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  • 【2016年5月20日】

    活動報告

    2016年05月20日

    G7伊勢志摩サミット、第6回アフリカ開発会議(TICADⅥ)及び「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」に向けた我が国の開発政策に関する決議

     

    G7伊勢志摩サミット、第六回アフリカ開発会議(TICADⅥ)及び「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダ」に向けた我が国の開発政策に関する決議(決議版・案なし)
     本年は、我が国の外交、国際開発協力及び国内の諸政策の向上を図る上において歴史的な年である。五月二十六、二十七両日にはG7サミットが我が国伊勢志摩の地で、また、八月二十七、二十八の両日には第六回アフリカ開発会議(TICADⅥ)が初めてアフリカ、ケニアの地でそれぞれ開催されるほか、昨年十二月、国連気候変動枠組条約第二十一回締約国会議(COP21)で採択された「パリ協定」を踏まえた環境・気候変動への取組も本格的にスタートする。昨年十二月にはASEAN経済共同体が発足し、六億二千万人の欧州共同体を上回る巨大市場が誕生した。一方、未曾有の東日本大震災と福島第一原発事故から五年目の節目を迎えた中、熊本県などで大規模地震が頻発し、多くの人々が生命や生活の基盤を失うなど、人間の安全保障の実現を世界に訴えてきた我が国の真価が問われる年でもある。
     加えて本年は、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダ」(二〇三〇アジェンダ)がスタートする。これは、「人間、地球及び繁栄」のための行動計画であり、「我々の世界を変革する」ための「誰一人取り残さない」ユニバーサルかつ包括的なアジェンダである。この実現には、旧来の「南北」の二分法を乗り越え、全ての国・地域、市民社会、民間セクター等あらゆるステークホルダーによる支え合い、学び合いの新たなグローバル・パートナーシップが必要である。
     昨年、戦後七十年を迎え、世界平和への貢献を改めて誓った我が国は、平和憲法や人間の安全保障、二〇三〇アジェンダを踏まえ、国の在り方を自ら省み、自己改革をなすことを通じて世界に範を示しつつ、こうした諸課題への取組における牽引役として、グローバルな役割を積極的に果たすべきである。
     政府においては、以上を踏まえ、我が国の国際開発協力及び国内諸政策に関し、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。
    一、持続可能な開発への取組の基本姿勢
      持続可能な開発とは経済、社会、環境において「将来の世代のニーズを満たしつつ、現在の世代のニーズも満たす開発」と定義される。そもそも開発とは「開発(かいほつ)」に由来し、人々が各自の可能性を内発的に開花させ、生産的かつ創造的な人生を営むことができるような環境を創出することである。人々の生命保護と能力向上により全世界を「恐怖と欠乏」から解放しようという人間の安全保障の理念は、日本国憲法の理念にも相通ずるものである。こうした理念をいかしながら、政府はユニバーサルな十七の「持続可能な開発目標」(SDGs)及び百六十九のターゲットを含む二〇三〇アジェンダを完全に実現していくために指導力を発揮すべきである。その際、政府は、市民社会等マルチステークホルダーとの対等なパートナーシップに基づき、全国民の参加を促進しつつ、政策立案、実施、モニタリング・評価、説明責任と透明性の確保に全力を挙げて取り組むべきである。
    二、貧困削減、格差・不平等の解消及び適切な雇用の確保
      貧困・格差問題は全世界的な問題であり、持続可能な開発の最優先課題でもある。絶対的貧困層が世界人口の六分の一に上る一方、世界の富の半分を百人以下の人たちが独占しているという分析もある中で、我が国についても、人口の六分の一が相対的貧困状態にあり、ジニ係数はOECD諸国中十番目に高いことが指摘されている。二〇三〇年までに世界の絶対的貧困層を削減し、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある全ての年齢の人々、特に女性、子どもの割合を半減させるという目標を実現するため、質の高い雇用を生み出す産業の振興、ジェンダー平等の実現、公平な社会の実現に資する税制や社会保障制度の構築など、国内外において必要な施策を講ずるべきである。
    三、飢餓の削減と過剰な生産・消費の抑制
      世界ではいまだに約八億人弱が飢餓状態にある。一方、我が国は世界の年間食糧援助総量三百二十万トンをはるかに上回る六百四十二万トンの食料を廃棄している現状にある。政府は、国連が二○三○年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させる目標を掲げていることを踏まえ、SDGsが唱える生産性向上、生態系維持、災害適応能力向上、持続可能な食料生産システム確保などによる「足るを知る経済」、「少欲知足」型社会への転換を促す取組を進めるべきである。
    四、テロ、紛争への平和的対応、及び日本在住外国人への包摂的対応
      自由、民主主義、法の支配、人権等が人類普遍の価値として広く認識される一方、テロリズムが世界的に多発し、国際社会への脅威となっている。テロへの対応や紛争解決に当たっては、司法や法執行、外交など武力によらない手段を第一とすべきであり、平和憲法を有する我が国は、引き続き非軍事的な貢献を行っていくべきである。テロや紛争の根底にある貧困・格差や移民等へのあらゆる差別等をなくし、社会的包摂に取り組むほか、我が国に居住する外国人についても、多文化共生のために基本的人権に留意した措置を講ずるべきである。さらに、人道主義の見地から、難民の受入れについても国民的議論を積極的に進めるべきである。
    五、地球温暖化・気候変動への取組及び持続可能なエネルギーへの転換
      我が国は、世界の気候変動問題への対応に当たり、「京都議定書」の取りまとめにおいて、リーダーシップを発揮した。引き続き、我が国がこの問題への対応においてリーダーシップを発揮し、世界に貢献していくため、昨年合意した「パリ協定」に基づき、二〇三〇年度までに二〇一三年度比で温室効果ガス排出量の二十六%削減に取り組むとともに、環境問題について有する知見と経験を、国際開発協力等を通じて世界に広めるべきである。また、気候変動によって深刻な影響を受けている太平洋島嶼国については、太平洋・島サミット等を踏まえ、「太平洋環境共同体」の更なる推進に向けて努力する。気候変動の要因緩和と対策能力の抜本的な強化が求められる。陸上での生態系保持と森林保護、砂漠化防止、深刻な水不足への対応など環境における十全の措置を講ずるべきである。さらに、気候変動を踏まえた持続可能性の観点から、二酸化炭素を大量に排出するエネルギーから水素、太陽光、風力、地熱、波力等を活用した再生可能エネルギーへの転換を図っていくため、安価でかつ信頼できる供給を実現する支援等も含め、必要な措置を講ずるべきである。
    六、防災への更なる取組と世界的リーダーシップ
      災害に対する我が国の知見や経験を世界と共有していくため、昨年開催された国連防災世界会議において策定された「仙台防災枠組二〇一五―二〇三〇」の目標実現に向け、十全の努力をすべきである。同時に、現下の課題である東日本大震災からの完全復興や熊本地震の救援・復興に早急に取り組むとともに、今後予想される東南海地震や首都直下型地震への「人命・暮らし・健康と、個人・企業・コミュニティ・国の災害リスク及び損失の大幅な削減」など、防災において世界を牽引すべきである。
    七、質の高いインフラ投資とインフラ危機への対応
      我が国ODAの強みの一つに経済インフラの整備が挙げられ、それらはアジア諸国等途上国の開発に大きく寄与してきたとされている。今後、ODAに限らず、民間やその他公的資金(OOF)等においても、包摂性、持続可能性、強靱性を兼ね備えた質の高いインフラ投資を進めるため、「環境社会配慮ガイドライン」の義務化に向けた取組を進めるべきである。他方、我が国のインフラも老朽化などにより抜本的な対策が急務となっており、その維持管理・更新には膨大な予算を要するおそれがあることを踏まえ、技術革新による長寿命化など、インフラの質の向上を図る。一方、自然環境が有する多様な機能を活用するグリーンインフラも重視すべきである。また、我が国同様の危機は他国でも想定され、我が国の教訓を踏まえた質の高いインフラ投資が行われるよう働き掛けていくべきである。
    八、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを中核とした保健分野への支援の推進
      我が国は、九州・沖縄サミットで世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)の設立に寄与する等、国際保健分野の政策で世界を牽引してきた。G7伊勢志摩サミットでも同分野において引き続き指導力を発揮すべきであり、特に、万人が安全で効果的かつ質が高く安価な保健サービスにアクセスできる、誰一人取り残さない「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」(UHC)を実現するため、現地コミュニティとの対話に基づく実効性ある制度が構築されるよう、建設的な提案を行うべきである。また、グローバル化に伴う地球規模での新たな感染症の脅威が高まる中で、早期対処システムとその基盤となる保健システムの強化に取り組むべきである。国内外における保健危機克服のため、保健財政支出の増額、ODAの増額、国際機関への拠出増など、保健分野への投資を拡大すべきである。
    九、包摂的で質の高い教育の実現
      教育は、一人ひとりが自らの能力を開花させる、持続可能な開発の中心を成すものであり、基本的人権の一つである。「万人のための教育」(EFA)実現に向けて、「すべての人に包括的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」ために世界の八億人弱の非識字者の解消、障害者・少数民族、紛争下の人々等脆弱な立場に置かれやすい人々への包摂的で質の高い教育のための国際開発協力を行うべきである。また、我が国でも、貧困、障害、いじめ、外国人等様々な理由により十分な教育を受けられない人々が多数存在することに留意し、これらの人々の教育を受ける権利を保障する取組を強化すべきである。子ども・若者への投資の増大を図り、OECD諸国の中で最低レベルの教育への財政支出割合を、OECD平均水準に引き上げることを目指すべきである。
    十、少子高齢化対策を通じた持続可能な地域開発及び国際社会への貢献
      我が国の少子高齢化・過疎化は世界的に見ても高い水準に達し、深刻化している。他方、少子高齢化への取組の好事例も見られる。例えば、G7伊勢志摩サミット会場にほど近い大紀町では、高齢者が有機栽培に取り組み、自給自足、朝市による収入向上や健康増進、地域社会の強靱化に努めている。こうした活力ある高齢化の取組は我が国における地方創生としての面だけでなく、今後、同様に都市化や高齢化が進む途上国等にとっても意義深いものであり、「地元の智慧」の好例を世界に向けて発信すべきである。また、認知症への対応についても、医療面や地域での取組などの好事例を発信・共有することにより、国際社会の課題解決に貢献していくべきである。
    十一、アフリカにおける持続可能な開発の達成-TICADⅥに向けて
      アフリカでは、国際資源価格の下落による成長率の落ち込みや、感染症の流行、暴力的過激主義の拡大など開発を妨げる事象も生じている。我が国は、TICADを通じ、アフリカの人々のニーズを十分に把握し、誠実なパートナーとして支援を一層強化すべきである。資源依存経済からの脱却を図り、全ての人々に経済成長の果実が届くよう、国際開発協力、民間投資等に加え、学びと技術力を重視した包摂的で質の高い教育の普及、UHCの実現、草の根の力をいかした産業化の促進、所得分配機能の強化等の支援を積極的に行うべきである。また、アフリカ連合による「アジェンダ二〇六三」の採択に鑑み、TICADプロセスと調和させ、真の自立への支援を進めていくべきである。
    十二、持続可能な開発のための資金調達とタックスヘイブン、腐敗、汚職の防止
      タックスヘイブンや腐敗、汚職によって開発資金が適切に使われないばかりか、これらの行為が必要な資金を収奪し巨大な損失を与えていることが明らかになっている。法制度整備や国際的監視体制、ガバナンスを強化し有効な資金活用を図るべきである。加えて、SDGs達成のため、G7諸国が主導し、ODAの対GNI比〇・七%目標の達成に取り組むほか、地球規模での富の再分配と、人間の安全保障にのっとった国際開発協力を促進するために必要な資金を捻出することが急務である。そのために、国際連帯税等の革新的資金調達メカニズム等の設立を促進すべきである。
    十三、PDCAサイクル及び透明性の確保、説明責任と国民参加
      政府は、二○三○アジェンダ実現に向けて、政策の立案や実施、支出等の透明性の確保を果たすために、PDCAサイクルを実施し、グローバルなレビュープロセスに参加するほか、国民参加の下で同アジェンダを推進する司令塔の設置、市民社会等マルチステークホルダーとの包括的なパートナーシップの確保にしっかりと取り組むべきである。また、「二○三○アジェンダ白書」(仮)の刊行、「あいち・なごや宣言」の完全実施と「持続可能な開発のための教育」(ESD)の振興を図るべきである。また、我が国の持続可能な開発研究をリードし世界に発信するため「アジェンダ二○三〇拠点(連合)大学」(仮)の指定、科学技術研究予算の持続可能な開発分野への重点配分、持続可能な開発関連学会等との連携に取り組むべきである。本決議文がG7伊勢志摩サミットに十分に反映されるよう議論を主導すべきである。
      右決議する。

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