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参議院政府開発支援等に関する特別委員会における藤田幸久の質疑議事録2016年03月22日

活動報告

2016年03月22日

参議院政府開発支援等に関する特別委員会における藤田幸久の質疑議事録

  ○藤田幸久君 おはようございます。民主党の藤田幸久でございます。  今日は、JICAの北岡理事長、お越しをいただきましてありがとうございます。  私も、ODA予算が増えたんでございますが、今日前半はJICAの応援団として幾つか質問させていただきたいと思います。  私は今まで、スマトラ沖の津波、それからカシミールの地震、ジャワ島の地震、ハイチの地震、それぞれ現地に参りまして、特に国際緊急援助隊の活躍を視察をしてまいりました。そして、その貢献が大変大きいということを感じているわけでございます。  ただ一方で、そういう現場に参りまして、残念ながら、いわゆる最初の緊急援助隊でございますレスキュー隊による生存者の救出が長年ないんでございますね。残念ながら、結局、生きた方の救出じゃなくて御遺体の捜索活動が多いというようなことがございまして、七十二時間が勝負のレスキュー隊の現地到着が遅いというのが最大の課題で、幾つか提案をしてまいりました。そんな関係から御質問させていただきます。  まず最初に、国際捜索救助諮問グループ、INSARAGという国際認定試験があるそうでございまして、これは、日本の国際緊急援助隊は大変評価が高くて、この検定でいきますと、百三十以上による審査項目をパスしてヘビー級という最上位の評価を得ているというふうに聞いております。これは質問するつもりでございましたが、私の方でそれを確認をさせていただいた上で次の質問に移りたいと思いますが。  そんな中で、国連災害評価調整チームという、国連のUNDACというのがございますが、緊急事態に対応する援助システムがございますけれども、この関係で、JICA、緊急援助隊の方でどういうふうに対応されておられるか、まずお答えをいただきたいと思います。 ○参考人(北岡伸一君) まず、事実の整理をさせていただきたいんですが、これまで緊援隊は十九回派遣されております。一九九九年のトルコ地震及び二〇〇三年のアルジェリア地震で生存者救出に成功しております、合計二名でございますが、以降は委員御指摘のとおり生存者救出はございません。  よく言われるとおり、生存確率が急激に低下する七十二時間の壁というのが大きな問題でございます。全体として一分でも早く現地に到着して救助活動に従事したいというのが我々の基本方針でございますが、今回はどうであったかということを申し上げますと、生存者を救出したのはインドが十一名、それから中国が二名でございまして、あとはトルコ、米国、ノルウェーが各一名ということになっております。このうちインド、中国は陸続き、隣の国であります。そして、他の国は、トルコ、米国、ノルウェーのうちのトルコは日本より前に入っておりますが、ほかの国は、米国やノルウェーは実は日本とほぼ同じ時期であって、特に早く入れたわけではございません。ですから、米国やノルウェーは発見できたけれども日本は発見できなかったというのは、かなり偶然によるところが多いわけでございます。  日本の場合の、今回は成田出発までにどれぐらい時間が掛かったかと申しますと、二十六時間四十一分でございました。派遣の決定までは八時間でかなり早かった、早い決定をいただいたんですが、八時間三十九分。成田出発までは二十六時間四十一分で、これはニュージーランドやインドネシアと比べて特に遅いわけではない、むしろ早いのでありますが、到着が七十一時間四十五分でございました。  これは、飛行機が日本から直接は行けませんで、チャーター機が一旦着陸し、そこで他国のフライトに乗り換えると。ところが、多くの支援が殺到した結果、ネパールのカトマンズ空港の受入れ能力に非常に問題があって、受け入れることができない、また引き返すというようなことがありまして、七十一時間掛かってしまったというのが大きなポイントでございます。  御指摘の方の、徐々に毎回毎回その能力は高めているつもりでございまして、OCHAの検定でヘビー級というランクをもらっているというのが、そしてそれを更に更新することに成功しておるわけでございます。  その他のことも随時、さらに最近の改善点についてはまた御質問があればお答えしたいと思いますが、国際機関との接触も非常に密接にやっておると思いますが、私はINSARAG以外のことは必ずしも余り存じ上げておらないのでありますが、情報収集のために要員を派遣するということはこちらではやってございます。UNDACについては、情報収集、支援検討に資するための要員を派遣するということをやっているということでございます。 ○藤田幸久君 まさに七十二時間前にできるだけ到着をするように幾つか提案をしてまいりました。チャーター機についても、私が実はカシミール地震の後、提案を申し上げまして、チャーター機の選択、それからケース・バイ・ケースの対応というのは大分進んできたというふうに聞いております。それがカシミールの地震につながるわけでございますけれども。  それからもう一つは、調査チームの派遣というのは、これはハイチの地震のときに参ったんですが、そのとき初めて日本の大使館と大使公邸の両方が損害を受けた、したがって連絡が取れなかった、連絡が取れないので派遣が遅れたということがございましたので、連絡が取れない場合には調査チームなりを見切り発車したらどうかということを提案申し上げまして、その直後のチリのときに送られて、これは途中で引き返してくるんですけれども、多分そのような積み重ねの結果、いわゆる調査チームをまず飛ばすということが定着をしてきて、それが調査チームの派遣、それからチャーター便の選択、あるいは情報の集約ということになったんだろうと思いますが、その辺についてお答えいただければと思います。 ○参考人(北岡伸一君) 先ほど、どういう国が早く着いているか、どういうミッションが行われたかということを申し上げたわけでございますけれども、結局のところ、出発まではそんなに遅くない、それから到着までが遅かったということでございます。  これは、インド、中国、その他の多くの国は、これを移動させている、運んでいるのは軍隊でございます。そして、この地域への移動の経験も持っておるわけでございまして、それは日本にはございません。日本の自衛隊の輸送能力はそれほど高いものではございませんし、それからパイロット自身が、慣熟度、ある空港に行ったことがあるか、着陸できるかというふうなことの点からいっても、さらに、東北の震災でも分かったとおり、大規模な輸送能力を持った飛行機という点においても自衛隊は十分でございませんで、なかなかインド、中国、それからアメリカといったような国並みになるのは難しいかなというふうに考えておりまして、日本の一番の弱点は輸送能力にあると思います。  さらに、これは、自衛隊の能力の方が簡単に向上しない、あるいはこの問題がなかなか乗り越えられないとすれば、他の国とのチャーターの可能性を更に広げていくということであろうかと思います。この方面は、それなりに努力をしているつもりでございます。  ただ、日本の特色は、かなり大きな飛行機が必要らしいのでございます。それは最近、治療や何かの機材を特に大量に持っていくというわけで相当大きな飛行機が必要だと。人間の数は百人未満でございますけれども、基本的には三百人ぐらい乗れるような飛行機でないと実際に役に立たないらしいのでございまして、この辺がネックでございますが、引き続き、更に他国の飛行機のチャーター等の可能性を含めて努力を続けているところでございます。 ○藤田幸久君 現場の隊員の皆さん方は、早くさえ着けば我々は機材も技術もあるんだと燃えていらっしゃいますので、是非更に改善をしていただきたいと思います。  それからもう一つは、麻酔薬の件でございます。  これは、二〇一〇年に私ハイチに行ったときびっくりしたんですが、緊急援助隊というのは外科なんですけど、麻酔薬を持ってきていなかったと、たまたま隣にいた国境なき医師団の麻酔薬を使って活動を始めたということでございました。それから、私の方で提案申し上げまして、一年がかりでやっと、ケタミンですか、いわゆる麻薬の成分が入っているので経産省が禁止をしていたけれども、こういう緊急人道援助の場合には持ち出せるようになったというふうに聞いておりますけれども、そういった点の改善はいかがでしょうか。 ○参考人(北岡伸一君) 確かに、委員御指摘のとおり、ハイチ地震以前には、麻薬指定されていない携行可能な範囲の薬品を持参する、あるいは現地で調達をするなどの対応を取っておりました。十分では必ずしもなかったのではないかと思われます。  二〇一〇年度中より、東京都より医薬品販売業許可証とか、厚生労働省より麻薬輸出業者免許証を取得して、麻薬及び向精神薬に指定される薬、ケタミン、世界保健機関による必須医薬品の保持、携行が可能となっております。国際緊急援助隊医療チームがこの麻薬、麻酔薬を携行した最初の例は、一三年、フィリピンの台風被害への対応時でございました。 ○藤田幸久君 ありがとうございます。  引き続き、是非改善を積み重ねていただきたいと思います。  それでは、JICAのいわゆる支援量の拡大と迅速化ということについて質問させていただきたいと思います。理事長、丁寧にお答えいただくので、ちょっとはしょって三つぐらいに絞ってやります。  まず、資料の一ページ目に海外投融資業務の流れというのをお配りしておりますけれども、要するに、今までと違って一か月以内に二次審査まで行くというふうに迅速化を図ったということでございますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。 ○参考人(北岡伸一君) このバックグラウンドに一言触れさせていただきますと、現在、世界の援助の潮流で大きいのは新しいドナーの登場であります。また、世界的に金利が低い、その中で新しいドナーがいろいろ出てくる、その中で日本がこれまでどおりにやっていくとどうしても立ち遅れることがあるということで、どうも時間が掛かるということが指摘される批判の中に多かったわけでございます。  これを政府の御指示で急速に迅速化するということに取り組んでいるという、これが、改善点はたくさんございまして、質の高いインフラパートナーシップというのは安倍総理が昨年五月に発表されましたけれども、それを踏まえて十二項目の改善というのを打ち出しまして、そのうちの最も重要なのはこの迅速化の促進というふうに考えております。 ○藤田幸久君 二枚目の資料でございますけれども、これはプレ・プレッジということを事前にすることによって早めるということでございますけれども、このプレ・プレッジの発出等による改善点についてお答えをいただきたいと思います。 ○参考人(北岡伸一君) プレ・プレッジは、政府の要職にある方が、案件が持ち出されたときに、前向きに検討するよりもう少し前向きの、そのときは条件とか金額とか年数とかそこまではまだいっておりませんが、ある案件についてこれは是非進めようという、そういうことをおっしゃるのが、その政府レベルの返答がプレ・プレッジというふうに理解しております。 ○藤田幸久君 それから、三枚目の資料をお配りしておりますけれども、外貨返済型円借款の中進国への導入ということでございますけれども、これについてお答えをいただきたいと思います。 ○参考人(北岡伸一君) 外貨返済型円借款の持っておるメリットは、御案内のとおり、向こう側が為替リスクを早めに回避できるということでございます。  円で貸すわけでございますけれども、それを外貨で返すということを決めるわけでございますが、その多くは米ドルということになりますが、米ドル返済を選択することによって米ドル建ての債務額を確定することができるという、そういうメリットがあって、これを中進国にも適用していこうということでございます。 ○藤田幸久君 ありがとうございます。  この十二項目で立て付けは非常にいいんだろうと思いますけれども、あとは魂をしっかり入れていただいて、制度を変えたときに、確かにこれ良さそうなんですけれども、実行していく段階で何か魂が入らないと、あるいは逆にシステムが複雑過ぎて実行ができないというようなことがないように、せっかく予算も増えているわけでございますので、是非積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。  それから次に、これは北岡理事長、ある意味では個人的な質問になるかと思いますけれども、資料の四枚目を御覧いただきたいと思います。  これは先々週、外交防衛委員会で配らせていただいて、岸田外務大臣に質問して使った資料ですが、実は昨年の戦後七十年談話の後に外務省のホームページが消えまして、その消えるまでのが左側で、それから安保法案が強行採決された日に復活したのが右側でございます。  左側を読んでおりますと、我が国はかつて植民地支配と侵略によって云々云々、多大の損害と苦痛を与えました等々、あるいは下の方では、深い反省に立って、とりわけ中国や韓国を始めとするアジア諸国との未来志向の協力関係を構築していく考えですというふうになっているんですが、七十年談話の右側を見てみますと、村山談話あるいは小泉談話が出されていますと、昨年の八月十四日、戦後七十年の節目に内閣総理大臣談話と書いてあります。その二つ下を見ていただきましても、やはり村山談話、小泉談話、その後は内閣総理大臣談話。安倍談話とは書いていないんです。  その七十年談話というのは、実は主語がございません、ほとんど。その主語がないことがこの外務省のホームページを見てもかなり明らかなんですけれども、そんな中で北岡理事長は、昨年の安倍総理の私的な有識者懇談会の座長代理としてこういうふうにおっしゃっています。日本は確かに侵略した、こういうことを繰り返してはいけないと一人称でできれば安倍総理に言ってほしかったとおっしゃっておりますけれども、今の資料を見ても、一人称がないということを含めて、北岡理事長、どういうふうにお考えか、お答えをいただければ幸いです。 ○参考人(北岡伸一君) この問題は長年取り組んでおりましたので私なりの意見がございますけれども、この参議院ODA特委で議論することにはあるいはなじまないのではないかと考えますので、委員長の特別の御指示がない限り、お答えは控えさせていただきたいと思います。 ○藤田幸久君 委員長の御指示というのは、ちょっと時間の問題で。  ただ、私、JICAのいろいろな資料を読んでおりますと、普遍的価値の共有、開発途上国における女性の活躍と歴史認識の共有というようなことが書いてございまして、私はそういう観点からも、この歴史認識、それからいろいろな国々との関係の信頼醸成ということが非常に重要だろうと思っておりますので、そういう点も踏まえて、多分ここではお答えがしづらいんだろうと思いますけれども、是非そういう観点からも、こういう観点に注意していただきたいということを申し上げて、時間の関係で次の質問に移りたいと思います。  これから主に外務大臣に対する質問でございます。  外務大臣、今日とあしたと京都において、シビルG7ダイアローグ、G7市民社会対話というのが開催されておりますけれども、御存じでしょうか。 ○国務大臣(岸田文雄君) これは市民社会側の企画で本日からシビルG7対話、こうしたものが開催されるということを承知しております。市民社会の皆様方の御意見を聞かせていただく貴重な機会であると認識をしております。 ○藤田幸久君 その会議に、このG7サミットの先導役といいますか、かじ取り役のシェルパであるところの長嶺外務審議官、御出席のことは御存じでしょうか。 ○国務大臣(岸田文雄君) 本日二十二日夕方、特別セッションにおいて、G7のシェルパであります長嶺外務審議官、対話セッションに参加する、こうした予定になっているという報告を受けております。 ○藤田幸久君 今回、二〇一六年G7サミット市民社会プラットフォーム、これは全国組織、それから今回三重県がサミットの主会場ということでございますので、東海三県のNGO、NPOによる東海「市民サミット」ネットワークというものが結成され、その結果、その皆さんに、シェルパである長嶺外務審議官が出席をされるということでございますので、やはり先ほどの大臣の冒頭の趣旨説明でも、中小企業、NGOなどと連携しつつ、幅広い理解と支持を得ながらとありますので、このサミットを前に、こういった方々の意見を反映させる政府内の統合調整を行う枠組みをつくって、そういう仕組みをつくって対応すべきだろうと思いますが、いかがでしょうか。 ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のシビルG7対話、あるいは東海「市民サミット」ネットワーク、あるいは二〇一六年G7サミット市民社会プラットフォーム、こうした様々な形で市民社会側の皆様方もこのG7伊勢志摩サミットに向けて様々な準備や取組を進めておられるということ、承知しておりますし、こうした取組は大変重要なことであると考えます。政府としましても、NGO・外務省定期協議会等の様々な機会を活用してこうした関係者の皆様方の御意見を承ってまいりました。  今委員の方から、政府としてしっかりした組織をつくるべきではないかという御指摘をいただきました。具体的にどういった組織が適切なのか考えてみる必要があるとは思いますが、いずれにしましても、こうした市民社会側の皆様方、NPOの皆様方の考え方、意見を政府としてしっかり酌み取ることが、そしてそれを反映させることが大事だと思います。委員の御指摘も踏まえまして、どういったことができるのか、しっかりと検討をしながら伊勢志摩サミットの準備、進めていきたいと考えます。 ○藤田幸久君 同じ関係で、いわゆる持続可能な開発目標、SDGs、これは先進国も、途上国ばかりではなくて、実施に取り組むユニバーサルな開発課題であるということになっておりまして、日本においてもSDGsの取組に関して、これは国内関係の政策に関わる関係各省庁とも連携をして対応していただく必要があるわけですが、外務省は頑張っているんですけれども、ほかの省庁に対する働きかけとほかの省庁も含めた全政府的な取組、受皿がまだできていないようですが、それがなければ、今おっしゃっていただいたような意見を反映させる、全政府的にですね、ならないと思うんですけれども、その部分がまだというふうに聞いておりますが、早急に、急ぐわけでございますので、外務大臣サミットも四月十日、十一日ですか、広島でございますので、早急に立ち上げていただく必要があると思うんですが、いかがでしょうか。 ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の持続可能な開発目標、SDGsですが、この実現のためには、政府だけではなくしてあらゆるステークホルダーが役割を果たす、こうした新しいグローバルなパートナーシップが不可欠であるということが指摘をされています。  そういったことから外務省では、このSDGsが採択される前から説明会や協議を通じて関係省庁一体となって取り組む、これは当然ですが、併せてNGO等との定期的な意見交換等を行ってまいりました。こういった形で幅広いステークホルダーの声を吸い上げようと連携をしてきたわけですが、委員御指摘のように政府全体としてまだ不十分ではないかという御指摘、これは重要な御指摘だと思います。  現在、内閣官房を中心に関係省庁で今体制につきまして検討を行っています。是非検討を急がせたいと考えます。 ○藤田幸久君 急がせていただくということ、大変力強い答弁、ありがとうございます。  整理しますと、最初に申し上げましたこのG7サミット市民社会プラットフォーム、あるいは東海「市民サミット」というのはどちらかというと外務省中心の案件が多いと思いますので、これはまず一旦外務省として立ち上げていただく。今までの定期協議だけではなくて、これのための仕組みが必要だろうと思いますので、これは外務省。今お答えいただきましたSDGsの方は、これは国内各省庁が関わるわけですから、これは内閣府を中心にということを、これ、日本がやる今回のサミットで、かついわゆる総理級以外の各サミットもあるわけですから、これもやっぱり時間掛かるので、今までの定期協議に加えて政府としての仕組みをつくっていただくことが大きな課題だろうと思いますので、今スピード、急ぐという話でございましたので、是非お願いをしたいというふうに思います。  そこで、ちょっと時間の関係で資料の五枚目から、これは各委員の皆さんに御覧をいただきたいと思います。  これは委員の方々に特に御提案でございますが、これは平成二十年の五月に本参議院のODA特別委員会で決議をされた決議の文書でございます。  このときには、G8北海道洞爺湖サミット及び第四回アフリカ開発会議(TICADⅣ)に向けた日本の国際援助の在り方等に関する決議ということでございますけれども、今年もこの平成二十年と大変似通っておりまして、G7伊勢志摩サミット及び八月にケニアで開かれる第六回アフリカ開発会議、TICAD、それから昨年国連総会で採択された持続可能な開発目標、SDGs、今申し上げた、実現ということが、課題がありますので、これは是非、名委員長の下で同じような決議を、これは参議院しかないODA委員会で、しかも、その平成二十年の資料を調べておりますと、福田総理が出席をされ、在日アフリカ大使が二人ぐらい、それから国際機関、UNHCRの代表者の方々等も参加をされ、質疑をされた上で決議を出しているということでございますので、是非、名委員長の下でまた本委員会での決議に向けて取り組んでいただくように御提案を申し上げたいと思います。 ○委員長(赤石清美君) この件につきましては、後刻理事会にて協議いたします。 ○藤田幸久君 そこで、外務大臣、こういう形で決議の、今後理事会協議あるいはこの委員会でも検討されていくわけですが、そういうことも含めて、せっかくサミットを日本でされるわけですから、こういう院の動きとも絡めて政府内に特にSDGsに関する仕組みをつくっていただくことが、これは外務省まではかなりいっているんですけど、その先、やっぱり国内の対応という、こういう意味からも重要だろうと思いますけれども、こういう平成二十年には決議があったと、それで進んだという経緯も踏まえて取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども冒頭の報告の中で、今年一年は日本の外交にとりまして大変重要な一年であるということを申し上げさせていただきましたが、そのハイライトがまさにG7伊勢志摩サミットだと考えます。  その準備に当たりましては、政府としまして万全を期さなければなりません。その際に、国会において御議論いただき、御指導いただくということ、これは大変重要なことだと思いますし、是非こうした国会における様々な考え方、御指示、御指導をしっかり反映するべく、我が国としてしっかりと対応していかなければならないと存じます。  御指摘の決議等がございましたならば、その決議の内容をしっかり実現するため、政府として全力で取り組んでいくということ、これは当然のことであると考えます。 ○藤田幸久君 そこで、北岡理事長、突然でございますけれども、今お聞きになっておられまして、積極的平和主義をより効果的に世界にもアピールするためには、軍事的な面もそうですけれども、今回のような動きというものが非常に重要ではないかと。先ほど来お話が出ておりますSDGsの取組等も含めまして、かなりJICAが実はいろんな現場で中使いとなって、仲介となって御活躍をいただける要素がかなりあると思いますけれども、北岡理事長の立場から、こういう動き、NGO等の動きと政府等の動き、それから国内省庁も含めて動かすと、それからその仕組みの在り方について何か知見があればお答えをいただきたいと思います。 ○参考人(北岡伸一君) ありがとうございます。  JICAは全体としてNGOとの関係を大変重視しているつもりでございまして、定期的にNGO・JICA協議会というのを設置して議論をしております。最近も今月、そこにおいてSDGについての議論をしております。NGOが徐々に盛んになってきたのは大変結構なことだと思っております。実は私自身、アフリカ貧困削減支援のNGOを主宰しておりまして、JICAの仕事とのコンフリクトがあるということで九月末で辞めましたけれども、若干の知見は持っておるつもりでございます。  国際NGO、日本のNGOを含めて是非活動を、協力を強化していきたいということのみならず、委員御指摘のとおり、各方面の協力が必要でございます。私も、昨日だったですか、日経新聞に掲載されました論文で強調しておりますけれども、SDGsは前のMDGsに比べて更にパートナーとの協力というのを強調しております。  その中には、もうNGOは最たるものでございますが、それ以外に大学ですとか企業ですとか地方自治体、これはとても重要でございまして、JICAは近年、地方における活動を強化して地方自治体との関係を強化すると。その中で、地方の中小企業の能力を是非生かしていきたいという点で様々な働きかけをしております。これは我々が最近大きくエネルギーを割いているものでございまして、あらゆる意味でいろんなパートナーシップを強化してSDGsに取り組んでいきたいと考えております。 ○藤田幸久君 若干一、二分ございますので、あと北岡理事長の方から、現場で、JICAの方で活動していく際に、今回迅速化等が大分増えたわけでございますけれども、さらにJICAの方で活動するに当たって予算、政策的に御要望等があれば、まだ一、二分ございますので、どうぞおっしゃっていただきたいと思います。 ○参考人(北岡伸一君) ありがとうございます。  私、十月着任以来、日本のODA予算の低下傾向に何とか歯止めを掛けなくてはいけないと思いましていろんなところにお願いに参りまして、大臣にもお願いに行き、総理にも直訴しましたし、大臣からまた言っていただきまして、何とか若干の増加にこぎ着けたわけでございます。  せっかくの予算をいただいたわけですから、これを是非生かして、特に日本が発信できる絶好の機会が今年の伊勢志摩サミット、そしてケニアにおけるTICADでございます。ここで大きな成果を上げて、そして日本はこのSDGsを作っていく、実現していく上で大きな役割を果たすことができると。  そもそも私どもの認識では、SDGsのコアにある概念は人間の安全保障、我々が提唱してきましたこのコンセプトと非常に近いものがある、日本は当然これをリードする立場にあると。その実態を伊勢志摩サミットそしてTICADで示して、日本はなかなかやるなというところを世界に見せて、さらに来年以降ODA予算を増やしていただくという方向につなげていければ有り難いなというふうに考えております。 ○藤田幸久君 NGOから以上に、北岡理事長から岸田外務大臣にそのSDGsの意義についておっしゃっていただくことが、スピードを速める上で一番効果があると今伺いました。  それから、この平成二十年の決議のときには、当時の緒方JICAの理事長もその質疑に福田総理とともに出席をされましたということを申し上げまして、是非この決議の方も更に委員長を始め御検討いただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。