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参議院外交防衛委員会における藤田幸久の質疑議事録「スリランカ問題/北方領土問題について」2009年04月23日

活動報告

2009年4月23日

参議院外交防衛委員会における藤田幸久の質疑議事録

スリランカ問題/北方領土問題について

○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。

 時間がずれた関係で、通告をしておりました重立って三つの項目がございますが、順番を入れ替えさせていただきまして、最初にスリランカ、続いて北方領土、そして最後に日米同盟ということで、浜田大臣、出番は後の方になりますので、前半はリラックスということでお願いをしたいと思います。

 まず、スリランカの件でございますが、一昨日、私、質問をさせていただきましたが、それに対して中曽根外務大臣の方から、非常にこれは一般住民の大きな被害にもかんがみ、非常に危険性があるので、関係国に働きかけると答弁していただきましたが、この四十八時間の間にもいろんな動きがございます。

 そこで、具体的にどのような対応を取られたのか、とりわけスリランカ政府への働きかけ、どういう働きかけを行ってこられたのかについてお答えいただきたいと思います。

○国務大臣(中曽根弘文君) もう委員は十分御承知のとおり、スリランカにおきましては、四月の二十日以降、スリランカの政府軍がLTTE支配地域からの脱出ルートを設けましたことによりまして、少なくとも九万五千人を超える一般市民が政府側支配地域に脱出したと、そういうふうに承知をしております。

 我が国は、スリランカ北部の一般市民の安全を確保するためには、スリランカ政府が一時的な停戦を実施するのみならず、やはりLTTE側が一般市民の解放に応じることが不可欠であると、そういうふうに考えているところでございます。

 このような考えに基づきまして、二十一日及び昨日、二十二日に四共同議長国間で協議を行いまして、スリランカ政府及びLTTEに対しまして一般市民の安全確保、それから国際人道法の尊重を働きかける、そういう内容の共同議長声明を速やかに発出すべく、現在調整を進めているところでございます。また、このような趣旨の内容の外務報道官談話を今朝、午前中に発出をいたしまして、我が国独自の働きかけを行ったところでございます。

○藤田幸久君 たまたまここに風間さんがお配りした普天間の写真がございますが、これ実は九万人でございます。ここにこれだけの施設ということで、私、たまたま今イメージでスリランカのことを思っておりますが、大体九万人、それだけの一般住民が両方の勢力の間に結局閉じ込められてこういう状況にあるんだと、一般の市民が。かつ、こういう市民に対して重火器を使っていると。重火器を使っているということは、これ戦争犯罪だと。重火器を使っているという映像がアメリカの国務省から関係諸国に送られていると。で、少なくとも英国政府はそのアメリカの国務省が送った衛星写真を受け取ったという話をたまたま知っておりますが、日本政府はそのアメリカ政府からの衛星写真を受け取っておられますでしょうか。

○委員長(榛葉賀津也君) 速記を止めてください。

   〔速記中止〕

○委員長(榛葉賀津也君) 速記を起こしてください。

○国務大臣(中曽根弘文君) 衛星画像を受け取ったかどうか、私自身、大変申し訳ございませんが今承知しておりませんので、参考人もおりませんので、調べてまた御報告させていただきたいと思いますが。

○藤田幸久君 それは問い詰めるつもりじゃございませんで、常に今回いろんな人権団体、国際赤十字、アメリカ政府等々からもうリアルタイムで二十四時間情報が来ていると思いますので、私どもでもすぐアクセスができる、そういう被害状況が出てきておりますので、積極的にそうした情報を取りながら対応していただきたいということを申しておきたいと思います。

 続きまして、北方領土問題、谷内政府代表の問題に移りたいと思いますけれども、質問通告をしておいた内容はほとんど谷内さんに聞きたいと思っておりましたが、その谷内さんが逃げられてしまいまして、大臣にお伺いしますので、いわゆる質問通告以外の質問が出ると思いますけれども、その大きな意味での質問通告の範囲内でございますから、大臣の方で柔軟に率直にお答えをいただきたいと思います。

 まず、谷内政府代表でございますが、ここに今日の参考人のリストがございます。済みません、資料がたくさんあるんで埋もれているかもしれませんが。要するに、たくさん並んでいる政府参考人の中の谷内さんのところが真ん中より下の方に出ておりますが、その肩書は「当面の重要な外交問題に関し、関係国政府等と交渉するための日本政府代表」と書いてあるんですね。そういう立場の谷内代表でございます。日本政府代表。

 そして、おとついの中曽根さんの答弁で、この谷内日本政府代表というのは自分の指揮監督下にあると。で、政府参考人として当然出るべき人でありますから、おとつい出なかったわけですから、これは事務レベルではなくて指揮監督、つまり事務次官も経験された人以上の人というのは中曽根大臣しかいないと思いますから、大臣から直接指揮をして、これは今日の委員会に出るようにという指示があってしかりだったと思いますが、大臣の方から指示は出さなかったんでしょうか。

○国務大臣(中曽根弘文君) 国会からの委員会への出席の御要求があるということは承知をしておりまして、私も事務方に、谷内政府代表にその旨を伝えるようにと指示をして、事務方から伝えたところでございます。

○藤田幸久君 そうすると、大臣の意思だということは谷内さんに伝わったと理解してよろしゅうございますね。

○国務大臣(中曽根弘文君) 結構でございます。

○藤田幸久君 では、政府代表として政府参考人である谷内さんが、国会出席以上の理由があって今日は国会に出頭していないと。ということは、そういう理由があるということを結果的に大臣もお認めになったということですね。

○国務大臣(中曽根弘文君) 私が承知しておりますのは、谷内代表から、たしかおととい帰国でございますが、昨日の今日のことでございますが、米国帰国後に伺った急な話でありますが、今日のこの二十三日は、前からの予定しておりますある会社の取締役会に出席をするために地方出張しなければならない、そういう要件が米国に行く前からあったということで、帰国翌々日ということで調整といいますか都合が付かないと、そういうように返事があったと私は聞いておるところでございます。

○藤田幸久君 急な話は我々も同じでございまして、政府参考人、常に急に国会に出ると。我々も国会、委員会に出ると。

 要は、そういう個人的な理由が、政府代表として閣議で決定された人が、国会にそういうことで政府参考人として出るべきところ以上の理由があったということを大臣が認めない限りは、国会に、この場に座っているんじゃないでしょうか。大臣が認めたということをお認めになりませんか。

○国務大臣(中曽根弘文君) 谷内政府代表は、もちろん大変重要なポストであり、重要な仕事をやってもらうということで就任をしてもらっているわけでありますが、これは非常勤で無報酬の政府代表ということで、他の職業も兼務していいということになっておりますが、そういうことで他の仕事もやっていると。そういうことを前提として政府代表には就いてもらっているわけでございますが、外務省といたしましても、そういう訪米前からの日程ということを聞きまして、今日の国会出席は困難であるという、そういう事情、私自身は理解をいたしました。

○藤田幸久君 したがって、今後は政府代表という肩書がある方であっても、非常勤であれば、ほかの個人的な理由があって事前の日程があれば国会に出なくてもいいという既成事実が確定したというふうに認識をいたしまして、次の質問に移りたいと思います。

 一昨日、日本に帰られたということですけれども、当然のことながら、私の理解では、十七日に欧州局長が電話をされ、二十日に中曽根大臣が電話をされて、おとつい聞いた限りでは十分事情を聞いておられなかった。おとつい帰ってこられたわけですから、昨日直接、詳細にわたって事情聴取をするべきだったと思いますが、されましたんでしょうか。

○国務大臣(中曽根弘文君) 私、衆議院の委員会、二十日でございますけれども、衆議院の決算行政委員会で、委員の方から谷内政府代表と一日も早く、一刻も早く話をすべきだと、そういうような御意見もございました。私は、帰国直後、いわゆるおとといの夕刻になるんでしょうか、帰国直後にお会いをして話を聞こうと思っておりましたけれども、そのような衆議院で、委員会での御意見もあったものですから、その日のお昼前に、午前中の委員会でしたけれども、委員会休憩になって直ちに私は電話をしてこの事情を聞いたところでございます。

○藤田幸久君 質問に答えてください。

 電話で話されたけれども十分じゃないという答弁を私にされているんです、その衆議院の委員会の翌日、おとつい。したがって、その後、谷内さんはおとついの夜帰られたわけですから、昨日一日日本にいるわけで、東京にいらっしゃったわけですから、外務省として当然詳しく事情を聞くべきだったのではないですかと聞いているわけです。

○国務大臣(中曽根弘文君) 一番大事なのは、谷内政府代表の発言の内容が本当にそういう発言だったかどうかということでございますが、この点につきましては、私から既にそういう電話で話も聞いているわけでありまして、さらに、本人に会ってもう一度聞く、そのような必要はないとそのときは判断したところでございます。

○藤田幸久君 必要がないのであれば詳細にお答えをいただきたいと思いますけれども、御本人も認められているようですが、毎日新聞の、今日もお配りしていますけれども、おとついも配りましたが、新聞の記事は、テープを取ったインタビュー記事であります。谷内さんはテープを持っていないということであります。ということは、テープを基に毎日新聞が言っていること以上に谷内さんの方が正確であるという裏付けはどこにあるんでしょうか。

○国務大臣(中曽根弘文君) それは、裏付けといいますか、私は毎日新聞の方からこの記事を取り寄せ、記事といいますかテープなりを聞いたわけでもありませんし、それから、谷内政府代表から話は聞きましたけれども、私からすれば、谷内政府代表がそのような発言はしていないと、そういうことでありましたので、それ以上、一言一句発言を彼から聞くということは行いませんでした。

○藤田幸久君 これ、政府代表が日本の新聞の一面に書いたことでありまして、谷内さん自身の方も誤解だ誤解だとおっしゃっている。少なくとも、ある新聞に関しては、この記事は捏造だとも言っていらっしゃる。そのことについて一字一句聞かずに、片っ方はテープを取っているのに対して、谷内さんが言っていることが正しいという裏付けなく、それをうのみにして、じゃ、大臣はここで答弁をされているんでしょうか。

○国務大臣(中曽根弘文君) 谷内政府代表自身は、三・五島返還でもいいのではないかと考えていると、そういうふうには言っていないと、そういうふうに述べているわけでありまして、また全体の発言の中で誤解を与えるそういう発言があったかもしれないと、そういうふうに述べているわけでありまして、この記事の方が誤報であるとか、あるいは彼が間違った記憶といいますか、ということとかということではなくて、私自身は、政府の基本的な考えというものがありますから、彼自身はそれから外れているということではなくて、言っていないということでございましたので、例えば新聞社に対しても私どもの方から抗議をするということなどは行わずに、このインタビューに関する谷内政府代表の説明ぶりとともに政府の立場をお伝えをしたということでございます。

○藤田幸久君 前回も、おとつい申し上げましたが、ロシアのかなり有力な新聞に谷内さんがそういうお話をされたということが報道されたということをお伝えをいたしました。

 それから、今日お配りした毎日新聞以外に二つ新聞がございますけれども、一つは、これ産経新聞の二〇〇七年の三月二十二日、これ、谷内さんが外務事務次官のときですけれども、要するに谷内さんの発言もあって、四島返還要求を公式に放棄する意向を固めたものととらえていると、アンダーラインを引いてあります。

 それからもう一つ、これは朝日新聞の今年の二月十九日のものですけれども、これも麻生総理が今年の首脳会議で、結局、この毎日新聞で谷内さんが言っている同じようなことを既におっしゃっておられて、これに当時の外務事務次官で麻生発言の振り付け役との見方もある谷内政府代表が同行したというふうに書いておられます。

 これ以外にも、今まで谷内さんと麻生さんがおっしゃっていることとほぼ同じことがこの毎日新聞の記事に出ています。この毎日新聞の記事の下の方にちょっと手書きのものが出ていますけれども、これ麻生さんが〇六年に衆議院の委員会で答弁したこととか、今年の二月のサハリンでの日ロ首脳会談でおっしゃったこと、ほぼコピーのようにおっしゃっているんですね。

 ですから、これたくさんほかにも記事ありますけれども、今まで谷内さん、麻生さんがおっしゃっていたことをほぼ同じくおっしゃっているのがこの四月十七日の毎日新聞でありますけれども、にもかかわらず、テープも取っているのにもかかわらず、それ以上に谷内さんが言っている方が正確で、毎日新聞がこれ誤解だと言っているやっぱり根拠を示さないと、これどんどんどんどん発信されているんですよ。

 これ止めないと、私は外務大臣としての監督指揮が機能しないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。これ止めないで、そのまま続けさせるんでしょうか。

○国務大臣(中曽根弘文君) 今ロシアの新聞のことですか、委員からお述べになられましたけれども、この記事の内容がロシア国内で報じられているということは私も承知をしておりますが、北方領土問題に関する我が国の立場につきましてはロシア側には明確に伝えてきておりまして、ロシア側が誤解をするということはないと、そういうふうに思います。総理も私も官房長官も、谷内氏のこの新聞記事が出ました以降、日本政府の従来からの立場というものをまた明確に発言をしているということでございます。

 それから、総理の御発言と同じような発言であるというようなお話でございますが、政府といたしましては、とにかく北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結すると、そういう基本方針の下に北方四島の返還を実現していくということで今働きかけをやっているわけでありますが、そういう中で北方四島の我が国への帰属、これが確認されれば実際の返還の時期やその対応については柔軟に対応するという考えでありまして、麻生総理の発言は従来の日本側の立場を述べたものと私は理解をしているところでございます。

○藤田幸久君 今総理の話が出てまいりましたが、政府代表で外務大臣の直接指揮監督下ということをおっしゃっていますが、実際に谷内政府代表の執務室は総理官邸の四階ですか、にございますですね。その事務所で、谷内政府代表の部屋の大体事務官は何人ぐらいで、どの省庁からその事務官、官邸の中に来ていらっしゃるんでしょうか。

○国務大臣(中曽根弘文君) 秘書が一人いるということでございます。

○藤田幸久君 それから、麻生総理から直接谷内政府代表に、当然官邸の中に事務所があるということは、かなり直接しばしば指示があるということでしょうか。

○国務大臣(中曽根弘文君) 委員もう十分御承知のとおり……

○藤田幸久君 いや、十分知りません。

○国務大臣(中曽根弘文君) 政府代表は、外務公務員法、これにおきまして、これは国家公務員法の規定が準用されて、上司の命令には服すべしと、そういう義務があるわけでありますが、この政府代表は、それに加えまして、日本国政府を代表して特定の目的を持って外国政府と交渉し、また国際会議若しくは国際機関に参加をして、また若しくはこれにおいて行動すると、そういうふうになっておりまして、外務大臣の所掌に属する任務を行うものであるということなどから、基本的には外務大臣である私の指揮監督下で職務を行うということになっているところでございます。

○藤田幸久君 イエスかノーかでお答えください。

 麻生総理からの直接指示はあるのかないのか、お答えください。

○国務大臣(中曽根弘文君) 私の指揮監督下にありますけれども、他方、この政府代表は外務大臣の申出によってこれは内閣によって任命されると、そういうポストでございます。そういうことや……

○藤田幸久君 それは存じています。答えてください。

○国務大臣(中曽根弘文君) それから、その任務の内容にかんがみまして、個別の事案については内閣総理大臣の直接の指示を受けるということも十分あり得ることだと、そういうふうに考えています。

○藤田幸久君 その総理大臣からの指示が、外務大臣が知らないところでの指示も今までございましたか。

○国務大臣(中曽根弘文君) 私の知らないところでの指示を私が知っているかというのも、ちょっとよく分からない。

○藤田幸久君 いや、結果的に分かったことは、例えば今回のことも後で分かったんじゃないでしょうか。

 つまり、谷内さんがこういう発言をし、かつ安倍前総理とアメリカに行っていらっしゃり、かつ今プーチン首相が来日をする直前であり、今外務省の局長がモスクワに行っているという時期にこういう動きをされているということは、結果的に後で分かったんじゃないでしょうか。

○国務大臣(中曽根弘文君) この毎日新聞の取材というものを見て、私もそれでマスコミからの話もあって知ったわけでありまして、今委員がおっしゃいましたようないろいろな環境、そういうものとは、偶然のことではないかなと、私はそういうふうに思います。

○藤田幸久君 領土の話、さっき大臣が触れられましたが、いわゆるこの面積等分案というものの利点はどんなところにありますでしょうか。

○国務大臣(中曽根弘文君) まず、政府として、そういう面積等分案のようなものを、考え方というものを検討している、そういう事実はまずないということをはっきり申し上げておきたいと思います。

 先ほどから申し上げておりますように、まず我が国固有の領土である北方四島の帰属、これの問題を解決して、繰り返しになりますが、ロシアとの間で平和条約を締結しようと、そういう基本方針でございまして、面積等分案について検討したり、あるいはそういうことを考えているということではございません。

○藤田幸久君 検討云々じゃなくて、少なくとも言及されたのは、麻生総理が日本の総理として初めてでしょうか。これは前回も質問したんですが。

○国務大臣(中曽根弘文君) 麻生総理は、面積等分による問題の解決策に言及したことはないということでございます。

 今朝のこれは、衆議院の方のこれは……

○藤田幸久君 長島昭久さん。

○国務大臣(中曽根弘文君) ソマリアの海賊対策の委員会で総理がお述べになられました。

○藤田幸久君 じゃ、ちょっと違った観点ですけれども、国家にとっての三要件とありますが、三つ、何でございますでしょうか。

○国務大臣(中曽根弘文君) 領土とそれから国民とそれから統治機構、統治組織ですか、であると思います。

○藤田幸久君 おっしゃるとおり、領土が一番先に出てまいります、国際法で。かつ、国際法の定義を見てみますと、領土に関しては面積の大小を本質的要件としないということでございまして、ですから、いわゆる何%という話じゃないというのが多分国際法上で言うところの領土の本質的な問題だろうと思いますけれども、麻生総理も谷内さんも随分今までこの等分論について実際にこの毎日新聞を含めておっしゃっているわけですけれども、仮に、検討しているしていないということをおっしゃっていないと仮に見た場合であっても、もし四島返還ではなくて、この面積等分案でいきますと、結局その半分の面積を返還を求めることを永久に求めたということに結果的になるんじゃないでしょうか。

○国務大臣(中曽根弘文君) 総理もそれから私どもも政府もそのような考え方は持っておりませんから、これは先ほどからの繰り返しになりますけれども、四島の、我が国の固有の領土である四島の帰属の問題をまず確定して、その後柔軟に返還の時期とかやり方とか決めるということで、これは一貫しておるところでございます。

○藤田幸久君 ただ、実際に麻生総理は面積を折半すると三島プラス択捉で二五%というふうなことは何回も、これ委員会でも、参議院でも高野博師議員の質問とか答えているんですね。

 これがいいか悪いかは別にしまして、これでいきますと、例えば竹島とか尖閣列島の問題にも影響を与えてしまうし、結局四島返還、北方領土に関していえば、の道を閉ざすということに理論的になりませんか。

○国務大臣(中曽根弘文君) 今朝ほども麻生総理が衆議院の委員会でお述べになられておりましたけれども、貴党の前原委員から、これはもう二〇〇六年の委員会のときのやり取りのようでございますが、前原委員が半分は二島じゃないんですということで半分という言葉を持ち出され、それに対して麻生、当時は外務大臣ですか、その面積についての解説をされたということでございまして、一貫して総理は、このような面積等分による解決策、こういうものに言及はされていないということでございます。

○藤田幸久君 今日お配りしていますこの朝日新聞、今年の二月十九日の右側に、麻生首相の北方領土をめぐる発言というので幾つか事例が出ていますけれども、それを採用するかどうかということは別にして、この比率になるという話は、前原委員の質問にも、高野博師委員の質問にも、それから二月六日の記者会見でもおっしゃっていますよね。ですから、採用するかどうかは別にして、その理論というものはこういうものだということはおっしゃっているんですよね。

 ちょっと時間がないので。したがって、多分、こういったことをおっしゃったということに関しては麻生総理が歴代の総理で初めてでございますね。イエスかノーかでお答えください。

○国務大臣(中曽根弘文君) 事実関係について述べられたということで、先ほどからの繰り返しになりますが、これが解決策ということで言及されたということではないということでございます。

○藤田幸久君 その事実関係が、したがって、先ほど申しておりますような竹島や尖閣列島問題、その理論でいけばつながってしまうということをまず確認をさせていただきまして、数分しかないので次の質問に移りますが、先ほど来外務大臣は帰属ということをおっしゃっていますけれども、帰属ということはそもそも北方四島が我が国固有の領土であるということを認めていないということになってしまうと思うんですね。

 これは、一九九三年東京宣言ですか、エリツィン大統領が来日をされて細川首相とお会いになったときの東京宣言で、この北方四島を歴史的、法的事実に立脚し、両国間で合意の上作成された諸文書、法と正義の原則を基礎として解決し平和条約を締結する。これは帰属以上に我が国固有の領土だということなんですけど、帰属というふうになっちゃうとこれから後退してしまうんですけど、よろしいんでしょうか。

○国務大臣(中曽根弘文君) この東京宣言、一九九三年の、これは択捉島、国後島、色丹島及び歯舞諸島の北方四島の島名を列挙して、そして北方領土問題をこれらの諸島の帰属に関する問題であると、そういうふうに位置付けるとともに、この問題を歴史的、法的事実に立脚し、そして両国の間で合意の上作成された諸文書及び法と正義の原則を基礎として解決するという、そういう明確な交渉指針を示した文書でございますが、政府といたしましては、この東京宣言を含めましてこれまでに達成されました諸合意それから諸文書に基づいて、また、これまでの交渉も踏まえまして北方領土問題の最終的解決に向けて今後も交渉を進めていくと、そういう考えでありまして、我が国といたしましてはこれはもう固有の領土という、そういうもう当然のこういう前提でございます。

○藤田幸久君 私がこういうことを申し上げておりますのは、実際にかなりロシアに最近は、言葉は悪いですが、やられっ放しといいますか譲りっ放しということが多いと思いますが、今朝の新聞に出ていますけれども、二十三日から札幌市で開催の二〇〇九年北方四島交流代表者会議に北方四島の出席者が三名、日本政府がビザを発給して、おとついですか、成田空港に到着をしたと。

 そうすると、北方領土は日本の固有の領土と今おっしゃいましたけれども、日本からしますと不法占拠をして実効支配しているロシア人に入国ビザを与えたんですね。これは数年前からのビザなし交流があって、日本から行く場合には去年の十月も拒否をされているんですね、出入国カードを提出を要求されて。にもかかわらず、今度は入れてしまったということは、向こうから入ってくるのは両方で入れて、こちらからは一つのやり方でしか入れないという、これはダブルスタンダードじゃないですか。

○国務大臣(中曽根弘文君) これは四島交流代表者間協議ですか、これが行われたわけでありますけれども、この協議に参加をしております四島側代表の訪問に際しては、これは御案内のとおり気候条件等の理由から四島交流の枠組みを用いて船舶によって北方四島から北海道本島を訪問することが不可能であると、そういうことが判明しました。そして、そのためにこの四島交流を円滑に実施するための例外的な措置としてこれはサハリン経由で来訪する、そういう本件協議への参加者に限りビザを発給するということにしたわけでありまして、四島からでなくてサハリンを経由してきたということでビザを発行したということでございます。

○委員長(榛葉賀津也君) 藤田幸久君、時間が来ておりますので、おまとめください。

○藤田幸久君 最後に二つ要請をして質問を終わらせていただきたいと思いますが、一つはこのままでほうっておきますと、谷内さんと毎日新聞の間、続けば国益に反すると思います。したがって、しっかり調査をしていただいて、決別をはっきり付けていただきたいと思います。

 それから、次に国会で要請があった場合には当然のことながら出席ということを直接の、直接管理者であるところの大臣から確約をしていただきたい。

 二つお願いをしたいと思います。で、質問を終わりたいと思います。

 お答えがあれば。

○委員長(榛葉賀津也君) 中曽根外務大臣、答弁はいいですか。

○国務大臣(中曽根弘文君) この件につきましては、委員また委員会からの御要望も承りながら今後検討していきたいと思いますが、しかし、先ほど申し上げましたけれども、外務公務員でありますので私の指揮監督下にありますけれども、やはり非常勤、それからまあ無報酬は別としましても、非常勤でありますし、兼職が前提となっておりますので、そちらの部分につきましては日程等また難しいところもあろうかと思いますが、委員の今のそういう御意見というものは本人にも伝えていきたいと思います。

○藤田幸久君 是非、であるならば罷免をしていただきたい、そういう方では務まらないということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。