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  • 【2017年1月6日】

     米国のトランプ大統領選出をはじめ、英国、イタリア、スペインでのトップ交代に見られるように、世界各国で国民が変化を求めている。こうした動きの中で日本に強い影響を与える可能性がある日米、日ロや隣国との友好関係、外交のあり方等について、次の内閣ネクスト外務大臣である藤田幸久参院議員に聞いた。

     

     

     

    独自の米国分析、判断が重要

     ――トランプ政権下の米国とどのように外交安全保障関係を推進していくべきか。

     

     トランプ氏が当選したということは、米国民が既存の政治に対して激しい不満を持ち、変革を求める強い意思があったということ。そういう意思が存在するということを認識することが重要だ。米国の民主党大会に出席したが、国民がサンダース氏やトランプ氏というこれまでとは異なるリーダーを求めていたことは確かだ。トランプ氏が大統領に就いた後は、選挙中の言動をある程度是正し、米国の大統領として振る舞い、行動することを私は期待する。

     

     トランプ政権についてだが、最近決まってきた閣僚に元軍人が多く就いている。それに伴い軍需産業の株価が上がってきている。これは新政権が海外同盟国に駐留している米軍を縮減、同盟国に防衛費用の負担増を要求し、米国製武器を購入させることなどによって、軍需産業が大きな利益を得ることを見越しての動きではないか。今後、米国の直接のプレゼンスは世界的に後退するかもしれないが、これまでとは異なる軍産戦略が世界を動かしていく可能性がある。それに対してどう向き合っていくのか。日本はしっかり腰を据えてアメリカを見極め、どういう対応をするか組み立てていかなければならない。

     

     そのために日本独自に米国を分析、評価することが喫緊の課題だ。言われたから何かをするのではなく、自分で判断することがより重要になる。今まで他の国をおもんぱかって動くような対応が見受けられたが、こちらの姿勢をはっきりすることによって相手に対して交渉力を高めていく。そういう外交がより必要になってきている。それは米国から離れるという意味ではないし、中国に近づくという意味でもない。米国に対して自分の意見を持ち、主張していくということで中国やロシアにも重みを持って外交を展開できると考える。

     

     

     

    完敗だった日ロ首脳会談

     ――昨年12月に行われた日ロ首脳会談をどう評価するか。

     

     野田幹事長が指摘したように領土問題で進展がなかったという意味で「完敗」という表現もあり得る。第1に日ロ共同声明に「領土」という言葉が書かれていない。特別な制度についてロシア側からの言及がない。「日ソ共同声明に主権を返すとは書いていないとプーチン大統領自身が思っている」と、安倍総理も認めている。2島返還そのものがコミットされていない。島内での共同経済活動は、ロシアの実効支配を既成事実化する。結果的に北方領土が棚上げされるという状況が明らかになった。その意味で負の遺産を背負ってしまった。

     

     第2にプーチン大統領は、1956年の米国のダレス国務長官の介入とか、日米同盟を意識した対応が今後必要だと言っている。ということは単に経済活動で信頼醸成ができるというレベルではなく、日本が現在の日米同盟への対応を変えていかなければ、今後(領土問題は)進まないと。プーチン大統領は、今後ますます日米関係に対してもいろいろ条件を付けてくる可能性がある。

     

     第3にG7がロシアに制裁をしているわけだが、今回日本がロシアへの経済援助を決めたということは、その制裁を崩すきっかけを作ってしまったことになる。以上の3点からマイナスのスタートとも言える。もし安倍総理とプーチン大統領の間ではそうでなかったというなら、総理はそれを説明する責任がある。それがないなら、この3点からしてマイナス、負の遺産からのスタートだ。

     

     引き分けではなく、一本取られたでもなくて完敗だ。

     

     

     

    外交による平和を推進

     ――世界中で変革が求められている中、日本はどのように外交を展開すべきか。

     

     日本はサンフランシスコ講和条約で和平が樹立したことになっている。ところが、その講和条約に参加していなかった隣国がロシア、中国、韓国、北朝鮮だった。

     

     こうした日本が被害を与えた隣国との信頼関係がいまだに十分ではない。先の訪日の際もプーチン大統領は、サンフランシスコ講和条約、日露平和条約を取り上げ、両国間の法的地位が確定していないと言及している。その意味では基本的な和平、平和構築を原点から見直さなければならない。

     

     「一国の最大の安全保障は、隣国の尊敬と信頼を勝ち取ることにある」。これは私の好きな言葉だ。その実現は難しいが、少しでも高めることが最大の安全保障だ。安倍総理が主張する「積極的平和主義」は、防衛力強化によって平和を築こうというものだ。

     

     民進党は、「軍拡による平和」ではなくて、「外交による平和」を進めるべきと考える。軍拡主義の背景にある新自由主義、新保守主義、グローバリズム、マネーゲームといった流れを変えて、格差の是正、貧困の撲滅、宗教間対立の和解といった外交による平和がますます重要である。 

     

     

     

    地位が前提でない信頼関係構築を

     ――隣国との信頼関係をどう深めるか。

     

     私の友人の元ジンバブエ首相の息子が興味深い話をしてくれた。ある日彼の父が首相になった途端、それまで付き合いのなかった人が近づいてきた。その一方、今まで親しかった友人が去っていった。つまり、地位ができると、それまでの関係が変わってしまう。いったん地位ができてからの知り合いは、あくまでも地位が前提の友人。地位が前提でない友人関係、信頼関係が重要だ。

     

     中国の歴代政権は、政府の外交部と党の中連部を使い分け多元外交を行っている。欧米では、国民から選ばれた議員と政党シンクタンクとが外交面で効果的な役割分担をしている。そうしたものが何もないのが日本だ。中国、韓国、欧米もそうだが、実は日本人より義理堅く、人情が厚いところもある。長期的な人間関係を野党の時からつくることが必要である。

     

     その意味で民進党国際局は、在京の外交官を招待した交流会をはじめ、政党、議員との交流を積極的に行い、その信頼関係は他の政党にないものがあると自負している。今後は、議員外交や政党のシンクタンク機能を欧米並みに強化し、平和創造外交を推進していきたい。

     

    (民進プレス改題19号 2017年1月6日号より)
    記事【語る・最大の安全保障は、隣国の尊敬と信頼を勝ち取ること】

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