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参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会における藤田幸久の質疑議事録2015年09月02日
活動報告
2015年09月02日
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。
今日も、前回に引き続き、ホルムズ海峡機雷封鎖に関して主に質問をさせていただきたいと思います。
まず、資料に書きましたが、ホルムズ海峡封鎖に関する主な経緯を書いてみました。
それで、二〇一二年の九月でございますが、アメリカが主催した国際掃海訓練に海上自衛隊が参加をしております。それに関して、外務省が「イラン情勢(ホルムズ海峡をめぐる動き)」という資料を作成しております。
この資料に関しましては、七月十日に衆議院の特別委員会において、共産党の穀田議員が質問をした際に、その資料を使いながら安倍総理に質問をいたしました。非常に重要な委員会であったわけですが、その資料そのものを私は請求をしておるんですが、先週から。で、七月十日に穀田議員が使ったということは、もう二か月近くたっておりますけれども、昨日も外務省に請求をいたしましたが、資料が出てきておりませんけれども。
まず、その資料を出していただきたいということを外務大臣にお願いしたいと思いますが、今、出していただけませんか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の資料ですが、先週も、二十七日の日ですが、藤田委員の方から提出する要求があり、そして参議院の外務防衛委員会の理事会で協議いただくことになっていると認識をしております。
そして、この委員会においても、本日、今配っていただいたこの資料、三枚目に示していただいているようなこの資料、この資料を示した上で、理事会におきまして要求をされたというふうに承知をしております。外務省としては、引き続き今これ鋭意調査をしています。
それで、この御指摘、理事会でお示しいただいたこの資料ですが、この資料と同一のものは今外務省として確認はできておりません。そして、更に申し上げますと、この資料に取扱厳重注意というこれ文言が入っていますが、外務省の中でこういった書類の取扱分類は存在いたしません。そのことも含めて同一のものが、今、外務省、今引き続き調査、確認はしておりますが、今のところまだ確認をできていません。引き続き確認努力をしたいと考えています。
○藤田幸久君 事実の違いがあると思います。
私がこの資料をこの委員会に関して請求したのは昨日でございます。今日の理事会じゃないということ。それから、外交防衛委員会で、理事会でこの資料については話合いはされていないということですから、二つの点で事実関係が違っておりますので、訂正をいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、二十七日の外務防衛委員会で御指摘いただいたのはそのとおりだと思いますが、あのとき委員の方から、理事会の、資料の要求を続けられたと、要求されて、その資料について要求があり、そして、あのとき委員会において、委員長が理事会取扱いという判断をされたと私は記憶をしております。
そして、要求、先ほど理事会で今日これをお示しいただいたと申し上げました。それは説明が不十分だったと思います。委員が要求したのは昨日であり、そして、理事会において今日この資料をお示しいただいて、要求されたと承知……(発言する者あり)ああ、そうですか、お示しをいただいたと聞いております。そして、今日この委員会にもこれをお配りいただいて、私に出せないかという御質問をただいまいただきました。
それについては、先ほど申し上げたとおり、引き続きこれ確認をしておりますが、これと同一のものは外務省としてまだ確認できておりません。先ほど御指摘させていただいた点も含めて、同一のものがまだ確認できておりませんが、引き続きこの確認、調査は続けたいと考えています。
○藤田幸久君 まず、外交防衛委員会で、私は前日、資料請求をいたしました。答弁は、外務大臣自身が現在調査中であるというふうに答弁してありますから、その日じゃないということが一点と、この委員会においても、昨日、資料請求をしました。昨日、外務省から返事があって、そういったものは出せない、調査中だということでございましたが、事実関係が違っております。
それで、私の質問は、この資料と同一のものを探せと言っているんじゃなくて、七月十日に使われた資料を出してくださいと言っているわけですから、昨日今日の話じゃないと。
したがって、これは、今の答弁の訂正を含めてしっかりと調査をしていただきますように、委員長にお願いを申し上げます。
○委員長(鴻池祥肇君) 後の理事会で協議をいたします。
○藤田幸久君 その上で、この資料でございますけれども、お読みいただければ分かりますように、要するに、当時、外務省は、この真ん中の黄色の部分でございますけれども、イランが封鎖をするということは非常に可能性が少ない、経済的に得策でもないと、これは自分の首を絞めるようなことだというふうに外務省自身が認識をしていたということが一つと、それから、下の方ですね、これまさに、二〇一二年の九月にアメリカが主催の国際掃海訓練に参加をすることに対して、これは米国を敵と見ているイランとしては相当強い反応を惹起するので、むしろこれは慎重であるべきだということを外務省自身がこの資料で明らかに言っているということでございます。
したがって、そういう経過があったわけでございますけれども、その後に、今度、二〇一三年に、前回も質問いたしましたけれども、岸田外務大臣自身がイランの外務大臣と一緒に共同声明を出して、ペルシャ湾から太平洋に至るシーレーンにおける貿易及び航行の自由が重要であると、だから海上安全保障と航行の安全を確保することの重要性を強調したということがあるわけです。
にもかかわらず、昨年、ここに書いておりましたけれども、政府が十五事例の一つにホルムズ海峡の機雷掃海活動を入れた。そして、今年の五月のこの平和安全法制に、この集団的自衛権行使の二つの事例の一つとしてホルムズ海峡を入れたと。だから、こういう経緯があるにもかかわらず、具体的事例としてホルムズ海峡を入れたという経緯があります。
これに対して、毎日のように国会でホルムズ海峡、ホルムズ海峡と事例が出ているわけですから、ナザルアハリ大使がやむにやまれず外務省に行ったというのが前回も質問した六月八日でございます。
この六月八日と、それから前回も確認をいたしました六月十五日の日本とイランの局長協議、これは二回とも上村局長が相手をされたわけですが、上村局長、イランの大使の方からは、要するにホルムズ海峡を機雷封鎖する意図がないという発言があったというふうに聞いておりますけれども、そういう発言があったということを上村局長が聞かれたということで間違いないですね。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
六月八日と六月十五日、それぞれイランの在京の大使と、それからテヘランから出張されましたアジア局長と協議をしている、これは事実でございます。
その際、累次お答え申し上げていますとおり、ホルムズ海峡に関してお話がございました。私の方から、日本は特定の国を想定して今議論して、国会で議論されているのではございませんということでお答えをした、それが全てでございます。そして、向こうの方からは抗議の意あるいは遺憾の意というものが表されなかったということは御説明をしているとおりでございます。
○藤田幸久君 質問に答えてください。イランは、ホルムズ海峡を封鎖する、そういう意図はないという発言があったかどうか、それについてのみ答えてください。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
今申し上げましたとおり、この二つの事案のときに、先方の方からホルムズ海峡の問題についてお話がしたいということはございました。それで、私の方から先ほどのような御説明をしたと、こういうことでございます。向こうの方の、先方のそういう意図がないということにつきましては、大使の記者会見の場で述べられている、あの発言と同じようなものがあったのは事実でございます。
○藤田幸久君 つまり、イランの方で、そういうホルムズ海峡の機雷封鎖ということは意図がないというふうにおっしゃったということで間違いないですね。
○政府参考人(上村司君) イランからそういう意図がないということについては、確かに御説明が記者会見と同様のものがございました。
○藤田幸久君 それで、そうすると、今そういう意思表示があったということで、ということは上村局長は、向こうは特命全権大使でありますから、上村局長がそういう話を聞いたということは、日本政府として特命全権大使のその意思表示を聞いたということで間違いないですね。
○政府参考人(上村司君) そういう御理解で間違いないと思います。
○藤田幸久君 そうしますと、外務大臣は、八月の五日ですか、白議員が質問したときには、報告を聞いていないとおっしゃった。しかし、その後私が聞いたときには、六月のこの十五日の局長協議に関しては後で報告を聞いた。私が実は大使に会って、六月八日に、実は既にその前に上村局長と会っていた、それについては報告聞いていないとおっしゃった。
ただし、今、上村局長は政府として特命全権大使の意向を聞いたというふうにおっしゃっていますので、外務省として、そのイランの特命全権大使の、つまりイランは機雷を敷設する意図がないということを政府として、外務省として聞いたということで間違いないですね。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のような趣旨の発言をイランが行って、イラン政府あるいは大使を始めとする関係者が発言していることは、日本政府としても承知をしております。
○藤田幸久君 八月の五日に、これは白さんの質問に対して、御指摘の中身、具体的なものについて今承知はしておりませんとありますけれども、ということは、その段階では、イランのつまりそういう機雷封鎖の意図はないということは、その段階では承知していなかった。しかし、その後、実はそういう局長協議があった、あるいはイラン大使が上村局長に会ったという経緯を踏まえて、日本政府としては、イランがそういう実は意図を持っていると、それが外交の考え方だということを、後でそういったことに触れたということですか。
○国務大臣(岸田文雄君) イランがそういった趣旨のことを発言したことを知っているかという御質問でありました。そうした報告、さらには記者会見、様々な場でそうした意図はないという発言をされていることは承知をしております。
またさらに、御指摘になりましたが、一昨年十一月、イランの外相との間の共同声明においても、航行の自由、航行の安全、こういったものが大事だという発言をしている、これは当然承知をしております。そうしたことを承知していると申し上げたわけであります。
○藤田幸久君 今までの大臣の答弁の中で、六月十五日の日本、イランの局長級会議については、前回の質問に対して、聞いていないと、報告を、おっしゃっていて、今は、ただしそういった話があったということを政府として実は受け止めていたとおっしゃって、それでこの八月五日の答弁では、会議の中身、具体的なものについては承知しておらないと。
ということは、この少なくとも八月五日の段階ではイランがそういう意図を持っていたということは知らなくて、後になって、実はイランの特命全権大使がそういうふうにおっしゃっている、つまりイランはそういう機雷封鎖の意図がないということを今は承知しているということで、いつの段階になって、じゃ、イランの意図というのを承知したということになるんでしょうか。記者会見というのはその後ですから、七月の二十三日ですから。
○国務大臣(岸田文雄君) ですから、六月のその大使との協議においての内容についての報告は後ほど受けたということを申し上げました。そして、併せて七月に記者会見も行われています。そういったことを受けて、今現在、イランがそういった発言をしていることは承知をしております。
○藤田幸久君 では、二つお聞きします。
六月の八日のアフリカ局長とイラン大使との会談の報告及び六月十五日の日本・イラン局長協議の中身の報告、それぞれ、いつ、誰から報告を受けたか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 報告を受けたのは上村中東局長からであります。
そして、いつということについては、今たちまち手元がありません。ちょっと確認してお答えしなければなりません。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 藤田君、質問を続けてください。
○藤田幸久君 では、いつ報告をしたのか、局長。つまり、この二つの会談内容について、いつ外務大臣に報告をしたのか、その日にちを教えてください。
○政府参考人(上村司君) 申し訳ございません。ちょっと調べさせていただきたいと。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(上村司君) 申し訳ございません。お答え申し上げます。
八月五日以降に御説明をしておりますが、ちょっと具体的にこの日ということにつきましては、ちょっと調べさせていただきます。
○藤田幸久君 外務大臣は、つまり八月五日以前は、この二つの、六月中の駐日イラン大使が外務省で日本政府にお話をしたこともしたがって報告がなかった。それから、先週も岸田大臣が、イランが機雷封鎖をしないということはイラン大使のこの七月二十三日の記者会見等で知っているとおっしゃっていたわけですから、つまり八月五日以前はイラン政府が機雷を敷設する意図がないということは外務大臣は知らなかったということですね。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の六月の二つの会合の中身について報告を受けたのは八月五日以降であります。先ほど申し上げたとおりであります。しかし、イランがこうした機雷に関して何か意図を持っているというようなことは全く承知をしておりません。
そもそも、御審議をお願いしているこのホルムズ海峡においては、これは特定の国を想定して議論しているものではありません。あれ、沿岸国からいいましても、イランもあればオマーンもあります。そして、アメリカの第五艦隊の拠点を始め様々な拠点もあります。毎日多くの船舶が通過しています。
これ、ホルムズ海峡における事態について説明をし、存立危機事態との関係について説明をさせていただいているわけですが、それは、そもそも特定の国、イランとか特定の国を想定して議論をしたことはないと思います。これはあくまでも、ホルムズ海峡を例に挙げておりますが、これは特定の地域や国を想定して議論をしているんではなくして、ホルムズ海峡においてこういった事態が発生した場合に存立危機事態に当たる場合があるのではないか、こういったことを説明させていただいているわけであります。
○藤田幸久君 資料の四ページにこの記者会見のイラン大使の言葉が出ております。
つまり、イランは、機雷を敷設をする意図がない、イランを想定しているなら全く根拠のないことだというふうに記者会見をしておっしゃいますけれども、この内容について大臣はどういうふうに取っていらっしゃいます、この記者会見について。
○国務大臣(岸田文雄君) その記者会見の前から、我が国としてホルムズ海峡の例を挙げて議論をさせていただきますが、イランについて想定して議論をしているということは全くないと、特定の国を想定して議論しているものでないということをイランに対してもずっと説明をしてきている、こういったことであります。その中でこの七月の記者会見があったわけであります。
そもそも我が国として、イランが機雷を敷設する、そういったことを想定して議論をしていないということ、このことについて引き続きしっかり説明をしていきたいと思っています。
○藤田幸久君 今大臣はイランが機雷を敷設することを想定していないとおっしゃいましたが、イランは機雷を敷設する意図がないとおっしゃっています。イランがそうおっしゃっているということは間違いないですね。
○国務大臣(岸田文雄君) イラン側がそういった発言をされていることは承知をしています。そして、我々の議論は特定の国を想定して議論をしているものではない、これをしっかりと説明をさせていただいております。
○藤田幸久君 七月二十三日の会見というのは、七月十日に安倍総理がこんな発言をしているから七月二十三日に会見したんですね。それがこの二枚目の資料であります。安倍総理自身が、これ前もほかの委員会でも出しましたけれども、イラクが機雷を敷設……(発言する者あり)失礼しました。イランが機雷を敷設、それからイランの、掃海をと。具体的に安倍総理がこうやってはっきり明示をしているわけですね。
先ほど来確認をしましたけれども、局長からの報告は八月五日まで大臣に届いていないわけですから、大臣はそういった報告を受けずに、ですから、政府として共有していないから安倍総理がこういう発言をするんだろうと思いますけれども。
そもそも、今、国会において最重要事案であるところのこの法案の二つしかない事例のホルムズ海峡について特命全権大使が外務省に報告に来たにもかかわらず、あるいは意思表明にも来たにもかかわらず、局長が外務大臣に報告をしなかったのはなぜですか。局長に聞いているんです。局長がなぜ六月のこの二つの事例を八月五日まで大臣に報告をしなかったのか。これだけ大事な、国会で毎日行われている大変な事例のことを、特命全権大使のそうした外務省に来ての直接のそういう会見に対して、なぜ大臣に報告をしなかったんですか。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
中東アフリカ局は、イランとの関係を、例えば岸田大臣がイランに訪問されて以降ずっと、一三年秋に訪問されて以降、フォローしております。その共同宣言で、先ほどまさに藤田先生御指摘になりましたように、海運、海の自由、法の安定と、こういうものを共同宣言で高らかにうたっておられます。
したがいまして、我々は、イランがそういう意図を持っていないし、共同宣言にそういうことを書いてあるということにつきましては、もう一年半以上前から、二年近く前から、この中で大臣にも御報告をしておりますし、そういう意図を持っていないということにつきましては、常に大臣の勉強会においても御報告をしているところでございます。
○国務大臣(岸田文雄君) 八月五日以降に報告を受けたのは、六月のこの御指摘のこの会合についての中身、具体的な中身であります。
しかし、イランとの関係においては、ただいま局長から答弁がありました。イランのそうした考え方については情報を共有し、そして逆に、我が国としてイランに対して、我が国が今議論している平和安全法制は特定の国や地域を想定して議論しているものではないということ、これを再三説明をしてきた、こうしたことはしっかり行っていた中にあります。
そして、この七月十日において総理がどうしてイランを挙げたのか、これはこういった御指摘がありました。このことにつきましては、これ、この議事録、是非御覧いただきたいと思いますが、これは……(発言する者あり)いや、これはそれを、その七月十日、どうして総理はイランについて触れたのか、こういった質問がありました。
これをちょっと答えさせていただきますが、これは、質問者側からイランという国を挙げて質問がありました。質問の方から、ましてや戦時下の機雷掃海となれば、イラン側から無用な反発を招きかねない、こういった仮定の質問がありました。それに対して、総理は「いわば」とか「例えば」、これ、例えばは三回も使って、御質問、仮定の質問があったから、それに例えばという形で、仮定の形で答えているわけであります。
これはもう、質問者とのやり取りの中でこれはイランというものが出てきたわけでありますから、これ、そもそも政府として特定の地域や国、これを想定して議論しているものではないということ、これは間違いないことだと思っています。
○藤田幸久君 質問していないことについて、外務大臣、時間を使わないでください。
上村局長、さっきの答弁でなぜ大臣に報告しなかったということについて答えていないので、もう一度答えてください。答えていないですよ、さっき。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
先ほども申し上げましたとおり、イランの懸念、ではありません、イランの発言、この立場、これにつきましては政府部内で広く共有をされております。大臣にも常々御報告をしております。そういう中での意見交換の一環でございまして、私の方からそういう意図はないということを丁寧に御説明をした、これも政府全体の方針の中で六月に対応しております。そういう中で対応しておりますので、六月八日の分、それから十五日の分につきましては個々には御報告をしておりません、そういう趣旨でございます。
○藤田幸久君 前々から申しましているように、これ非常に中身が不透明であります。ですから、議事録の提出を、これは八月の初めから要求しているわけですけれども、まず、なおさらこれ議事録提出していただきませんとこれ審議が進まないと思いますので、是非、議事録の提出を再三にわたって委員長の方で取り計らいをお願い申し上げたいと思います。
○委員長(鴻池祥肇君) この件に関しましては継続となっておりますので、これも後の理事会において再度お諮りしたいと思います。
○藤田幸久君 局長、答えていませんよ、私の質問に。
なぜこれだけ重要なことを大臣に報告しなかったかについて、個々にとか形容詞は入れておりますけれども、基本的に述語として報告はしていないので、なぜ報告をしていないのか、それについて答えてください。
○政府参考人(上村司君) 何度も御答弁して申し訳ございませんが、大臣にはイランのこの基本的な立場、これについては常々御報告をしております。個々の事態については御報告をしておりませんけれども、イランがこういう海峡の自由に対してちゃんと約束している、これはもう明々白々のことでございますが、これについては御報告をしております。
したがいまして、個々の状況につきまして御報告をしていないということについて御答弁を申し上げた次第でございます。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
それでは、上村局長の答弁を……(発言する者あり)質問を先する。
その前に、お互い不規則発言につきましては十分注意して、この議場がスムーズに重要法案審議できますようにお取り計らいをお願いをいたしたいと思います。
じゃ、質問を先にやってください。
○藤田幸久君 つまり、イランは機雷を敷設する意思がないということを外務省全体で共有している、したがって報告をしなかったということでよろしいですね。それを確認お願いします。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
そのとおりでございます。
○藤田幸久君 にもかかわらず、つまり、共有しているというにもかかわらず、こうした事例としてホルムズ海峡を挙げた。そして、七月十日には安倍総理がこういった答弁をしている。
先ほどの外務大臣の答弁はおかしいです。これは、例えばというのは、これは最後の方で言ってあるので、安倍総理は「いわばイランが機雷を敷設」と言っているんです。しかも、今までのイランの立場を共有しているならば、イランは機雷を敷設しないと言っているわけですから、事例としてこれを挙げること自体が、安倍総理自身が断定をして挙げているわけです。例えばということは想定ですから、想定として、事例としてホルムズ海峡が入っているわけですから、今までの答弁と、つまり意思がないイランを例示している、想定しているということ自身が矛盾しているわけですから、これは、イランがそういう意思がないということを共有していると、政府として。ならば、こうした安倍総理自身がイランを例示として出すこと自体がこれはむしろ避けなければいけない。
それからもう一つ。仮にホルムズ海峡で機雷敷設するならば、これは領海国であるイランの許可が必要だろうと思うんですけれども、それは必要ないんですか。ホルムズ海峡において掃海活動行くならば、ホルムズ海峡が領海であるところのイランの許可が必要ですね。
○国務大臣(岸田文雄君) 基本的に領海国の了解は必要とされますが、これは様々なケースが想定されます。
そして、機雷の掃海は武力の行使として位置付けられるわけでありますから、その武力の行使と評価される行為をする際にどのような事態が発生するのか、それによって領海国の了解ということについても扱いは変わってくると考えます。
○藤田幸久君 六月一日の玄葉委員の質問に対して、領海を領有している国になると思いますとはっきり答弁しています、岸田外務大臣が。ですから、それと違う答弁でした。
要は、先ほど来、今日はっきりしたことは、日本政府として、イランが機雷を敷設する意図がないということを政府として共有していたということでございますので、イランが機雷を敷設するという可能性については立法事実がないということの確認でよろしいですね。
○国務大臣(岸田文雄君) イランとして機雷を敷設する意図はない、考えはない、こういった発言をされていることは我が政府として認識を共有しております。
ただ、そもそも、ホルムズ海峡を挙げた時点から、これは特定の国や地域を想定して議論をお願いしておりません。これは、領海国についてもイラン以外にもオマーンもあるわけですし、それ以外のアメリカの第五艦隊を始め様々なプレゼンスも存在するわけですし、そして多くの船が毎日通航しております。この武力の行使が誰に向けて行われるのか、これは様々なケースが想定されます。元々、特定の国を想定してこういった議論をお願いしているものではないわけであります。
○藤田幸久君 ホルムズ海峡を領海とする国、オマーンとイラン、二つしかございません。そうすると、少なくともイランに関しましてはこの敷設をする国として想定に入れないということですね。
○国務大臣(岸田文雄君) まさに特定の国を想定しておりません。イランが機雷を敷設をする意図はない、こうした発言を公にしていることは、我が国としてはしっかり承知をしております。
その上で、この法制自体につきましては、特定の国を排除するとか、この国を想定しているとか、そういった特定を行うことなくして議論をお願いしているという次第であります。
○藤田幸久君 つまり、まず、そういう説明があったということは承知しているとおっしゃいましたけど、先ほど来確認したことは、外務省としてイランがそういう敷設する意図がないということを確認したというふうに確認をしていただいていますので、今の答弁は違うと思います。
それからもう一つは、特定する、つまり敷設をする特定の国を想定していないとおっしゃっていますけれども、特定していない国の中で、当然イランは特定する対象から除外されますね。イランはそういう敷設しないということを言っているわけで、それを外務省は情報として共有しているわけですから、イランがその特定しない国の中には入らないということでよろしいですね。
○国務大臣(岸田文雄君) イランが自ら機雷を敷設する意図はないという発言を公にしている、これは承知をしております。そのことは、我が国政府としてしっかりと認識を共有しております。
その上で、この議論は特定の地域や国を想定してお願いしている議論ではありません。ですから、どの国を排除してどの国を入れる、そういったことは全く考えておりません。
○藤田幸久君 イランの意図を確認をしながらこうしたイランという特定の名前を挙げる総理、そして、そのイランという国を特定していない国から排除していないということは矛盾だろうと思いますし、いずれにいたしましても、イランが意図がないということを外務省が確認をしているということは、イランが敷設をするという立法事実はないと。したがって、このホルムズ海峡の事例というものの立法事実がないということを確認をし、そして、二つ資料請求をいたしましたので、資料二つの取り計らいについて是非委員長の方で計らいをいただきますことをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。 参議院我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会における藤田幸久の質疑議事録
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