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参議院外交防衛委員会における藤田幸久の質疑議事録2015年09月10日
活動報告
2015年09月10日
○藤田幸久君 おはようございます。民主党の藤田幸久でございます。
まず、冒頭で、今日は担当大臣お二人が安保特の担当大臣お二人とダブっておりますので、この今日の条約及びその安保法案と併せて、ちょっと冒頭で申し上げたいことは、私も二つの委員会にまたがっていろいろ資料請求をしてきております。いわゆる理事会で討議をいただいたものと、個々に大臣あるいは省庁にお願いをしてみたもので、もう一か月近くたっているのが四つあります。
一つは、七月十日、これは前回の外防委員会でも質問いたしましたが、七月十日に衆議院で穀田議員が資料として引用されたイラン情勢、ホルムズ海峡をめぐる動き、これ、七月十日から今日で二か月たっておりますけれども、出てきていないと。外務省の方から同一の形式、内容のものは存在がないと。それから、防衛省の方はいまだに確認中ですと。
それから、これも外防委員会あるいは安保特でもやりましたが、その六月十五日の日本・イラン局長協議の記録。これは、元々、初めは八月五日の白参議院議員の請求でしたけれども、私の方は度々質疑等で要求をしております。
それから、八月十二日、これは防衛省に前からお願いしておりますけれども、米軍ヘリの着陸失敗事例、これ、いまだにアメリカ側の方から公表がないので答えを差し控えたいということでございます。
それから、外務省のホームページ、歴史問題QアンドA、これ改訂中と言われた八月十四日から約一か月であります。
これだけのものが、情報を出さないということで、条約の審査をお願いしたい、あるいは重要法案をお願いしたいというのは、基本的に条約とか法案を院に対して審議をしてほしいという姿勢というか資格に欠けるんじゃないかと。したがって、まずその姿勢を改めていただかないと、私はその条約の審議、採決あるいは法案の審議、採決といったところに持っていくのはそもそも前提としておかしいんじゃないかと思いますので、是非委員長の方で、その行政府の姿勢についてまず改めていただいてから審議をしていただくということを是非お願いをしたいと思います。
○委員長(片山さつき君) ただいまの藤田議員の御指摘につきましては、先ほど理事会で民主党の代表の理事からも御指摘があり、私の方からも外務省に対して真摯に御要求に対応するようにということをお伝え申し上げております。
岸田外務大臣よりこの御方針についてお答えを願えればと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、藤田委員からいただきました御指摘につきましては、これ我々は真摯に受け止めなければならないと思います。委員会の審議に資するよう、提供できる資料につきましては最大限出させていただく、これが基本的な姿勢であると考えております。
それぞれにつきましては事情は説明させていただいております。今御指摘がありました。その中にあって、引き続き最大限努力をしていきたいと考えます。
○藤田幸久君 では、今日の審議、採決までに是非必要な資料を出していただくという前提で質問を続けさせていただきたいと思いますので、その理解の下で、委員長の方でお計らいをいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 最大限努力はいたします。しかし、それぞれにつきましては御説明をさせていただいていると存じます。
まず、最初に御指摘いただきましたイランに関する資料につきましては、様々な部内の資料を作っているということは事実ですが、御指摘のこの資料と同一のものは現在確認できていないということであります。
そして、二番目のイランとの局長級協議の資料ということにつきましては、これはイランとの間において非公開を前提としたやり取りを行ったわけですので、これは相手国との関係、あるいは今後の情報交換に対する影響等も考えまして、これは外交的な見地から控えなければならないということ、御理解をお願いしているところかと思います。
そして、三点目の外務省のホームページの改訂につきましては、引き続きしっかり精査をし、そして、できるだけ早い時点にこうしたホームページをしっかりとアップしたいと考えております。
○委員長(片山さつき君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(片山さつき君) 速記を起こしてください。
岸田大臣よりもう一度御説明お願いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) 今、現状については申し上げさせていただきましたが、その現状を踏まえて、引き続き最大限努力をいたします。
○藤田幸久君 では、採決、審議が終わるまでに努力をして結果を出していただきたいということを改めて要請して、そして今使った時間を、今後の答弁については簡潔にしていただきたい。よもや時間を無駄に使うことはやめていただきたいということで、あともう四十分しかありませんので続けたいと思います。
質問の順番を変えさせていただきまして、今のようなことになっちゃうと困るものですから、最近の国会周辺、この安保法案に関する国民の盛り上がりが国会の外で起きておりますので、先にそちらの関係の質問をさせていただきたいと思います。
資料をお配りしております。この中で、資料の四枚目にこの国会周辺の写真が出ております。これ、たまたま東京新聞で、一番分かりやすいのでこの写真を出しておりますけれども、主催者の方で十万人以上、そして警察の方で三万三千人と言われているわけですけれども、これに関しまして、次の資料の五ページ目及び六ページ目にこの主催者の方から麹町警察署に出された資料が出ております。
これを見てみますと、例えば五ページの一番下の方でございます。③というところでございますけれども、国会議事堂前駅のA1出口のエスカレーター、地上出口が警官に封鎖されたため、参加者は上ることも下ることもできず、人が後ろから詰めかけて将棋倒しになる寸前だったと。駅ホームまでいっぱいとなり、地下鉄が到着してドアが開いてもホームは満杯で降りることができないという状況だったと。こういう状況の中でも強引に地上出口への通行を阻止した警察官。
これは、そもそも地下鉄の駅の上で警官の方がこの閉鎖をしてしまったと、したがって、地下鉄から降りた方が外まで出られなかったという状況があるわけですけれども、この地下鉄の上を閉じるということについて、どのくらいの実際に駅で人が降りられなかったのか、したがって、次の駅の方で乗客が降りざるを得なかったのか。その辺の状況について、まず国交省から伺いたいと思います。
○政府参考人(水嶋智君) お答え申し上げます。
当日の状況でございますけれども、東京メトロの方に確認をいたしましたところ、電車のドアを開けられずに次の駅で降ろしたというふうなことはなかったと、少なくとも電車のドアはちゃんと開いておったというふうな状況であったというふうに聞いております。
○藤田幸久君 私の質問は、降りられなかったので次の駅で降りざるを得なかった人がどのくらいいたかと聞いたんで、ドアのことは今申し上げませんでした。
○政府参考人(水嶋智君) 当日の現場の状況でございますけれども、地下鉄が駅に入りましてドアは開いたと、その後お客様がどのような形で降りていかれたかということでございますけれども、大きな駅での混乱はなかったというふうにメトロからは聞いております。
○藤田幸久君 実際に駅で降りて、そしてホームから改札、改札から駅の方に出ようとしたけれども、エスカレーターの上の上がり下りもできなかったと。それで、非常に暑い日でしたから健康状態も崩して、将棋倒しになる寸前だったと。ここに書いてありますけれども、その辺の状況については確認されていないんですか。
○政府参考人(水嶋智君) 私どもが東京メトロの方に確認をいたしましたところ、まず国会議事堂前駅でございますけれども、これは、周辺の混雑ということで、警察の方からの要請を受けまして地上への出場可能な出入口については一時的な規制を行ったということでございますけれども、電車の運行の安全について、これは特になかったというふうに伺っております。また、駅施設内の旅客の安全にも大きな影響は生じていなかったというふうに聞いております。
国会議事堂前駅以外の永田町駅、その他国会議事堂周辺の駅の状況でございますが、こちらの方も、通常よりは混雑はしていたということでございますけれども、大きな混乱はなかったというふうにメトロからは聞いておるということでございます。
なお、溜池山王駅でございますけれども、このデモと因果関係は明らかではないんでございますが、お一人急病の方が発生したということはあったようでございまして、その方については緊急搬送の手続が速やかに行われたというふうに伺っております。
○藤田幸久君 この資料にも出ておりますけれども、今も、地下鉄の駅も警察の要請ということだったようですけれども、そもそも国会の正門前の道路、並木通りと言われているようですけれども、この一時開放と、それから鉄柵による仕切りの中止の要請をしたけれども、警察の方で鉄柵を設けたということでございますけれども、そもそも、警官がその駅の上を封鎖する、あるいは鉄柵による仕切りを設けるということを指示をした根拠法と、誰の権限で決めたのかについてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(斉藤実君) お答えをいたします。
警察は、警察法二条によりまして、個人の生命、身体、財産の保護と公共の安全と秩序の維持という責務を有しております。
こうした責務を果たすために、国会周辺で多数の方々による取組が行われるに際しまして、警視庁において車両、人の通行や参加者等の安全を確保するため、その時々の現場の状況に応じ必要な警備上の措置をとったところでございます。
御指摘のパイプ柵による仕切りでありますとか地下鉄出入口の一時的な規制につきましても、こうした観点から警視庁において必要な措置をとったものと承知をいたしております。
一方、誰の判断でというお尋ねでございますが、こうした個々の警備上の措置は、現場の状況やその内容に応じまして、しかるべき者が適切に判断をしているところでございます。
いずれにしても、警視庁としては組織的に対応したものと承知をいたしております。
○藤田幸久君 まず、先ほどの写真を御覧になって、警察の方で今回は、警察発表として三万三千人と発表したそうですけれども、ふだんは発表しない。なぜ今回、この発表というか、あるいはマスコミに情報を流したんだろうと思うんですけれども、誰の判断でそういう情報を流したのか、それから三万三千人というその根拠、それからどういう方法で三万三千人と判断をしたのかについてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(斉藤実君) お答えいたします。
警察では、多数の方々による取組が行われるに際しまして、雑踏事故等の防止を図るための警察活動に必要な範囲でその場にいる方々の数の把握に努めておりますが、御指摘のように、警視庁において警察発表として参加者の数を発表した事実はございません。
いずれにいたしましても、警察としては、全体の参加者の数を発表する立場にはございませんで、あくまでも警察活動に必要な範囲で特定のエリアの一時点における人数の把握に努めておりまして、それぞれの現場に応じた方法で人数の把握をいたしているところでございます。
○藤田幸久君 つまり、流したんだろうと思うんですね。
それから、今、必要な、一時的とおっしゃったけれども、国会周辺ということを言い訳をしたようですけれども、したがって、国会周辺ですと、この写真に写っている並木通りだと三万三千人かもしれないけれども、先ほど溜池山王の話もありましたけれども、日比谷公園から、永田町から降りられずに降りた方々も含めますと、これは相当の数だろうと思うんですけれども、今、必要な地域、一時的とおっしゃったのは、いわゆる国会に直接隣接をしているところの瞬間的な数字ということでよろしいですか。
○政府参考人(斉藤実君) 先ほども申し上げましたとおり、あくまでも雑踏事故等の防止を図るための警察活動に必要な範囲ということでございまして、具体的にどこの範囲というのは申し上げにくいのでありますが、基本的には国会周辺を中心とした数というふうに理解をいたしております。
○藤田幸久君 国会周辺のということですね。ですから、それが三万三千人で一時的だというふうに、そういうふうに説明をしていただきたいというふうに、今後、思います。そういうふうな、少なくともマスコミが警察がそういうふうに言っていたと言っているわけですから、そういう限定条件があったということを、後でやっぱり市民の生命、財産、安全ということを考えるならば、今後のこともあるわけですから、これから来週に向けて、是非それをはっきりしていただきたいと。
それから、参加者の救護等に当たっていたお医者さんや看護師さん等がたくさんいたようですけれども、いわゆる気分を害された方を診察するために、警護車両の間に、そういう患者さんを診るような車を間に入れてほしいという要請をしたけれども、警察が断ったということですけれども、これは誰の判断で断ったんでしょうか。
○政府参考人(斉藤実君) お答えいたします。
一般的に、緊急時の対応あるいは安全確保等の観点から、警備のために配置をしております警察車両の付近への駐車について必要な調整を行っているわけでございまして、今回も警視庁におきましては、こうした観点から、別の場所に止めていただくように必要な調整を行ったというふうに承知をいたしております。
○藤田幸久君 別の場所というのはどこですか。どのくらい離れていますか。
○政府参考人(斉藤実君) 国会の前というふうに承知をいたしております。
○藤田幸久君 国会の前というのはどこですか。
○政府参考人(斉藤実君) 国会側の憲政記念館の前の車道上というふうに認識をいたしております。
○藤田幸久君 憲政記念館というのは国会の向かい側ですよね。
○政府参考人(斉藤実君) 申し訳ございません。憲政記念館の反対側の国会側、国会側の車道上というふうに認識をいたしております。
○藤田幸久君 それからもう一つ、大変暑い日だったわけですが、多くの警察車両がアイドリングを続けていたと。それで、そのアイドリングをストップするように、これはつまりアイドリングを続けるということは、やっぱりその排気ガスの問題もあるし、周りにいるだけで相当暑いと。それを要請したけれども、断ったと。これは誰の権限でアイドリングを、一部かもしれませんけれども、ストップするのを断ったんでしょうか。
○政府参考人(斉藤実君) 警備のために配置をしております警察車両につきましては、事故やトラブルの発生等、緊急時に迅速に対応をするためにアイドリングを続ける必要がある車両もあるものでございまして、どうかその辺は御理解を賜りたいと存じます。
○藤田幸久君 ある車両として、ない車両についてなぜストップできなかったんですか。
○政府参考人(斉藤実君) 具体的には全ての車両がどうであったかについては確認ができておりませんが、必要があるものについてアイドリングを続けたというふうに承知をいたしております。
○藤田幸久君 では、これからまた来週にかけて、それから夜もそういう可能性があるという中で、本当に先ほどおっしゃったような皆さんの生命と安全を守るということであるならば、そういう方々の安全を是非守ってほしいと思いますので、必要のない車についてはアイドリングをストップをするということと、今後予定される集会で、市民の安全確保のために現場で責任と権限を持つ担当者、これは警察庁の責任で誰か決めていただいて、かつ、いわゆる主催者側と現場で話ができる人を指名をして、そういう方を設けていただいていろんな事態に対して対応できるような、そういう体制を取っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(斉藤実君) 現状におきましても、現場において主催者側と意思の疎通をする責任者が配置をされていると思いますが、いずれにいたしましても、警察としては、今後、車両や人の通行、あるいは参加者や通行者の安全を確保すべく適切な警備措置を講じてまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 では、そういう担当者が誰であるかということを私の方にお伝えいただきたいと思います。
と申しますのは、この三十日の場合に、少なくとも国会議員十六名がたすきを掛けて現場におりました。先ほど来申しております事例の現場にも国会議員自身がいたわけです。それで、皆さんがたすきを掛けて、過剰警備監視国会議員団ということで十六名、政党の党首も元総理もいたわけですね。
そういう方々も含めて今の情報がございますので、今の例えばアイドリングが必要でない車両についての対応と、それから現場のどなたが対応をするのか、窓口を、これは安全管理のために非常に重要ですから、ましてや先ほど来のお話で現場の裁量が非常に大きいということですから、是非私の方にお伝えをいただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(斉藤実君) その点につきましては、現場の警備を担当する警視庁と調整をさせていただきたいと存じます。
○藤田幸久君 もう一つ、これは別の、七月十六日のようですけれども、年配の女性が体調を崩して道路に倒れ込んだと。そうすると、警察官がその女性を無理やり引きずり回したので、病人を動かさないでほしいというふうに要請をしたと。そうしましたらば、警視庁の腕章を付けた私服警官が女性を守ろうとした実行委員の腕をねじり上げて女性から引き剥がそうとしたと。この件に関しましては警備課長が後で対応の間違いを謝罪したということでございますけれども、こういったことがないような対応をしてほしいと思いますが、こういう事例があったということは御存じですか。
○政府参考人(斉藤実君) 通告もございませんでしたので、確認ができておりません。
○藤田幸久君 いや、だけれども、当然警察庁とすれば、これ七月十六日の事例で、しかも警備課長ですかね、謝罪をしたというふうにありますので、知らないわけないんじゃないですか。
○政府参考人(斉藤実君) そこまで詳しい事実関係の報告は、少なくとも私は承知をいたしてございません。
○藤田幸久君 課長さんまで謝罪をしているような事例について警察庁が知らないで、これだけ何万人の人が、十万人の人が来ている中で、そういった事例すら把握していないということで本当に皆さんの警備ができるんですか。
○政府参考人(斉藤実君) 七月の十六日の話でございますので、改めて確認をさせていただきたいと存じます。
○藤田幸久君 国会で誰かが取り上げないと調べないということは、この数週間にわたりまして、七月ぐらいからです、もう二か月ぐらいたっている。それから、今週から来週にかけてもいろんな可能性がある。国民の皆さんの参加が随分増えている。ということは、今までのこういった様々な事例について調査していないんですか。
○政府参考人(斉藤実君) 日々様々な事象が起きておりまして、その都度報告があるものもございますし、ないものもございますが、先ほど先生御指摘の事実については直ちに確認をさせていただきたいと存じます。
○藤田幸久君 今私が申し上げましたのは、七月十六日の事例は八月十日にこの主催者から麹町警察署長宛てに出ている文書であります。
ということは、それすら報告がなかったということについての警察の責任と、それからそういった情報を把握していなかった警察庁の責任についてちょっと答弁をいただきたいと思います。これ、ちゃんと実際、文書あるんですよ、八月十日付けの。
時間止めてください。
○委員長(片山さつき君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(片山さつき君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(斉藤実君) 申し訳ございません。
私がその事実が確認できていないということでございまして、警察庁として報告を受けているかどうかにつきましては至急確認をさせていただきたいと存じます。
○藤田幸久君 警察庁としてそういう情報を受けているのに、国会で答弁するあなたが知らないということはどういうことなんですか。
○政府参考人(斉藤実君) 大変申し訳ございません。
その日以降に着任をいたしまして、今回御指摘の通告の事実につきましてはいろいろ確認をさせていただきましたが、その点、再度確認をさせていただければと存じます。(発言する者あり)
○委員長(片山さつき君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(片山さつき君) 速記を起こしてください。
警察庁斉藤審議官、再度御答弁お願いします。
○政府参考人(斉藤実君) 大変失礼をいたしました。
ただいまの発言につきまして、心よりおわびを申し上げます。
いずれにいたしましても、現在手元にその報告について資料ございませんので、直ちに確認をさせていただければと存じます。
○藤田幸久君 この出た文書以外も含めて、この数週間にいろんなことが起きていますので、それを網羅的に調査をして報告をしていただくことと、これから、今国会会期中あるいはそれ以降かもしれませんけれども、国会周辺、広い意味での周辺で起こり得ることについてどういう対応をするつもりなのか、それについて報告をしていただきたい、それから、担当者を決めていただきたい。その三つお願いしたいと思いますが、答弁を求めます。
○政府参考人(斉藤実君) 御指摘の点につきましては検討させていただきます。
○藤田幸久君 では、今の答弁に基づいて、その三つの要請について、是非委員長の方でそうしたしっかりした報告が警察庁の方からあるように取り計らいをお願いしたいと思います。
○委員長(片山さつき君) 後刻理事会で検討させていただきます。
○藤田幸久君 それでは、条約について一つ質問をさせていただきます。
本年六月にオマーンとの投資協定が署名されました。それから九月七日には、核問題での最終合意を受けて経済制裁の解除が決まったイランとの間で投資協定交渉が開始されています。
政府は、今後こうしたイランとあるいはオマーンとの交渉をどのように展開していくおつもりなのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(上村司君) お答えを申し上げます。
まず、オマーンとの投資協定につきましては、鋭意交渉を進めたいと思います。
イランとの関係につきましては、今後、核交渉の履行、それから、これが、イランとEU3プラス3との間でこの合意事項がうまく進んでいくか、こういうことも横目で見ながら、内容の詰めは別途鋭意行っていきたいと考えております。
○藤田幸久君 時間の関係で、ホルムズ海峡の機雷掃海の事例に関して質問いたします。
まず、今までいろいろ質問してまいりましたが、いわゆるホルムズ海峡事例の立法事実は何でしょうか、岸田大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) ホルムズ海峡をめぐりましては、中東における様々な情勢の中で様々な事態が想定されます。このホルムズ海峡周辺には、アメリカの第五艦隊の基地を始めアメリカの拠点、そして多くの国々、そしてオマーン、イランを始めとする領域国も存在いたします。こうした状況の中で、我が国としまして、我が国の存立あるいは国民の命、自由、そして幸福追求の権利を根底から覆す明白な危険が生じる場合等に備え、様々なこと、様々な事態を考えておかなければならない、こういったことから、この今法律の審議をお願いしている次第であります。
○藤田幸久君 立法事実、全く聞こえませんでしたが。
中谷大臣、今まで過去二回のホルムズ海峡における機雷敷設について、一つはイラン・イラク戦争のときのイラン、それから湾岸戦争のときのイラクと、二回あったと説明されていますけれども、今回のいわゆる事例に関して、この二つの国による敷設の可能性についていろいろと精査されたんでしょうか、中谷大臣。
○国務大臣(中谷元君) 今回の法制は、新三要件で我が国の対応を定めたものでありまして……
○藤田幸久君 いや、イラン、イラクについて精査したんですかという質問です。
○国務大臣(中谷元君) ホルムズ海峡に関しましても、特定の国が機雷を敷設することを想定しているわけではございません。過去二回、国際的な機雷の掃海活動があったということは認識をいたしておるわけでございますけれども、これは過去の事実として認識をいたしているということでございます。
○藤田幸久君 そんな中で、大分やり取りしてきましたが、資料の二ページ目御覧いただきたいと思いますが、これは、先週、安保特での質疑であります。この結論は、日本政府として、イランが機雷を敷設する想定はないと、そのイラン政府の確認をしていただきました。つまり、これはイランが機雷を敷設する意思はないということを政府が確認をしているということで、これは岸田大臣、間違いございませんですね。
○国務大臣(岸田文雄君) イラン政府関係者が様々な場で、イランは機雷を敷設する意図がない、こうした発言を明らかにしていること、これは十分承知をしております。
○藤田幸久君 意図はないということは、敷設する想定はないというふうに日本政府は認識していないんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国としましては、イランがそういった意図がないという発言をしている、これは確認をしております。それ以上のイランの意図について、日本政府として何か申し上げることはできないと思っています。
○藤田幸久君 つまり、意図はないと発言しているけれども、それ以上に可能性もあるという想定があるということですね。
○国務大臣(岸田文雄君) イラン政府の発言は確認をしています。それ以上について、何かこの意図について説明する立場に我が国はないと考えています。
○藤田幸久君 では、イラクが機雷を敷設する意図、あるいは想定についてはどう考えているか。これは中谷大臣にお聞きしたいんですが、今まで二回事例がある、イラン、イラクと。イランについては、少なくともそういう意図については確認をしている。イラクの可能性についてはどうお考えですか。
○国務大臣(中谷元君) 中東情勢というのは、現状においては、イラクにおいて内部で混乱をしている状況であるというふうに認識していますが、将来につきましてどのような事態が生じるかどうか、これにつきましても、特定の国が機雷を敷設することを想定しているわけではございませんが、我が国にとりまして、こういった中東からの原油また天然ガスの輸入、また安全保障環境が非常に厳しさを増す中で、この機雷の敷設によって我が国の存立を脅かすような事態も起こり得るということで、特定の国を念頭に置いたものではございませんが、機雷の敷設によって我が国の存立を脅かすような事態が起こり得るというふうに認識をいたしております。
○藤田幸久君 イラクの敷設の可能性についてのみお答えください。
○国務大臣(中谷元君) 現時点におきましては特段そういった確認ができているわけではございませんが、この法律は特定の国を念頭には置いておりませんけれども、将来生じ得るような対応等につきまして、そういった場合の我が国の措置としての対応を考えているということでございます。
○藤田幸久君 つまり、特段確認はしていないけれども、将来イラクというのも生じ得るということでよろしいですね、今の答弁ですと。
○国務大臣(中谷元君) 特定の国を想定したものではございませんが、過去二度にわたりましてイランにしてもイラクにしても機雷を敷設したという事実があったということは事実として受け止めたいと思います。将来に対して現時点で、特に個別の国がどうなるというような可能性を私は現時点で持っているわけではございません。
○藤田幸久君 今までの話聞いていますと、特定の国を想定しない、そして存立危機、シーレーン等々ということになると、例えば関門海峡が機雷敷設をされますと、これ日本の存立危機事態に陥りますね。いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) これは特定の事態また地域を想定したものではございませんが、関門海峡に関しましては、過去の答弁の中で、日本の周囲の海域で機雷が封鎖した場合に武力攻撃事態に陥る可能性があるというような答弁もございましたので、そういった我が国の武力攻撃に関する認識の中で述べられたことがあるというふうに認識しております。
○藤田幸久君 ということは、ホルムズ海峡という地形あるいは地域を特定せずに、日本のいわゆる経済的な存立も含めたシーレーンの危機を中心としたいわゆる存立危機事態に陥るというふうに表現しておけば、ホルムズ海峡も関門海峡も含めて、この要件として、事例としてぴったり成り立つんじゃないですか、今日の答弁を聞いても。
したがって、ホルムズ海峡と特定せずに、いわゆるシーレーン確保の観点と日本の存立危機に至るというふうな海峡というか、あるいは地域というふうに事例を整理をすれば、それで十分通用するんじゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) まず、これは特定の国を念頭に置いたものではありませんし、特定の二国間の関係とか国際情勢のみを念頭に存立危機事態を設けるものでもないわけでありますが、こういったホルムズ海峡に関しても特定の国が機雷を敷設することを想定しているわけではありませんが、その上で、我が国にとりまして非常に安全保障環境が不透明さを増す中において、法案の当てはめの具体例の一つといたしまして、ホルムズ海峡を擁する中東地域におきましてこの機雷敷設が我が国の存立を脅かすような事態も起こり得るということを御説明しているものでございます。
政府は、このように安全保障環境が大きく変わっている中において、国民の安全を守るために必要な自衛の措置とは何かを考えまして、あらゆる事態を想定して切れ目のない備えを行う責任がありますので、今回このような法案を提案をさせていただいたということでございます。
○藤田幸久君 要は、今日最初から最後まで、立法事実がまるでないということの証明であった答弁だろうと思いますので、要するに、ホルムズ海峡という地形を、あるいは地域を特定する必要がなくて事例として十分成り立つという答弁であったと。したがって、立法事実が存在しないということを申し上げて、あと数分しかありませんので次に行きたいと思いますけれども。
それは、外国船舶の強制検査、拿捕等というのが、この日本の領域又は周辺で行う必要最小限度の自衛行動権として言わば今まで認められてきたわけですけれども、存立危機事態の中で、地理的制限はなくて世界中の海でいわゆる敵性船舶について行われるということは、これは交戦権の行使ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 今般の法整備に関しまして、海上輸送規制法を改正してこの停船検査の措置を行うことができるということでございますが、これは自衛権の行使の一環として行われるものでございますが、憲法上、自衛権の行使そのものではなくて、自衛権行使に伴う必要最小限度の措置と位置付けられております。また、対象が民間船舶であることなどから、従来から武力行使には当たらないものと整理をされております。
したがいまして、本法に基づきまして外国の同意を得てその国の領海で停船検査等を実施することが、武力行使の目的を持って武装した部隊を外国の領域へ派遣するいわゆる海外派兵に当たることはないということでございます。
○藤田幸久君 ちょっと答弁長いんですが、要するに、ホルムズ海峡での機雷掃海を行うということは交戦権の行使に当たるんじゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) 交戦権ではございません。
先ほどお話をいたしましたように、自衛権の行使の一環として行われるものですが、憲法上、自衛権の行使そのものではなくて、自衛権の行使に伴う必要最小限度の措置と位置付けられておる……(発言する者あり)で、武力の行使でございます。機雷掃海は武力の行使でございます。(発言する者あり)
○委員長(片山さつき君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(片山さつき君) 速記を起こしてください。
大臣、今の点、もう一度御整理の上、御答弁ください。
○国務大臣(中谷元君) 機雷掃海につきましては武力行使に当たるということでございますが、この船舶検査につきましては、対象が民間船舶であることなどから、従来から武力の行使に当たらないものと整理をされております。(発言する者あり)機雷の掃海は武力行使に当たるということです。
○藤田幸久君 いや、だから、それは交戦権かと聞いているんです。
○委員長(片山さつき君) 大臣、御指摘の点について追加答弁されますか。
○国務大臣(中谷元君) 交戦権には当たらないと考えております。
○藤田幸久君 臨検じゃなくて、機雷掃海は武力行使だけれども交戦権に当たらないと。なぜ当たらないんですか。
○国務大臣(中谷元君) まず、交戦権というのは、戦いを交える権利という意味ではなくて、交戦国が国際法上有する種々の権利の総称でありまして、このような意味の交戦権、これが否認をされているということでございます。
他方、これまで政府は、自衛権の行使に当たっては我が国を防衛するための必要最小限度の実力を行使することが当然認められると解しておりまして、そのための実力の行使は交戦権の行使とは別の観念のものであるといたしてきております。
したがいまして、今回は自衛のための武力の行使であるというふうに認識しております。
○藤田幸久君 全然違うと思いますけど、あと三分しかないので、ちょっと沖縄の関係、一つお聞きします。
いわゆる集中協議が決裂的に終わったようですけれども、政府とすれば、中谷大臣、ボーリング調査をいつ再開するのか、それから本体工事をいつ始めるのかについてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 一か月協議をしてまいりましたけれども、政府の立場につきまして沖縄県の御理解を得るに至らずに、今後も機会を捉えて辺野古建設に関する考え方、負担軽減の取組について御説明を尽くしてまいります。また今後、普天間代替施設建設事業につきましては、住民の生活や環境の影響に配慮しながら、関係法令に従いつつ進めてまいりたいと思っております。
具体的な再開スケジュールにつきましては、作業の件について、沖縄県の立入調査、これの状況、また気象、海象、米軍の訓練等の現地の状況を見極めつつ判断をすることといたしております。
○藤田幸久君 翁長知事は十九日以降に埋立承認の取消し等を検討するという報道がありますけれども、いわゆる取消しを沖縄県側が求める前にボーリング調査を再開するんですか、それとも後になるんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) その時期等につきましては、先ほどお話をいたしましたとおり、今、県の立入調査の状況、そして気象、海象、米軍の訓練等の現地の状況を見極めつつ判断をしてまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 岸田大臣に、このホームページの削除、八月十四日以来されております。削除されてから一か月近くもたってまだそのままであるということは、よっぽどこれ深刻な問題なので削除されていると思っておりますが。
この歴史問題QアンドAというところで、我が国はかつて植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えましたとあるんですけれども、このことは安倍総理が、事変、侵略、戦争、いかなる武力の威嚇云々云々と、これは主語がないんですけれども、削除した外務省のホームページについてはこれははっきり主語があるんですけれども、ということは、この安倍総理のいわゆる事変、侵略、戦争云々、植民地支配から永遠に決別しというのがありますけど、これは要するに主語がないということですね。
つまり、外務省の元々の政府の見解は主語がある、安倍総理の方はこれが主語がないと。その外務省の方、元々のホームページには主語があるので、これ削除せざるを得なかったということですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 主語がある、ないについて御指摘をいただきましたが、総理談話につきましては、談話全体としてどういう思いを伝えているか、これが重要だと考えます。
そして、今、このウエブサイト、歴史問題QアンドAの改訂を行っているわけですが、痛切な反省、そして心からのおわびの気持ちを表明した歴代内閣の立場、これは揺るぎないということ、これ談話の中でも明らかにしていますが、この基本は全く変わるものではないと考えております。
改訂を要しているのは、例えば過ちにつきましても、今回の談話においてはかなりボリュームを大きくして細かく説明をしています。そういった点も含めてしっかりとした内容をこのQアンドAの中に掲げたい、こういったことで改訂作業を進めているところであります。
○藤田幸久君 また時間を随分使わされましたけれども、要は、安保法案いつ採決するつもりか分かりませんけれども、それを見ながら、このホームページあるいは沖縄のボーリング調査を検討しながら政府がやっているという、そういう姿勢に対して非常に遺憾だということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 参議院外交防衛委員会における藤田幸久の質疑議事録
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