外交の重要性について国務省も認識を共有するに至ったとの回答がありました。特に超党派による米国議会議員の強い支援がレーガン大統領の決断に至ったことも知られています。英国でも最初外務省が反対していたウエストミンスター財団が、今では外務省予算で活動していることも、政府を補完する議会外交の意義を認めている証左です。 最後に、今回の米国における調査では、北朝鮮によるミサイル開発の進展に伴い米国本土到達への懸念が深まる中、核実験に関する報道も過熱気味であることを肌で感じました。米国の安保理におけるこれまでにない挑発的な主張とも相まって、偶発的なものも含めた軍事衝突のリスクが増大している緊迫感を感じました。他方、政府高官や有識者の間では、圧力だけでなく、米中による連携強化も含め、外交的解決の重要性を唱える冷静な意見が多く、我が国もそうした冷静な解決策の模索が必要であることを認識しました。 また、近年国家以外の主体による紛争が増大する中、政府予算で、議会や政党が政府の外交を補完、重層化する活動を支援している米国のNEDのあり方は参考にすべきと思われます。欧米先進諸国に加え、韓国や台湾などでもこうした制度を採り入れて、議員外交も活発化しています。中国やベトナムも共産党という党組織が政府とは異なる手法で政府外交を補完、または主導しており、重層的な外交の仕組みが我が国でも必要です。今後、同様の組織の立ち上げを検討する上で、示唆を得たと考えます。 以上で、ワシントンでの調査の概要と所見に関する報告を終わります。」