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参議院東日本大震災復興特別委員会における藤田幸久の質疑議事録2014年05月23日
活動報告
2014年5月23日
参議院東日本大震災復興特別委員会における藤田幸久の質疑議事録
○藤田幸久君 民主党の藤田幸久でございます。
今日は、復興関係と同時に、最近の原発関係について御質問したいと思っておりますけれども、今日は、規制委員会の田中委員長、お越しいただきましてありがとうございます。
田中委員長、ジェー・シー・オーの事故のときも対応され、その後も除染活動とか行動する活動をされてこられたわけですが、その原点は、やはり三月三十一日の、資料にお配りしておりますけれども、この福島原発事故についての緊急建言というものを書かれたお一人でございます。
ちょっと部分的に読ませていただきますと、やっぱりまず冒頭の部分ですね。原子力の平和利用を先頭だって進めて来た者として、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝いたしますと。それから、三つ目のパラでございますけれども、溶融炉心が時間とともに、圧力容器を溶かし、格納容器に移り、さらに格納容器の放射能の閉じ込め機能を破壊することや、圧力容器内で生成された大量の水素ガスの火災・爆発による格納容器の破壊などによる広範で深刻な放射能汚染の可能性を排除できないことであると。三月三十一日の段階で、皆さんこういう認識を示しておられた。それから、下から七行目ぐらいですけれども、右の方、東京電力だけの事故ではなく、既に国家的な事件というべき事態に直面しているとおっしゃっておられます。
それから、次のページに行っていただきまして、最後から二つ目のパラでございますけれども、後半の部分、長期的に危機を増大させないために、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、これが今は規制委員会に変わりましたが、関係省庁に加えて、日本原子力研究開発機構、放射線医学総合研究所、産業界、大学等を結集し、我が国が持つ専門的英知と経験を組織的、機動的に活用しつつ、総合的かつ戦略的に取り組むことが必須であると、大変勇気のある建言をされたわけでございます。
委員長にまずお聞きしたいのは、この建言がどの程度実現したというふうに認識されておられますか。個人的な見解で結構ですので、お答えをいただきたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 御指摘の提言については、私がこの原子力規制委員長に着任する前に行ったものですので、現在の立場から何か申し上げるというのは大変難しい点はございますけれども、今先生読み上げていただきましたように、一言で言えば、やはりこの事故は国家的な事故であるという認識の下で、国の持てる総力を挙げて、一東京電力だけではなくて国を挙げて対処していただきたいということを申し上げました。
その後、いろいろ紆余曲折はあったかと思いますけれども、現在は政府が中心になりまして、関係者の努力がだんだん実りまして、私が提言を行ったのは事故の起きた年ですからもう三年にもなりますけれども、そういったときと比べれば状況ははるかに改善しているというふうに認識しています。
しかし、福島第一原子力発電所の状況というのは、日々、新聞等でも報道されていますように、いろんな問題が起こっておりまして、いろんなリスクがまだ残っております。したがいまして、こういったリスクが高い状態にありますので、これを顕在化させないようにする、これはもう今私の規制委員長としての一つの大きな任務であるということで、それについて引き続きそのための努力を続けていきたいと思っています。
一方、放射能が環境に大量に放出されたことによって、いまだに十四、五万人の方が避難を余儀なくされております。これについては、除染等、環境回復についてのお取組も懸命に行われておりますけれども、やはり住民の皆さんの放射線被曝に対する不安を始めとして生活の問題とか様々な不安があって、なかなか戻るに戻れないというようなところもございます。これにつきましては、私ども委員会としては、住民の帰還に向けた安全、安心の提言をさせていただきました。これは、政府の方でもこれを認めていただきまして、現在、復興庁を中心に、関係各省庁が協力して住民帰還に向けた懸命の努力を今継続しているところでございます。
十分な答えかどうか分かりませんけれども、そんな状況にございます。
○藤田幸久君 ありがとうございました。
また、今の点、戻っていきたいと思いますが、そんな中で、東海第二原発の再稼働に向けて、新規制基準に基づく安全審査を原子力規制委員会に日本原子力発電が申請したわけです。今週でございます。東海第二は運転開始から三十五年がたっていると。そうすると、安全対策は早くても二〇一六年六月までに終える計画と言われておりますので、炉規法に基づく運転期間、原則四十年まで二年余りしか残らなくなってしまうということになるんですが、この四十年ルールの適用をどういうふうに考えておられるのか、田中委員長の方からお答えいただきたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 現在の原子炉等規制法では、発電用原子炉を運転することができる期間を運転開始から原則四十年としております。今の御指摘のとおりでございます。
ただし、その満了までに特別な認可を受けた場合に限り、一回に限って二十年を超えない範囲、期間で運転期間を延長することができるということになっています。この運転期間延長のためには、事業者が当該発電所の運転期間の満了前の一年以上一年三か月以内に本規制委員会に申請する必要がございます。
今回、日本原子力発電東海第二原発、確かに御指摘のように間もなく四十年を迎えるという段階ではございますけれども、事業者からそういった申請がありましたので、それについては、私どもとしては新しい規制基準に基づいてきちっと適合性を審査をしていくということになります。それで、当然、バックフィットということも含めまして適合性の審査をしていくということになります。
○藤田幸久君 東海第二原発、委員長御自身もおられましたのでよく御存じですが、三十キロ圏内の人口は、私が住んでおります水戸市を含めまして九十八万人で、全国で最多でございます。この申請が行われましてから、自治体の避難計画、できていないわけですが、その申請が起きた後、水戸市の高橋市長でございますけれども、規制委員会には市民の安全、安心が確保される安全対策が講じられているか慎重な判断を願うというふうに言っております。これは基本的に自治体がということになっているんですが、やはりこの原子力防災会議を中心に、関係省庁挙げて自治体の計画策定を支援をすることになっているわけですが、規制委員会の方でもその地域防災計画とか避難計画等の充実に向けて、やっぱり技術的、専門的な知見を持っているのは規制委員会でございますので、その避難計画の審査まで踏み込んだ対応をしていただけないかということを思うわけですが、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 地域防災計画、避難計画をきちっと策定していただくということは大変重要なことでございます。ただし、地域によって相当、地域の状況とか人口構成とか様々な状況が違いますので、基本的にはやはり地域、立地自治体、あるいはそこの県が中心になってそういった計画を策定していただくということになっております。
それにつきまして、いろいろ技術的な助言というか、サポートは私どもとしてもできる限りやらせていただくという考えではおりますが、現在の定めといいますか、私どもの任務としましては、指針は提示するということで提示させていただきましたけれども、具体的な計画の策定ということについては、その具体化につきましては各自治体が行うということになっております。先生の御指摘でございますけど、そういう状況にあるということを御理解いただければ幸いであります。
○藤田幸久君 規制委員会の顧問にもなっていらっしゃいますアメリカの元NRCのメザーブ委員長にもこの間お会いをしてまいりました。それから、ヤッコ委員長にもお話承ってまいりました。やはり今の権限では、規制委員会、日本の場合にはそういう権限がないわけですが、ほかの国におきましては規制委員会がやはりこの避難計画等についても関わっているという国がございますので、これはある意味じゃその枠の中でしか仕事ができない委員長にとっては気の毒でございますけれども、何かこれは政府全体として方法を考えていく、やはり避難計画まで含めて政府なりあるいは中立的な機関の方も判断をするということが重要ではないかと思っておりますので、またこの点について後で更に質問をさせていただきたいと思います。
それから、今週は、福井地裁が関西電力の大飯原発三、四号機の再稼働差止めを命ずる判決を下されたわけであります。いろんなことが出ておりますけれども、裁判所が技術的評価をしたということについてどう感じられるかということと、委員長はこの裁判の後、裁判とは別に、我々規制委員会は科学技術的な知見に基づいて基準に適合しているかどうか判断するとおっしゃったわけですが、こういうふうに司法が示す科学技術的知見と規制委員会が規制基準で示す科学技術的知見が異なる場合に、規制委員会としてどういう対応をすべきと考えておられるのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 福井地裁において、御指摘のとおり、被告関西電力大飯発電所三、四号機の原子炉の運転をしてはならないという判決の言渡しがあったということは報道等で承知しております。しかし、この訴訟は民事訴訟で、国は元々その当事者でないため、私ども原子力規制委員会として同判決に対してコメントする立場にはないというふうに考えております。
私ども規制委員会の役割としましては、この大飯発電所三、四号機についても、事業者からの申請に基づいて、新しい規制基準に基づく適合性審査を行っているところでございます。専門的、技術的観点から厳格に確認していくということが私どもの役割と認識しております。
司法と私どもの見解が違った場合にどうするかということですけれども、その判断は私どもがすることではなくて、社会なりいろんな国民なりが判断することであろうと思いますので、私どもとしては、科学技術的にきちっとした判断というか評価をさせていただきたいというふうに思っております。
○藤田幸久君 今まさに、国民あるいは社会的判断という部分についての原子力政策に関する国としての取組が問われているのかなということで、この二つの事例を申し上げました。
一つは、規制委員会に関しましては、私も十二月に自民党の松山議員とフィンランドのオンカロへ行ってまいりました。要するに小泉元総理が言ったトイレなきマンションで有名なんですが、それ以上に私は感じましたのは、フィンランド等は、地方自治体、地方議会、国、それから規制委員会、あるいは推進官庁も含めまして相互チェックをする非常に合理的、重層的、透明なシステムを持っていると。今のような、例えば避難計画なんかについても、そういう仕組みが日本でも必要ではないかと感じたわけでございます。
それから、まさに委員長おっしゃったように、国民の判断をする場合に、それをどういうふうに整理してどういうふうに表現するかという部分、ある意味ではこれ、我々国会議員の非常に責任が多いわけですが、まだまだそれを反映するようなシステムができていない。かなり規制委員会に、期待も大きいこともあって、過剰負担が行っている部分。その場合に、これは個人的な見解で結構でございますけれども、いろいろな意味で、もう少し権限等が、あるいはその役割が整理されることによってより効果的な国としての取組ができるんではないか、あるいは民意を反映をしたような取組ができるんじゃないか、そういうことについて、もし、個人的で結構でございますので、御所見があれば是非おっしゃっていただきたいと思います。外国の例も一番よく知っていらっしゃるわけですから。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生の御指摘ですが、個人的見解を今私の立場で申し上げることは大変困難でございますので、発言は控えさせていただきたいと思います。
それで、私ども、委員会の仕事としていろいろ、私は完全だとは思っていませんけれども、与えられた範囲において最善を尽くして行っておるところでございますけれども、それでも不十分であれば、これは是非国会なり何なりで御議論をしていただくのがよろしいのかと、そういうことをお願いしたいと思います。
○藤田幸久君 ありがとうございました。
もっとお聞きしたいところでございますが、時間の関係で次に移りますが、原子力規制委員会の皆さんは、必要であれば御退席いただいて結構でございます。
○委員長(蓮舫君) 原子力規制委員会田中委員長並びに関係の皆様、御退室ください。
○藤田幸久君 それでは、これから根本大臣に幾つかお聞きをしたいと思っております。
一つは、復興の目玉であります復興特区法四十条の新規立地促進税制でございます。実は、びっくりしたんですけれども、この資料に出ていると思います。資料の三ページ目ですけれども、復興庁の中の、特例法の中で、幾つか、この四角の中の括弧でございますけれども、三十七条、三十八条、三十九条で、第四十条は実は六件しかこの三年間で活用事例がないわけであります。それで、今度は平成二十六年度、二十七年度にそれぞれ二十四者、二十四者適用見込みとしているんですが、余りにも数字が低いと。この程度の、五十者程度の新規立地という目標数値が出ているわけですが、二百二十七もある特区認定地方公共団体全域で考えると少な過ぎると。
私は、なぜこれだけ活用が少ないのか、改善のためにどういう対策を講じているのか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) まず、この新規立地促進税制、これの内容でありますが、もう先生既に御案内のように、法人が指定を受けてから五年間、所得の範囲内で再投資等準備金として積み立てた額を損金に算入した場合には法人税が実質無税となる、これは今まで他に例がない措置であると思います。そして、企業誘致の強力なツールだと思います。また、この仕組みから、要は法人が黒字になった段階でその効果を発揮するという制度であります。
適用件数が少ないとの御指摘をいただきましたが、復興特区税制には、この新規立地促進税制のほかに、黒字化を待たずにメリットが生ずる措置、これも用意されておりまして、各法人が事業の状況に応じて最適な措置を活用しているものと思います。また、被災地では今後、インフラなど産業の基盤が整いますので、この産業基盤が整備されるに従って新規の企業立地が増えるものと考えておりまして、この制度についてもこれから活用が増加していくものと考えております。さらに、平成二十六年度税制改正におきまして、復興産業集積区域外に事業所を有する場合、これについてはこの制度の対象とするように改善を行ったところであります。その点からも、これから活用が増加していくものと考えております。
復興庁としては、この新規立地促進税制を積極的に活用していただくように、平成二十六年度税制改正で要件を緩和したことなどを含めて、この新規立地促進税制の周知に努めていきたいと思っております。
○藤田幸久君 要件緩和したといいながら、見通しが二十四、二十四しかないということを聞いているわけでございます。
その復興産業集積区域の外に立地した企業に関してはいろいろ条件付でということになっていますけれども、実際には、同じ例えば石巻市なりの中で、この区域に入っている企業だけということになっているんですね。そうすると、同じ石巻市で、この区域に入っていない企業は対象外になっているということが一番問題なわけで、その辺を条件を緩和するということが重要じゃないかと。これは新しい企業でございまして、これは一番苦しいときに頑張った企業ですから、その条件について、もう少し緩和をしてほしいと思っております。
それからもう一つの隙間は、平成二十三年三月十一日の発災した以降から翌年の四月二十日までに設立された企業は対象外になっているんです。多分この時期に一番頑張った企業が対象外になっちゃっていると。
その二つから、条件を少し変えていただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(根本匠君) この新規立地促進税制、これについては、この目的は、復興産業集積区域において産業集積の形成及び活性化を図るため企業の新規立地を促進すると、こういう政策目的がある、この基本的な性格がありますので、復興産業集積区域外に立地した企業や復興推進計画の認定前に設立された企業を対象とすること、これは困難であるということは御理解いただきたいと思います。
ただ、復興産業集積区域、これは戦略的に特定の産業の集積を推進する区域という、こういう政策目的がありますし、迅速な復興のためには、政策資源や民間投資を集中して産業を集積することがより効率的、効果的だと、こういうことで、こういう政策目的で導入されておりますので、その点では、復興産業集積区域、これは公共団体が地域の実情を踏まえて定めますので、これは地域の実情の変化に応じて追加することも可能ですので、私はこういう可能な政策を適用することによって先生のおっしゃられた趣旨も反映できるのかなと思います。
それからもう一つは、復興特区税制。これについては、機械などを取得した場合の特別償却、あるいは被災者を雇用する場合の……
○藤田幸久君 聞いておりませんので、結構でございますので。
○国務大臣(根本匠君) こういう制度も用意しておりますので、これらの措置については認定前に設立した法人、これも、措置も活用できるということでありますので、これらを総合的に組み合わせて是非活用していただきたいと思います。
○藤田幸久君 次の質問に移ります、時間の関係で。
政府が進めている、これは厚労政務官に行くと思いますけれども、病院から住宅、あるいは介護の推進という関係で訪問看護ステーションが重要だろうと思うんですけれども、今までは新しく立ち上げるというよりも既存の規模を拡大したり効率的な訪問看護を提供するという方向性が強くて、元々数件しか存在しない訪問看護ステーションの新規立ち上げが非常に重要なんですけれども、都道府県が事業主体になっているということでなかなか進んでいないんですが、この新規開設、政策的に言えば重要だろうと思うんですけれども、厚労省の考えを聞かせていただきたいと思います。
○大臣政務官(赤石清美君) 答弁の前に、一昨日、本会議場におきまして、当省が多大なミスをいたしまして皆さんに迷惑掛けたことを、心からおわび申し上げます。
その上で、藤田委員にお答えを申し上げたいと思います。
先生御指摘の、被災地におきまして要介護、要支援者の安定した日常生活を支えるためには、在宅における医療・介護サービスが安定的に提供できる体制を整備することが重要だというふうに考えております。特に、訪問看護ステーションの新規開設に関わる財政支援につきましては、平成十八年度に都道府県交付金を廃止し一般財源化したところでありまして、各自治体におきまして適切な整備が図られているものであると思っております。
また、委員御指摘のとおり、被災地においては看護師不足等の事情が様々であることから、新規に訪問看護ステーションを開設するよりもむしろ既存の訪問看護ステーションのサテライト化を推進していくことや、安定的かつ効率的な訪問看護を供給できる大規模化が推進していくことの方が看護人材の活用の観点からも有効であると考えておりまして、このような考えの下、財政的な支援を実施しているところであります。
引き続き、訪問看護の充実を図るため必要な支援を行ってまいりたいと、このように思っております。
○藤田幸久君 いや、そうではなくて、結局このいわゆる中核になるところがなければ、この政策の目標のしていることと逆でないかということを言っているわけであります。
それで、具体的に言いますと、申込み締切りが三月三十一日としているので、その後開設をしても翌年の四月以降に開設することになってしまうので、そうすると、その間に看護師さんが流出してしまっているので新規業者ができないというようなことがございます。
昨日確認をしたところ、一応復興庁は年に三回受け付けていると、それから県の方も年に三回ということになっているようですけれども、それも周知徹底されていなくて、要は、市町村が年に一度の締切りと実態としてしまっているのでできないということがあるようですけれども、この随時申請、随時交付というのが実態的にできるようにすべきだろうと思いますが、その点いかがですか。
○政府参考人(北村信君) 御質問のございました復興交付金の関係かと思います。
復興交付金につきましては、被災自治体の要望や事業計画の策定状況を踏まえて、一年度内に複数回の配分を実施し、復興の進捗を妨げないよう柔軟に対応しております。さらに、復興庁職員が被災自治体に出向きまして、随時、復興交付金事業計画に関する相談に応じているところでございます。御質問がございましたのは、介護基盤復興まちづくり整備事業に関することかと思いますけれども、これにつきましても同様に一年度内に複数回の申請を受け付けておりまして、随時相談に応じております。
引き続き、被災自治体のニーズを丁寧にお伺いし、交付担当省庁でございます厚生労働省とも連携しながら、復興交付金を活用した被災地の復興の加速化を進めてまいりたいと存じます。
○藤田幸久君 ですから、一番よく知っていらっしゃいますけれども、実態としてそうなっていないものを改善をしてステーションを増やしていかなければ政策的な目標からいってもまずいんじゃないですかと言っているわけですから、実態として改善できるように、復興庁と厚労省でしっかりやっていただきたいというふうに思います。
それから、罹災証明についてお伺いしたいと思います。
例えば、岩手県の大槌町では、罹災証明を受けられていない方々が住民の方々の多数に及んでいると。こういう方々は、当然、住民税とか健康保険とか年金とか払わなければいけないので、収入がほとんどないと。復興のために頑張ろうと思っても、例えば、社長が給料が難しいと言うと、社員は少なくても頑張っている、だから失業保険は逆に下りないと。それから、再建のために農業や水産業の方頑張っている、で、頑張っているがゆえに生活保護に入れないと。
だから、逆に言うと、自立再建を目指すと措置は全くなくなってしまうという状況があるわけですが、こういう罹災証明を受けていない住民に対する生活支援策というものが非常に重要だろうと思いますけれども、この点について、これは復興大臣ですかね、答弁書をちゃんと見てください。じゃ、復興大臣、お願いいたします。
○国務大臣(根本匠君) 被災地においては、水産加工施設あるいは工場、商業など甚大な被害がありました。その意味で、生活基盤あるいは雇用の場が多く失われたことは事実であります。
これまで我々その意味で、インフラや住宅の再建、復興まちづくりに加えて、やはり雇用の創出を進めること、これが基本だろうと、非常に重要だろうと思っております。具体的には、被災地での安定的な雇用を創出するため、産業政策と一体となった雇用面の支援を行う事業復興型雇用創出事業、あるいは被災者の一時的な雇用の確保を図る震災等緊急雇用対応事業、あるいはハローワークにおける担当者制などによるきめ細かな職業相談、職業訓練へのあっせんなどを行っております。このような取組を被災地域の自治体などに浸透させて、雇用の創出を通じて被災地の復興を強力に推進していきたいと思います。
なお、罹災証明がない方についても、被災自治体がその判断において災害減免を行うことは可能であります。減免の範囲が被害の状況に照らし相当であると認められる範囲において、震災復興特別交付税により減収補填措置を講じているところであります。
○藤田幸久君 産業政策とおっしゃったんですが、そうするとすり替えになっちゃって時間も掛かるんです。要は生活困窮者に対してどうするかという具体的な話なんです。
それから、今おっしゃった、自治体の方で税金や保険等に関する措置があるということですけれども、これも市町村の窓口等に徹底をしたいので、こういうものがあるんだということを実際に国の方で伝えなければ、実際に使っている人が少ないということを、復興大臣ですから、しっかりやっていただきたいということを申し上げておきたい。つまり、通り一遍のことでは駄目なんです、実際にこれだけ困っている人がいるわけですから。お願いをしておきたいと思っております。
その中で、罹災証明を受けている方々のお子さんは給食代や修学旅行代を支払わなくてもいいと。ところが、罹災証明を受けていない方々のお子さんは支払わなければいけないという実態があるそうです。ですから、学校に行っても、罹災証明を受けている方と受けていないお子さんの間の実質的な差別があると。ですから、いわゆる津波被災市町村あるいは原発避難指示区域に設定された市町村のお子さんたちの教育費用に関しては、せめて罹災証明をもらっている方並みの対応ができないかということを、これは文部科学省にお尋ねをしたいと思います。
○副大臣(西川京子君) お答えさせていただきます。
東日本大震災に被災された方に関しましては、文科省では、被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金というのを出しまして、これは県に基金として積んでもらいまして、それで各市町村で罹災証明書その他判断をしていただくんですが、これは二十四年度から二十六年度まで取りあえず支援するということでございまして、これは十分の十です。今回、平成二十六年度予算では基金不足ということが自治体でも見られましたので、更に三十三億円を積み増して四百四十四億円、今国庫負担でやっておりますが、この判断は非常に柔軟になっておりまして、先生今御指摘のような罹災証明書がない子供さんには駄目だとか、そういうことは一切申し上げておりません。いろいろなそれぞれの市町村の、確かにその認識が甘かったりあれだったりの差がありますので、その辺のところはしっかりとこれから文科省も対応してまいりたいと思います。
それと、実際にこの東日本大震災に被災していなくても、学校教育法第十九条の規定に基づきまして、生活に困窮している児童生徒には就学援助が行われております。今回、この就学援助の対象となるかどうかということは、ひとえに各市町村の方でしっかり対応していただくということで、証明書があるないにかかわらず、もし震災で被災しているなとその地域で認めていただければ柔軟に対応していただけるようになっておりますので、市町村からの相談にもしっかり応じまして対応させていただきたいと思います。
○藤田幸久君 結果的に、学校に行って、受けている方とそうじゃない子供さんの間に違いがあるというようにお子さんが言っているということは、市町村の方からそういうあれがあればということではなくて、文科省の方から出向いて、結果的に、お子さんの間においては親御さんの収入にかかわらず、認定にかかわらず、同じ待遇が受けられるように文科省の方でやっていただきたいと思いますが、一言。
○副大臣(西川京子君) しっかり指導、お願いさせていただきます。
○藤田幸久君 あと十一分なので、金融機関の預貸率について行きたいと思います。
被災三県の金融機関の預貸率が極度に減少しています。とりわけ被災地沿岸部、東北三県でございます。金融機関の預金が増加して、貸出しはほぼ横ばいのままでございます。理由は、復興交付金あるいは保険金、義援金が滞留しており、復興のための予算が市場に出ていないということであるわけです。
被災地に震災前から立地する中小企業や被災以降に新規に創設した企業に対する融資を促進しなければ、本当に意味がないと思っているんです。例えば、分かりませんが、利子補給額の増加とか保証協会による保証率の引上げなど、とにかく具体的に、預貸率が上がってお金がたまっているんじゃなくて使うような、そういう方法が必要だろうと思いますけれども、これは金融庁と中小企業庁ですか、お願いをいたします。
○政府参考人(細溝清史君) まず、民間金融機関についてお答えを申し上げます。
被災三県におきます地域銀行の中小企業向け貸出し、これは貸出額そのものは全国平均を上回って伸びておりますが、預金の増加が貸出しの増加をやや上回っていることから、委員御指摘のとおり、預貸率につきましては、震災直後六割程度に対して直近では五割程度というふうになっております。
また、営業区域を非常に小さく持っております協同組織金融機関、これの沿岸部を主な営業区域とします協同組織金融機関では、預金の増加が貸出しの増加を大きく上回っておりまして、震災直後五割半ばあった預貸率が四割弱ということで、議員御指摘のとおり減少傾向にございます。
被災地の本格的な復興に向けまして、金融機関は、被災企業の事業の再建のみならず、新規で参入してくる企業、将来における企業の事業拡大、創業を展望した新規融資に取り組むことが重要でありまして、まず、被災企業につきましては、顧客のニーズに的確に対応して、再建に向けた新規融資を含む資金供給に積極的に取り組む、また、被災企業に限らず、新規融資を含む積極的な資金供給を行って、企業の育成、成長を後押しするということを中心に本年度は指導、監督しておるところでございます。
また、金融機関によりましては、地域で金融仲介機能を適切かつ積極的に発揮していくために資本が必要だというところがございます。そうした中で、国の資本参加の要件を緩和することを内容とします金融機能強化法を二十三年六月に改正いたしまして、実際、被災地の協同組織金融機関を始めとする金融機関に対し資本参加を行ったところでございます。
金融機関に対しましては、長期にわたって継続的に金融仲介機能を発揮し、顧客企業の経営改善、事業再生、育成、成長につながる新規融資について積極的に取り組むようにしっかり促してまいりたいと考えております。
○政府参考人(北川慎介君) お答えいたします。
被災地の復旧復興、そして創業促進ということで、そのためには資金調達支援、これ大変重要だと考えております。このため、政府系金融機関による融資、そして信用保証協会によります信用保証を実施しておりますが、具体的には、まず、震災によりまして被害を受けられた中小企業・小規模事業者の方への資金繰り支援といたしまして、低利の東日本大震災復興特別貸付けを実施しております。信用保証につきましても、従来の保証と別枠で利用できる復興緊急保証を実施しておりまして、この保証割合、通常八〇%のところを一〇〇%に引き上げて行ってございます。これまでの実績見ますと、貸付けの方は二十六万六千件、五兆七千億円程度、一方、保証の方は十万五千件、二兆二千億円程度となっておりまして、一定程度の役割を果たしていると思っております。
また、創業につきましてでございます。融資につきまして、また同じように政府系金融機関によります開業資金貸付けを実施しておりまして、これも特別に低い金利で提供してございます。これまでの実績で見ますと三千七十五件、百十億円の貸付け。信用保証につきましても同様に保証割合を一〇〇%に引き上げて保証を行ってございまして、被災三県におきましては六百八十三件、三十二億円の保証となってございます。
引き続きまして、実情を踏まえながら、資金供給に万全を期してまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 さっき細溝さんがおっしゃった、三県という言い方しましたけれども、沿岸に限ると違うんですよ、はるかに。例えば、あぶくま信金は一二年三月から一三年三月まで相当伸びておりまして、それから例えば預金量の増加率、石巻信金五三%、気仙沼五二%、あぶくま四二%というような感じで、沿岸部が違うんですから、実態に合わせたことをやっていただきたいと。これは復興庁の方も是非一緒にやっていただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。
あと数分ですけれども、資料の最後のページに資料載せておりますけれども、茨城県の市町村国保の財政支援の拡充についてお聞きをしたいと思っております。
厚労省の特定被災区域の市町村国保の医療費の増加に対して財政調整交付金が出ているわけですが、東北三県に限っては、平成二十五年度から三年間、補助割合の拡充を図ったわけですが、茨城県の場合には、医療費が増加した被災地の市町村国保に対する交付金が異なっておるんですけれども、これはやっぱり東北三県と同様の措置をお願いをしたいと。一つは、風評被害が大きいわけであります、御承知のとおり。その辺も勘案をし、同じ被災県でございますので、東北と同じような形、かなり、何というんですか、複雑な風評被害等による医療費等々というのはございますので、それ是非お願い、宮城県の方々もうなずいていらっしゃいますが、これは厚生労働大臣ですか、お願いします。
○大臣政務官(赤石清美君) 藤田委員にお答えします。
私も青森県の南部地方の出身でございまして、茨城県の北部と同様な被害を受けておりまして。
それで、今の先生の御指摘なんですけれども、被災地では被災に伴う医療費の増加等によりまして市町村国保の財政状況が悪化しているものと認識しております。このため、二十四年度より、震災前と比べて一人当たり医療費の増加に伴う財政負担増が三%以上となっている市町村国保に対して、その負担分の八割を国が調整交付金によりまして財政支援しているところであります。当該措置は、茨城県も含め現在も実施しているところであります。
御指摘の補助割合の拡充等は、特に岩手県、宮城県、福島県の市町村国保について医療費の増加が大きい等の状況に鑑み、時限的に実施することとしたものであり、御理解をいただきたいと思っております。
国保制度におきましては、当該措置以外にも、医療費の増加や所得水準の低下に伴い、市町村国保に対して国の調整交付金を増額して支援を行う仕組みとしております。今後とも、被災地の市町村国保の財政状況等を踏まえつつ、こうした仕組みを通じて被災地の支援をしていきたいと、このように思っております。
○藤田幸久君 ちょっと何か理由がはっきりしない感じがいたしました。その理由でもって、青森県もそうだろうと思いますけれども、この差が出るということは、理由としては成り立たないんではないかと思いますので、是非同じような形、青森も含めてですね、していただきたいと。いかがでしょうか。
○大臣政務官(赤石清美君) 国保の状況につきましては、青森、茨城に限らず、どこの小さな市町村でも皆さん悩んでいるところでありまして、現在、国保の問題に関しましては、全国知事会、それから市長会、町村会とも協議会を持ちまして御議論をいただいているところでございまして、この議論に基づいて我々としてもしっかりとして対応していきたいと、このように思っております。
○藤田幸久君 是非前向きに対応していただきたいと思います。
それで、あと一分ほどあるので、先ほどのいわゆる預貸率の関係について、復興庁の方からも何か改善点について提案があれば、是非、復興庁にとって非常に重要な話だろうと思いますので、答弁をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 委員お話しのように、被災地の産業、なりわいの再生、これを進めるためには、やはり企業の新規設備の導入や企業の立地、これを支援することが必要だと思います。
その意味では、復興庁でも、単なる元に戻すということではなくて、様々な施策を講じてまいりました。税制上の特例措置や利子補給による支援、あるいは産業立地補助金による企業の施設の整備、新規設備の導入への補助、あるいは平成二十五年度補正予算では、この産業立地補助金、これを商業施設の整備への補助を対象を拡大する、こういうことにも取り組んでまいりました。さらに、中小企業の新商品開発などの事業計画の実現をきめ細やかに支援する企業連携プロジェクト支援事業、あるいは新しい東北による先導モデル事業、様々に産業再生支援のために取り組んできております。
やはりこれが私は基本だろうと思いますので、これからも被災地の産業復興に取り組む、そしてそれが結果的に、企業への金融機関の融資も促進材料になりますが、一方で融資を確実に企業支援につなげるということにもなると思いますので、しっかり取り組んでいきたいと思います。
○藤田幸久君 ありがとうございます。が、回りくどい話ではなく、もっと具体的にやっていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
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