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財務省の主計官達と宮城県の被災地視察2011年10月20日
10月11日財務省主計局の福田次長、鑓水主計官、阪田主計官など11名と宮城県の被災地を視察しました。できるだけ主計局の皆さんに現地を見た上で予算の査定を行ってほしいとの思いからです。主な内容は以下のとおりです。
「財務省の主計官達と宮城県の被災地視察」
①閖上漁港、日和山周辺(名取市)
名取市閖上地区日和山で、名取市太田副市長より、名取市の被災・復旧状況及び東日本大震災に関する要望について説明を受けるとともに、意見交換を行いました。また、閖上地区の概況を確認しました。
閖上地区は完全に津波にのまれ、跡形もなくなりました。震災から7か月が過ぎ瓦礫の撤去は大分進みましたが、行方不明者は未だ70名いるとのことでした。公共施設の被害総額は約717億円になる見込みで、市としては、災害調査設計委託料、閖上地区の被災市街地復興土地区画整理事業、仙台空港の発端の北川地区の防災集団移転促進事業、及び災害公営住宅について自治体の負担がゼロになるように、また、再度地震が発生したときの被害を抑制するための工事についても災害復旧事業の対象にしてほしいなどの要望を受けました。
②南蒲生浄化センター(仙台市)
南蒲生浄化センターで、石川所長より、同センターの被災・復旧状況及び要望について説明を受けるとともに、仙台市建設局渋谷次長ほかも交え、意見交換を行いました。また、センター内の概況を確認しました。
同センターでは仙台市の約7割の下水を処理していますが、今回の災害で処理機能に壊滅的な被害を受けました。早期復旧に取り組んでいますが、外部電源を当分確保できないこともあり、放流水の水質の悪化や放射性物質を含む汚泥処理が問題となっています。復旧に当たっては、従前の機能回復にとどまらず、地震や津波に強く、環境にも配慮する未来志向型の下水処理場として再生する必要があるなどの要望を受けました。
③第二管区海上保安本部大代1・2号宿舎(多賀城市)
第二管区海上保安本部大代宿舎で、野俣本部長ほかより、宿舎の被害状況及び行方不明者の潜水捜索状況の説明を受けるとともに、意見交換を行いました
遺体確認、潜水捜索は、ご遺族から期待されていることもあり、現在でも継続しています。潜水捜索者は全国でも120名程度しかいないですが、できる限り動員を図り、対応しているとのことでした。真っ暗な海中で突如現れるご遺体や、乱れたご遺体の回収などの生々しい苦労話を伺い頭が下がりました。捜索者の心のケアは重要で、心のケア対応について引き続きお願いしたいとの要望を受けました。
④菖蒲田浜地区(七ヶ浜町)
菖蒲田浜海浜公園で、七ヶ浜町荻野補佐ほかより、七ヶ浜町の被災・復旧状況及び菖蒲田浜地区の復興計画の概要について説明を受けるとともに、意見交換を行いました。また、菖蒲田浜地区の概況を確認しました。
町の32%が浸水し、約1300世帯が全半壊するなどの被害を受けました。視察現場は約12mを超える津波が押し寄せたとされ、隣接する3階建ての町営住宅の天井まで水没、近隣の低地の住宅の約8割が流失しました。町の公共施設の被害総額は約100億円で、復興にかかる費用は200億円を超す予定とのことです。財源についてよろしくお願いしたいとの要望を受けました。
⑤JR仙石線野蒜駅周辺(東松島市)
東松島市阿部市長より、東松島市の被災・復旧状況、東松島市復興まちづくり計画の説明を受けるとともに、意見交換を行いました。また、JR仙石線野蒜駅周辺の概況を確認しました。
東松島市の人口43,000人のうち2500人が転出しました。家がなくなったことに加え、こども達の通学に必要なJR線が復旧していないことが大きな原因です。早く電車が通ってほしいというのが沿線の住民の願いで、JR線の復旧については安全の確保も含めてJRが考えてくれているとのことでした。また、東松島市の野蒜地区周辺で特に被害が深刻な東名運河から南側(海側)は、住民が集団移転を要望しており、以前ゴルフ場開発を予定していた場所にモデル的に高台移転を実施させてほしい、実質負担の無い形で移転できればありがたいとの要望を受けました。
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