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九段会館法と産婦人科支援について質問しました2014年11月19日

11月18日の厚生労働委員会で1)日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する改正法案(九段会館法)、2)帝王切開手術料点数の引下げ、3)GPIFについて質問しました。

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1.  日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する改正法案

1)   この改正法案は、九段会館跡地に民間事業者が建設した高層建築物の一部を国が取得して、それを日本遺族会に無償で貸し付けるという、非常に複雑なスキームになっているが、九段会館を日本遺族会に対して無償で貸し付けるという理由、意義、必要性について質問しました。 塩崎厚生労働大臣は昭和28年の法制定から歴史的に継続しており、遺族の福祉を目的とする事業の用に供する場合に限って九段会館を無償貸与するということになっており、今後も事業支援の必要性を感じていると答弁がありました。 政治的中立性についても第4条で担保されていることを確認しました。   2)   九段会館の周辺地区には、「昭和館」「しょうけい館(戦傷病者資料館)」「千鳥ヶ淵戦没者墓苑」があり、新宿区には「平和祈念展示資料館」がある。所管する省の枠を超えて、これらの施設の連携をはかり、訪問者や利用者にとって便利で有益な施設に改善していくことが重要であると考える。今回議員立法により、九段会館の土地が再利用され、新たに建物が建築されるのであれば、このような歴史や現状に配慮した社会的、歴史的な性格を持った建物にしていくことが望まれる。また、九段会館の建替えにより、以前頻繁に会館を利用していた戦友会、元抑留者の団体などは、会合を開くための会場探しに苦労していると聞いている。九段会館の建替えに当たっては、日本遺族会事務局だけではなく、遺族会の会員や他の関係団体の利便にも資するような工夫と配慮を政府にはお願いしたいと要望しました。 DSC02730 DSC02724   塩崎大臣からは、法律上の用途制限が設けられているが、どこまで他団体などへの貸付実施が可能なのか、他の関係省庁と協議をしながら、ご指摘の点について検討していきたいと答弁を得ました。 また、財務省の中原理財局長からは地元自治体とも協議、連携して進めていくことが大切であると考えていると答弁がありました。

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2.  帝王切開手術料点数の引下げについて

1)   現在、産科医のなり手が不足している。12日に公表された日本産婦人科医会及び日本産科婦人科学会の調査結果によれば、特に、若手の産科医師数の地域格差は都道府県間で5倍以上の開きがあり、厳しい状況にある。

にもかかわらず、先日の委員会で指摘したように、平成26年度診療報酬改定で帝王切開の手術料の点数が大幅に引き下げられた。行政が、産科医の評価を格下げしたと受け止め、モーチベーションを失ったという産科医も少なくない。厚労大臣は、現在の産科医療の厳しい状況をどう認識し、産科医の存在意義をどう評価しているのか?と質問しました。

これに対し、塩崎大臣は地方の産科医の減少は深刻であり、子育て支援という観点からも産科については特に配慮が必要だと認識しているとの答弁がありました。

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この件に関しては、先日の委員会で、厚労大臣から、関係学会の意見を聴きながら適切な点数設定に努めていきたい旨答弁があった。ただし、次期改定までは1年半もある。この間、産科医支援のために、地域医療介護総合確保基金を活用する考え方もあるようだが、その基金も、消費税率の引上げが先送りになれば、先行きが懸念される。次期診療報酬改定までの間、産科医療の現場をどのように支援していくつもりか。また産科医のモーチベーションを維持するための方策はないのか、と質問しました。 塩崎大臣からは産科医の勤務環境整備を行うための分娩件数等に応じた医師への手当、あるいは女性医師の復職支援などに関わる事業等の実施などの答弁を得ました。 私はまた公益社団法人日本産婦人科医会から田村前厚労大臣に提出された要望書を示し、田村前大臣は「次回の決定に際し、帝王切開術の点数に関しては前向きに検討する」と言っているので是非この通りに進めていただきたいと強調しました。   3.  GPIFについて   塩崎大臣は、10月30日の衆議院予算委員会での細野議員の質問に対して、「アメリカは国債で全て運用しているというのは全くの間違い」と答弁した。しかし、昨年田村前厚生労働大臣は衆議院厚生労働委員会での長妻議員の質問に対しては、「100%国債で運用している」としている。まるで逆の見解なのでどちらが正しいのか?と質問しました。

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塩崎大臣はまともに答えずに長い答弁を繰り返し、時間切れとなりました。 再度この件については追求していくつもりです。