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  • 【2016年11月17日】

    活動報告

    2016年11月17日

    参議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会水戸地方公聴会における藤田幸久の質疑議事録

     

    ○団長(福岡資麿君) ただいまから参議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会水戸地方公聴会を開会いたします。
     私は、本日の会議を主宰いたします環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会理事の福岡資麿でございます。よろしくお願いいたします。
     まず、本日の地方公聴会に参加しております委員を紹介させていただきます。
     私の右隣から、自由民主党の二之湯武史理事でございます。
     同じく渡邉美樹委員でございます。
     同じく堀井巌委員でございます。
     同じく滝波宏文委員でございます。
     同じく進藤金日子委員でございます。
     次に、私の左隣から、民進党・新緑風会の大野元裕理事でございます。
     同じく藤田幸久委員でございます。
     同じく川合孝典委員でございます。
     公明党の高瀬弘美委員でございます。
     日本共産党の井上哲士委員でございます。
     希望の会(自由・社民)の福島みずほ委員でございます。
     無所属クラブの行田邦子委員でございます。
     以上の十三名でございます。
     次に、公述人の方々を御紹介申し上げます。
     有限会社横田農場代表取締役の横田修一公述人でございます。
     ミナトゴム株式会社代表取締役社長の田口昌也公述人でございます。
     前日本医師会長の原中勝征公述人でございます。
     農民運動茨城県連合会会長の岡野忠公述人でございます。
     以上の四名の方々でございます。
     この際、公述人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
     皆様には、御多忙中のところを御出席をいただき、誠にありがとうございます。
     当委員会におきまして、目下、環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の審査を行っておりますが、本日は、両案件について関心の深い関係各界の皆様方から貴重な御意見を承るため、本公聴会を開会することになった次第でございます。
     皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の両案件審査の参考にしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
     次に、会議の進め方について申し上げます。
     まず、公述人の方々からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。
     なお、御発言の際は、その都度団長の指名を受けてからお願いいたします。また、御発言は着席のままで結構でございます。
     それでは、これより公述人の方々から順次御意見をお述べ願います。
     まず、横田公述人にお願いいたします。横田公述人。
    ○公述人(横田修一君) では、横田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
     まずは、私の自己紹介からさせていただこうと思います。
     私は、茨城県の龍ケ崎市というところ、茨城県の南部の方になりますけれども、そちらでお米を作っている農家でございます。有限会社という名前が付いていますので会社組織でやっておりますけれども、法人の設立が平成八年でございます。ですから、二十年たちます。
     二十年たちますけれども、当初、法人といっても設立した平成八年当時は父と母と基本的に二人でやっておりまして、私が大学を卒業してからは私も加わって三人ということで、私が農業を始めたのは平成十年ですけれども、それぐらいの頃から、まあ小さい、その当時でも二十ヘクタールぐらいで三人の規模でやっておりました。三人でやっておりましたけれども、その後、全国どこでも同じなように農業の高齢化が進んでおりますので、土地の集約化が進んでおります。
     私、今現在でいいますと、今年の平成二十八年の作付けが百三十二ヘクタール、全て水稲の作付けになります。それを社員が、私の方は生産と精米販売それから加工、六次産業ですね、といったことにも取り組んでおりますので、正社員は全部で十名おりますけれども、主に生産を行う者は五名ですね。あと、精米とか販売を主に担当する者が二名、それから加工を行う者が二名、それからあと、研究開発みたいなものも今行っていますので、それを主に担当する者が一名というメンバーでやっております。
     全て水田で水稲の作付けを行っております。生産調整は、加工用米とか飼料用米それから政府備蓄米などをやらせていただいて、水稲の作付けですけれども、生産調整を行っているということ、食用米と加工用、生産調整の方とですね、やっております。
     先ほどもお話ししましたけれども、急激な規模拡大をしているということがございます。これは、全国どこでもそうなように高齢化によってやめていく方が多い。一方で、担い手が非常に少ないという。私の、特に龍ケ崎市は比較的東京にも近いものですから、若い方はやっぱりもう東京に勤めることもできますし、意識が皆さん東京に向いてしまうということもあって、農業をやろうという意識が特に少ないということもありまして、私のように、私の世代ぐらいで農業をやる人がほとんどいないという地域もありまして、毎年十ヘクタールから、多いときは十五ヘクタールぐらいずつ規模拡大をしているというのが特徴です。
     そういう形で、急激な規模拡大なんですけれども、以前は米農家が規模拡大というと、積極的に規模拡大をしようとしてもなかなか農地が集まらないということで、どんどん範囲を広げていって、耕作するエリアを広げていく形で規模拡大をしていったわけですけれども、私のところは、そういった形で自分が積極的に規模拡大しようとしなくても、むしろ規模拡大には消極的だったんですけれども、農地が集まってくる。つまり、狭い範囲の中で農地が集まってくる。私のところは今二・五キロ四方ぐらいの範囲の中にその百三十二ヘクタール、ほとんどの水田が、田んぼが収まっていますけれども、そういったところで規模拡大が進んでいるというのが一つ大きな特徴です。
     そういったエリアが狭い、それから、元々区画が小さいところが、元々十アール区画の田んぼがほとんどですので、必ずしも区画が大きい、若しくはパイプラインや暗渠みたいなものが整備されている圃場ばかりでは、そういう圃場も三十ヘクタールほどはあるんですけれども、残りの百ヘクタールはかなり条件の必ずしも良くない湿田だったりというところなんですけれども、比較的エリアがまとまっているということもありまして、横田農場は、よく一番特徴的に言われるのが、一台の田植機、一台のコンバインでその百三十二ヘクタールの水田を耕作しているということが言えます。
     一般的には、大体、もちろんこれも地域によって違いますけれども、二、三十ヘクタールぐらいで大体田植機、コンバイン一セットというのが当たり前で、だから、私の規模になれば田植機、コンバインがもう四台、五台あって当たり前のところが、私のところは一台しかないというのが非常に特徴的であります。それは、つまり、それだけ、お米の場合には特に機械の減価償却費とか、生産コストに占める機械の減価償却費が非常に高いわけですけれども、うちはそこはかなり圧縮できているということが言えます。
     それから、一台体制で百ヘクタール超える面積できるもう一つの理由は、作期の分散になります。この茨城県でいうと、お米の作付けはほとんどコシヒカリが中心になりますので、単一のコシヒカリだけを作付けしていると作期が限られますので、そこに集中して人も機械も投入しなきゃいけないわけですけれども、私は今現在七品種、早いものからおくてまで七品種組み合わせて作期を分散させることで、田植も二か月間、稲刈りも二か月間、作期を分散させております。
     これは、単にやみくもに七品種を入れればいいというわけではなくて、当然販売戦略、売れない品種を作っても仕方ありませんので、きちっとこの販売戦略、販売先を、私は、作ったお米はほとんど自分でお客さんを見付けて販売をしておりますので、その販売先に合わせた品種、販売先の求めるニーズにマッチした品種で、かつ作期分散ができる品種というものをバランス良く組み合わせることで二か月の作期を分散することができていると。それによって一台体制でコストが下がっているということになります。
     販売の方もバランスよく、ネット販売みたいな、若しくは地元のスーパーとか、そういった一般の家庭、消費者向けと言っても一般の家庭で炊飯していただくようなお米、従来のお米のようなスタイルもありますし、業務用としてレストランや中食、外食・中食関係ですね、そういったところで使っていただくもの、それから、先ほどもお話ししましたけれども、加工用米、生産調整の枠ですけれども、私は地域流通ということで地元の加工業者さん、お酒とかお煎餅とかそういった業者さんにも使っていただくという、そういったところと契約をさせていただいて、そういった向けの販売をするということで、それぞれやっぱり品種も、ニーズが違いますので、そういったものをうまく組み合わせて作期分散をしていると。それによって少ない機械でやっているというのが横田農場の一番の特徴になります。
     今回はTPPの地方公聴会ということですので私のTPPに関する考えをお話しさせていただきますけど、私も一応農業をやっておりますけど、特に私のところは米しかありませんので、今まで私がいろいろ承知している内容でいくと、必ずしも今回のTPPの話でお米が直接どれほど影響を受けるかというのは、必ずしもほかの分野、いろんな分野、影響を受けるかなというふうに私も感じていますけれども、お米はそれほどでもないのかなというふうに私は正直感じておりまして、それ以前の問題として、今私がお話ししたような地域の、まあこれも地域によって全然違うわけですけれども、やはり高齢化が進んで大量のリタイアが進んでいくと。その中で、残された担い手がそこでどういった経営を行っていくかというのは非常に課題ですね。
     私は私なりにやってきたつもりで、それなりにこれからもやっていけるんじゃないかなというふうに、そういう道を僕なりにつくってきたつもりではありますけれども、そのために私が実は結構重要だなと思っているのは、やっぱりこれまで特にお米、まあ農業全般かもしれませんけれども、それこそ私が農業を始める前ぐらいまでは、とにかく田んぼで汗水垂らして作業を一生懸命やることがいいことだとされていましたけれども、やっぱりそれじゃ駄目だねと、経営をやらなきゃいけないねと。
     つまり、経営をやらなきゃいけない、販売もやっていかなきゃいけないねというのが恐らくこれまでの流れだったんだろうというふうに思うんですけれども、一方で、そういうものをある程度やり尽くしたとは言いませんけれども、そういうものがある程度、もう二十年、私も農業を始めて十八年になりますけれども、そういうものをある程度できるようになってきて、じゃこの先はどうかと考えたときに、僕は一回また栽培の技術をこれから特に注目してやっていかなけりゃいけないんじゃないのかなというふうに思っていまして。
     それは、一つは、こういった気候の変動みたいなものが非常に大きくなっていて、そういった気候の変動に対応するような栽培方法だったり若しくは品種の組合せだったり、若しくは、私も今米しかやっていませんけれども、ほかの作物を組み合わせていくとかという、そういったことも必要だと思っていますし、また、それと規模拡大が急激に進んで、一方でこれは地域によってもう本当に全く違うので中山間では難しいんですけれども、私の地域は比較的平場で農地が集約してきて、中間管理機構なんかもかなり活用させていただいていますけれども、そういった状況があるところはやっぱりある程度省力化して省コストで作れる可能性が出てきます。
     そうなれば、それこそ今問題になっているような価格、日本の米が海外に行ったときに価格競争力がないと言われていますけれども、そういった問題すら、現状はちょっとまだ難しいというふうに私も感じていますけれども、そういった問題を変えるような、価格競争力ができるような可能性も僕は出てきている地域もあるんじゃないか。私のところは少なくともそうなりつつあるんじゃないのかなというふうに思っていますので、そういう状況が、これ日本あまねくそうかというとそうではない、地方によって本当に全く違うのでこれは注意が必要ですけれども、ただ一方では、そういう平場でまとまっているようなところは可能性も出てきていますので、そういった状況になってくる。
     一方で、じゃ今度更に省力化、今もいろんな低コストみたいな栽培技術、それは農研機構でもかなり一生懸命開発されていますけれども、一方で経営全体として、今、何というんですかね、僕らはよく要素技術とかというんですけど、単品のいろんな、直まきみたいなものとか、いろんなそれぞれの技術は実は結構いいものができてきているんですけれども、それを経営の中で組み合わせて経営全体を効率化させていくような、そういった実は研究というのはまだまだ少なくて、そういったことに積極的に取り組むことによって大幅なコスト削減ができるかもしれない、そうすれば、いよいよ海外とも価格競争力があるような米が地域によってはできる可能性が出てきていると。それ、そういうことが恐らく実現できるようになってくれば、これはやはりTPPの後の世界で、日本に米は輸出できないんだという方はもちろん多くいらっしゃると思いますけれども、一方ではできる地域もできてくるんじゃないのかなというふうに思っております。
     ちょっと簡単ではありますけど、時間も大体しゃべったようなのでこれぐらいで終わりにさせていただきたいと思います。
     ありがとうございました。
    ○団長(福岡資麿君) 次に、田口公述人にお願いいたします。田口公述人。
    ○公述人(田口昌也君) ただいま御紹介にあずかりましたミナトゴム株式会社の田口でございます。よろしくお願いいたします。
     弊社は、一九六九年創業ということで、来月十二月でちょうど四十八年目を迎える企業になります。私で社長をやらせていただいたのが三代目ということで、初代が私の父ということで脈々と、我々ではゴム屋と言うんですが、ゴム屋をやっている会社になります。工業用のゴム、樹脂製品の製造販売を主に行っている企業となります。
     資本金に関しましては二千万、従業員は国内外合わせて約六十五名程度ということで、売上げは五億円になります。本社は千葉県船橋市にありまして、国内の工場として、今日私もお邪魔している茨城県の稲敷というところにあるのと、岩手県の二戸市、この二か所に国内工場を有しております。また、一〇〇%独資という形で二〇一四年の四月、海外工場として初めて、ベトナムのハノイ近郊、北部なんですが、のハナム省というところのドンバン工業団地にミナトラバーベトナムという会社を初めて設立して、今現在操業しております。
     弊社主力部品に関しましては、自動車用の部品、またFA関係、建築資材、その他ということになります。自動車部品では、創業当時からやらせていただいている重要保安部品という位置付けになるんですが、パーキングブレーキ、いわゆる今ですとサイドブレーキだったり足踏みブレーキという形になっているんですが、パーキングブレーキ関係の部品を長年生産させていただいております。また、FA関係では半導体製造ライン又は自動車の製造ラインなどに使われている、いわゆる産業用の機材に使われるゴム又は金属とゴムを、一体成形という言葉になるんですが、接着をしてお納めするようなものをやらせていただいたり、また建築資材では防振ゴムと呼ばれるものを主に作らせていただいております。
     今回、TPPということで、まず、海外に我々の規模で出ているというところのきっかけになった話をちょっとさせていただきたいんですが、主力分野である先ほど申し上げた自動車市場の海外、シフトをどんどんしていったということで受注が大幅に減少していった時期があります。これは、少なからず今現在も続いていることと私は認識しております。
     自動車産業は、日本の高度成長とともに急激に加速して、我が国を代表する産業になったと私も感じております。弊社も創業当時よりこの自動車産業の成長の波に乗ることができました。しかしながら、近年、これはもう市場の原理なんですが、よりいいものをより安くということから価格競争が加速し、自動車メーカーの先ほど申し上げた海外化が進みました。また、その一次メーカーと呼ばれる、俗に言うティア1と呼ばれるメーカーさんも海外工場化が加速しております。
     当社は、現在もミナトゴムからお客様経由で海外のゴム、樹脂部品の輸出は行っておりますが、部品の現地調達化、これに関してはとどまるところがないということで、先ほど申したとおり生産数及び売上げが減少しております。
     特に、弊社の場合、お客様が設計されたゴム、樹脂を要求された要求事項と呼ばれるものに適合させて製品を提供する、平たく言うと、図面があって、その図面に基づいて我々は物を作って提供することを要求されているメーカーになりますので、いわゆる今まではQCDと呼ばれる品質、納期、価格、これによる発注先の競合というか格付をされてきました。ただ、グローバル化が進む中で、この常識だけではお客様との関係が維持できないということが今現在与えられていることだと思っております。
     この状況に対応すべく、弊社としては、一つとしては工法、材料開発などによるコストの削減、あとは物づくりをしている上で出てくる不良の削減などを徹底してやってきたんですが、やはり今の経済下の中では魅力ある企業という形にはなかなか行き着いていないというところが認識しております。また、自動車、私にも子供おりますが、自動車なかなか買ってくれないということで、市場の縮小化に歯止めが掛かっていないということも事実だと思います。
     この影響で、我々が購入するゴム、樹脂、いわゆるゴム、樹脂の材料を買って生産をさせていただくんですが、これも一時的には、日本の我々に売るより海外のメーカーさんに売った方がもうかるから海外に売るよ、値上げをしてくれなければ売らないよということが度々ありました。また、その後、どうしようもないことかもしれませんが、リーマン・ショックということがあって、やはり御存じのとおり、我々産業界というのは大打撃を受けました。またその後、円安、円高という為替のリスク、また我々どうしても、樹脂、ゴムはナフサという原油をもとにする材料から作っているので、ナフサ価格というものが非常に大事になります。このナフサスライドと呼ばれるものに対しての価格上昇、また俗に言う固定費、ユーティリティー費の値上げ、もう様々な値上げが全て来て、我々は全てそれをのんで生産をしてまいりました。理由は単純な話、先ほど申したとおり、材料が手に入らなくなって会社として存続ができなくなるからです。これらの出来事は、ゴム、樹脂を取り扱う事業者にとっては、仲間内でも話をしておるんですが、経験のしたことのないことでした。これは諸先輩方に聞いても同様の御意見をいただいております。
     その対応策として弊社が導き出した答えというものが海外展開ということになりました。先ほど申し上げたベトナム、ハナム省の、ベトナムに工場を造ったということは、我々規模でやはり工場を造るというのは、正直資金的な問題を含めてかなり大変です。ですから、私は、遠戚筋にベトナム人の留学生がいたということを利用させてもらって、この人間と、二年間私の下で働いてもらって信頼関係を築き、最終的には海外工場設立のパートナーということになっております。
     弊社の場合、当初より海外操業ということは正直考えておりませんでした。先ほど申し上げたとおり、身分相応という形がありますので、海外での技術提携による部品の購入ということをやっていったんですが、なかなかその結果も多く出ないということもありまして、見聞は多く広げることができました。
     弊社が海外工場の設立に至るステップとして、国内で日本貿易振興機構様、ジェトロ様の御支援というものを正直いただき、大きな力となりました。所在は、所在地が千葉県ということで、たまたまジェトロさんは千葉にあるということから、当時私がベトナムに行くときの一つの保険というか、経験を補う意味で海外ビジネス塾という制度を利用させていただき、その中で、異業種の方であり、ジェトロさんであり、いろんな形の人脈づくり、情報づくりを入手し、努めてまいりました。また、その後、二〇一三年に専門家派遣事業、また本年には輸出大国コンソーシアム事業などの認可をいただいて、今現在も、専門家の先生と昨日も、どうしようかということで、腹を割った話で議論を深めております。
     弊社の規模で海外操業をするには、これらの施策は大きなメリットであり、また進出規模においても、小規模工場ということから、私の中では、ローリスク・ローリターンということで、損益面に重点を置いた工場経営をせざるを得ませんでした。ベトナム工場も、二〇一四年、創業開始時は、自動車、先ほど申し上げたゴム部品、パーキングブレーキの部品三点のみで生産をするという非常に限定的なものだったんですが、その後、国内のお客様、また海外のお客様から徐々に認知をされて、建材資材とか住宅設備関係とか生産品目が増え、今後、FA関係の方のお客様からも高付加価値製品の受注をお願いするよということで、打合せを進めている最中になります。
     これら、私としては精いっぱい背伸びをして経営してきた中で話題に上がってきたことがTPPでございます。現在のところ、TPPについて弊社に対しては直接的なメリットはございません。十年後、関税撤廃によるベトナムとメキシコの取引に関して関税が撤廃になるのであれば、今からおたくに頼んで物づくりをしたら、将来もっといいものを安く提供できないかということのお話は非常に多くいただいております。この点では私は素直にTPPのメリットということを感じております。
     御存じのとおり、メキシコは北米自動車産業の部品の集積地になりつつあり、自動車メーカーさん、ティア1メーカーさんも数多く進出されております。そのような観点からも見積り依頼が増えているかと思います。TPP関税撤廃によるビジネスチャンスは拡大であるとは思うんですが、その反面、今度、我々の競合メーカーさんに当たるメキシコであり、ほかのTPP各国に入っているゴム、樹脂のメーカーさんと、いわゆる価格の競争をしなきゃいけないという不安要素もあると思います。
     事業者がこれに関しては考える大事な問題だと思うんですが、我々としては、まず、デメリットを避けるよりメリットを今優先してやはりベトナムに出したという会社の方針を何とか成就させたいということで邁進しております。それにはリスクを最小限にする準備をしつつ、サプライヤー・チェーン・マネージメント、これをより強固なものとして、お客さん、協力工場、それと社員と一体となって信頼関係を築いていく必要はあるかと思います。
     簡単ではございますが、以上でございます。御清聴ありがとうございました。
    ○団長(福岡資麿君) 次に、原中公述人にお願いいたします。原中公述人。
    ○公述人(原中勝征君) 私は、政治あるいはこういうTPPとか外国との協約というのは、あくまでも最終目的というものが国民の幸せ、平和で平等な生活を、日本をつくるということが目的でなければいけないと思っていろんな活動をしております。
     このTPPに関しては、四年間の秘密事項があるということを言っておりますが、実際、ニュージーランドではこの二十四項目のTPPの今までの交渉が五千五百ページによって発表されております。しかし、我が国では残念ながら、国会に対して、国会議員に対する開示すらしていない。しかも、内容は農業を中心としたもので、実はもう日常生活全てにおける問題が入っているということでございます。
     今日は十五分という限られた時間でございますので、私は食の安全とそれから医療問題についてお話をしたいと思います。
     食の安全、確かに、例えば量的な問題でございますが、現在、日本では四〇%は自分の国で作っている食物を取っておりますが、これは政府からの発表によっても、もしTPPが締結されたら一三%に落ちるということが言われております。しかし、東大の鈴木教授のデータによりますと、八%に落ちるというようなデータもございます。
     今、地球の温暖化によって、例えば今年フィリピンで米騒動が起こった。大雨と台風によって田んぼができなくなっちゃった。ベトナムでも日本に輸出していた飼料米がほとんどできなくなった。そういう地球の温暖化のときに、もし日本が一四%以下、国、政府のおっしゃっている一三%にしても、あとの八三%という食べ物が輸入されなきゃいけないというような状態に陥るだろうと思います。
     今、日本がだんだんと国債の発行、一千兆を超えまして、政府の発表とは違いますが、実際は一千兆を超しております。一人当たり一千万の借金をしていながら、円の変動によって物が高く買わざるを得なくなる。特に、温暖化によってできなくなった作物がどれだけ高く日本人が買わなきゃいけないか。食の問題というのは全てに優先する問題だと思います。
     現在でもどういうことが起こっているかということをちょっとお話し申し上げますが、いろんな危険物ということからすると、百六十から百八十ございます。しかし、私、今日しゃべるのはカビの問題と四つの危険な状態を述べてお話をしたいと思います。
     カビというのは、皆さん御存じのとおり、アフラトキシンというほんの僅か入っていても肝臓がんを人間に生じるというものでございます。これはトウモロコシだけではなくて、米それから大豆、小麦に入っております。こういうものが今、日本で今までは検査をして、入っていれば返すことができる。しかし、TPPが締結されると、検査すらしてはいけないというようなことになってしまいます。
     今、現在を見ても、トウモロコシや、アメリカの、自動車のガソリンに代わる燃料を作っております。これは発酵させないとできないものですから、カビが生えていると発酵が悪くて、カビの生えていないものを使います。ところが、カビの生えているものはどういうふうに使っているかというと、はっきり私アメリカに行って確認してきました、ほとんど輸出でございます。日本にほとんど輸出しているわけです。
     その輸出しているカビの生えたトウモロコシがどういうふうなルートで行っているかというと、確かに食品に使うのは比較的少ないんです。でも、動物の餌がほとんどです。農業をやっている方なら分かると思いますが、最近とっても牛のお産に関して流産が多くなった。それから、死産が多くなった。それから、親の牛まで死ぬ、死亡率が高くなってきた。何だろうという問題が今起こっております。そのぐらいアフラトキシンというのは難しい問題でございます。
     それからもう一つは、御存じのように、製品となって、あるいは商品となったものに対して、輸送のときにカビが生えない、あるいは腐らないということのためにポストハーベストと、でき上がったものに殺虫剤というものを振りかけることが日本では禁止されております。しかし、以前、日本は小麦の運送は船底でやってきたものですから、ほとんど売る物にならなかった。それで、今アメリカでは船底、冷凍機械を使って生えないようにして送っておりますが、やはり今言われているのは、牛肉とかオレンジあるいはかんきつ類に対しては、農薬、食品の保存料という名前を変えて日本が許可してしまっているんです。こういうことが国民に知らせられないで使われているというのは非常に危険だと思います。
     それから、例えば今どういうものにそういうものがあるかというと、実際、日本で許可している濃度と製品の比率を比較してみますと、小麦に関しては大体五十倍、大豆に関しては二百倍、米に関しては六十から八十倍、グレープフルーツ、オレンジ、レモン、ライ麦などに関しては五、六倍、それからイチゴに関しては十六倍、サクランボに関しては百倍というような、日本で許可する濃度の倍数でアメリカが作ったものを日本は輸入しているんです。
     どうして水際でそういうことを検査しないかというと、だんだんと検査の件数が少なくなってきた。それから、以前は、例えば百箱が輸入されて一箱から出てもそれは全部返してしまった。ところが、今のやり方は、百あるとすると三つぐらいの検査をして、よその検査しないものは輸入許可をしてしまうというようなことが実際起こっているわけです。そういうことを考えるとやはり大変なことだなと思うわけです。
     それから、もう一つ大切なのは、牛肉の問題でございます。成長ホルモンを注射すると、どんどん体重が太って高く売れる。それから牛乳もいっぱい出てくる。ということで、今問題になっているのは、私は思うんですが、最近、日本の女性の一番発生するがんは乳がんになりました。ところが、実はこのホルモンというのは性ホルモンでございまして、エストロジェンという薬でございます。これを注射すると大体一・五倍の牛乳が出るわけですけれども、この牛乳で日本に入っているのはほとんどチーズであるとかバターであるとかというもので入っております。それからもう一つは、本当は入っちゃいけない老化した牛肉が焼き肉屋で売られてきております。この牛肉の中にも、特に赤身の中にこのホルモン、エストロジェンというのが非常に高く残っているわけです。そうすると、うがった見方になりますが、女性のがんが一番乳がんが多くなったというのは、このものが恐らく影響しているのではないかと私はいつも心配しているわけです。
     それから、男性もだんだんと前立腺がんが出てきました。性ホルモンですから、男性だって影響を受けるんです。ある研究、これは外国の研究ですが、女性の乳がんが八倍、それから男性の前立腺がんが三倍から四倍多くなる、これを食べている地域ではよその地域よりも多くなっているという論文が出ております。
     そういうことを考えると、やはり、確かに農業というのはいろんな問題があります。たった、たったと言ってはいけないんですが、GDPからいえば農業の生産量というのは一%にもなりません。ところが、食料ということから考えると、私は絶対にこのTPPで検査をしてはいけない、あるいは日本で許可していないいろんな危険な農薬を使ったものが入ってくる、これを何とか抑えなきゃいけない。
     恐らく、そのほかに、どこで作ったかということの表示をしてはいけないんです、今度は。例えば、今、韓国は国民が、大統領辞めろというデモがありましたけれども、韓国ではTPPに入ること反対の大デモンストレーションが続きました。それで、それをTPPに入らないで二国間協定、FTAに変えたわけです。しかし、その内容は結局はTPPとほぼ同じだったということで、今の大統領がアメリカに行ったとき上下院の合同会議で演説をさせられたというぐらい非常にアメリカから優遇されたことがございました。今、韓国ではどうなっているかと。御存じのとおり、三大財閥の株はほとんどアメリカです。それから、地産地消という学校給食、これもやめてしまいました。地産地消という言葉を使うとアメリカの輸入品を抑えるということになります。
     そのほかに、アメリカのたばこ会社がオーストラリアを訴えています。これは、その国の最高裁判所が合法的だと言っても、このTPPに入るとTPPの決まりがその上に立つという国家主権を侵すようなことになりますので、全部有効になってしまうということがあります。
     時間がないので、まとめますが。
     次に、医療に移りますが。
     医療でもしTPPに入ったらどうなるかといいますと、現在でも、皆さん御存じだと思いますが、今、国民年金で最終、最後に安心して生活を送れる場所として特別老人ホームができました。これは医療とは違いますが、医療と介護は一緒のボーデンでございますので、お話し申し上げますが。
     私のところで一人亡くなられて、四十人待っている方の順番を付けて、選定委員会というのを、地域の人たちが集まって点数を付けるわけですが、それで入っていただこうと思っても入れない。なぜかというと、前は国民年金で入る施設だった、ところが国にお金がなくなってくると、部屋代は別である、食事は別である、自分の家として入ったところに何で食事代とか部屋代を取るんですか。だんだんそういうことが厳しくなってきました。
     今、医療でいえば薬代がどんどん伸びて、二兆八千億円だった薬代が今十兆を超しました。医療費全体としては、民主党が二千二百億円を計上した二年間だけ、このときだけ上がりましたけれども、あとは一銭も上がっていません。毎年老人が多くなってきます。老人は五・五倍の労働者の医療費が掛かります。でも、毎年毎年多くなってきました。
     その分が二千二百億だということで予算を請求しても、私はやっぱり考え方としては、北欧、特にドイツは日本と同じ敗戦国でありながら、国の予算の六四%が社会保障です。これは、社会保障をする、国民を守ることが政治の目的であるというふうな意識を持ってくれている。ところが、日本はどうですか。経済を活性化すること、アベノミクスを成功させること、これが目的になっちゃっている。目的はあくまでも国民の生活です。平和で、それで安心して送れる日本の国をつくるのが政治の目的であるはずなのに、しかも、TPPを反対するということで総選挙をやって、三分の二の人数のいる与党から誰一人としてTPPを、うそをつかない自民党、TPPは絶対反対という、あの約束で当選した人たちが誰一人として反対を言わない。私は、これはやっぱり政治家の劣化だと思いまして、アメリカの上下院のTPP関係の十五人と会ってきまして、いろんな話をしました。その問題を今日の資料に載せました。
     とにかく、私はこのTPPというのはあらゆる面、これはほんの僅かです。全体においていろんなことがありますので、絶対に反対することが、私は国民に対する、今生きている人間の責任だと思って頑張っている次第です。
     ありがとうございました。
    ○団長(福岡資麿君) 次に、岡野公述人にお願いいたします。岡野公述人。
    ○公述人(岡野忠君) 岡野でございます。よろしくお願いします。
     農民運動茨城県連合会の岡野忠と申します。私は、茨城県南部の稲敷市で稲作をしております。
     日本の農業に甚大な不利益と、また、日本国民にも大きな損害を及ぼすであろうTPPには反対の立場で意見を述べさせていただきます。
     異常な秘密主義で、国会には黒塗りの資料しか出せないというだけで、国民にとっては不利益なものであるということの証明だと思います。TPP協定文は、日本語に訳されたものだけでも数千ページあるうちの三分の一程度と聞いております。日本はどんな交渉をして、何を得て何を失ったのか、今後はどうなるのか、よく分からないというのが私たち農家の実感です。
     限られた資料、報道の中から分かることは、重要五品目、米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖など、それらは地域経済、国土保全、国民生活に大きな影響を与えるため、国会決議で関税の撤廃をしないように求めたものです。この決議に反し、重要五品目の二九%、約百七十品目で関税撤廃に合意しました。即時撤廃を免れたものでも様々な条件を付けられ、牛・豚肉の関税は大幅に引き下げられ、壊滅的な影響を受けるのではないかと思われます。
     米に関しては、日本は水田面積の四割で減反しながら、WTOの下でミニマムアクセス米七十七万トン輸入しています。その上に輸入枠新設で八万トン近く増えるわけです。米価下落圧力はかなり強くなるでしょう。
     更にとどめを刺すのが、日本だけが農産物輸出国五か国と約束した発効七年後の見直し協議です。更に厳しい譲歩を強いられるでしょう。譲歩を一手に引き受けて大筋合意をしたと言われています。明らかに国会決議違反であり、認められるものではありません。
     十分な審議時間を取り、真剣な議論をして、TPPの本質を国民の前に明らかにすべきです。時間が来たから強行採決で通してしまおうなどはもってのほかです。国民の大多数は十分な審議を望んでいます。民主主義は議会内の数の力だというのでは将来に大きな禍根を残すことになるのではないでしょうか。
     私は、食料は可能な限り政府が責任を持って国内で生産するようにすることが重要だと考えています。いつでも農産物が外国から幾らでも輸入できると考えるのは間違っていると思います。毎年のように気候変動が伝えられ、世界中で洪水や干ばつがニュースになります。また、紛争地の難民なども含めると物すごい数の人が飢えています。そのような人たちに少しでも食料を回してあげるためにも、日本の自給率を上げることは世界に貢献することだと思っています。そのために、アメリカやヨーロッパ諸国でも行っている所得補償、価格保証を行い、方法は様々であると思いますが、再生産が続けられるようにする農政が必要であると考えます。
     今、私の周りでは、一九九三年の凶作以来、また一九九五年のWTO協定批准、発効以来、一九九四年の米不足によるパニック状態になって以後、二十年にわたる米価下落で経営は大変厳しくなっています。中曽根総理時代から米の自由化といって政策的に引き下げてきたからです。農家潰しの始まりです。数年前より、農水省の計算した生産費約一万六千円よりも大きく下回っています。機械が壊れたら辞めると言っている人が大勢います。
     耕作を委託したくても、谷津田や超湿田など条件の悪いところも多く、先に放棄されていきます。引き受けてくれる人もなく、年々荒廃が進んでいきますと、大規模経営を目指す人にとっても大変なことになっていきます。あぜや水路、農道などの維持管理も行き届かなくなり、また、多面的な価値が失われてしまうでしょう。
     農地の維持管理を行う土地改良区という農家の組合の存続さえも危うくなってくるのではないかと思います。大規模だからやっていけるというのは一面だけしか見ていないとしか言いようがありません。
     畑作経営でも、ほとんどの野菜が三%の関税ですが、TPP発効で関税が撤廃されれば輸入が増え、暴落につながり、経営が苦しくなるでしょう。
     若い後継者がいなくなり、人口減少が進み、地方創生は難しくなるでしょう。茨城新聞の報道で、JAグループ茨城のTPPの影響額の独自試算が発表されました。国内で対策が講じられなかった場合、農産物で六百四十九億円の減少、特に豚肉は二百二十四億七千万円で、生産額に対する減少率は五九・九二%。鶏卵は百二十六億九千三百万円、減少率三一・五七%。米、五十八億六千三百万円、減少率六・七%です。レタスも十六億四千百万円。ネギ、十三億六千五百万円の減少です。林産物、水産物も加えると七百二十億五千万円もの影響が出るという試算が出ています。全国第二の農業県茨城において、影響は甚大なものと言わざるを得ません。
     SBS米の価格偽装は、政府ぐるみと言っても過言ではありません。以前からそうでしたが、今でも安い大衆向けの米を作ってほしいと米屋さんから言われます。その原因は、SBS米の調整金、これを米屋さんに還元するところに安い米の原因があったということがはっきりしました。TPPで新たな輸入枠、アメリカ、オーストラリアから七万八千四百トンが増えるとなると、大暴落は必至でしょう。
     国産米を備蓄に回すといっても、財政的にできるとは思えません。下落させるために、やってもすぐやめるでしょう。飼料米の作付けが増えていますが、いつまで補助金が出るか分からないと農家は思っています。経営に長期的展望が描けない状況です。
     また、私たちは産直運動をやっておりまして、直売所を持っています。一部の学校給食に野菜を入れています。消費者の皆さんと直接つながり、地産地消で低農薬、減化学肥料の安全、安心な農産物を届けるために努力しています。
     国産表示や産地表示はできなくなる可能性が大であることから、地産地消とは言えなくなるでしょう。国が進めて各地にある道の駅なども、地元の野菜といって売ることができなくなるのではないでしょうか。
     また、私たちは、遺伝子組換え食品要らないということで、地元の農家と協力して、二十年ほど前から大豆畑トラスト運動をしてきました。遺伝子組換えとはどういうものかという学習をする中で、アメリカの学者が動物実験をしたその資料を見せていただきました。その中では、雄がきちっとした雄にならない、雌がきちっとした雌の体にならないというような、そういう写真も見ました。そういう中で、いかに遺伝子組換え食品が危険なものであるのかということを学びました。
     食品添加物の使用基準、残留農薬についても規制緩和が進んでいます。輸入食品は平均九十二時間余り掛けてチェックしていたものが、四十八時間以内に検疫を終えて流通させることとなりました。現在でも検査率一〇%程度のところを、更に検査体制がおろそかになることでしょう。企業の意のままに制度が変えられ、消費者の健康や権利は後回しになってしまいます。
     輸出が増えるといいますが、幻想的だと思います。加工品の輸出ばかりで、日本の農産物の増産につながるとは思えません。TPPによる経営困難で農業離れを利用し、戦後農政の枠組みを突き崩し、農地制度を解体し、企業による農地の支配に道を開こうとしています。農協を解体し、金融、共済など、これらをアメリカに差し出し、販売や購買事業など、これらをアグリビジネスのチャンスとして育成強化を図っているのではないかと思います。国連でも協同組合年ということで農協など協同組合の大切さをうたっていましたが、政府はどこ吹く風です。
     TPPの先取りかと思えるアベノミクスでは、企業が活動しやすい国づくりを進めると総理が言っていました。資本の論理で何事も進められています。外国から労働者を入れ、日本人労働者も含め、低賃金、長時間、無権利状態で消耗品同様にこき使うという大企業の論理が見えてきます。電通の事件が証明しているのではないでしょうか。
     特に農民の一人として感じることは、アメリカのブッシュ前大統領の言葉が思い起こされます。食料自給できない国は国際圧力と危険にさらされている国だ。また、アメリカの大学教授は、食料は戦略物資と言ったそうです。日本の農業を守ることは、日本の独立を守ること、国家の主権に関わることであると思います。安倍総理は日本の富をアメリカに差し出すつもりでしょうか。
     アメリカの企業や投資家の意のままに規制緩和がどんどん進められます。再交渉、再協議などで、自由化に向けてのエンドレスゲームであるといいます。アリ地獄と表現する人もいます。審議を十分尽くして、全面的に資料を開示して、TPPの本質を国民に示していただくことが最も大切なことと思います。私の得た少ない情報からだけでも、TPPはアリ地獄であり、一度入ったら出ることは不可能であり、大資本、大企業の餌食ではないかと思います。絶対批准はするべきではないと思います。
     以上です。
    ○団長(福岡資麿君) 以上で公述人の方々の御意見の陳述は終わりました。
     これより公述人に対する質疑を行います。
     質疑の時間が限られておりますので、御答弁は簡潔に行っていただくよう御協力をお願いいたします。
     なお、質疑及び御答弁は着席のままで結構でございます。
     それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
    ○藤田幸久君 参議院議員の藤田幸久でございます。
     今日は、出席の国会議員の中で私がただ一人茨城でございますが、公述人の皆様、茨城の関係者の皆様、お越しいただきまして本当にありがとうございます。
     まず、原中公述人にお聞きしたいと思いますけれども、御専門の関係で、国民皆保険、形は残るんだろうと思いますけれども、いわゆる知的財産権保護それから薬剤価格の値上げと、あるいは特許の長期期間保護というような形で、結果的に、韓国で起こったように、例えば日本では薬価を決定するのは中医協、中央医療協議会ですけれども、それに代わって例えば製薬メーカーとか医薬機器メーカーが発言力を持つような形で韓国いっていますけれども、日本でもそういう可能性が出てくるんじゃないかと。
     そうすると、結果的に、その医療機関あるいは施設が、これ高額医療費、高額の医療機械ということになりますから、この日本の医療機関そのもの、先ほど施設の話されましたけれども、相当厳しくなるんじゃないかと思うんですけれども、その辺、専門的な見地からお答えをいただければ幸いでございます。
    ○公述人(原中勝征君) 今は中医協というところで医療費を決めております。ところが、実際問題として、この前のC型肝炎の薬なんかはその会議の朝に来て、前もっての情報が全然なくてそのまま九万円、八万円、これを九十日やる。これ、日本でC型肝炎が五十万人いる。合わせてみるとどのぐらいか。それから、今度の新型制がん剤ですが、七十四万円、一か月に恐らく二百五、六十万掛かるだろうと。これを年間にすると一兆円超すだろう、両方合わせると。ところが保険料が上がっていない。これをどこにいくんだというと、私はやっぱり、高額医療制度があって十万とか二十万戻ってくる、それであとは全部組合から戻ってくるという制度があります。ところが、恐らくこれがどんどん上げられていくだろうと、恐らくそれで枯渇してしまいますから、だからそういうものは上がるだろうという、それから、保険料が収入によってもっと上がってくるだろう。私は思うんですが、今医療費が四〇%です。ところが、高い薬がどんどん入ってきた場合に、私はTPPは日本の国民保険を壊さないだろう、なぜならこれを利用するだろうということを書いたことがございます。まさに今そういうことになってきているのではないかというふうに思います。
     高額医療費のことは恐らくこれから問題になると思いますが、新型制がん剤の値段を一つ見ても、イギリスの値段の五倍、アメリカの値段の二倍しているんですよ。今度五〇%落とすと今日テレビに出ていましたけれども、もっともっと高い。
     それから、薬が一般的には物すごく、外国と比べて三割以上高い。これをやっぱり考えなきゃいけないだろう。今、入院料に全部薬を含めるというので、例えばうちの病院なんかの場合は、保険から落ちる薬の総額と薬屋さんに納める総額を比べると約二百万円損しています。損してというか、それは入院料に入っているよと言われてしまう。そういう時代になってきている。これがだんだん広がってきたときに、私は倒産する病院がいっぱい出てくるだろうというふうに危惧しております。
    ○藤田幸久君 先ほど、農業は日本のGDPに比して一%か二%、しかしながら、それが実際に庶民あるいは患者さんになってくると大変だということで、乳がんあるいはほかのがんの話もされましたけれども、そもそもこの遺伝子組換え食品、アメリカのモンサントとかデュポンとかいうところが話題になっておりますが、これ元々農薬のメーカーですね。その農薬のメーカーが結局種子とか種の特許を持っていて、これ、ほかの国でそういういろんな農家の方々が種子の情報を共有するということが禁止されてしまう、場合によっては犯罪になってしまうと。
     そういうことになってしまうと、これ元々農薬から始まって、そういう形で庶民のところに、先ほど表示も十分されていないという話でございますけれども、その辺のことについてもう少し詳しくお話しいただければと思います。
    ○公述人(原中勝征君) はい、あの……
    ○団長(福岡資麿君) 済みません、指名を受けてから御発言ください。
    ○公述人(原中勝征君) はい。
     遺伝子組換えですけれども、今、遺伝子組換えを使った実験がフランスで行われまして、遺伝子組換えの大豆を使ったマウスが八〇%がんが出る。それから、今、日本に入っているものは、トウモロコシ、大豆、カナダの菜種、それからオーストラリアの綿花、これが遺伝子組換えで入っていますが、食べ物にした場合に非常に免疫力が落ちる、それでがんの恐らく促進因子になっている。いろんな問題が起こっております。
     これをもし駄目だというと、TPPではISDS、ISDの条件があって、じゃ、本当にその薬で、その食べ物でがんに出たかという証明しろと、証明しなければ損害賠償しろということになってしまう。だから、非常に、モンサントの場合には、今度は北海道に今農場をつくりまして、国内品だと言って売り出しています。こういう危険なものをどういうふうに抑えるかということはやはり大変なことで、TPPに入ったら非常に抑えることが難しくなるだろうという危惧はしております。
    ○藤田幸久君 少し保険関係のお話をお聞きしたい、これも原中公述人にお聞きしたいと思っておりますけれども、結局、公的保険料が、今自己負担がだんだん高くなってしまう可能性があるという部分と、それから例えばかんぽ生命が金融庁の下で民間の保険会社と同じような規制を受けるというような形になってきますけれども、そうすると、そういういわゆる医療関係の保険と、それから例えばかんぽ生命なんかもそうですけれども、そういう様々な保険の分野においても影響が出てくるんではないかと思います。その辺について。
    ○公述人(原中勝征君) 分かりました。
     過去に、日本に生命保険会社がいっぱいあるにかかわらず、まず入院保険、それからがん保険というものがアメリカンファミリーとアリコジャパンだけに十年間売らせたんです。日本の国は入っちゃいけない。今度の恐らく高額医療に関しては、同じようにアメリカの会社が私的保険を売るに違いない。というのは、今は健康保険でやっていますけれども、やがてパンクしてしまう。そうすると、この薬はもう保険には入りませんという薬がどんどん出てくる、そして混合診療が認められてくる。そうした場合に、当然、お金の持っている人は私的な保険に入ってきます。そのときに邪魔になるのが、要するに共済保険の安い保険料です。だから、共済関係は全部潰してしまえということが郵政省が一番最初やられたことなんですね。
     そういうことをずっと考えてくると、私は、医療費もやがて枯渇してくる、もう枯渇直前ですが、それをどうするかということを本当に真剣に今考えないと続かなくなると思います。物すごく質が悪くなってくる、幅が狭くなってきて、混合診療がどんどん多くなってくる、そんな気がいたします。
    ○藤田幸久君 ありがとうございます。
     じゃ、横田さんにお聞きしたいと思いますが、横田さんが書かれた論文あるいは引用されている論文の中で、JAの出荷では割高な農薬とか販売手数料、農協の改革が必要だということをおっしゃっておるんですが、実は、最近、政府の規制改革会議の方で農協改革について提言が出ていますけど、それに対して農協の方は、真に農業者の立場に立った改革ということについてやっていると。
     基本は、農協というのは御承知のとおり民間企業であります。そうすると、例えば茨城でいうと、例えば住友金属とか日立製作所に対して分社化しようというふうに政府が言っているような話だろうと思うんですが、そうすると、民間企業に対して分社化しろと言われているということについてどうお考えになりますか。
    ○公述人(横田修一君) 私もちょっと全体的なことはよく正直分からないところもあるんですけれども、ただ少なくとも、今議論されているようなJAの分社化とか、若しくは肥料、農薬が少し高過ぎるんじゃないかみたいな議論は、僕はちょっと必ずしもそうじゃないんじゃないのかなというふうには思っています。
     私も、一方でJAへの出荷は実はお米はしていないんですけれども、決してけんかしているわけではなくて、やっぱり自分の経営の中でどこがより有利なのか、自分の経営にとってどこが、どういうふうに付き合うのがいいのかということを私なりに選択をさせていただいてお付き合いさせてもらっているところもありますので、そういう考えで付き合えばいいというのもありますし、JAさんも、それは現場の単協の担当者から全農の方までいろんな立場の方いらっしゃいますけど、それぞれの立場で頑張っていらっしゃって、もちろん変えていかなきゃいけない部分もあるんだと思うんですけれども、必ずしも、大きい組織なので自分たちの力だけでなかなか変えにくいところもあるんでしょうが、周りからの圧力も大分高まっています。
     それは、国からもそうかもしれませんし、農家側からの圧力も掛かっているんじゃないかと思いますので、それは僕は非常に、中にいる人たちもかなり問題意識を持っているので、僕は、こういう状況になってくれば変わってくれるんじゃないのかなというふうに僕は期待して見ているところです。
    ○藤田幸久君 そうしますと、期待して、農協の方もそうおっしゃっていると。
     そうすると、先ほどから横田さんがいろいろ大変なサクセスストーリーを、経験言っていただいて大変感動したわけですが、TPP、今回これが成立するか否かということ以外の次元のお話の方がかなり多くを占めていて、ですから農業の関係者、横田さんのような六次産業化的な経営能力を持った方、あるいは農協、あるいは個々に、おじいさん、おばあさんでやっているようなところも含めて、農業者全体としていろいろ協力しながら自助努力をしていただくということが一番重要かなというふうに印象で伺ったんですが、そういうことでしょうか。
    ○公述人(横田修一君) おっしゃるとおりだと思います。農業、本当に多様性があって、以前はそれこそ農地解放みたいなときに、恐らく小さい、たくさん農家ができて、ある意味スタートライン一緒だったのかもしれませんけれども、やっぱりそれは地域性とか、若しくは経営者の経営戦略などによって規模も変わってきたり、個人経営や法人経営、いろいろ多様性があって、若しくは生きがいとしてやる農業も僕は非常に大事な農業だと思っていますけれども、いろんな多様性があってこれしかるべきで、ただ、それをそれぞれがやっぱり自分の立場で自分のできることで最大限努力していくということが僕は絶対に求められていると思っていますので、それの上で、もちろん自分たちの努力だけでできない部分は、それは行政だったりJAでもそうですけれども、いろいろなところに手助けしてもらう必要あると思いますが、基本的には僕は自分でそれぞれの立場で頑張っていくべきではないかなというふうに思っています。
    ○藤田幸久君 ありがとうございます。
     原中公述人にもう一つ。今日、アメリカの議会の皆さんに出された手紙を拝読して、大変感動いたしました。先ほど来、水戸黄門様から何かお叱りをいただいているような、国会議員の一人として感じておりますけれども、その最後の部分ですね、手紙の、我が国の問題は民主主義が成長しない風土と政治の世界の貧困さ、私も大変反省をしておりますけれども、次の行で、TPP始め海外派兵は決してアメリカにとっても得策ではないことを理解されることをお願いいたしますとあります。
     私、たまたま七月の末にアメリカの民主党大会に出席をいたしました。トランプさんに対してサンダースさんが戦っている戦いの印象が強かったんです。サンダースさんのいろんな政策、例えば、最低賃金の引上げとか、あるいは大学の無償化とか。最後はヒラリーさんも、その大会の後は、TPPは自分が大統領になって、後でも反対をすると。TPPがそのモンサントとかそういう形で保険会社とかアメリカのそういう意向で動いてきた面に対して、デトロイトを見てもやっぱり雇用が失われてしまう、これはFTAの関係とかNAFTAの関係とか。そういう中で、庶民の生活が苦しんでしまうと。したがって、そういったものには市民の皆さんが反対していこうという部分でのトランプさんとサンダースさんの戦いのような印象を受けたんです。
     それを踏まえてこの文章を読みますと、このTPPを始め、ということはアメリカにとっても得策ではないことを理解されることをお願いいたしますというこの手紙が、サンダースさんなり、あるいは今回のトランプさんなんかにも通じた面があるのかなという印象を持っているんですが、手応えはいかがでしょうか。
    ○公述人(原中勝征君) アメリカに行きましたときに、日本の農協の会長に当たる人、数団体に分かれておりまして、日本とちょっと違いましたけれども、米を生産する組合の会長さん、それから、そのほかに、さっき言いましたように十五人の民主党、それから共和党、それから通商産業、そういう人たちと話をしたときに、本当にTPPはあなた方の発案かと聞きました。こんなことやっていいのかと聞きました。あなた方がこのままいったら、CIAの研究所ですら日本はアジアの真ん中ぐらいより下になると言っているじゃないかと、そこまで日本を苦しめて日本から搾取することが正しいと思うかという質問をしました。
     そのときに、国会議員の人たちは、そこまで落ちるか、日本はもっと強いじゃないかという意見が強かった。でも、農業の会長さんと、それからもう一人、ちょっと忘れましたけど団体の会長さんは、はっきり言ったのは、最終的に、さっきほかの証人が言いましたように、食べ物がなくなったら一番弱くなるのはおまえらだと。自分たちは、ウィスコンシン大学の教授が言ったように、食べ物をまずアメリカから一〇〇%輸入するような形を取ろうじゃないかと。そうしたら、日本はアメリカの言うことをもっと聞くようになるということを言っているよという話をしていました。
     だから、私は、本当に我々すら知らないことがアメリカでどんどん起こっている。それで、それを日本が、アメリカが提案したことを、アメリカというのは数人の、恐らく日本と同じように政権を動かしている人がいると思うんですが、そういう人たちの案を、一生懸命になってそれを実現しようとするのは日本だということをはっきり言っていましたので、私は非常に危険だというふうに感じました。
     このことは、私が行くちょっと前に安倍さんが総理大臣に選ばれて、何か月前かに行った、そのときにワシントン・ポストは僅か一行しか書かない。ところが、朴大統領に関しては五段抜きで書いた。わざといつも脅すという手法を取ったんだろうと。私が行った記事はワシントン・ポストの四段記事で載りました。やはり、国を、独立国として自分たちの歴史を守るというのは当然のことだというふうなことを同意していただきました。
     これがどういうふうになるか分かりませんが、こういうことを理解してくれということを、帰ってきてこの手紙を書いた。例えば、沖縄の地位協定にしたって、ドイツもイタリアも独立したときにもう廃止したんですよ。だから、あんなことは起こらない。だけど、どうして日本はそれを廃止しないんだということもずっと話をしてきましたので、この手紙に書かせていただきました。
    ○藤田幸久君 それで、その結果、今回、トランプさんの勝利あるいはサンダースさんの人気は、こういう流れかなという印象を持ったんですが、その辺の手応えはいかがでしょうか。
    ○団長(福岡資麿君) 原中公述人、時間が参っておりますので、簡潔に御答弁をお願いします。
    ○公述人(原中勝征君) はい、分かりました。
     今、世界中が閉塞感に襲われていると思います、経済的にも、全てにおいて。だから、私は、世の中が変わらなきゃいけないというムードが出てきている、それが、やっぱり日本にだけが届いていないという気がいたします。
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