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参議院東日本大震災復興特別委員会における藤田幸久の質疑議事録2018年04月04日
活動報告
2018年04月04日
参議院東日本大震災復興特別委員会における藤田幸久の質疑議事録
○藤田幸久君 民進党の藤田幸久でございます。茨城県選出でございまして、大臣とはいつも常磐線でお世話になっております。
まず、復興特区における単独型の訪問リハビリ事業でございますけれども、これはお医者さんや看護師の確保が困難な被災地においては、療法士のみで訪問リハビリが行えると、非常に意義は大きいと思われております。復興庁として、この事業が被災地において果たしてきた役割、効果についてどのように認識しているか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(吉野正芳君) 訪問リハビリの特例は、震災後の医師不足に対処するため、病院等の綿密な連携により、病院等以外の事業者による訪問リハビリの実施を可能とするものでございます。岩手、宮城、福島の各県に十二事業所が開設され、介護を必要とする高齢者に対し、医師不足の中、在宅でのリハビリテーションを提供するという役割を適切に果たしているものでございます。
○藤田幸久君 二〇二〇年に、復興庁解体によりまして、訪問リハビリステーションを訪問介護ステーションに移行される方針だと伺っております。しかしながら、通常の訪問看護ステーションに移行するには人材の確保が大きな課題と思われます。実質的に事業を継続するのはなかなか難しいというふうに懸念されるわけであります。陸前高田市、大船渡市、気仙沼市などの被災自治体は、療法士のみで行える訪問リハビリ事業の継続を求めているというふうに伺っております。
現行法の適用指定方法としての構造改革特区のメニューに載せられるように国はどのような支援とサポートができるのか、あるいは復興特区の延長をこの分野に限って実行するという方法もあると思われますが、政府の対応についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(吉野正芳君) 訪問リハビリの特例の期限については、昨年一月に延長し、岩手県及び宮城県では平成三十二年三月末、福島県では平成三十三年三月末となっております。岩手県及び宮城県からは、現在の特例事業所の今後の運営形態について、訪問看護ステーションへの移行を含め検討中と聞いておるところです。
復興庁として、高齢者がサービスを継続的に受けられることが重要でございます。今後の復興特区の取扱いについては、計画策定主体である県、厚生労働省と相談をしてまいりたいと思っております。
○藤田幸久君 その最後の私の質問の、その復興特区の延長をこの分野に限って実行するという方法についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(吉野正芳君) 繰り返しになりますけど、復興特区の計画策定主体である県の意見を聞いて、必要に応じ厚生労働省等関係府省とも相談をしてまいりたいと思っています。
○藤田幸久君 東日本大震災におけるひたちなか海浜鉄道湊線というのがございました。それから、数年前の鬼怒川の決壊の際には、関東鉄道という鉄道が大きな被害を受けて、国民生活にも大きな障害が生じました。現在の制度の下では、被害を受けた路線の年間収入の一割以上の復興費用が掛かるという場合には国の補助の対象となっておりますけれども、年間収入の一割以下であれば対象外と紋切りのようになっているわけですが、収支は黒字であっても、復旧に大変大きな財政負担、急に必要になるわけですから、災害時の復旧復興に対する補助、これはほかのいろんな鉄道会社でもそうだったと聞いておりますけれども、この補充の拡充を検討すべきだろうと思いますけれども、その対策について国交省からお答えをいただきたいと思います。
○大臣政務官(秋本真利君) 鉄道事業は、営利を目的とする鉄道事業者により営まれるものでございますので、鉄道施設が災害により被害を受けた場合には自らの資力により復旧することを基本といたしております。しかしながら、経営が厳しく、鉄道事業者の資力のみでは復旧が著しく困難な場合につきましては、鉄道軌道整備法に基づきまして国が助成を行う制度もございます。
現在、黒字鉄道事業者の赤字路線につきましては、一定の要件を満たす場合に助成することを可能とする鉄道軌道整備法の改正案が議員立法の形で検討されているというふうに聞いております。
○藤田幸久君 人ごとのように改正案というだけではなくて、営利とおっしゃいますけれども、被害を受けた場合に市民全体に影響が及ぶという意味では公益性が非常に強いと思いますので、そういう観点からの対応もお願いしたいと思っております。
それから、こういう中小のある意味では公共交通機関と思いますけれども、災害時における被害は非常に広い範囲に及ぶわけでございまして、安全輸送確保などの低下も生じるということが実際に起こるわけであります。したがいまして、復旧以外にも更なる安全対策のための費用負担が大きくなると思いますけれども、このような費用負担への対応策についてもお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(秋本真利君) 鉄道の運行におきまして、安全の確保は極めて重要でございます。一方で、地域鉄道の中には、利用者の減少等により運営赤字が生じるなど厳しい経営状況に置かれ、安全確保のために必要な投資について事業者単独では困難な場合があることも承知しておるところでございます。
このため、国土交通省では、経営基盤の脆弱な地域鉄道事業者が行うレール、枕木、踏切などの安全性向上に必要な施設整備等につきまして支援を行っているところでございます。
○藤田幸久君 では、通信とかいうものについてはどうですか。あるいは警報機。
○大臣政務官(秋本真利君) 先ほど申し上げました制度につきましては、災害復旧を目的とするものではございませんけれども、先生の御地元の関東鉄道等におきましても、この制度を活用してレール、枕木、踏切等の支援を行ったところでございまして、また、対象設備につきましては、軌道改良、のり面固定、ATS等、こういったものにつきましても使えるということでございます。踏切等につきましても当然使えるわけでございます。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
こういう中小の公共交通機関からの復旧は、実際に経済負担が掛かるわけでございますので、実際には人件費とか人員の削減によって運営せざるを得ないと、そうやって持ちこたえているというふうに聞いております。したがいまして、更なる安全対策が劣化するということにもつながりかねないわけですから、復旧についてももっと手厚い支援を検討すべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(秋本真利君) これまでも鉄道軌道整備法に基づく国の助成制度により災害復旧の支援を行ってきたところでございますが、例えば東日本大震災や熊本地震につきましては、その被害の甚大さに鑑み、復旧後の鉄道施設を公的主体が保有すること等を条件として特別な支援制度を設けるなど、必要な対応を行ってきたところでございます。引き続き、鉄道軌道整備法に基づく助成制度の活用を基本としつつ、経営や被害の状況をしっかりと把握いたしまして、被災地域のニーズ等を踏まえ、被災した鉄道の早期の復旧を今後とも支援してまいりたいというふうに思っているところでございます。
○藤田幸久君 資料の一枚目を御覧いただきたいと思います。これ茨城県の新聞でございますけれども、東日本大震災の影響で原木シイタケの生産者が事故前の半数に落ち込んでいると、それから、国の出荷制限や県の出荷自粛制限が解除されていない生産者が百人もいるという記事でございます。解除が進んだ後も実は栽培用の原木が不足している、結局、関東では取れないので、高知とか遠くから取り寄せるために価格が高騰していると。それが二枚目の資料で、これだけ随分価格が上がっているということでございます。
原発事故による出荷の自粛が続いている期間は、この掛かり増し費用の損害賠償支払があるわけですが、これを継続していただかないとこれは大変なことになると思っておりますけれども、政府の対応を、これは経産省ですか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(星野岳穂君) お答え申し上げます。
原木シイタケの生産者の方々に対しまして東京電力では、逸失利益ですとか、今御指摘いただきました原木の調達に関して追加的に負担をいたしました費用等を賠償しているところでございます。
原木シイタケ等を含みます農林業に対する賠償につきましては、平成二十八年十二月に閣議決定をいたしました原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針におきまして、損害がある限り賠償するという方針の下で、農林業の風評被害が当面は継続する可能性が高いという認識に基づきまして、引き続き適切な賠償を行うよう、東京電力に対して指導を行うという国の方針を明確にしているところでございます。
経済産業省といたしましては、東京電力がこうした政府の方針に沿って農林業関係者の方々の御意見を真摯に踏まえて適切な賠償を行っていくように、引き続きしっかりと指導してまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 同様に、この原木シイタケ関連の政府からの補助事業、これは農水省関係だろうと思いますが、これも継続する方向なのか、その確認をしていただきたいと思います。
○政府参考人(渡邊毅君) お答えをいたします。
シイタケ栽培の原木につきましては、先生御指摘のとおり、原発事故によりまして東日本の広範囲に放射性物質の影響が発生をした関係で、特に福島県がキノコの原木であるコナラの主要な供給県だったことから、全国的にコナラの原木が不足をしているという状況でございます。そういう状況を反映して、先生御指摘のとおり、栽培用の原木価格は震災前の平成二十二年に比べて全国平均で一・二倍から一・三倍の価格に上昇をしていると。
こういう状況を踏まえまして、国では、平成二十五年度予算から復興予算におきまして、被災地における原木シイタケの生産継続に向けて、原発事故前の原木価格の二分の一相当額の経費などにつきまして助成を行っているということで、本年度予算についても同様の措置を講じているところでございます。
今後とも、原木シイタケを始めとした特用林産物の生産継続に向けて必要な支援を講ずるよう、検討してまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 三枚目から資料を何枚か付けておりますけれども、昨年、この委員会で質問したテーマでございます。天理教災害救援ひのきしん隊という百二十年以上の経験のある日本最大の民間災害支援組織があります。この部隊のすごいところは、全部機材を持っているんですね、ダンプカー、パワーショベル、クレーン車、給水車。衣食住も自己完結です。炊事設備、医療活動、給水支援、宿泊場所まで確保していると。明治二十四年の濃尾地震、関東大震災、阪神・淡路大震災、そして七年前の東日本大震災でも三万人以上の方々が出動されたと。
ただ、この存在が政府や都道府県全体で余り知られていないという実態があります。資料にもありますように、陸前高田の戸羽市長、東松島の阿部市長、阿蘇市の佐藤市長など、支援を受けた市ではこの部隊がすごいということが分かるわけですが、事前にこういうことを、部隊があるということを知っているかが非常に重要なわけです。
昨年、この委員会でこの点を取り上げましたところ、今村雅弘復興担当大臣が理解をいただき、政府がこの活動を研究し、連携を図っていきたいということで動いてこられたと聞いておりますけれども、どのような対応を取ってこられたのか、お答えをいただきたいと思います。
○副大臣(あかま二郎君) 先生御指摘のとおり、天理教の災害救援隊でありますひのきしん隊、大変な高い技術力、また自己完結型の救援活動を行っているということでございます。
まず、災害時重要なのは、行政と民間の支援団体との連携、これが重要でございます。一昨年の熊本地震を例に取りますると、熊本地震・支援団体火の国会議、またさらには、昨年の九州北部豪雨における情報共有会議、これらによって、行政とNPOとの連携、情報共有、これが図られました。今先生の御質疑の中にあります天理教の災害救援隊もこれらに参加をして、こうした連携の輪の中で行政や他の支援団体との連携をした支援活動が繰り広げられたと承知しております。
内閣府といたしまして、一昨年に防災基本計画を改定をし、行政とNPO等との連携について規定をしたところでございますけれども、今後もNPO等が効率的な活動ができるよう、環境整備、これに努めてまいりたいと思っています。
○藤田幸久君 吉野大臣、通告していないことでございますが、昨今、自衛隊のイラク、スーダンの日報問題が話題になっております。日報問題が出てきたそのファイルが、教訓業務、つまり経験を生かすためにこの記録を取っていた日報です。
そうすると、今回の災害においても、私はそういう日報のような、各省庁が何をやっていたか記録が非常に重要で、まさに教訓を生かすという意味では、自衛隊も日報を作ったように、災害関係も各省庁の日報的な記録が重要じゃないかと思っておりますが、この政府の公文書という観点も含めて、災害関係の日報的な業務、記録についてどう取り組むべきかについて見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(吉野正芳君) おっしゃるとおり、災害への、災害は必ずやってくるものでございますので、教訓等々をきちんと残すこと、これは本当に大事なことだ、このように認識をしているところです。
日報といっても、なかなか、各最前線の地方自治体等々が現場で向かっているわけでございますので、復興庁としては公文書の管理はきちんとやっているわけでございますので、それらを踏まえながら、教訓がどうできるか、それをこれから検討していきたい、このように考えています。
○藤田幸久君 是非、記録を提出をしていただきたいと、そういったものを検討していただきたいと、それを是非委員会の方にも報告いただくように委員長に取り計らいをお願いしたいと思いますが。
○委員長(江島潔君) ただいまの件に関しましては、後刻また理事会にて協議をいたします。
○藤田幸久君 最後に、大臣の後輩に佐川さんという方がいらっしゃいます。いわきの出身です。そして、復興大臣の平野さんのときに復興庁で大変活躍をされました。大変当時は復興庁で頑張られました。その佐川さんが今ああいう状況に置かれ、私非常に残念であります。真面目な人です。恐らく何かを抱えていらっしゃる。
私は、佐川さんが、ああいう真面目な人がいろんなことについてはっきり物をおっしゃっていただいて、そして郷土の後輩として、そういうことが私は重要だと思いますが、何かコメントがあれば大臣からいただきたいと思います。
○委員長(江島潔君) 吉野大臣、時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(吉野正芳君) 佐川氏は同じいわき市生まれでございます。中学校も高校も違うわけでございまして、ただ、いわき市出身ということで、本当に今度の事件が起きる前は復興庁にも御尽力をいただいた方で、すばらしい、私のいわゆる大きな意味での後輩がいるんだな、こんな思いで思っておりました。
○藤田幸久君 終わらせてもらいます。ありがとうございました。
まず、復興特区における単独型の訪問リハビリ事業でございますけれども、これはお医者さんや看護師の確保が困難な被災地においては、療法士のみで訪問リハビリが行えると、非常に意義は大きいと思われております。復興庁として、この事業が被災地において果たしてきた役割、効果についてどのように認識しているか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(吉野正芳君) 訪問リハビリの特例は、震災後の医師不足に対処するため、病院等の綿密な連携により、病院等以外の事業者による訪問リハビリの実施を可能とするものでございます。岩手、宮城、福島の各県に十二事業所が開設され、介護を必要とする高齢者に対し、医師不足の中、在宅でのリハビリテーションを提供するという役割を適切に果たしているものでございます。
○藤田幸久君 二〇二〇年に、復興庁解体によりまして、訪問リハビリステーションを訪問介護ステーションに移行される方針だと伺っております。しかしながら、通常の訪問看護ステーションに移行するには人材の確保が大きな課題と思われます。実質的に事業を継続するのはなかなか難しいというふうに懸念されるわけであります。陸前高田市、大船渡市、気仙沼市などの被災自治体は、療法士のみで行える訪問リハビリ事業の継続を求めているというふうに伺っております。
現行法の適用指定方法としての構造改革特区のメニューに載せられるように国はどのような支援とサポートができるのか、あるいは復興特区の延長をこの分野に限って実行するという方法もあると思われますが、政府の対応についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(吉野正芳君) 訪問リハビリの特例の期限については、昨年一月に延長し、岩手県及び宮城県では平成三十二年三月末、福島県では平成三十三年三月末となっております。岩手県及び宮城県からは、現在の特例事業所の今後の運営形態について、訪問看護ステーションへの移行を含め検討中と聞いておるところです。
復興庁として、高齢者がサービスを継続的に受けられることが重要でございます。今後の復興特区の取扱いについては、計画策定主体である県、厚生労働省と相談をしてまいりたいと思っております。
○藤田幸久君 その最後の私の質問の、その復興特区の延長をこの分野に限って実行するという方法についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(吉野正芳君) 繰り返しになりますけど、復興特区の計画策定主体である県の意見を聞いて、必要に応じ厚生労働省等関係府省とも相談をしてまいりたいと思っています。
○藤田幸久君 東日本大震災におけるひたちなか海浜鉄道湊線というのがございました。それから、数年前の鬼怒川の決壊の際には、関東鉄道という鉄道が大きな被害を受けて、国民生活にも大きな障害が生じました。現在の制度の下では、被害を受けた路線の年間収入の一割以上の復興費用が掛かるという場合には国の補助の対象となっておりますけれども、年間収入の一割以下であれば対象外と紋切りのようになっているわけですが、収支は黒字であっても、復旧に大変大きな財政負担、急に必要になるわけですから、災害時の復旧復興に対する補助、これはほかのいろんな鉄道会社でもそうだったと聞いておりますけれども、この補充の拡充を検討すべきだろうと思いますけれども、その対策について国交省からお答えをいただきたいと思います。
○大臣政務官(秋本真利君) 鉄道事業は、営利を目的とする鉄道事業者により営まれるものでございますので、鉄道施設が災害により被害を受けた場合には自らの資力により復旧することを基本といたしております。しかしながら、経営が厳しく、鉄道事業者の資力のみでは復旧が著しく困難な場合につきましては、鉄道軌道整備法に基づきまして国が助成を行う制度もございます。
現在、黒字鉄道事業者の赤字路線につきましては、一定の要件を満たす場合に助成することを可能とする鉄道軌道整備法の改正案が議員立法の形で検討されているというふうに聞いております。
○藤田幸久君 人ごとのように改正案というだけではなくて、営利とおっしゃいますけれども、被害を受けた場合に市民全体に影響が及ぶという意味では公益性が非常に強いと思いますので、そういう観点からの対応もお願いしたいと思っております。
それから、こういう中小のある意味では公共交通機関と思いますけれども、災害時における被害は非常に広い範囲に及ぶわけでございまして、安全輸送確保などの低下も生じるということが実際に起こるわけであります。したがいまして、復旧以外にも更なる安全対策のための費用負担が大きくなると思いますけれども、このような費用負担への対応策についてもお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(秋本真利君) 鉄道の運行におきまして、安全の確保は極めて重要でございます。一方で、地域鉄道の中には、利用者の減少等により運営赤字が生じるなど厳しい経営状況に置かれ、安全確保のために必要な投資について事業者単独では困難な場合があることも承知しておるところでございます。
このため、国土交通省では、経営基盤の脆弱な地域鉄道事業者が行うレール、枕木、踏切などの安全性向上に必要な施設整備等につきまして支援を行っているところでございます。
○藤田幸久君 では、通信とかいうものについてはどうですか。あるいは警報機。
○大臣政務官(秋本真利君) 先ほど申し上げました制度につきましては、災害復旧を目的とするものではございませんけれども、先生の御地元の関東鉄道等におきましても、この制度を活用してレール、枕木、踏切等の支援を行ったところでございまして、また、対象設備につきましては、軌道改良、のり面固定、ATS等、こういったものにつきましても使えるということでございます。踏切等につきましても当然使えるわけでございます。
○藤田幸久君 ありがとうございます。
こういう中小の公共交通機関からの復旧は、実際に経済負担が掛かるわけでございますので、実際には人件費とか人員の削減によって運営せざるを得ないと、そうやって持ちこたえているというふうに聞いております。したがいまして、更なる安全対策が劣化するということにもつながりかねないわけですから、復旧についてももっと手厚い支援を検討すべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(秋本真利君) これまでも鉄道軌道整備法に基づく国の助成制度により災害復旧の支援を行ってきたところでございますが、例えば東日本大震災や熊本地震につきましては、その被害の甚大さに鑑み、復旧後の鉄道施設を公的主体が保有すること等を条件として特別な支援制度を設けるなど、必要な対応を行ってきたところでございます。引き続き、鉄道軌道整備法に基づく助成制度の活用を基本としつつ、経営や被害の状況をしっかりと把握いたしまして、被災地域のニーズ等を踏まえ、被災した鉄道の早期の復旧を今後とも支援してまいりたいというふうに思っているところでございます。
○藤田幸久君 資料の一枚目を御覧いただきたいと思います。これ茨城県の新聞でございますけれども、東日本大震災の影響で原木シイタケの生産者が事故前の半数に落ち込んでいると、それから、国の出荷制限や県の出荷自粛制限が解除されていない生産者が百人もいるという記事でございます。解除が進んだ後も実は栽培用の原木が不足している、結局、関東では取れないので、高知とか遠くから取り寄せるために価格が高騰していると。それが二枚目の資料で、これだけ随分価格が上がっているということでございます。
原発事故による出荷の自粛が続いている期間は、この掛かり増し費用の損害賠償支払があるわけですが、これを継続していただかないとこれは大変なことになると思っておりますけれども、政府の対応を、これは経産省ですか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(星野岳穂君) お答え申し上げます。
原木シイタケの生産者の方々に対しまして東京電力では、逸失利益ですとか、今御指摘いただきました原木の調達に関して追加的に負担をいたしました費用等を賠償しているところでございます。
原木シイタケ等を含みます農林業に対する賠償につきましては、平成二十八年十二月に閣議決定をいたしました原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針におきまして、損害がある限り賠償するという方針の下で、農林業の風評被害が当面は継続する可能性が高いという認識に基づきまして、引き続き適切な賠償を行うよう、東京電力に対して指導を行うという国の方針を明確にしているところでございます。
経済産業省といたしましては、東京電力がこうした政府の方針に沿って農林業関係者の方々の御意見を真摯に踏まえて適切な賠償を行っていくように、引き続きしっかりと指導してまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 同様に、この原木シイタケ関連の政府からの補助事業、これは農水省関係だろうと思いますが、これも継続する方向なのか、その確認をしていただきたいと思います。
○政府参考人(渡邊毅君) お答えをいたします。
シイタケ栽培の原木につきましては、先生御指摘のとおり、原発事故によりまして東日本の広範囲に放射性物質の影響が発生をした関係で、特に福島県がキノコの原木であるコナラの主要な供給県だったことから、全国的にコナラの原木が不足をしているという状況でございます。そういう状況を反映して、先生御指摘のとおり、栽培用の原木価格は震災前の平成二十二年に比べて全国平均で一・二倍から一・三倍の価格に上昇をしていると。
こういう状況を踏まえまして、国では、平成二十五年度予算から復興予算におきまして、被災地における原木シイタケの生産継続に向けて、原発事故前の原木価格の二分の一相当額の経費などにつきまして助成を行っているということで、本年度予算についても同様の措置を講じているところでございます。
今後とも、原木シイタケを始めとした特用林産物の生産継続に向けて必要な支援を講ずるよう、検討してまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 三枚目から資料を何枚か付けておりますけれども、昨年、この委員会で質問したテーマでございます。天理教災害救援ひのきしん隊という百二十年以上の経験のある日本最大の民間災害支援組織があります。この部隊のすごいところは、全部機材を持っているんですね、ダンプカー、パワーショベル、クレーン車、給水車。衣食住も自己完結です。炊事設備、医療活動、給水支援、宿泊場所まで確保していると。明治二十四年の濃尾地震、関東大震災、阪神・淡路大震災、そして七年前の東日本大震災でも三万人以上の方々が出動されたと。
ただ、この存在が政府や都道府県全体で余り知られていないという実態があります。資料にもありますように、陸前高田の戸羽市長、東松島の阿部市長、阿蘇市の佐藤市長など、支援を受けた市ではこの部隊がすごいということが分かるわけですが、事前にこういうことを、部隊があるということを知っているかが非常に重要なわけです。
昨年、この委員会でこの点を取り上げましたところ、今村雅弘復興担当大臣が理解をいただき、政府がこの活動を研究し、連携を図っていきたいということで動いてこられたと聞いておりますけれども、どのような対応を取ってこられたのか、お答えをいただきたいと思います。
○副大臣(あかま二郎君) 先生御指摘のとおり、天理教の災害救援隊でありますひのきしん隊、大変な高い技術力、また自己完結型の救援活動を行っているということでございます。
まず、災害時重要なのは、行政と民間の支援団体との連携、これが重要でございます。一昨年の熊本地震を例に取りますると、熊本地震・支援団体火の国会議、またさらには、昨年の九州北部豪雨における情報共有会議、これらによって、行政とNPOとの連携、情報共有、これが図られました。今先生の御質疑の中にあります天理教の災害救援隊もこれらに参加をして、こうした連携の輪の中で行政や他の支援団体との連携をした支援活動が繰り広げられたと承知しております。
内閣府といたしまして、一昨年に防災基本計画を改定をし、行政とNPO等との連携について規定をしたところでございますけれども、今後もNPO等が効率的な活動ができるよう、環境整備、これに努めてまいりたいと思っています。
○藤田幸久君 吉野大臣、通告していないことでございますが、昨今、自衛隊のイラク、スーダンの日報問題が話題になっております。日報問題が出てきたそのファイルが、教訓業務、つまり経験を生かすためにこの記録を取っていた日報です。
そうすると、今回の災害においても、私はそういう日報のような、各省庁が何をやっていたか記録が非常に重要で、まさに教訓を生かすという意味では、自衛隊も日報を作ったように、災害関係も各省庁の日報的な記録が重要じゃないかと思っておりますが、この政府の公文書という観点も含めて、災害関係の日報的な業務、記録についてどう取り組むべきかについて見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(吉野正芳君) おっしゃるとおり、災害への、災害は必ずやってくるものでございますので、教訓等々をきちんと残すこと、これは本当に大事なことだ、このように認識をしているところです。
日報といっても、なかなか、各最前線の地方自治体等々が現場で向かっているわけでございますので、復興庁としては公文書の管理はきちんとやっているわけでございますので、それらを踏まえながら、教訓がどうできるか、それをこれから検討していきたい、このように考えています。
○藤田幸久君 是非、記録を提出をしていただきたいと、そういったものを検討していただきたいと、それを是非委員会の方にも報告いただくように委員長に取り計らいをお願いしたいと思いますが。
○委員長(江島潔君) ただいまの件に関しましては、後刻また理事会にて協議をいたします。
○藤田幸久君 最後に、大臣の後輩に佐川さんという方がいらっしゃいます。いわきの出身です。そして、復興大臣の平野さんのときに復興庁で大変活躍をされました。大変当時は復興庁で頑張られました。その佐川さんが今ああいう状況に置かれ、私非常に残念であります。真面目な人です。恐らく何かを抱えていらっしゃる。
私は、佐川さんが、ああいう真面目な人がいろんなことについてはっきり物をおっしゃっていただいて、そして郷土の後輩として、そういうことが私は重要だと思いますが、何かコメントがあれば大臣からいただきたいと思います。
○委員長(江島潔君) 吉野大臣、時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(吉野正芳君) 佐川氏は同じいわき市生まれでございます。中学校も高校も違うわけでございまして、ただ、いわき市出身ということで、本当に今度の事件が起きる前は復興庁にも御尽力をいただいた方で、すばらしい、私のいわゆる大きな意味での後輩がいるんだな、こんな思いで思っておりました。
○藤田幸久君 終わらせてもらいます。ありがとうございました。
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