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9月15日の米ドル切り下げと日本株暴落の可能性2019年09月13日

「9月15日の米ドル切り下げと日本株暴落の可能性」

9月15日に米国のドル切り下げを断行する各国による協調為替介入が実施され、アメリカの対中・対日債務削減と、大幅財政出動による経済危機回避策が取られる可能性があります。日本への打撃は大きく、加えて大規模な自然災害も口実にした消費増税延期の可能性すらあります。これらは8月末の世界中央銀行総裁会議以後の世界主要紙の論調などから読み取れます。アメリカに偏る日本のメディアがこうした情報を出さないことも大きな問題です。
 この荒療治の流れは、8月21日の以下の私のブログで紹介した通りです。
「6月15日付のChina Daily紙は、『米中貿易戦争は米国を景気後退に導くために、貿易戦争早期終結の為には1980年代の日米貿易戦争を1985年のプラザ合意で終結させたように、今回も同様の方法で終結させる事が最善の終結方法だと米中双方が判断しお互いに乗り気であるはず』との中国商務省報道官やゴールドマンサックスのエコノミストの見解を報道しました。
米ドルの暴落や米国財政破綻回避の為にはプラザ合意パート2とも言える、米ドル切り下げの可能性があるという見解です。FRBによる金利引き下げどころではない、ドルの切り下げという荒療治です。
米ドル切り下げには、関係国による為替市場協調介入プラザ合意パート2が必要で、それが近々行われれば日本では円高加速と株価大幅下落が起き、そうなれば、消費税引き上げ再延期の可能性すらも出てきます。」
その後の主な流れは、以下の通りです。
(1) 8月末米国ジャクソンホールでの世界中央銀行総裁会議で、カナダ中銀総裁
も務めたマーク・カーニー英国銀行総裁(写真)は以下のように発言。
「米国はもはや世界貿易の10%、世界GDPの15%しか占めていないのにも拘わらず、世界貿易取引の50%、世界で発行される有価証券(債券株式)の70%弱を米ドル建てが占めている。もはや機能不全となった米ドル支配世界金融システムに代わる新しい世界金融システムの構築が急務、IMF主導の下、各中央銀行の連携により。」
(2)「米国はFRBの大幅利下げによる米ドル切り下げに加え、財務省が保有するESF(Exchange stabilization fund:為替安定化資金)約950憶ドル等、総額約1900憶ドルの為替市場介入利用可能資金を利用し、人民元や日本国債に集中投資する事により、米ドルの対人民元や対日本円下落幅を極大化、米国の対中国債務及び対日本債務削減幅拡大の為に。」(FT紙 8月22日他)
(3)ECB,FRB及びBOJの今後の想定シナリオ
 9月12(木)~13日(金),ECB政策理事会での大胆な金融緩和, 利下げ発表
      15日(日),米ドル切り下げに向けた各国為替市場協調介入合意
16日(月),日本祭日による金融市場休場
 17(火)~18日(水),FRB、FOMCでの大胆な金融緩和、想定外の大幅利下げ、   米国債のマイナス金利移行実現に向けて。
  18(水)~19日(木),BOJ金融政策決定会合での更なる金融緩和
  (注)9月15日は2008年リーマンショックからの11周年記念日でもある。

日本への影響
円高は米ドル切り下げにより、更なる円高1ドル80円もありうる。安倍政権は円急騰による株式市場暴落阻止の為の更なる金融緩和によるマイナス金利深化のみならず,大災害などを口実にした消費税引き上げ撤回及び大規模財政出動に踏み切る可能性もある。米国に過大な投資をしていた日本の金融機関などは、米ドル切り下げにより致命的損失を被る。切り下げ発表が15日である可能性は翌日が日本が祭日の為、米国に過大投資している金融機関などがドル切り下げによる損失拡大回避の為に迅速に動けない背景がある。ドル切り下げによる米国の対日債務の大幅棒引きとなるため、祭日前の15日にドル切り下げ発表の可能性があるのです。1985年のプラザ合意の時と同様に。
この通りに動くかどうかはわかりませんが、私はこれらを想定した対応を呼びかけています。