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  • 【2015年5月20日】

    平成27年5月20日

    民主党・新緑風会 藤田幸久

    防衛省設置法に関する質疑

    参議院本会議質問(全文)

     私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました防衛省設置法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
     まず初めに、戦後我が国の防衛政策を一貫して支えてきた文民統制についてお尋ねします。

    一、 防衛省制服組の能力と適応性             中谷防衛大臣

     1996年、私が衆議院議員に初当選し、最初に取り組んだのが、対人地雷全面禁止条約、いわゆるオタワ条約への日本の参加に向けた働きかけでした。NGO出身議員として私は、「地雷ではなく花をください」という絵本を国会議員に買って頂き、1冊1500円の本から600円の利益を地雷除去に充てる活動を始めるとともに、超党派の「対人地雷全面禁止推進議員連盟」を立ち上げました。
     半年間で数千冊が売れ、野党各党の議員は続々賛同してくれたものの、与党自民党の議員は、「対人地雷無くして日本列島は守れない」との政府の政策から誰も参加できませんでした。そんな中、自民党から最初に参加してくれたのが自民党国防部会長であった、現在の防衛大臣、中谷元議員でした。陸上自衛隊の出身で地雷担当であった中谷議員は、PKOで行ったカンボジアで女性や子供など市民の被害の悲惨さを見て、対人地雷の残虐性に大きな刺激を受けたのです。
     中谷議員に続いて多くの自民党議員も加わり、小坂憲次議員を会長とする議員連盟が388人まで広がりました。この間橋本龍太郎総理が指示した対人地雷に代わる代替兵器の開発を防衛庁の制服組が受け入れ、最後まで抵抗した内局を説得してくれました。1997年12月小渕恵三外務大臣がオタワ条約に調印したのです。
     私はこの経験から、現場の状況を知る制服組は、政治の指示さえ的確であれば柔軟に政策転換を果たす能力があることを実感しました。また、私自身、東日本大震災やスマトラ地震での自衛隊の人道援助活動やハイチやネパールでのPKO活動の現場を見てきました。自衛官の皆様の不眠不休の活躍ぶりは筆舌に尽くせません。そこで、中谷大臣に、オタワ条約の経験も含め、制服組の能力と適応性についての見解を伺います。

    二、 文官統制、あるいは文官優位性に対する政府の認識   中谷防衛大臣

     次に、我が国の文民統制(シビリアンコントロール)下における防衛省内の文官統制、あるいは文官優位性と呼ばれる背広組と制服組の関係について伺います。文官統制は別名ビューロクラティックコントロールとも言われ、内局の過度な介入をイビリアンコントロールと揶揄した人もおります。 衆議院の質疑では、文官統制、あるいは文官優位性に関する歴代総理の答弁が引用されました。佐藤栄作元総理の「自衛隊のシビリアンコントロールは、国会の統制、内閣の統制、防衛庁内部における文官統制、及び国防会議の統制による四つの面から構成されている」という答弁。中曽根康弘元総理の防衛庁長官時代における「私は内局による統制というのは必要だと思っているんです」との答弁や竹下登総理の答弁もあります。しかし、中谷大臣は総理の方々の答弁については全く答えず、これら総理による文民統制との言葉尻を引用して文官統制はなかったと強弁しています。答弁逃れをするのではなく、歴代総理の文官統制、あるいは文官優位性についての発言そのものの事実確認と評価について正々堂々たる答弁を求めます。
     中谷大臣、そもそも文官統制や文官優位性という実態を認めなければ、設置法第12条を変えねばならないという立法事実が消滅するのではないですか?同様に、外交防衛委員会における福山哲郎議員の「防衛省が行ったシミュレーションで設置法12条を改正しなければならない問題点や具体的事象があったか」との質問に対して「特段の問題点は明らかになっていない」と答えており、立法事実は存在しないのではないのですか?
     仮にこの設置法12条が改められ、背広組と制服組との両方が防衛大臣を補佐する関係になった場合、軍事的見地からの答弁が求められれば、制服組による国会答弁が行われるのか、お答え下さい。

    三、 過去の自衛隊制服組の暴走と再発防止策        中谷防衛大臣

     70年前の大戦に軍部の独走があったばかりでなく、近年も制服組の暴走が後を絶ちません。2008年には、当時の田母神航空幕僚長が「日本が『侵略国家』であったというのは『濡れ衣』である」、「村山談話は言論統制の道具である」、「我が国は専守防衛を旨とする国防の態勢を維持しているが、防御のみを考えていては効果的な防御態勢は出来ない。相手国への攻撃について徹底的に考える人たちが必要である」などと発言しました。田母神氏がこうした言動を自衛隊関係の機関紙等で頻繁に行っていたにも拘わらず、防衛省内でチェックができなかった体質が問題です。省内のチェック体制や自浄能力、さらには、こうした暴走を止める再発防止策について中谷大臣に伺います。

    四、 防衛装備庁における「調達のプロ」の養成       中谷防衛大臣

     次に、本改正案で新設される防衛装備庁について質問します。
     今回の改正では、防衛産業基盤の育成のため、防衛省が予算を獲得し、多くの契約企業や研究機関にも軍事予算が行き渡ります。これに、集団的自衛権行使を含む新たな安保法制の整備が加わると、軍事的組織と兵器産業の結合関係を意味する軍産複合体形成に至ると思われますが、中谷大臣の見解を伺います。
     軍産複合体に早くから警鐘を鳴らしたのは、軍人であるアイゼンハワー米国大統領で1961年に「軍産複合体が、我々の自由や民主主義的な手続を脅かすことのないようにしなければならない」と述べています。その意味でも防衛装備庁による憲法や各種法律の順守と、高い透明性や説明責任の実行とが重要と思われますが、中谷大臣の見解を伺います。
     防衛装備品等の調達には、極めて高い専門性が求められます。調達に当たり、米国を始めとする外国政府や国内外の企業等に対して交渉力を高め、装備品の適正価格を見極めるためには、装備品の構想から開発、運用、廃棄に至る全課程を視野に入れた、いわゆる「調達のプロ」を育成する必要があると考えます。米国では、国防取得大学(DAU)などで専門的な教育を行っているが、防衛省はどのように「調達のプロ」を養成していくのか、中谷大臣に伺います。

    五、 防衛調達不祥事の再発防止対策            中谷防衛大臣

     我が国の防衛調達行政は、残念ながら過去に談合事件、背任事件を繰り返しています。衆議院の質疑において防衛調達に関する不祥事の類型として、職員による背任事案、企業と職員による談合、企業による過大請求事案を挙げ、その原因として、随意契約が多い、閉鎖的な人事管理、法令遵守意識の欠如、企業の赤字回避対策を挙げています。こうした類型と原因に対してどのような対策を講じているのか、類型別に中谷大臣にお答えいただきたい。

    六、 研究開発費の透明性、公平性             中谷防衛大臣

     次に、防衛装備庁の新設に伴う技術研究本部の廃止についてお伺いします。自衛隊が使用する車両・船舶・航空機・誘導武器や、重点的に取り組む統合先進技術に関する研究開発を行う技術研究本部は、平成26年度で約1500億円の年間予算があります。防衛産業にとっては、技術研究本部と装備品の共同開発を行えば、研究開発費が確保できる上、受注も確実となるなどのメリットがあります。しかし、それ故、過去には技術研究本部と防衛産業との癒着が問題になりました。
     本改正案により技術研究本部が防衛装備庁に吸収された場合、規模が増大する研究開発費の使途が不透明になるのではないかとの懸念があります。研究開発費の透明性・公平性を高めるための政府の方策について伺います。

    七、 安保法制が否決の際の新ガイドラインの位置づけ    岸田外務大臣

     次に、新日米ガイドラインと安全保障法制との関係について、岸田外務大臣に質問します。5月12日の外交防衛委員会において、私が、安保法制が国会で否決された場合、新ガイドラインはどうなるのかと質問したのに対し岸田大臣は、「我が国の現段階の法令にガイドラインが従うということ、これは当然である」と答弁しました。ということは、安保法制が国会で否決された場合、ガイドラインの建てつけからして、新ガイドラインから4月27日以前の前のガイドラインに自動的に戻るのか、それとも新ガイドラインを維持しつつ、現段階の法令に従って、活用できない部分を除外するのか、またそれはどの部分に当たるのか、明確な答弁を求めます。

    八、 シビリアンコントロールの原点は国会         中谷防衛大臣

     平成24年12月の第二次安倍内閣発足後、国家安全保障局(NSC)の設置、新防衛大綱・中期防の策定、特定秘密保護法の成立、武器輸出三原則の見直し、新日米ガイドラインの策定、また、5月15日の集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法案の提出と、我が国が戦後歩んできた平和国家の歩みを根本的に変更する暴走が加速しています。
     しかも、これらの決定プロセスは、強行採決や憲法の解釈変更といった国民の代表である国会の無視や軽視の連続です。その極め付けが、国会の審議を経ていない安全保障法制と集団的自衛権行使の運用を定めたガイドラインを日米両国政府間で合意したことと、提出すらされていない安全保障法制の夏までの実現を安倍総理が米国の議会で約束してしまったことです。
     中谷防衛大臣は「私は、国会というのは最大のシビリアンコントロールである、原点であると思っております」また、「文民統制の原点が憲法9条である」と答弁していますが、安倍総理も中谷大臣もこの文民統制を自ら破ってしまったのではないですか?その中谷大臣に防衛省設置法案を提案して文民統制のあり方を問う資格はないと思いますが、答弁を求めます。

    九、 政治の暴走の蓋然性                 中谷防衛大臣

     2008年田母神前空幕長が参考人として出席した外交防衛委員会の冒頭で、北澤俊美委員長は以下のように発言しました。「昭和の時代に、文民統制が機能しなかった結果、三百数十万人の尊い命が失われました。国家が存亡のふちに立った最初の一歩は、政府の方針に従わない軍人の出現と、その軍人を統制できなかった政府・議会の弱体化でありました。」
     また、同じ2008年の北京オリンピックに、当時、戦争状態にあったロシアとグルジアの射撃競技の女性選手たちが一緒に出場し、表彰式でメダルを受けた後、抱き合ってお互いの健闘をたたえあい、次のように述べました。「戦争を起こすのも、止めるのも政治家だ」と。いくら文民統制を厳格に運用しても、政治が暴走してしまっては意味がないということです。
     例えば、海外で自衛隊による歯止めない武力行使を推進する国のトップが君臨し、その下で過去の戦争責任を否定する制服トップが出現する。また、同盟国に、大量破壊兵器がないにも関わらず戦争をしかけるような大統領が出現することの蓋然性、すなわちこうしたトリオがトップを占めると、暴走が止められない蓋然性を中谷大臣はどう想定しますか。恐らく良識ある自民党や公明党の議員の方々も内心は懸念している、そうした蓋然性を想定せずに今回の法改正や安全保障法制を推進することが、本当に日本の安全と平和を守ることにつながるとお考えか、真摯にお答えいただきたい。
     かつて自民党国防部会長でありながら対人地雷禁止の英断を下したように、いま日本国民と自衛隊員とその家族の命と安全を守るために政策転換を行う英断のお気持ちがないかを質して私の質問を終わります。

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